ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~ 作:白銀るる
花丸、ルビィに続き、善子がAqoursに加入。
しかし、Aqoursに新メンバーが加わるなか、浦の星学院に統廃合の危機が訪れる。
PVを撮影し、内浦をアピールしようとするが、なかなかうまくいかなかった。
AqoursがPV撮影に奮闘する一方で、カザリと謎の男が邂逅。不穏な動きを見せるのだった。
カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
バッタ×1
ライオン×1
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1
ある日の放課後、部室に来てみるとルビィちゃんたちがパソコンを立ち上げて何かを見ていた。
「ルビィちゃん、何見てるの?」
「あ、耀太さん。AqoursのPVをチェックしてたんです」
「凄いもんね、そのPVの再生数の伸び」
Aqoursが公開した「夢で夜空を照らしたい」のPV。ルビィちゃんにモニターを見せてもらうと、
「五万!?昨日家で観た時よりさらに増えてる!?」
「はい!わたしもびっくりしました!」
公開して数日で五万て……大物You〇uberみたいだな……。
「ヨーソロー!」
「みんな早ーい!」
曜ちゃんを筆頭に二年生もやって来る。来れるメンバーは既に揃ったようだ。
「今日も果南ちゃんは休みなの?」
「みたいだよ。お見舞いに行こうかなと思ったんだけど、果南ちゃんからメールで大丈夫って……」
「そっかぁ……」
みんな少し落ち込む。特に曜ちゃんと千歌ちゃんは果南ちゃんのことをより心配しているだろう。
少しでも元気づける為に話題をそらさなければ。
「そうだ、みんなこの前のPV見た?」
「あ、うん。もう五万回も再生されてるんだね」
曜ちゃんが自分のスマホを取り出して動画を再生する。
「ランタンが綺麗とか、結構コメントもあるよね」
「ランキングも凄いな。九十九位だ」
「九十九!?全国出五千人以上いるスクールアイドルの中で百位以内!?」
「うんうん。立派に……」
似非お年寄り言葉で腕を組む慎司
「一瞬のものかもしれないけど、確かに凄いわ!」
はスルーされている。
「やれやれ、りっ……」
「このままいけばラブライブ!優勝も出来ちゃうかも!」
スルー。
「り……」
「いやいや、そんな簡単に出来るわけないでしょう」
浮かれる千歌ちゃんに梨子ちゃんが現実的な一言。
慎司はやっぱりスルーの方向で。
「……」
「そうだねー、もっとたくさん練習してランキングが上がれば出来るよ、きっと!」
遂に黙ってしまった。
ラブライブ!に関しては曜ちゃんと同意見だ。
そうしてあーだこーだ話していると、
「メール?」
ルビィちゃんの言葉につられて会話がストップ、パソコンの方へ集まる。ついでに慎司も立ち直った。
Aqours宛てに送られてきたメールを開封する。
「東京スクールアイドルワールド……?」
「なになに……『浦の星学院 スクールアイドル部 Aqours のみなさん。東京スクールアイドルアイドルワールド運営委員会です』……」
一通り読んで要約すると、「今度東京でイベントをするのでぜひ参加してください」という感じだな。
「「東京……?」」
「ん?みんなどうし……」
ハモって少しの間フリーズ。そして、
「「東京だ───っ!!!」
またハモった。
***
「東京?はっ、そんなことより早くメダル集めてこい!」
「無茶言うなよ……。今は仕事の休憩中だぞ。俺がさぼったらアイスも食えないぞー」
「ちっ……」
早速東京に行くというのをアンクに話したが、やはりあまり良く思っていない。
当然といえば当然なのだが。こっちを離れている間に他のグリードに越されてしまうのが嫌なんだろうな。
カザリのこともあるし、それは尚更のようだ。
これはもう
「そっかぁ、それは残念だなぁ。東京に行ったらそこでしか食べられないアイスがあるんだけどなぁ」
「何?」
かかった!
「いやー、調べてたら見つけたんだけど美味そうだなぁこれ。アンクに買ってきてやりたいけど、アイスじゃ溶けちゃうからなぁ」
さらにひと押しし、アンクは揺らぐ。アイスをとるかメダルをとるか。
「……アイスは絶対買ってもらうからな」
よし!折れた!
抱えていた懸念の中でも最大のものが無くなった!
大体のお客さんが眠りにつき、仕事もやっとひと段落がついた。
アンクの他にもう一人、果南ちゃんへの連絡もしなければ。
Aqoursのマネージャーとしての義務を果たす。なんて大層なことはさらさら無い。ただ心配なんだ。
果南ちゃんの携帯へ電話をかける。
『もしもし、松浦です』
繋がった。
「もしもし、果南ちゃん?耀太だけど……」
『耀太……』
俺が名乗った直後の彼女の声は少し曇っていた。電話越しだから、というわけではなさそうだ。
「どうかしたの?」
『……ううん、何でもない。それより何か用事?』
「実はね──」
Aqoursが東京で開催されるスクールアイドルのイベントに参加することになったと伝えると、
『そっか、東京に行くんだ……』
元気がないというよりは不安を感じさせる返事。
『分かった。千歌たちに耀太から言っておいて』
「じゃあやっぱり……」
『ごめん。わたしは
拒否の返事とともに少しの間、沈黙が訪れる。
「……分かった。じゃあまた」
『うん、ごめん……』
果南ちゃんとの通話が終了した。
今の果南ちゃんから迷いや後悔といった負の感情は感じられるのは明らかだった。
それが原因で千歌ちゃんたちと離れているのだとしたら……
「なにが人と人を繋ぎたいだ……」
何も出来ないでいる自分がただただ腹立たしい。情けない。
あの時の約束。俺の本気。もしここで終わってしまったら……。
「タカー」
最悪の未来を思い浮かべてしまったが、タカちゃんの鳴き声で現実に引き戻される。
「どうしたんだい?ヤミーでも見つけた?」
タカちゃんはパソコンを示すので、起動させてみる。すると、ホテルと思われる建物の部屋が映っていて、さらにその部屋には人が確認できた。
「ん?よく見えないな……。タカちゃん、悪いけどもう少し近づいて。バレないようにね」
手元のバッタカンドロイドを起動し、指令を送る。
近づいて隠れさせたため、映像は送られてこないが、音声は拾うことが出来た。
『どういうことですの?あの子たちを東京に行かせることの意味を十分分かっていますわよね?』
「この声、ダイヤさん?」
ダイヤさんと話しているのは……。
『なら止めればいいのに』
鞠莉ちゃんだ。ということはこのホテルは淡島ホテル!?
『ダイヤが本気で言えばあの子たちも諦めるんじゃない?』
ダイヤさんがイベントのことを知っているのはルビィちゃん経由だろう。だとしたら鞠莉ちゃんは?
『ダイヤも期待してるんじゃない?わたしたちが超えられなかった壁を、あの子たちなら超えられるんじゃないかって』
「わたしたちが超えられなかった壁」……多分俺が想像していることで、大体あってると思う。
これまで果南ちゃんが時々見せた複雑そうな表情と今の話。この世界でも彼女たち三人が、前に一度スクールアイドルを立ち上げたのは間違いないだろう。
話はさらに続く。
『もし超えられなかったらどうしますの?取返しのつかないことになるかもしれないのですよ!』
『でもやるしかない。本気でスクールアイドルで学校を救いたいというのなら』
ドンっという音が響く。
『本当に変わってませんわね……あの頃から』
かなり重要な情報が流れてきている。出来れば邪魔はされたくないものだが……。
「やっぱ風呂上りはアイスに限るな」
フラグだったよコンチクショウ!
風呂上りのアイスにハマってしまったアンクが見事なタイミングで入って来る。
『今誰かの、それも男の人の声がしたような……』
聞こえてしまった……。
『気のせいじゃない?』
『いえ……確かに声が……』
「お前何してんだ?」
『っ!やはりどこからか見られていますわ!』
うわああああああああっ!!
頼むタカちゃん、バッタくん!見つからないでくれぇぇ!
『鳥?いえ、何か変ですわ』
という願いも虚しくあっさり発見されたようだ。
「タカちゃん、離陸!」
『その声は耀太さん!?』
咄嗟に声を出してしまい、ダイヤさんにバレた。
タカちゃんが飛び、モニターが空を映し出した……と思ったら、カンッと音が鳴り、落下する。多分タカちゃんに何かを当てて、バッタくんが離されたのだろう……。
床に落ちてしまったバッタくんの映す映像はタカちゃんがいないにもかかわらず、上に上がっていく。
そして、
『捕まえましたわ!』
ダイヤさんの顔がモニターに映し出される。
「ひぃぃぃぃぃ!!!」
『一体何の真似ですの、耀太さん!年頃の女性の部屋を覗きなど!!』
「待ってください!これには深いわけがあるんです!」
『問答無用っ!!』
この後ダイヤさんの怒りが落ち着くまでモニターは揺れっぱなし、俺とダイヤさんは叫びっぱなしだった。
鞠莉ちゃんが仲介に入ってくれたおかげでダイヤさんの怒号はひとまず止んだ。
『つまり耀太さんは怪人を見つけるために、覗きをしていたと』
「………」
ぐうの音も出ない。
『……もう少しマシなウソはつけませんでしたの?』
そして誤解も解けていなかった。
「ウソじゃないです。内浦を守るために、オーズとして細心の注意を払っていたんです……」
『そう言われましても、一介の高校生が怪人と戦っているなど信じられません。仮にそうだとしても、わたくしたちを覗く必要はありますの?』
「だから覗きじゃないんだって……。怪人、ヤミーはグリードっていう別の怪人が人の欲望を使って生み出すんだ」
『人の欲望?』
「そう。ヤミーは親となった人間の欲望を、どんな手段を使ってでも満たそうとする。だからグリードたちにヤミーを生み出させないよう、あるいは早期発見できるようにしてたんだよ……」
信じられないという気持ちが表情から見て取れる。
そりゃあ、証拠も何もないただの“お話”だもんな、今のままじゃ。
一方鞠莉ちゃんはというと、
『………すぅ』
これまた可愛らしい寝息をたてていましたとさ。
『鞠莉さん!今の話聞いていました!?』
『ん、んー……Sorry、少し眠くなっちゃって……』
なんかデジャヴを感じるな、なんて。時間も時間だし仕方ない。仕方ない……よな?
『はぁ……分かりましたわ。今回は大目に見ることにします。ただし!これからまた同じようなことがあったり、万が一ルビィに何かしたらその時は……』
「分かってます!大丈夫です!何もしませんから!」
その時のダイヤさんの剣幕は、モニター越しからでも鬼気迫るものを感じた。
怖ぇ……。将来ルビィちゃんをお嫁さんにしたいという男たちは、お父さんよりダイヤさんに気圧されるんだろうな……。
『それはそうと、さっきの話ってどこから聞いてた?』
「え?……それは、その……」
『耀太さん?』
「はいぃぃぃっ!」
『このことは他言無用でよろしくお願いしますね?』
「は、はい……!」
ニコッと微笑んだ彼女の可愛らしさに反し、放たれるオーラはとても黒く恐ろしいものだった……。
***
そして当日。
千歌ちゃんと梨子ちゃん、花丸ちゃんとルビィちゃん、それから俺とアンクは、一度十千万で集まってそれぞれ志満さんの車とバイクで出発、曜ちゃん、善子ちゃん、慎司と合流することになったんだけど……。
「千歌ちゃん……その格好は何……?」
「東京トップス!東京スカート!東京シューズ!そして東京バッグ!」
三名ほどとんでもない格好で来てしまった……(ルビィちゃんはまだ可愛く見えるけどね)。
梨子ちゃんも驚きと呆れの狭間のようなカオをしている。
「これで渋谷の険しい谷も大丈夫ずら!」
「よし、今すぐ着替えてきて」
速攻で別の服にチェンジさせた。
東京に行くだけなのになぜそんな服を着てきてしまったんだ……。
そして曜ちゃんたちのところでも同じ現象は起きていた。
「天つ雲居の彼方から、堕天使たるこの私が、魔都にて冥府より数多のリトルデーモンを召喚しましょう」
顔を白塗りにしてさらに模様も加えたうえ、なっがいネイルまでしてきていた。
どうしてこうなった。
「お母さん、あの人何ー?」「しー、見ちゃいけません!」
Oh……
「善子ちゃん、それ早く落としてきて」
「善子じゃなくて、ヨハネ!溜まりに溜まった堕天使キャラを開放しまくるn「いいから早く落としてきましょう」はい……」
本人はどうか知らないけど、こっちは恥ずかしさレェベェルゥMAXなんですけど。MAX大赤面なんですけど。
「なんで止めなかったんだ慎司!」
「ふっふっふっ……リトルデーモンは堕天使ヨハネの全てを肯定し、従う。それに反故するなどもってのほk「よし、この着メロをみんなに配布しよう」すいません許してください」
やっとのことで全員をまともな格好にし、電車に乗る準備が整った時だ。
「これクラスのみんなからの差し入れです!」
「それ食べて浦の星の凄いところ見せてやって!」
よしみちゃん、いつきちゃん、むつちゃんの三人が千歌ちゃんたちのクラス代表として見送りに来てくれた。
ホントいい子たちだ……。
電車の乗り継ぎで少し迷ったが、無事東京までたどり着くことが出来た。
「こういうところではしゃいでると、地方から来たって思われるよね〜」
「まあ、普段通りにしてれば全然問題は無い「ほんっと、原宿っていっつもこれだからマジヤバくない〜?」……」
流石にこれは曜ちゃんも苦笑。
もうちょっと羞恥心を持とうね、千歌ちゃん。
「千歌ちゃん、ここは原宿じゃなくて秋葉よ」
「テヘペロ」
うん、いきなりハメが外れてますね。
その後、千歌ちゃん、曜ちゃん、花丸ちゃん・ルビィちゃん、善子ちゃん、慎司、梨子ちゃん、そして俺・アンクと、一日目はみんなバラバラに行動することになった。
途中で、
「は!壁クイ……!」
「梨子ちゃんどうしたの?」
「な、なんでもないのよ!なんでも!そ、そうだ千歌ちゃん!わたしちょっとお手洗い行ってくるね!」
「う、うん……」
連絡手段はあるし、しばらくは大丈夫か……。
「ねぇねぇ耀太くん」
「梨子ちゃんが入っていったお店って何が置いてあるの?」
「どれどれ?」
「あれだよ」
千歌ちゃんが示したのは……「女性向同人誌専門店オトメアン」………。
「……千歌ちゃん、世の中にはね、知らない方が幸せなこともあるんだよ」
「え?え?どういうこと!?ねぇ耀太くんってば!」
ってことがあった。
ちなみにアンクも俺の財布を中破させるほどのアイスを食べ、
夕方、空が赤く染まり始めた頃、全員である場所に訪れた。若干一名おかしい格好の人がいるけど、そこは無視の方向で。
そのある場所とは、
「ここだ……」
神田明神、男坂前。
「ここがμ'sが練習で登ってた……」
本当にあの九人がいたんだな……。
千歌ちゃんにつられてというわけではないが、結構感激している。
かつてフィクションとして見ていた存在をこれほど近くで感じられるとは……あれ?俺もう近くでというか、形はどうであれ一緒に住んでたり、お隣さんだったりしてるよね?あれ?あれれ?
「ねえ登ってみようよ!」
千歌ちゃんに続く形で(アンクを除く)全員が駆けだす。
みんな階段ダッシュには慣れている所為かへばることはない。
一歩、また一歩と上に上がっていくにつれて歌声が聞こえ始める。
そして本殿まで辿り着くと、歌声の主である女の子二人がそこにいた。
言葉を失うくらい綺麗な歌声で、歌が終わると彼女たちはこちらに振り返った。
「こんにちは」
「あ、えっとこんにちは!」
返事を返すのに少し遅れる。
「あなたたち、もしかしてAqoursのみなさんですか?」
女の子たちは既にこちらのことを把握していた。
「PV見ました。素晴らしかったです」
「Aqoursのことご存知なんですね」
「ええ、それは。あなたがAqoursのマネージャーの島村耀太さんですね。それからそちらが宮沢慎司さん」
「お、おう……」
「もしかして、明日のイベントでいらしたんですか?」
「はい」
「そうですか。楽しみにしています」
どこか上から見下しているように聞こえる。
おおよそ好印象とは言い難い。
サイドテールの娘の方が一礼し、ツインテールの方の娘が続く。そして、後方伸身宙返り1/2ひねり!
「では」
二人はそう言って去ってしまった。
「す、すごいです!」
「東京の女子高生ってみんなあんなにすごいずら!?」
「当たり前でしょ!東京よ!東京!」
いやその理屈はおかしい。というかあの子たち北海道の人だよ?というツッコミは無粋だろうか。
神田明神を後にし、予約を入れていた旅館にチェックイン。夕食、入浴を済ませて後は明日に備えてゆっくり休むだけだ。
もちろん部屋は男女別だ。こっちの部屋には俺と慎司、最後にアンクと三人。
アンクは普段から同じ部屋だから慣れてるけど、そこに慎司が入ると大分違う感じがする。
「にしても今日の出費はでかかったな……」
昼間、アンクがアイスを食べ過ぎた所為で懐が大分寒くなった……。
「あー…そういえば、今コアメダルってどうなってます?他のグリードがどれくらい持ってるかとか」
「大体このくらいだ。今のところはこっちが十一枚。グリードたちの中で一番多く持ってるのは多分カザリだ」
アイスを食べながらタブレットを操作するアンク。
「俺たちはカザリのコアを三枚持ってる。だけどもしかしたら、他の属性のコアを取り込んで完全復活するっていうのも考えられるな……」
「ただ、それには暴走の危険があるし、カザリならやらないかもですね」
ほんの僅かな希望を除き、ネガティブな考えしか浮かんでこない。
「(あと、アンクの復活が右腕だけなのも……)」
「(女神さまなら知ってますよね……)」
これからどうなっていくのか、そう遠くない未来で、またカザリたちと戦わなければならないことだけが、今明らかになっていることだ。
この先の不安を数えると、キリがない。
「「きゃあああっ!?」」
隣の部屋から悲鳴が聞こえた。
「先輩!」
深刻な話をしていただけに、俺も慎司もいつもより心配していたが、杞憂だったようだ。
部屋に駆けつけると、
「……なにがあったんだ」
いやマジで。
部屋中におまんじゅうが散乱し、ルビィちゃん以外のみんなが布団の下敷きになっている。
「みんなー!旅館の人に聞いたんだけどねー!……あれ?みんなどうしたの?」
何かいいことがあったのか、嬉しそうに駆け込んできた千歌ちゃんも立ち尽くしていた。
夜中、みんなが寝静まった頃、催した俺はトイレにたった。
用を足し部屋に戻る途中、千歌ちゃんたちの部屋の前を通り過ぎようとした時、話し声が聞こえた。
「音ノ木坂って元々音楽が有名で、わたしも中学の頃にピアノの全国大会まで行って期待されてたんだけど、高校の大会では上手くいかなかったの」
前に一度だけ聞いたことのある話だった。
結局その後スランプに陥ってしまい、浦の星に転校してきたのだ。
期待……か。
そういえば今朝もよしみちゃんたちが来てくれたっけなぁ。
今の千歌ちゃんたちも、内浦の、学校のみんなから間違いなく“期待”されている。
“期待”は“不安”に変わる。
なんでもそうだけど、何かをする時、期待してくれる人は少なからずいるものだ。それは間違っても嬉しくないなんてことはない。でもその期待に応えようとすればするほど、失敗を恐れ、何も出来なくなってしまう。
もしかしたら“あの三人”もそうだったのかもしれない。
その後、千歌ちゃんと梨子ちゃんはその話を切り上げ、明日の為に眠りについた。
盗み聞きという形にはなってしまったものの、千歌ちゃんたちの本心を知ることが出来た。
俺はそんな彼女たちを全力でサポートする。
そう心に決めたのだった。
そして当日。
「それじゃあ、上位に入れば一気に有名になれるってことですか!?」
俺や慎司には馴染み深いアキバリポーターのお姉さんからこの「スクールアイドルワールド」の説明を受けていた。てか全然変わってねぇ……この人今いくつなんだよ……。
なんて俺の疑問は他所に話は進んでいく。
このスクールアイドルワールドはライブを見ているお客さんに投票してもらい、ランキングを決めるのだ。
したがって、曜ちゃんの言う通り、無名でも本当に技術の高いグループは一気に名を知れらることになる。
「そういうことね。Aqoursの出番は二番目!元気にはっちゃけちゃってねー!」
お姉さんはそう言って行ってしまった。
「二番……前座ってことね」
「仕方ないですよ。周りはラブライブ!の決勝に出たことのあるグループばかりですから」
やや士気が下がってしまいそうになるのを、見過ごさない。
「いいじゃないか。どうせなら後のグループにプレッシャーを与えられるようなライブにしよう!」
すかさずフォローを入れる。
「そうだなぁ。お前たちがここにいる奴らの欲望をどれだけ満たせるのか、見ておいてやるよ」
「アンクさん……」
珍しくみんなにフォローするアンク。
「アンク……お前アイス食べ過ぎたんじゃないのか?」
良い感じに六人を見送ろうと思ったのに台無しにしていく慎司だった。
「宮沢、今度お前にツケてアイス食わせてもらうからな」
「は!?」
アンクと慎司の面白おかしいやり取りを見て笑い出す。
緊張は少しでもほぐれた方がいい。あとでアンクにはアイス買ってやらないとな。
「ありがとう。耀太くん、アンクさん、慎司くん。行ってくる!」
スクールアイドルワールドは始まった。
そして同時に、俺が知っている未来を、大きく変える出来事が起きていたことを俺は知らなかった。
耀太)Aqoursが参加した初めてのスクールアイドルイベント。千歌ちゃんたちは今出来る精一杯のライブをやり切った。
慎司)しかしAqoursの順位は三十組中三十位。最下位という結果に終わってしまう。
曜)Saint Snowの二人、そしてダイヤさんから告げられた真実と現実はわたしたちの、千歌ちゃんの心を大きく揺るがす。
耀太)一方、姿を見せないでいた果南ちゃんは、鞠莉ちゃんを呼び出して彼女へ警鐘を鳴らす。そしてその彼女の陰にとてつもない闇が潜んでいた。
梨子)次回ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「0と過去と素直な心」
作者)さて、今年の投稿はこれで最後になります。今年いっぱいは週一で上げ続けることが出来ました!
耀太)その分誤字や脱字もあるかもな。
作者)ま、まあペース上げてたし多少は……。し、しかし、ここまでこれたのはこれまで見てくださった皆様のおかげです!それに先日やっと観に行けた平ジェネと昨日のTV本編ラストで衝撃の発表で刺激され、今後の更新にいい影響が出るはずです!
耀太)ああ、確かにヤバいこと尽くしだな。その帰りにクレーンゲーム苦手なお前がフィギュア取れたり。今年どころか来年の運もつかったんじゃね?
作者)そ、それは関係ないでしょ!?
千歌)三人とも、そいうお話は締めた後で、みんなでしよう。
慎司)そうそう、千歌さんの言う通り!
作者)そうですね。それでは……
全員)今年はありがとうございました!来年もまたよろしくお願いしたします!皆様!よいお年を!!
カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
バッタ×1
ライオン×1
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1