ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~ 作:白銀るる
それでは17話です。
これまでのラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
東京スクールアイドルワールドに参加したAqours。しかし、その結果は得票0では最下位というものに終わる。
それでも千歌たちは輝きたいと思う気持ちを捨てず、スクールアイドルを続けることを決めた。
そんな彼女たちに訪れたのは、果南の離脱。そしてその裏では謎の男:ポセイドンが手を引いていた。
死の淵から蘇り、新たな力=タジャドルコンボに変身した耀太の活躍により、果南の奪還、ポセイドン撃破を果たしたのだった。
カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
バッタ×1
トラ×1
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1
夏休み。
それは学生が送る生活の中で、最も長い休暇である。
長い理由はいろいろあるみたいだけれど、それも彼らには関係はないようで。
「
本日は雲一つない晴天。セミは休みなく鳴き続けていた。
「……なんかセミが鳴いてると夏って感じするよね……」
「暑さも倍加してる気もするけどね……」
学校に集められた内、五人が暑さに
「ダイヤさん、急にどうしたの?みんなを呼び出したりして」
「ふっふっふっ……みなさん、ついに今日から夏休みですわ!」
「Summer vacationといえばー?」
鞠莉ちゃんとダイヤさんが尋ねてくるが……。
「えーっと……海?」
「夏休みはパパが帰ってくるんだー」
などなど、一部省略するが誰一人まとまった答えが出てこなかった。
ダイヤさんはプルプルと身体を震わせる。
「ぶっぶーですわ!あなたたちそれでもスクールアイドルですの!?片腹痛い片腹痛いですわ!!」
いつになくテンションの高いダイヤさんは、またいつになくご立腹である。
所変わってスクールアイドル部の部室。
ホワイトボードに貼り付けられていたのは、見たことのあるスケジュール表で、“Aqours”の張り紙が追加されたものだ。
「夏と言えば、ルビィ?」
「多分、ラブライブ!」
「正解ですわ!可愛いでちゅわー。いい子いい子でちゅねー」
赤ちゃん言葉でルビィちゃんの頭を撫でる。
今までのthe 生徒会長とも言うべきダイヤさんから一変、妹に甘々デレデレな親バカならぬ姉バカにジョブチェンジしてしまった……。
「ちょっとつい最近までとのギャップが……」
「何この姉妹コント……」
「コント言うな!」
いや、うん。仲がいいのはいいことだよね……。
「コホン……夏と言えばラブライブが開催される季節。それに参加する為、わたくしたちはこの特訓を行います!」
「なるほど、だからダイヤさん、今日は朝からテンションが高かったのか」
「その通りです。そしてこれはわたくしが独自のルートで入手した、“μ’s”の特訓メニューです!」
うわぁ……やっぱりかぁ……。
「遠泳十キロ……」
「ランニング十五キロ……」
ああ……μ’sの歌詞担当の方が考えた鬼畜とも言えるこの練習メニューをお目にかかれるとは……。
でも普通の女子高生がこんなメニューこなせる訳……
「ま、なんとかなるでしょ」
……こなせる訳ない……よな?
「ダイヤさん、何でこんなやる気なの……」
「多分、今まで我慢してた分が一気にシャイニーしちゃったのかも」
これには流石に苦笑せざるを得ない。
「あ」
その曜ちゃんが何か思い出したみたいだ。
「そう言えば海の家の手伝いをお願いされてなかった?」
「ああー!自治会で出してる海の家のお手伝いがあるのです!」
「ん、なんかしてたね、そんな話」
「あ、そう言えばわたしもだ」
「決してサボりたいという訳では無いのですが……」
「そのスケジュールでは……」
先約がある以上、詰め込まれたあのメニューには参加出来ない。なかったとしても出来るかどうかは別だが。
「ていうかこんなクソ暑い中で、その練習は……」
慎司の発言に、ダイヤさんは「そういうと思っていました」と言わんばかりに、怪しい笑みを浮かべる。
「なら夏場でも涼しい、Morning and eveningにすればいいじゃない」
「でもそれだと時間が……」
「その問題を解決する方法が一つありますわ」
ダイヤさんと鞠莉ちゃんを除く全員が唾を飲む。
「合宿ですわ!!」
「合宿かぁ、確かにいいかもしれない。みんなで集まっていれば、朝と夜は練習、昼は手伝いが両立できるしね。それで場所は?」
尋ねるとダイヤさんはだんまりになる。
「え?え?場所まだ決めてないの?」
「それは……」
「じゃあウチなんてどう?」
困り顔のダイヤさんに助け舟を出したのは千歌ちゃん。
「ウチなら頼んで一部屋くらい借りれるし、すぐ目の前が海だし」
「異議がある人は……いないみたいだ。じゃあダイヤさん、いつから──」
「早速明日の朝四時に集合ですわ!」
「早っ!?てか朝四時!?」
かつてない早さで、かつてないテンションのダイヤさんは早朝四時という早過ぎる時間に設定。
この日は解散となり、翌日から合宿が始まった。
ちなみに、時間までにちゃんと来たのは花丸ちゃんだけで、言い出しっぺのダイヤさんは来なかった。
***
天高く登るお天道様。
照らされて輝く紺碧の海と白い砂浜。
そして目を開ければ、九人の水着美少女が!
「生きててよかったなぁ……」
「そうですねぇ……」
誰かの為に戦う戦士といえど、
そんな俺たちからすれば、ここはパラダイス。戦いで作った傷(女神さまが治してるけど)を癒し、さらに目の保養にもなる。
これで泳ぎが苦手じゃなかったら百点満点だったんだけど……まあ、それでも至福な時であることに変わりはない。
「耀太耀太!どう、似合ってる?」
サーフボードを持ってやって来た果南ちゃん。
「うん、水着も可愛いし、サーフボードもカッコいい!」
「ありがと!耀太も似合ってるよ」
「そうかな?」
こんなやり取りを女の子としてるとどうしても思ってしまう。
俺、今スッゲぇリア充してる!前にもあったな、こんなこと。
「耀太先輩……リア充ですね……」
一方こちらは妬みオーラ全開でジッと見てくる。
「やっぱそう見える?」
「爆ぜてしまえ!」
今までずっと殺伐とした戦いの中にいた所為で、こんな感情久しく忘れていた。
「みなさん完全に遊んでいますわね」
「それだけ平和ってことだね」
「それはそうと、海の家のお手伝いは午後からでしたね!はて?わたくしたちが手伝うお店はどこに──?」
わざとらしくキョロキョロするダイヤさんに慎司が、
「現実を見なよ。やるべきことは現実の先にあるんだ」
黒衣を纏った賢者が言いそうな言葉と共に、厳しい現実を再確認させたのだった。
「ボロボロ……」
「それに比べて……」
こちらの店は、漫画でもよく出てきそうな雰囲気の店なのに対して、となりは華やかな感じだ。
「都会ずら~」
「うん?あそこにいるのアンクか」
「今日はかき氷か……。しかし流石というべきか。よくも女の子だらけの所で冷静でいられるよ」
「ダメですわ……」
既に身内が一人(かき氷に)取り入れられてしまっている。それを踏まえても、こちらはかなり不利だろう。
「都会の軍門に下るのでーすか!?」
そんな敗北感漂う空気を壊したのは鞠莉ちゃんだった。
「わたしたちはラブライブに出場するのでしょう?なら、あんなチャラチャラした店に負けるわけにはいかないわ!」
「よく言いましたわ、鞠莉さん!」
ここがアニメならカッコいいSEが鳴りそうなシーンだ。
「「これ……何……?」」
千歌ちゃんと梨子ちゃんが宣伝の為の(センスが爆発している)格好をさせられた。
「これでお客を集めるのですわ!聞けば去年の売り上げも隣の店に負けたとか。ですから今年はわたくしたちが、この店の救世主となるのです!!」
店の屋根に登ったダイヤさんが熱く語る。
「九人の救世主……キュウレn」
「ストップそこまでだ」
変なこと(少なくともこの世界では)を口走りそうになった慎司を止める。
「果南さん!耀太さん!」
上から飛び降り、俺と果南ちゃんに迫る。
「あなたたち二人はこれを持って客引きですわ!」
「だ、ダイヤ……?」
果南ちゃんはかなり引き気味である。
「女性の魅力を十二分に持っている果南さんと、校内の女子からの人気が高い耀太さんでドシドシお客を連れてくるのです!!」
「「待ってダイヤ(さん)その話詳しく!!」」
果南ちゃんとハモる。そして何故か彼女はすぐに顔を逸らした。
「
「そんなアホな…気遣いって……俺は普通にしてるつもりだし……それにイケメンの基準が低すぎない?」
「とにかく二人が適任なんです。よろしくお願いしますわね」
何を言おうが、ダイヤさんは諦めないだろう。仕方ないので、言う通りお客の呼び込みを開始した。
さらに料理担当は、曜ちゃん、善子ちゃん、鞠莉ちゃん、慎司の四人に当たり、曜ちゃんはヨキソバを、鞠莉ちゃんはシャイ煮を、善子ちゃんは堕天使の涙を、そして慎司は仮面ライダーのキャラ飯を作っていた。
ヨキソバとキャラ飯はかなり好評だったようで、その二品は完売したのだった。
***
そして夕飯になったのだが、この日の夕飯は昼に売れ残ったものということになった。
「なんでこんなに作ったのか疑問を覚える……」
「申し訳ない」「でーす」
反省はしているようなので咎めるのはやめておこう。
「売れなかったのは……まあ見た目だよね」
「でも味は分からないし、食べてみたら意外と美味しいかも!」
というわけで実食。すると、
「「おおおっ!!」」
なんだこれ!?シャイ煮美味っ!!
見ただけでは分からなかったけど、本当に美味い!
花丸ちゃんはかなりガッツリ、アンクの舌にも合ったようで、全員から好評だ。
しかし問題はその値段の方で……。
「美味しい……けど、これ一杯いくらくらいなんですか?」
梨子ちゃんが禁断の問いを投げかける。
「うーん……十万円くらい?」
三人を除き、全員が吹き出す。
「た、高過ぎません!?」
「そう?普通だと思うけど」
指すがお嬢様。感覚が違い過ぎる。
「これだから金持ちは」
果南ちゃんのその気持ち、すっごく分かる。
「じゃ、じゃあ堕天使の涙はっと……」
ソレを口に運んだルビィちゃんの顔は見る見るうちに赤くなっていき、終いには叫びながら外に飛び出してしまった。
「善子さん!一体あれには何が入っていますの!?」
「タコの代わりにタバスコで味付けをした、これぞ堕天使の涙──!」
ルビィちゃんには申し訳ないが、心の底から安堵した。
「食わなくて良かった……。ん?」
あちらが賑わっている一方、千歌ちゃんたちは部活の話をしていた。ラブライブの予備予選がもうすぐの為の新曲のことだろう。
あまりよく聞き取れなかったが、どうも歌詞の方が出来ていないらしい。
後で俺も手伝おう。
***
翌日。
今日もまた客引きだ。
本当にダイヤさんの言った通り、お客さんが集まってくる。
「賑わっておるのう」
……聞き覚えのあるというか、最近も聞いたばかりの声だ。
「女神さ……っ!?」
「どうした?」
いやどうしたじゃねーよ!
まじビックリだわ!
声は同じなのに、容姿が全く違う。いつものロリショージョの姿ではなく、大人の女性だ。
「そうか!すまんすまん。下界に来る時は
いたずらっぽく女神さまは言った。
大人モードって……リリカルな魔法少女の娘か。
「少し待っておれ。デバイスの設定を変えてと……」
女神さまが操作しているのはうさぎのケースに入れられたスマホのようなデバイスだ。いやそのケース、マジで
「設定完了じゃ。これで他の人間にはさっきの姿のままで見えている」
いつものロリっ子に戻ったロリ神さま。
「いろいろとツッコみたいけど、まず何でここにいるのか説明してもらえるとありがたいんですが……」
「わらわも今日から夏休みでな。ぬしらを見守るついでにわらわも下界で遊ぼうと思ったんじゃよ」
「なるほど」
神さまにも夏休みってあるんだな。
「それにしても大変じゃったの」
「大変なんてもんじゃないさ。もう二回も死にかけてるし、メダルだって二枚手に入れたけど、結局二枚は取られてるからプラマイゼロだし」
おまけに取られたのはライオンとチーター。カザリは俺の持つトラを最後に完全復活を目前にしている。
「そうじゃったな。じゃがポセイドンを退けたのは見事だったぞ。奴はカザリに協力している。その半身を失うのは大きいじゃろう」
奴がライオンクラゲヤミーを従えてるのを見て、それはなんとなく分かった。
そのうち本人とも戦わなければいけない。
「ま、そんな難しい顔はするな。どうせ今は襲ってこないし、カザリ相手でもわらわの恩恵の上からコンボを使えば互角に戦うことは出来るじゃろ」
「やだよ!効果切れた後めちゃくちゃしんどいんだもん!」
実際タジャドルコンボに変身して、二回技を発動しても、身体への負担は全くなかったが、変身解除後しばらくしてから少しずつ来て、その後一日はほとんど動けなかった。
「あれは本当にヤバい時だけでお願いします」
「分かった分かった。と言っても今のカザリと戦うことになったら、それ自体ヤバい気もするが……」
ああ……どっちにしろお世話になるかもしれないのかよ……。
「ところで……」
「うん?」
「さっきからジッとこっちを見ている
うん、さっきからずっと見てるもんな、果南ちゃん。
ちょくちょく何でなのか考えてはいるけれど、ある一定まで達すると、思考が止まる。答えに辿り着いてはいけないような気がして。
そんな考えをよそに、俺と果南ちゃんを二度程見直し、女神さまはニヤニヤし始める。
「……なんか良くないことを考えてない?」
「うーん?何も考えおらんよ?」
うん、怪しい。おもむろに果南ちゃんの方へ近づいていく。
いやマジで何する気だ!?
「こんにちは。あなたが松浦果南さん?」
「え、あ、はい……」
「耀太がいつもお世話になってます」
ぺこりと一礼。……誰だあれ。
「い、いえこちらこそ……あの、耀太のお母さんですか?」
「耀太の叔母です」
何勝手に設定してんの。てか本当にあの女神さまなの!?
何気なく大人モードに戻ってるし。
「それにしても……こんなに可愛らしい方が耀太のガールフレンドなんて」
「………」
多分脳の処理が追いついていないのだろう。数秒間フリーズした後、赤面させていった。
「ちょ、何勝手なこと言ってのさ!」
果南ちゃんから湯気が出ている。周りの声は聞こえていないと思うが、念の為小声で話す。
「別にいいじゃろ。女神として、
「手伝いをじゃな、じゃねーよ!海にでも潜って頭冷やしてこいよ!」
とんでもない爆弾を置いて、ロリ神さまは海の方へ歩いていったのだった。
「果南ちゃん……?おーい、聞こえますかー?」
そう声をかけると、
「が、ガガガガ、ガールフレンドな、ななななんて……」
某カードゲームのモンスターの名前を読んでいるみたく、言葉を上手く発せてない果南ちゃん。
しばらく十千万に滞在するという女神さまには、それなりの制裁を受けてもらおう。
「う、海行こう、耀太!」
「え?ちょ!?」
そして俺はというと、果南ちゃんに手を引かれて、海へダイブ。
無事溺れて助けられたのでした。
実はこの時、梨子ちゃんに転機が訪れていたのだけど、それを知ったのはこの合宿が終わった頃だった。
耀太)よし果南ちゃんいくよ。ジョーカー!
果南)うん、耀太。サイクロン!
作者)え、え、え?ちょ、果南ちゃんもなんで!?
ロリ神)擁護できんの。
作者)いや一番擁護出来ないのはあなt
耀太&果南)さあ、お前の罪を数えろ!!
作者)せめて最後まで言わせてよ……。くっ……俺の罪だと?そんなもの、今更数え切れるか!
花丸)開き直ったずら。
ルビィ)ははは……。次回ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「友情と奪えないモノとひとつの想い」
作者)え、ちょま!マキシマムドライブ!ギャアアア!
カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
バッタ×1
トラ×1
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1