鉄血のオルフェンズ 悪魔と堕天使   作:魔女っ子アルト姫

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夜明け前の戦い



第24話

「い~やぁ~お互いに大変なのに巻き込まれちゃったわねハッシュ君」

「そうっすね……まさか飯一つで2時間も説教染みた話をされるなんて思いもしなかったですよ……」

「2年前まで本部で私以外の大人ってまともなのデクさんしか居なかったからねぇ……それで漸くご飯もまともになってきてそれからかしらね、こんな平和な事で喧嘩までするようになったのは」

 

結局ケバブ論争は互いに味が素晴らしいのだから攻めあう事自体が意味を成さないという結論に至った結果収束へと向かった。その間何度もソースの違うケバブを食べる羽目になったエクセレンとハッシュはお腹がパンパンになったのを少しでも軽くするために本部の周囲を散歩がてら歩きながら話をしていた。

 

「それで私に話って?」

「ええ、俺もMSに乗りたいんです。早く乗せてもらう事は出来ませんか」

「あ~そういう系ね。うーん獅電の空きには余裕もあるし一応可能ではあるんだけど問題なのはハッシュ君の操縦適正がどの位高いのかって事なのよね、だから近々やる訓練でそれを判別して皆には進む道を決めて貰おうと思ってるんだけど」

 

新入団員の錬度も日に日に増してきている鉄華団、それゆえにこれからすべきなのはそんな団員達の進むべき道である。整備班や経営班、管制班、そして実働班などに分ける必要が出てくる訳だが一部の団員を除けばまだまだ適正は出ていない。

 

「俺がMS使えるって分かった場合どの隊に入るんですか?」

「そうね~……多分2番隊かしら、ああでも成績が良いなら遊撃班に入ってもらうって選択肢もありね」

「遊撃班?」

 

鉄華団には実働隊としてシノ率いる一番隊(流星隊)、昭弘率いる二番隊、実質三番隊とも言える遊撃班が存在している。遊撃班は高い実力を持ちながら高い活動範囲を行えるメンバーとMSを配備する予定であり今の所その班員は遊撃隊長である三日月と教官であるエクセレンのみである。

 

「遊撃班……なら今度の訓練で俺が良い成績ならそこに入るんですか?」

「まあそれもありってだけよ?強制はしないしいやだったら他の所に異動する許可だって出すし」

「いえ。俺は意地でも遊撃班に入らせていただきます」

 

強気に言葉を口にしながらもやや軽くなってきた腹を持ち上げながらハッシュは頭を下げて宿舎へと向かっていく。やる気があるのは結構と思いつつも遊撃班の事をもっと確りと話せば良かったとやや後悔するエクセレン。遊撃班はエース級の人間が入り相手に対して大きな打撃や全体の補助など役割も多い上に重い、そして何より危険性が高い。それを分かってくれてるなら良いのだが……。

 

「はぁ……なんだか海賊退治の前に厄介な事になって来たわね」

 

 

鉄華団へと襲撃を行ってきた夜明けの地平線団という海賊。地球火星間で派手に暴れている海賊であり構成員3000人、10隻にも及ぶ艦とそれに比例するような数のMSを所有する海賊。そんな奴らに目を付けられ襲撃された鉄華団。だが無視する事も出来ず如何するべきかとビスケットとオルガは話し合いを続けていた所、地球のギャラルホルンから直接の依頼が舞い込んできた。それは夜明けの地平線団の討伐という物だった。

 

流石のビスケットも驚いたがギャラルホルンからしても夜明けの地平線団というのはかなり厄介な存在であり早く処理出来るとしたら助かるという話らしい。その話を持ってきたモンターク、いやマクギリス・ファリドの依頼をオルガは受ける事を迷ったが鉄華団が既に狙われているという事実とギャラルホルンからも戦力を出して貰えるという事を総合しビスケットと共に審議を繰り返した結果海賊討伐の依頼を受ける事に決定した。

 

「ギャラルホルンと共闘か……なんだか変な気分ね」

「そういうなよ姉さん、俺達としても戦力を増やした状態でぶつかれる。俺達だけで戦うよりずっと勝算もある」

「まあそうだけどね」

 

既に宇宙へと上がった鉄華団はイサリビと新しく鉄華団の船となったホタルビと共に今まで避けてきた筈のギャラルホルンが宇宙航行に使用する灯台とも言えるアリアドネを堂々と使いながら此方に向かってきているギャラルホルンの艦艇との合流地点へと向かっていた。本来はもう一隻艦艇を所有している鉄華団だがそれは完全な輸送船で戦闘が目的である今回は除外される事となった。

 

「それにしても予定だと5隻って話でしょ?なのに3隻って……」

「どうやら向こうにも事情があったらしい、アリアンロッドとのいざこざがあって2隻が遅れるらしい。それでも最初の予定だと1隻が先行する予定だったらしいが向こうが努力してくださった結果らしい」

「努力、ね……」

 

簡単な言葉の裏にある地球の策謀と渦に思わず毒づくように溜息を吐いた。出来る事ならばギャラルホルンとなんて手を組みたくはなかった、2年前は普通に銃を向けていた相手だし此方も向こうも互いに向ける感情は決して良い物ではない。今回の共闘とて皆は渋々納得しているに近い、出来るだけ借りは作らないように戦った方がいいのかもしれない。

 

「さてとそろそろヴァイスちゃんの所にでも行きますかね……」

「頼んますぜ、遊撃班さんよ」

「二人しか居ないのに遊撃班って可笑しくないかしら?」

「良く言うぜ一人で最低中隊分の戦力になるくせによ」

 

軽口を飛ばしあいつつブリッジから格納ドックへと向かって行く。そして展望ブロックを通る際に見えたギャラルホルンの船、ハーフビーク級戦艦が3隻。ある意味自分が行った予想通りの結果とも言える、そんな事を振り切り格納ブロックの愛機のコクピットへと入っていく。

 

エクセレンが居なくなってから僅か数分後、新たなエイハブウェーブの反応を各艦が捉えた。それに一番機敏に反応したギャラルホルン、流石建前上世界を守る組織。だがギャラルホルンへ鉄華団は素早く連絡を入れそれは援軍だと知らせる。その船はタービンズのハンマーヘッドにやや似ている強襲装甲艦、そしてその船からホタルビのオルガに対して連絡が入った。

 

『遅くなって申し訳ない、途中海賊に遭遇し始末に手間取った』

「こっちとしては作戦開始前に合流して貰ったんだから無問題だ、鉄華団団長オルガ・イツカとして今回の援軍感謝しますぜ」

『礼など必要ない、俺としても鉄華団には世話になっているからな』

 

モニターに映りこんでいる男は静かに此方を見つめながらも強い意志を投げ掛けている、今回の為というよりもこれからの為に姉が手配した戦力なのだから頼りにさせてもらおう。

 

「頼りにさせてもらうぜ。アサルトウルフ代表、キョウスケ・ナンブさんよ」

『期待に応えられるように努力をしよう』




オルガ「次回、鉄血のオルフェンズ 悪魔と堕天使 2nd Season

新たな引き金


そういえば気にした事なかったが姉さんって幾つなんだ?

確か昔聞いた時は二十歳だって言ったよな……。

今度聞きなおすか、書類に必要だから教えてくれって」

次回戦闘からスタート
そして遂に登場我らがウルフ。がっかりになるかやったぜになるかは神のみぞ知る。
私?私は知らんよ(オイ)。
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