「……よし!今日こそは取り戻すわよ!私の記憶!」
「おう!…で、そのアジトってのはここからどれくらいなんだ?」
「20分から30分くらいかしらね」
「ふーん、意外と近い…のか?」
「近いんじゃないかしら。徒歩だし」
「へえ。準備はokか?」
「うん、大丈夫。行きましょ」
「朱里が来る。どうしようか?」
「…そろそろ、本気で帰してみよか。情報を得られんと分かれば、少しは退くやろ」
「…手荒なのは嫌なんだけどな」
「ここか?」
「うん。…多分」
「おいおい、立ち入り禁止って書いてあるぞ?しかもこんなボロボロの所をアジトにするか?」
「そんなの私は分かんないわよ」
ボロボロのビルの階段を上っていくと、布団や食べ物などが置いてある部屋のような場所に出た。
「…本当に、こんな所で生活してるのか?こいつらは」
「まあ、そうなんでしょ…う……ね…。…隠れて」
「え?」
「しっ!静かに、そこのロッカーに隠れるわよ」
「あ、ああ」
「……狭い」
「仕方ないだろ。それよりも、なんで急に?」
「静かに。…来る」
少し待つと、本当に、朱里が見たのであろうガタイの良い女性が現れた。
ちなみに、俺がロッカーの奥の方にいる。
「……(ジロリ)」
(…なんか見られてるんだけど……?)
(バレてない。平気だから。多分)
(そこは確信を持って言ってくれ……)
「………(スタスタ)」
(うわっ!こっち来てる!)
(大丈夫。平気だから)
「…お前ら何やっとるんや」
急に視界が明るくなった。
「うわっ!やっぱりバレたじゃないか!」
「あんたが騒ぐからでしょうが!」
あの女性は、怒っているのではなく、呆れたと言わんばかりの顔をしている。
「お前ら、こんなとこでもイチャついとるんか」
「「イチャついてなんかない!」」
「おーおー、息ピッタリやな」
「うるさい!…で、今日こそは聞かせてもらうわよ。どうして私を知っているのか。そして私の記憶について」
「出血大サービスで教えたる。ウチがお前を知っとるんは、同じ高校に通ってたからや」
「…やっぱり、私の記憶は偽物なのね」
「おお、そこまで辿り着いたか。流石やな」
「ふん。大事なのは私の記憶よ。誰が私の記憶を奪ったの?」
「そっから先は答えられんな。お引き取り願おうか」
「…く、くそ…何、を……(バタッ)」
「あ、朱里!!?お前、朱里に一体何を!」
「気絶させた。…言っとくけどな、始末するつもりならいつでも出来る」
そう言ってそいつは後ろを向くと、壁に向かってパンチをした。
メシャッという音が鳴り、手が壁にめり込んでいるのが見えた。
「………!」
「分かったか。お前ら二人は、こんな奴がうじゃうじゃいる世界に足を踏み入れようって言うんや。これに懲りたら2度と近付かないことやな」
「………一つ、聞いていいか」
「うん?」
「朱里は…高校時代の朱里は、今と同じ性格なのか?」
「…高校時代って言うんなら別やな」
「……?それって…」
「ウチは、高校で朱里との付き合いが無くなったなんて言ってないで?…ほら、行った行った」
朱里を背中に担いで、今日の所は退くことにした。
今日の所は。
「……ん………あっ!…いてっ…あの女、今度絶対ぶっ飛ばす…」
(…なんだか、ぼーっとする……記憶が…少しだけ……?)
リビングのテーブルを見ると、不格好なおにぎりが二つと突っ伏しているアイツがいた。
「…ありがと」
そっと耳元で囁くと、少し反応を見せるのがアイツらしい。
「…ごめんね」
聞こえないような小さな声で呟いて、私は走り出す。
境界の彼方の二周目を見ていて、ふと思ったのが朱里と栗山さんって似てるよねって事です。
まず容姿が近いです。メガネ、ゆるふわな髪型。あと普通の人間ではない所や、朱里の正史でも境界の彼方未来編でも記憶を失ってしまっている点です。
だからこの二人を好きになってしまったんでしょうね…困る
いつもの追記:そういえば!next stageの17話が出来る…かもしれないので!頑張ります!
追記第2弾 お気に入り、ありがとうございます!こうなったら絶対に頑張らなくては!