大人になったからです。異論は認める。
追記:ホント追記ばっかりしてるなあ(笑)設定をよく知らずにやるからこうなるんですね。皆さんもお気をつけください。
本題です。
朱里…携帯持ってるやん…クリスマス邪魔されてるやん…
ナマーズからホークスに移った俺は、いくら一軍選手だったとはいえ二軍スタートを冬季キャンプで告げられた。
二軍では制限されることも多く、また遠出をすることも無いため、朱里に会えない事が続いた。
一ヶ月後。二軍監督から「一軍に張り合えるか確かめる」と言われ、あともう一歩という所まで行ったのだが急に打撃不振となりチャンスを掴むことは無かった。
四ヶ月後。遂にチャンスを掴み一軍へと上がった。のは良いのだが、既に交流戦は終了しており、関東地方を本拠地とする球団とのビジター試合が中々なく、結局再開するのは半年後となってしまった。
(たしか、ツナミグループと言ってたよな。朱里は覚えてるんだろうか…)
不安を胸に抱きつつ、彼女が働いているのであろう東京支部へと足を運んだ。
入口に立った時、直ぐに彼女は見つかった。
彼女は受付をしていた。きっと、正社員になったのだ。となると、彼女は色々な勉強をしたのだろうか。もしそうならば、俺の事なんて覚えているはずがない。
不安をますます募らせて入ると、彼女はなんの反応も示さなかった。ただ、いわゆるマニュアル通りの丁寧な対応をしていた。
「本日はお越しいただきありがとうございます。今日はどんなご要件で?」
ここまで来たというのに、やはり何の反応も示さない。
「あ……ええ、と。君に用があるんだけど」
「はあ。私の休憩時間まではまだ時間があるので、あちらに座ってお待ちください」
「あ、はい。分かりました」
無限とも思える時間を過ごし、ようやく彼女は出てきた。あの日、出会った時と同じ服を来ていた。
彼女はスタスタと歩いて行く。「待ってくれ」と言っても聞かない。
仕方なく付いていき、どこまで行くんだろうと思ったその時だった。
「……ここまで来れば平気かしら。…あのねぇ、あんた馬鹿?!!何よその恰好!!ユニフォームが私服のヤバいやつと知り合いとか思われるじゃない!」
この豹変っぷりである。
「あー、それはその、悪かったよ」
「悪いで済む話じゃないわよ!……で、今日は一緒に服を買いに行くのよね?」
「ああ、うん。よく覚えてたな」
「そりゃあんなインパクトのある出会いをして忘れる方が不思議よ」
「まあ、それもそうか。そろそろお昼時だから、どこかでエネルギーチャージと行かないか?あ、そうそう。先に言っとくけど俺が出すから」
「まあ、どこでも良いわよ。そっちが決めてちょうだい」
とは言っても良く知らないんだけどな。この周辺。
何処に向かっているのかは俺も分からない…という事を悟られぬように目的があるように歩くが、遂に限界が来た。
「ねぇ、どこ向かってるのよ」
「ま、まあ待てよ。腹を空かせて食った方が美味しいから」
「まあ良いけど…」
そうして再び歩いて2分ほど。前に空いているラーメン店があった。
「お、空いてるな」
いつも通っているような雰囲気を醸し出してみたが、彼女の観察力は舐めてはいけないようだ。
「ねぇ、ここさっき通ったじゃない。しかもさっきから空いてるし」
もう誤魔化せないみたいだ。
「…………ごめん」
「何が?」
「いやあ、東京に来たのが久しぶりでさ、しかも来てすぐに君に会いに来たから全く分からないんだよこの辺」
「だから何?無駄に歩かせといて笑って誤魔化せと?」
「すいません……」
「………くも、ない」
「…え?」
「私に真っ先に会いに来てくれたって言うなら、許してやらなくもない…って言ったのよ」
「あ、ありがとう」
「さて、入りましょ」
昼時とは思えないくらいに空いていたのに、中々な美味さだった。
「じゃあ、行こうか」
「そうね…ってあんたに任せられるかっ」
「ははは…。でも、そっちこそ行きつけの店でもあるのか?」
「それこそあんたに言われなくないわ。約半年ぶりの再開にユニフォームで来るような男にね」
「……立ち絵がそれしかないからな」
「…え?」
「何でもない。案内してくれ。俺にはさっぱり分からん」
「そっちか誘っておきながら…?まあ良いけど。あそこでいい?」
彼女が指差す先は大手ファッションチェーン店だった。
「なあ、朱里はスカートを履かないのか?」
「そりゃ履くけど…あまり好きじゃないわ」
「それはどうして?」
「スカートを履くと、露出が増えるでしょ?そうすると男どもがやって来るから嫌なのよ。男自体嫌いだし」
「え……」
「あ、いや、取り敢えずあなたは嫌いじゃないわよ。そうじゃなきゃ約束も一緒に買い物もしないわ」
「あ、そうだよな。でもそうなると男が嫌いな理由まで聞きたいんだが」
「お母さんが不倫したのよ。その時私はもう小さくなかったけど、でもやっぱり敏感な時だったから。人のお母さんに手を出すなんて!って思ってたら、いつの間にか避けるようになってたわ」
「……ごめんな」
「んーん。むしろこうやって嫌な事を言えるってのは良い事だと思うけど」
「そうか。それで…スカートが嫌いな理由を聞いたところですまないんだが、俺にスカート姿を見せてくれないだろうか」
「はあ?!」
「お願いします!」
「いや、ちょっといきなり…ああもう!こんな所で土下座なんてしないでよ!分かった!分かったから!」
黒を基調とした、白と赤のラインが入ったチェック柄のスカートを持って彼女は試着室に入った。
5分くらい経った後、やっと顔を出した彼女は試着室のカーテンで体を隠しながら「ねえ、そんなに見たい?」と聞いてきた。
人間、そんな風に聞かれると見たくなると言うか。もう何がなんでも見たいというか。だから俺は迷わず「見たい」と言った。
それから再び数分してから現れた彼女に、俺は思わず見蕩れた。
ごくごく普通の、特別可愛いというわけでは無いはずなのだが、いつもはあまり見せないのか少しぎこちない不安げな表情に、見蕩れてしまった。
彼女は固まった俺を「ほら、さっさと歩く!」と叱りつけると、次はパーカー等のラフな服を買っていった。俺の「こっちが誘ったんだし」と朱里の「私の服だから」という争いがあったのは言うまでもない。結局は俺が押し切った。
終わりかと思っていたその時。
「次はあなたの服ね」
「……え?」
「当たり前でしょ。ユニフォームだけなんて信じられないわ」
「いやいや、俺らはお前の服を買いに来たわけで…」
「うるさい。問答無用よ」
「…はい」
どんな服が似合うのかを異性に考えられるのはとても恥ずかしいものはあった。が、特に波乱があったわけでもなく動きやすい服を買って外に出ることにした。
しかし、蒸し暑い。6月中旬だから、雨が降ってないだけマシだが。
「なあ朱里、暑いからどこかで涼まないか?俺が出すからさ」
「嫌よ。…ここまで出されちゃヒモみたいじゃない」
「別にいいだろ、昔からそういうものなんだから。…そういえば、女性の場合は『ヒモ』で良いのかな?大体男に使われる気がするけど」
「知らないわよ。……ここなんてどう?」
「ああ、良いんじゃないか?」
店内に入り、席へと案内されると目に留まったのは一つのメニュー。メニュー名は「カップル限定!特製Wメロンソーダ」だ。
「なあ、朱里。お前もしかしてこれやりたかったんじゃ「断じてないわ」やっぱり早い!」
「でも見てみなさい。メロンソーダ2杯分よりもこっちの方が安いわ。名前からして二杯分の量があると思われるのに」
「それはそうだな」
「ねえ、あなたはさっぱりした甘い物の気分?それともどしっとした甘味の気分?」
「蒸し暑いからな…さっぱりしたのが良いな」
「私もそうなのよ」
「……つまり?」
「やってみない?」
「スキャンダルに載るぞ」
「私そういうのに疎いから」
(そういう問題じゃないんだけどな…)「まあ、やりたいならいいよ。頼むか」
「そうね。すみませーん」
そうして出て来たソイツは存在感が半端じゃなかった。ご丁寧にストローは2本繋がっていて、ハート型を作り出している。
「…俺帰るわ」
「待ちなさい!こんなの一人で飲んでたら只の変人じゃない!!」
「二人で飲んでても凄まじいわこんなもん!そもそも飲みたいって言ったのはそっちだろ!」
「それなら誘ったのはどっちよ!私に選択権を与えたのは誰なのよ!」
「……早くしないと無くなるぞ」
「しっかり答えなさ…早っ!飲むの早っ!」
そう言って朱里はテーブルに身を乗り出す。
飲んだ後の満足気な吐息、艶やかな桜色の唇、髪の毛のいい匂い。全てが俺の本能を刺激する。
「…どうしたの?無くなるわよ」
本能に乗っ取られぬよう冷静に考えようと試みると、何かを忘れている事に気がついた。……何だっけか。
(…あれ、今日試合やったっけ?……あ)
「あーーっ!!忘れてたーーっ!!」
「うわっ!何よ!」
「やばい!試合だ!遅れる!ごめんまた会おうな朱里!」
「ちょっと待って!……少しだけ、待ってくれない?」
「多分、5分くらいなら平気だけど……ギリギリ」
「買ったのよ、ケータイ。連絡先、交換しましょ」
「あ、うん」
「……よし、完了。それじゃあ、行ってらっしゃい」
「おう!行ってくる!」
「……はあ、これどうしようかしら………ん?あいつ、買った服忘れてってるじゃない。そそっかしいわね」
その日の主人公の成績は代打出場、一打席一HR二打点だった。
今回、文字数が多くなっていますがどうでしょうか。多すぎる場合は言ってください。少ないという要望には善処するようにします。多分無理です
それと、一軍になるまでをバッサリ削ったのですが、見たい人がいれば書こうと思います。
追記:感想、何でもいいんですよ?いつでもお待ちしております。どしどしください。あと、次回の構想が全く無いので、時間が凄いかかるかも…