野球しろよ
「………」
「どうしたの?」
「さっき、どんな顔で会えばいいなんて言ってたけど、いつも通りの表情だったからさ」
「ああ、多分メガネのせいじゃない?ほら、メガネと前髪をどけると…結構変わるでしょ?」
「へー、確かに」
「度は入ってないんだけどね」
「…じゃあなんで付けてるんだ?」
「……友達に似合うからって言われて…?いや、違う…」
「もしかして、そこも偽物なのか?」
「…そうかも」
今、朱里は何を考えているのだろう。やはり、不安なのだろうか?または、これからの計画でも練っているのだろうか。
しかし、一つ言わなければいけないことがある。
「朱里」
「何?」
「あと二ヶ月…いや、三ヶ月。大人しくしていてくれないか」
「嫌。………って言いたいんだけどね。出来ることが殆ど無いし、良いわよ」
「…ありがとう」
「礼を言われる程の事でも無いわ」
「……この雰囲気の中申し訳ないんだけど」
「?」
「終電逃したから泊めてください」
「……お風呂は貸す。布団もあるから良いんだけど…あんたが期待するような展開は断じてないから」
「ありがとう!助かる!」
勿論その夜は何かがあった訳でもなく、朱里を起こさぬように出ていき、そのまま試合に向かった。
昨日は移動日だったからあまり怒られずに済んだが、今後は気を付けるよう監督に言われた。
それからも時は過ぎていき……ホークスは優勝を果たした。正直あまり役に立っていないため微妙な所ではあるが。
クライマックスシリーズ。ライオンズを5戦目で下し、日本シリーズへと進出した。
日本シリーズ。巨人との戦いはもつれにもつれ、最終戦で先制ホームランを浴びたホークスは悪い流れを断ち切ることが出来ず、負けてしまった。
来年こそは日本一を目指そうと気持ちを入れ直し、秋季キャンプでは主にミート力を鍛え…ついにオフシーズンへと突入した。
その後も優勝旅行があったわけだが、旅行が終わってすぐ朱里に会いに行った。
「お邪魔しまーす」
「私一人だからあまり邪魔じゃないけどね。いらっしゃい」
「相変わらずキツいな。お土産買ってきたぞ」
「え?ホント?…ありがと。わ、美味しそう!」
幼さの残るはしゃぎ方は正直見ていて微笑ましかった。
「あ、そうだ。もう夕飯食べた?食べてないなら用意するけど」
「いや、悪いよそんなの」
「大丈夫大丈夫。まだ私食べてないから」
「あ、そうなのか?じゃあお言葉に甘えて」
(食べ終わってから…)
「ふう、食った食った。ミートソースのスパゲッティは久々だけど、美味かった」
「そう?良かった。…それで、話があるんだけど」
「…大人しくしてたか?」
「…
「おい。大人しくしとけって言っただろ。…危ないんだから、気を付けてくれよ?」
「分かってる分かってる。…で、アイツらのアジトっぽい所を見つけたから今度一緒に行かない?」
「おう。分かった」
「……それでね」
「?」
「あのー…今日から来年まで試合無いんでしょ?」
「うん」
「だったら、わざわざホテル行ったりとか面倒だし、一緒に住む?」
「…それはとてもいい話なんだけど、良いの?」
「良くなかったら提案しないわよ」
「じゃあ、そうさせてもらおうかな」
「素直でよろしい」
「じゃあ泊まる予定だった所から荷物持ってくるから、また後でな」
「うん、また後でね」
(……その後)
「…結構荷物多いのね」
「ああ、バット2本と着替え1週間分とその他諸々があるからな」
「ふーん。どこで練習しようってのは決めてあるの?」
「まあ、最悪どこかで走り込むだけでも出来れば良いや」
「へえ。…私、明日仕事だから寝るわね」
「ああ、じゃあ俺が電気消すから。おやすみ」
「ありがと。おやすみ」
…実は荷物が多くなった理由の一つに枕を持ってきた事がある。
なぜ持ってきたか。
それは、前回来た時に貸してもらった枕が、使用済みかどうか気になって眠れなかったからだ。
今回、特に文章が稚拙かも