チーズ系転生者   作:カチカチチーズ

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別に詰まってないけど書いた。後悔?ふ、そんなもの既に武蔵ちゃんに斬られたぜッ!!




霧に舞う剣士:ハイスクールD×D

 

 

 

 さて、運命に抱かれている彼は平凡な人間というわけではない。

 ただの人間が力を持ったとしてすぐに強くなれるか?無理だろう。ならば、彼には下積みがあるのは間違いない。

 ほんの少しだけではあるが彼の生涯、その一端を語るとしよう。

 

 

 

 

 彼はやや少し特殊な家に生まれた。

 と、言ってもライトノベル・ゲーム・アニメに有りがちな何やら特別な血を引いているというわけではなく、ただ単純にズレている家に生まれただけだ。

 

 明治以前から細々と続く刀に連なる家の分家のそのまた分家。探せば時折見つかるようなそんな家柄の一つ。

 重箱の隅をつつく様に探せばもしかしたら有名所の親戚かもしれないというそんな家。

 祖父は時代錯誤な鍛冶師、父は地元でそれなりに有名な剣道及び剣術の指南者。そんな血を受け継いだ彼はやはりズレている。だから、彼は先の世界で人を殺してもショックを受けなかった。

 

 

 無論、彼とて自分の歪みを理解し受け入れている。何故ならもう仕方がないから、変えようもないのだから。もしかしたら変えれるかもしれないにも関わらず彼はそれを放棄した。

 こういうところが後々の騎士となった時に呆れられる原因なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 さて、そんな彼は剣術を父に習っていた。その過程で北海道の大学で通う事にしていた。理由は寒いから、と彼は答えるだろう。

 

 ……話を変えよう。

 

 

 その過程、その時期、その結果は違えど彼の運命は定められている。

 その運命の中から一つ、今回の彼の死をもって新たなる世界を拓くとしよう。宛ら、外史を創り出すとある一人の男子学生の様だ。

 

 

 

 

 ある時、大学より諸事情で地元へと帰省していた彼が街を歩いていた。

 そして、空には一羽の烏が飛んでいた。烏はたまたま公園で拾い持ち帰ろうとしていたチーズを運悪く落としてしまった。

 よくある円形の箱に入れられている一ピースのチーズ。

 せいぜい高層ビル程度の高さから落とされたとして、はたしてどれほどのスピード・威力なのかはわからない。

 

────しかし、運命は定まった。

 

 落下するチーズ。

 既に死の因果は定まり、回避出来ぬものとなったチーズはそのまま街を歩く彼の首もとを穿ち、骨を砕き、内臓を引き裂き、そして肉を破った。

 即死である。

 

 

 もはや運命が彼に追いついた以上、神の御業であろうとも、如何なるものですらその死を覆すこと能わず。

 

 

 

 

 かくして、彼は死んだ。

 

 その生命は、その魂は、次の世界へ

 

 その際に彼はその在り方を、その魂を僅かに変えられる。

 それはもとある絵の具に僅かばかりの別の絵の具を混ぜるのと同じと言える。

 

 例えば、湖光を抱く騎士。

 例えば、悪を自覚する赫赤の眼を持つ捕喰者。

 例えば、唯一無二の死を尊ぶ鉄血の死神。

 例えば、祖父と同じく無二の一振りを造らんとする火産霊の鍛冶師。

 例えば、化生を母とした五芒星の京の術者。

 

 

 

そして────────

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 その日は雪が降っていた。

 俗に言うホワイト・クリスマス・イブ、商店街や大型ショッピングモールを忙しなく行き交う何組もの男女や親子。

 正しく平和と言える光景だ。

 

 だがしかし、光あれば闇があるように平和の裏には一つの騒乱があった。

 

 

 

 人気の無い路地。雪を降らせる厚い雲から僅かに漏れ差す月明かり以外明かりとなるようなものが無い路地を一組の男女が逃走していた。

 

 男女は雪道という足場の悪い中、懸命に駆けている。しかし、そんな事などお構い無しと言うようにその後方からとある一団が迫っていた。黒づくめの暗殺者の如き装束に身を包んだ者らはこの雪道など一切関係なく徐々に、徐々にその距離を詰めていた。

 

 そして、

 

 

「キャッ!?」

 

 

 雪に足を取られ転ぶ少女。そんな少女を立たせようと足を止める青年。足が止まったことにより追っていた黒づくめの一団は二人に追いつき包囲した。

 右も左も敵ばかり、逃げ場を断たれた青年は意を決して腰元から光の刀身を持つ剣を抜き放ち構える。そんな彼を黒づくめの一団は嘲笑する。

 

 

「ほう?人間風情が我らに盾突くか」

 

「そこに足でまといがいては子供の棒振りにもならんぞ?」

 

「なんと、なんと愚かだ人間」

 

 

 青年をあざけ笑う黒づくめの一団……悪魔どもに青年はその端正な顔を歪めた。

 なるほど、たしかに。少女は傷を負っていて足でまといとなるだろう。そして少女を気にせず戦えば多少の傷を負うものの十分勝ちを拾えるだろう。しかし、青年の中で少女を見捨てるという選択肢はとうの昔に消え失せていた。

 故に見捨てて逃げろと請い願う少女の言葉などに耳もくれず、いますぐにでも悪魔どもへ切りかからんとして────

 

 

───紗乱ッ

 

 

 雪降る夜に美しく静謐な鈴の音が響いた。

 

 

 悪魔どもはその鈴の音に気付き、音のする方へと顔を向けた。それはこの結界に巻き込まれた目撃者ならば殺す必要があり、人質として青年と少女を楽に殺す事が出来るだろうと踏んだからだ。

 

 

───紗乱ッ

 

 

 刹那、雲に隙間が生じ一際輝く月光が差した。

 そこには一人の人間。時代錯誤の笠を被り、和装束に身を包み、その腰には鈴がついた二振りの刀が下げられ、足には草履が履かれた何者か。

 

 

 正しく時代錯誤というしかない出で立ちの者が一人そこで悪魔どもを見ていた。

 

 

「仏に逢っては仏を斬る、神に逢っては神を斬る、人に逢っては人を斬る、獣に逢っては獣を斬る────なれば魔に逢っては?」

 

 深く被った笠でその顔は見る事が出来ないがその声音は中性的であるがしかし男よりである為か悪魔どもは和装束を男と認識した。

 

 

「人間風情が我らを斬ると言うのか?笑わせてくれる」

 

「貴様ら下等種族に我らを斬れるものかッ!」

 

 

 悪魔どもは口々に和装束の言葉に対して嘲笑を憤怒を宿した言葉を吐き捨てていく。

 しかし、和装束はそんなものを意に介さずその手を被っている笠の縁を摘み

 

 

「────魔を斬るのが定め」

 

 

 そう、嗤い和装束はその笠を一番近い悪魔へと投げ放った。

 悪魔どもは何故かは知らないがその投げ放たれた笠に視線を集中させてしまった。無論、その悪魔の中には包囲されている少女も入っていた。

 

 

「ッ!」

 

 

 笠が悪魔の近い所に落ちて漸く悪魔どもはその笠から視線を外した。

 しかし

 

 

「ッ!?何処に消えた!?」

 

「まさか、逃げたのか?」

 

「探せっ!目撃者は逃がすな!」

 

 

 姿を晦ました和装束に驚愕し口々に叫び立てる悪魔ども。目撃者が逃げれば後々面倒事になると察したのだろう。

 自分たち悪魔こそ至高の種族。そう信じて疑わない悪魔だからこそ気が付かない。否、無意識にそれを認めようとしていない。

 人間が逃げたと決めつけて、

 

 

 

 

 

 

「さて、如何様に斬ったものか」

 

 

 既にその内に入られている事を認めれない。

 

 

「ッ────」

 

 

 内に入られているというのに気が付かない。それは何故か。

 それは和装束が人間である為。

 悪魔が下等種族と嘲てやまない人間であるからこそ、いつの間にかに内に入られているなど認められようか。この場においてそんな致命的な認識が悪魔どもに視界内にいる和装束を気づかせない。

 少女と青年は既に自分たちの目の前にいる和装束と和装束に気が付かずに騒いでいる悪魔どもに目を丸くする。

 

 

「魔性が(たり)

 

 

 笠が外れている事で隠されていたその相貌が露となる。背の半ばまで伸ばされた雪のように白い髪に少女と見間違う相貌、そんな余人の目を引くモノが霞む程のモノが一つ。

 右眼を覆い隠す黒鉄の鍔を使った眼帯。

 

 隻眼の和装束はそんな顔を唖然と見ている少女と青年を無視してその鯉口を切る。

 

 

「では、(みなごろし)だ」

 

 

 抜き放たれた刀は気がつけばその鞘に納められていた。

 悪魔祓いとして邪悪な悪魔を斬る事を何度も経験し、それなりに強者であると自負していた青年はその刀を抜き納めるまでの動作を一切見る事が出来なかった。

 その事に青年は衝撃を受けるがそれも和装束は無視する。

 

 

───紗乱

 

「────────」

 

 

 降り注ぐ血雨、流れゆく血河、倒れ伏す肉塊。全てその首を一斬のもとで断ち切られていた。

 知覚出来ぬ所業をしたというのに隻眼の和装束は誇るどころか寧ろ呆れたように嗤う。

 

 

「未だこの身は情景に届かず」

 

 

 血雨が降ったというのに一切濡れていない装束を揺らしながら同じく濡れていない笠を拾い上げる。

 

 

「情景の血族、その末席に生まれた。されど未だこの身は情景に届かず。まだまだ未熟か」

 

 

 自虐、の様なモノをし隻眼の和装束は青年と少女を見る。

 その間に何故か悪魔の死体は次々と神隠しかのようにその場から消えていった。

 

 

「あなたは────」

 

 

 未だ驚愕から戻らない少女を尻目に青年は隻眼の和装束に言葉を零し、それを拾ったか隻眼の和装束はその少女の如き相貌に見合った少女らしいにも関わらず冷たい鉄芯……否、刀を背へと入れられたかのような寒気を抱かせる笑みを浮かべ

 

 

「柳生三厳────ただの剣士よ」

 

 

 

 

 

 

 

────例えば、前世の父と同じく剣を臨み、とある剣神の如き者を目指す隻眼の剣士

 

 

 

 




今回はちらりと作者の被害者である主人公のちょっとした設定を晒してみました。てへ
あ、見た目は死神と同じく長髪の鳶一折紙です。CVはお任せします

Twitterもやってるので気になる方はどうぞ
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