ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

18 / 59
これまでのラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
果南が戻り、ダイヤと鞠莉が参加して九人になったAqours。
一学期を終えた彼女たちは、夏休みの合宿と海の家の手伝いをすることに。
多少のアクシデントもあったものの、耀太たちは平穏な時を過ごすのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
バッタ×1
トラ×1
サイ×1
ゴリラ×1
ゾウ×1
ウナギ×1
タコ×1


友情と奪えないモノとひとつの想い

「どうして俺もこんな面倒なことをしなきゃならない!」

 ヌルヌルとしたプールの中に立って、苛立ちで震えるアンク。

 その手に握られているのは、アイス……ではなく、清掃用のモップである。

  次のシーンはここに至るまでの話である。

 

 東京で開かれるピアノコンクールに参加する梨子ちゃんを送り出す為、スクールアイドル部全員+αで沼津駅へ。

「ちっ……なんで俺まで……」

 一名苛立っていたが。

「そんなカッカすんなって。お前だって梨子ちゃんとは長い付き合いなんだからさ」

「ははは……」

 もはやお馴染みになってきた俺とアンクのやり取りに、梨子ちゃんが苦笑する。

「そうだよ、アンクさん。友だちなんだから」

「勘違いするなよ。俺がお前たちといるのは、利用価値があるからだ」

「はいはい。そういうことにしといてあげる」

 すげぇな、千歌ちゃん。日に日にアンクの扱いが上手くなってる。アンクが上位に立てる日は来ないんじゃないだろうか。

「梨子ちゃん、しっかりね!」

「うん!」

 

 とまあ、こんな感じなのだが、このプール掃除に参加させられていることに、アンクが憤っていたのだ。

「人手も男手も足りないんだ。分かったらさっさと掃除する」

 そんなアンクに喝を入れたのは、意外にも慎司だった。

 けれど、今のアンクにはまさしく“火に油を注ぐ”発言だったようで、モップを捨てて慎司に突っかかる。

「やめてください、アンクさん!慎司さんの言う通りです!梨子さんが不在の今、より多くの人の力が必要なんです!」

 制止をかけるダイヤさん。彼女の言い分は最もなのだが……。

「確かにちょっと面倒くさいよね」

 果南ちゃんがアンク側になる意見をする。

「だから夏休みに入る前に言ったのに。『プール掃除どうにかしないとー』って」

 さらに鞠莉ちゃんが追い打ちをかけ、ダイヤさんが「うっ」と痛いところを突かれたと声を漏らす。

「だ、だからこうしてどうにかしてるんですわ!」

 ははは……。そうね、確かにどうにかはなってるけど、これ俺たちが手伝わなかったらかなりやばかったんじゃないか?

 愚痴をこぼして、文句を言って、時々ふざけて怒られて。なんだかんだでプール掃除は終わりを迎えた。

「ねぇ、ちょっとここで練習してみない?」

 誰かがそう言うと、流れでそのまま少し練習へ。

 もちろん滑って転ばないよう注意は払った。

「うおっ!?」

 ……払った。

「大丈夫、耀太?」

「イテテ……ありがとう果南ちゃん」

 差し出された手を掴んで起き上がる。お尻痛てぇ……。

「気を付けてね」

「うん……」

 ロリ神さまの悪ふざけ以来、少し避けられることがあったが、またこうして以前のように接することが出来ている。

 あの女神(ひと)はまだ下界(こっち)に滞在しているが、あの日ちゃんと釘は指しておいたし、あんなことはしないだろうけど。

 予選に向けての練習が始まったのだが、

「あ、ごめん、曜ちゃん!」

「ううん、大丈夫だよ。もう一回やってみよう!」

 少し……というか大分違和感があるフォーメーションだ。

 理由は言わずもがな。

「ごめん、曜ちゃん……。どうしても梨子ちゃんの時のステップになっちゃって……」

 梨子ちゃんの名前に反応するように、曜ちゃんの表情が少し曇る。よく見ないと分からないほどだけど。

「………」

 けど結局、練習が終わったその後もしばらくいっしょにいたにも関わらず、彼女にそれを聞くことは出来なかった。

 

 ***

 

 今日ほど、こんなに胸の奥がもやもやしたことは無い。

 どうしてなのか。答えは簡単だった。

 わたし、嫉妬してるんだ。

 鞠莉ちゃんに言われて、わたしは自分で自分が嫌になった。

 小さい頃から、いつもみんなと、千歌ちゃんと同じことがしたいって思ってた。

 だからあの時、スクールアイドルに何かを、輝きを感じて、千歌ちゃんと一緒に出来るんだって思えてすごく嬉しかった。

 でも、千歌ちゃんのとなりにはいつも梨子ちゃんがいて、耀太くんやアンクさんがいて、気付いたらみんながいた。

 そしたら、もしかしたら千歌ちゃんは、わたしと一緒じゃ嫌なのかなって……そう思うようになって。

 

 ──そんなの

 

 そんなの嫌だ──

 

「奪われたくないか?」

 

「え」

 突然、緑衣に身を包んだ人がそこに現れた。

 いつの間にとか、その時のわたしには考えられなかった。

 そしてその人は、怪人へと姿を変えて、だけどわたしは立ち尽くしたままで。

 ただ奪われたくないって、失いたくないって想ってたから。

「だったらその欲望、解放しろ」

 きっとその言葉に負けてしまった。

 

 その声が聞こえなくなっていたら。

 

「曜ちゃーーーんっ!!」

 

 わたしを正気に戻したのは、大好きで。

「危機一髪ってところかな?」

「大丈夫だった?何もされてない?」

 優しい友だちだった。

 二人の優しい声を聞いたら、熱いものが頬を伝って、止まらなくなった。

「な…!?ウヴァ、よくも曜ちゃんを泣かしたな!」

「タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!!」

 耀太くんが変身すると、怪人は耀太くんの方へ跳んで、戦い始める。

 千歌ちゃんはそれに巻き込まれないよう、わたしを二人から離してくれる。

「大丈夫だよ、曜ちゃん。きっと耀太くんが──?」

 わたしを想ってくれている友だちを疑うなんて、わたし、バカだ。バカ曜だ。

「ごめんね!」

「よ、曜ちゃん?」

 わたしは千歌ちゃんを抱きしめた。

「ごめんね、ごめんね……!」

 精一杯の声を絞り出しながら、ぎゅっと。

 

 ***

 

 千歌ちゃんのお願いで、曜ちゃんの家まで千歌ちゃんを送ったら……。

「な…!?ウヴァ、よくも曜ちゃんを泣かせたな!」

「タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!!」

「俺はあの人間の欲望を解放してやろうとしただけだ!」

 なおタチが悪いわ!

 メダジャリバーを引き出し、ウヴァと競り合う。

「だが丁度いい。俺のコア、返してもらう!」

「それはこっちのセリフだ!」

 剣と鉤爪が激突し、火花を散らす。

 鉤爪を弾き飛ばして、一閃する。

 しかしウヴァはそれを跳んで避け、蹴りによる一撃を食らわせられる。

「くぅ……やっぱり強ぇ……だけど……」

 歯を食いしばって立ち上がる。

「絶対に負けられない…!」

「まだ立ち上がるか」

「当たり前だよ。大切な友だちを、二度も利用させるわけにはいかないんだよ!!」

 トラクローを展開して、再びウヴァに食らいつく。

 ウヴァの鉤爪を左手で弾き、右手のクローで斬りつける。が、右腕、左腕と掴まれて膝蹴りが腹部にヒット。

 さらに背中に一撃。倒れ伏す。

「これだけ痛めつければ──!?」

 だけどもう一度、立ち上がる。

「言っただろ、大切な友だちを利用させるわけにはいかないってっ!!」

 身体の所々が痛い。だけど、この間に比べれば、この程度どうってことはない。

「これで終わりにしてやる!!」

 ウヴァがフラグ臭漂うセリフを吐いて、一撃。

 俺も同時に一撃を加える。

 互いに弾かれ、そしてウヴァの手に一枚、俺の手に二枚が握られている。

 ウヴァの上半身が弾け飛ぶ。

「グハ……俺のコアが……」

 ダメージは相当大きかったようで、膝から崩れ落ちる。

「ここは一旦退いて──っ!?」

 退散しようとしたウヴァにむかって放たれたセルメダルのエネルギー弾は全段命中。逃走を阻止する。

「間に合ったみたいだな」

「みたか!百発百中の名狙撃手の力!」

 足止めしてくれたのは、バースバスターの銃口をフッと息を吹きかける女神さま(大人モード)だった。

「ヨータ!絶対逃がすな!コンボで一気に決めろ!!」

 そして女神さまが連れてきたアンクが投げたメダルをキャッチ。それをドライバーに装填する。

「サイ!ゴリラ!ゾウ!サゴーゾ!サゴーゾ!!」

「くそ!覚えてい──」

「逃がすか!はあぁぁぁああっ!!」

 跳んで逃げようとしたウヴァに重力波を向け、引きずり込んで思いっきり、

「や、やめろぉぉぉぉおお!!」

「セイヤーーーッ!!」

 地面にめり込ませるイメージで、ウヴァにゴリバゴーンを振り下ろした。

「うわぁぁぁぁぁっ!!」

 ウヴァは爆散、ヤツが持っていたコアメダルが弾け飛んで、アンクと女神さまが全て回収した。

 

 ***

 

 予選当日、八人と三人は無事に今日を迎えることが出来た。

「やっぱりここは質の良い欲望が多いな」

「今ほどお前がヤミーを作れなくて良かったと思ったことは無いぞ」

 心臓に優しくない発言をするアンクと、それに冷や汗をかく俺と慎司。

 そして衣装に身を包んだみんな。

 全員、その右手首にシュシュを付けている。梨子ちゃんが送ってくれたものだ。

 

 離れていても、想いはひとつ。

 

 この時確かに、みんなの心はひとつだったんだと、俺は思う。

 

 

 




作者)プスプス……
梨子)ね、ねぇ耀太くん?作者さんどうしたの?
耀太)果南ちゃんと一緒にちょっとしたお仕置きをしただけだよ。多分土管からコンティニューしてくるから大丈夫。
梨子)それ大丈夫じゃないよね!?コンティニューって一回死んじゃってるんじゃ……。
作者)俺はどこの元社長もとい神だ!
千歌)おお!本当に出てきた!
梨子)えぇ……。
耀太)よし、まだ残機はあるな。そうだな、次はこれで……。オレンジ!ロック オン!ハナミチオンステージ!
作者)もうやめてぇぇぇ!!
梨子)は、話が進まない……。
千歌)次回ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「μ’sとAqoursと進む道」
耀太)セイハーーーッ!!オレンジスパーキング!
作者)ギャアアア!

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×2
カマキリ×1
バッタ×3
トラ×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。