ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
前回までのハイライト
千歌、梨子、曜の三人で結成したスクールアイドル、Aqoursのファーストライブに成功し、彼女らの本気を認めた果南が新たに加入した。

「千歌たちの“本気”見せてもらったからね」
「それじゃあ……!」
「うん!」

さらにスクールアイドルが好きだったルビィ、花丸も自らの気持ちに素直になることが出来、Aqoursに参加したのだった。

「それ見て思ったんだ。花丸ちゃんもルビィと同じくらい、スクールアイドルが大好きなんだって!」

「まずは始めてみることが大事だと思うんだ。そうすればきっと何かは変わると思う」

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クワガタ×1
カマキリ×2
バッタ×1
ライオン×1
トラ×1
チーター×2
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1


転生と堕天と重力コンボ

『感じます……。精霊結界の損壊により、魔力構造が変化していくのが……。世界の趨勢が天界議決により決していくのが……。果の約束の地に降臨した堕天使ヨハネの魔眼が、その全てを見通すのです!全てのリトルデーモンに授ける。堕天の力を!』

 

 そう囁く少女が映るモニター。

 キーボードの上に(こうべ)を垂れる。眠っているかのように動かない青年は言葉通り魂を抜かれていたのだった。

 救急車のサイレンが住宅地に鳴り響いた。

 

 ***

 

 事の始まりはAqoursの朝練が始まる少し前の時間に宮沢と出会ったところからだ。

「なあ、宮沢」

「はい」

「花丸ちゃんとルビィちゃんが入部したのに、なんでお前は入部しなかったんだ?」

「ふっふっふっ……それを聞いてしまいますか、先輩」

 かなり中二の入ったポーズをとり、

「何故俺が花丸たちと一緒に入部しなかったのか……。その答えはただ一つ、スクールアイドル部にもう一人、入部させなくてはいけない一年生がいるからだぁぁぁ!!」

 どこぞのゲーム会社の元社長だった神(自称)みたいな口調とテンションで叫ぶ。

 Aqoursの一年生メンバーの最後の一人、それは……。

 

『感じます……。精霊結界の損壊により──』

 

 動画投稿サイトに動画をアップしているこの娘、堕天使ヨハネこと、津島善子。

 この学校の生徒のはずなのだが、一年生の教室ではまだ一度も見たことが無い。不登校児なのだ。

 原因は高校デビューの失敗だ。

「そう言えば少し気になるニュースもあったよな」

「ニュース?ああ、ある動画を見てた人が次々と倒れるってやつですか?」

「気になって少し漁ってたんだけど、その“ある動画”ってのはこれらしいぞ」

「は?いやいや、まさかそんなあるわけ……」

 彼女の動画と一連の事件の関連性を疑わせる書き込みのあるスレッドやSNSの投稿を宮沢に見せる。

「倒れた人の家族や知り合いがその人のPCの履歴を見たらそれが最後に見ていた動画らしい」

「だから善子が犯人だって言うんですか?」

「いや、ただの女の子がこんなこと出来るわけないし、彼女がヤミーの親って線はアンクが否定した。つまり……」

「この動画を見ている誰か……」

 流石に飲み込みが早い。早急に対処しなければ彼女の身を危険に晒してしまうかもしれない。

「ま、幼馴染とバースの名にかけてそれだけはさせませんよ」

 宮沢はそう言った。

 バースに変身するこの宮沢慎司はロリ神さまが遣わした、俺と同じ世界の人間である。正確には“だった”と言うべきか。

 宮沢慎司という人間は元の世界で一度死んでしまい、そこをロリ神さまに拾われたらしい。

 時間的には俺の少しあと、丁度梨子ちゃんと出会う前だが、宮沢はロリ神さまに頼み、善子ちゃんと花丸ちゃんの幼馴染として生まれ変われるよう頼み、赤ん坊からリスタートした。

「記憶の方はどうしたんだよ」と尋ねると、一時的に記憶にロックを掛け、俺の初陣時とほぼ同時にあのクワガタコアを拾ってそれが解除されたというとてもややこしいものだった。

 まあ、要約すると「前世の記憶を持ちながら同一人物として転生」したということだ。

「お前……やっぱややこしい」

「?」

 ここがアニメなら頭上に巨大なクエスチョンマークを出現させるように首を傾げる宮沢であった。

 

 ***

 

 入学式、そして盛大にやらかしてしまった自己紹介から時間は経った。

 あれじゃいけない。卒業しなくてはいけない。堕天使なんていない。何度そう言い聞かせても、同じことを繰り返してしまう。

 でも今回は!

 その決意を胸に秘め、学校までやって来た。

 

 ………けど。

 

 同じ制服を着た生徒、そして先生が来るたびとっさに隠れてしまう。どこか落ち着ける場所を……と思ってきてみた屋上も。

「もう先客がいるなんて……」

 しかもその中には見知った顔が一人。

「ずら?」

 なんでずら丸がいるのよ!

 他の生徒の時と同じようにサッと身を隠す。が……。

「善子ちゃん?」

 

 見つかった……。

 

 その後、ずら丸がこっちに来る前に逃げようとしていたら、屋上に上がってきた慎司(シン)にも見つかった……。

「どうして今まで学校来なかったんだよ?心配してたんだぞ」

「しょうがないじゃない!あんなこと言っちゃって来れるわけないでしょ!?」

 あの自己紹介のことは、思い出すと今でも死にたくなってくる……。

「クラスのみんなはなんて言ってる?変な子だねーとか、ヨハネって何?とか、リトルデーモンだってぷぷwとか!」

「誰も言ってないよ。ていうかみんな心配してる。どうして来ないんだろうとか、悪いことしちゃったのかな、とか」

「……本当?」

「ここでウソ言う理由が無いだろ」

 ずら丸とシンの言葉に嘘は無い。ということは… 

「まだやり直せる……!まだ希望はある……!」

 

 ***

 

 津島善子普通化計画は満を持してスタートした。

 ……はずだったが。

「何がどうしてこうなった」

 耀太先輩がそう尋ねてくるが、一年生の教室で起きてしまった悲劇は言うまでもない。

 花丸と部室まで来た善子は机の上に突っ伏している。

「なんでこんな物学校に持ってきてるのよ……」

「それはまあ、ヨハネのアインデンティティみたいなものだから、あれがなかったら私は私でいられないっていうか……はっ!」

 どうやらこの問題は善子の意識を根底から改善しなければいけないようだ。

「ルビィも今日聞いたんですけど、中学生の頃まで自分が堕天使だって信じてて、そのくせが抜けてないみたいなんです」

「中二病をこじらせたんだな」

「実際今でもネットで占いやってますし」

 ノートパソコンに映されたのは例の動画。なんという公開処刑。

「やめてぇぇぇ!それよりなんとかしてよ!」

 モニターは速攻で閉じられる。

 善子は助けを求めるが、どうしたものやら……。

「可愛い……」

「え?」

「これだよ!津島善子ちゃん!いや、堕天使ヨハネちゃん!スクールアイドルになりませんか!?」

 そんな善子とは真逆にいつものペースを乱さない千歌さんであった。

 

 ***

 

 千歌ちゃんたちが善子ちゃんをスクールアイドルに勧誘している間に、俺は集団昏睡事件をどうにかするために動いていた。

「にしても囮作戦なんて気乗りしないな」

「見つけられなければそれだけ多くの人間がヤミーの餌になる。そう考えれば得だろう」

 反論したいが、アンクの言葉は正論だ。

 あの後の調べでヤミーの標的になった人は、みな善子ちゃんの動画の熱狂的信者であったことが分かった。

 ありったけのカンドロイドを飛ばし、彼らを張り込ませていたところ、次のターゲットと思しき人物を見つけたので、今はその人の家付近を張り込んでいる。

「来るぞ、準備しとけ」

「あいよ」

 返事を返した直後、張り込んでいた家の二階の窓からアゲハヤミーが飛び出してきた。

「早速おいでなすったな、変身!」

「タカ!カマキリ!バッタ!」

 亜種形態タカキリバに変身した。

 バッタレッグに力を込めて飛んでいるアゲハヤミー目掛けて跳ぶ。

 初撃でたたき落とすことに成功した。

「むぅ、オーズか。丁度いい、我が崇高なる儀式の最後の贄は貴様にしてやる」

 ヤミーは翅から鱗粉をばら撒く。鱗粉が地面やアーマーに当たるたび、爆発が俺を襲う。

「ソイツの翅を切り落とせ!」

「言われなくとも……!」

 アゲハヤミーは再び飛ぶ。俺ももう一度も跳び、叩き落とそうとするが、

「はあっ!」

「何っ!?うわぁぁぁ!?」

 突然の襲撃を受けて吹き飛ばされ、そして変身が解かれてしまう。

「返してもらったぞ、俺のコアメダル」

 奴の手にはドライバーに収まっていたはずのカマキリメダルが握られている。

「ちっ……何のつもりだウヴァ」

 アンクは襲撃者──ウヴァに突っかかる。

「それはこっちのセリフだ。俺のヤミーに手を出すな」

 アゲハヤミーはウヴァの方へ降りていく。

「セルメダルは順調だな。コアメダルの方は見つけたか」

「これを」

 アゲハヤミーは二枚のメダルをウヴァへと渡した。

「メズールとガメルのメダルか」

 ウヴァはそれをしまって俺とアンクの方へ向き直る。

「残りのメダルも返してもらうぞ」

 まさしくピンチ……まあ前ほどではないけれど。

「アンク、ガメルのメダル貸して!コンボでやる!」

「好きにしろ」

 前回のアレで言っても聞かないと分かったのか、素直にメダルを出してくれる。

 二枚のメダルを取り替えて……、

「あれ!?アンク、ゴリラは!?」

「取ってこい」

 ウヴァを指さしてアンクはそう言う。

「無理無理!これじゃ変身できないって!」

「ちっ……絶対に取られんなよ!」

 三枚目のメダルをアンクから受け取ってドライバーに装填し、スキャンする。

 

「サイ!ゴリラ!ゾウ!
サゴーゾ!サゴーゾ!!」

 

 赤い複眼にサイのようなツノ、両手に装備された大きなガントレット、そして力強く踏み込めるゾウレッグ。

 重力を操るオーズ、サゴーゾコンボ。

 

 ドラミングをすると空気に振動が伝わっていく。

 ガントレット、ゴリバゴーンを飛ばしてウヴァとアゲハヤミーにヒットさせる。

「ぐぅ……」

 ウヴァは身の危険を感じたのかすぐさま退散していった。

「これで終わりだ!」

「スキャニングチャージ!!」

 足を揃えて跳び、着地すると地面が割れる。

 アゲハヤミーも飛んで逃げようとするが、時すでに遅し。割れた地面がアゲハヤミーを捕らえて俺の方へ引き寄せる。

「はぁぁぁぁ……セイヤーーー!!」

 目の前まで来たアゲハヤミーにゴリバゴーンとサイヘッドでの頭突きの三重奏、サゴーゾインパクトを食らわせる。

 アゲハヤミーは爆発してセルメダルへと成り代わり、俺の変身も解かれた。

「はぁはぁ……やったか……」

 安堵したのもつかの間、

「半分だけな」

 アンクはそう言って爆風の向こう側を睨む。

 煙の向こうに影が現れ、それが消えるともう一体のヤミーが姿を現した。

「まさか……分離したのか……」

「お前の魂を贄とできないのは残念だが、我が崇高なる計画はこれで完遂される。我らの魂は偉大なる堕天使、ヨハネさまと融合するのだ!」

「そんなことさせ、うっ……」

 飛び去るクロアゲハヤミーを追いかけようとするが、体が言うことを聞かなかった。

「あいつの欲望は『ヨハネ』とかいう人間と自分の同一化か」

「同一化……もしそれが実現したらどうなるんだ?」

「多分、多過ぎる魂の量に器となった人間が耐えきれず、全ての人格が消滅して暴走するだろうな」

「マジかよ……!早く宮沢に知らせないと……」

 スマホを取り出して宮沢に電話をかける。

 善子ちゃんの身に迫った危機を伝えるために。

 




耀太)宮沢の説明がさ、登場してから何話か後なのってなんでなの?
作者)それはまあ、いろいろだよ。
耀太)ふーん。にしてもお前は人使い荒すぎだよな、二話連続でコンボとか。
作者)ま、まあまあ。次回はオーズは実質お休みなわけだし、ね?てわけで次回予告いってみようー!
耀太)ウヤムヤにされた……まあいいや。次回ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「天使と堕天使とリトルデーモン」

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クワガタ×1
カマキリ×1
バッタ×1
ライオン×1
トラ×1
チーター×2
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1
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