ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~ 作:白銀るる
ラブライブ地区予選への出場を果たしたAqours。しかし、耀太たちはポセイドンとの戦うことに。ウヴァと慎司がカザリを、耀太はポセイドンを撃破するも、女神とポセイドンの関係、そしてコアメダルの真実が明らかになる。さらに激化する戦いに苦悩する耀太たちだったが、キャンプでの宝探しの末に見つけたダイヤたちの先祖の残した宝を見つけ、昔にポセイドンが作り出した鵺ヤミーを撃破することにより、自分たちの成すべきことを再確認したのだった。
カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×3
カマキリ×2
バッタ×3
ライオン×1
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1
手に入れるのは難しくて、けれど失うのは簡単。
それは誰でも、どんなものでも同じ。
それが例え、
「申し訳ありません、カザリくん。あなたはもう用済みです」
彼が得た力は、それをもたらした者により奪われた。
力を奪われたカザリは傷口を押さえもがきながら、男を見上げる。
「どう…して……っ!?」
「あなたを凌ぐ器がいるからですよ」
男の隣に舞い降りた影。その影は倒れ伏す自身に向けて、攻撃を仕掛けようとしている。
「さようなら、
そして無慈悲に攻撃は放たれ、カザリの視界は真っ白になっていく。
こうして彼の悪夢は終わりを迎える。
「今の……まさかグリードのボクが夢を見るなんて……」
カザリが目を覚ましたのはベッドの上。
何故このような場所に自分がいるのか、答えはさっき見た悪夢だ。
そう、裏切られたのだ。
たった一度の敗北で、あの男はカザリをまるでトカゲが尻尾を切るように、裏切った。
その時に意識を内包しているライオン・コア以外の全てのコアメダルを奪われ、その時のダメージからセルメダルも不足し、倒れたのである。
「やっと目が覚めた?」
不意にドアが開けられ、この部屋(?)の主らしき人物が話しかけてきた。
「随分とうなされていたみたいだけど、怖い夢でも見たの?」
「……キミは?」
「人に名前を聞く時は、普通自分から名乗るんじゃない?まあ別に構わないけれど」
金髪の少女は、警戒する少年に近づく。
「そんなに警戒しても何もしないわよ。わたしは小原鞠莉。このホテルに住んでいる人間よ」
少女、鞠莉はカザリを諭すように名乗る。自らを“人間”と称したのは、彼が人間でないことに気付いていたからだろうか。
「あなたの名前は?」
「……カザリ」
「……カザリ?どこかで聞いたような…」
鞠莉は少し考える。そして、
「そう言えば前に耀太が、果南からヤミーを生み出して、利用したって言ってたグリードの名前がカザリだって言ってたわ。近くにこれがあったから、グリードだという気はしてたけど、あなただったのね……」
「キミ、グリードのこと知ってるんだ……」
カザリは鞠莉を前にして、本当の姿を現す。カザリは怯える鞠莉を想像したが、
「なるほど。本当の姿はこっちで、普段は人間たちに化けてるのね」
彼女は驚くことすらしなかった。
「怖くないの?その気になればキミを殺すことだって──」
「出来たらとっくにしているでしょう?」
言い返せなくなる。それは彼女の言葉通りだったからだ。
セルメダルが不足している今、この姿を保っていることすら危うい。
カザリが人間の姿に戻ると、鞠莉はカーテンを解放する。
「ソーリー。友だちが来たみたいだから、少し待ってて」
まるでペットを待たせるように言って、部屋を出ていった鞠莉。
一人残されたカザリは、ただただ思うのだった。
変な人間、と。
***
部活バイト共に休みの今日、鞠莉ちゃんに突然呼び出された。
何事かと思い、連絡船で来てみたら……。
「は?」
目の前の光景に絶句した。
なんでカザリが
なんでベッドで寝てるのぉぉぉぉおおっ!?
「やあオーズ」
「やあじゃないよ!なんでナチュラルに挨拶かわせんの!?この間まで戦ってたよね!?鞠莉ちゃん!なんでカザリがここにいるのさ!?」
聞きたいことはかなりあるが、ひとまず一度話をまとめることにした。
二人に話を聞いてまとめると、
「まずカザリがポセイドン、あの男に裏切られてメダルを奪われて、どうにか逃げてきたけど力尽きて倒れたと」
「それでわたしが倒れてた彼を拾って助けたの」
「いやそんな捨て猫を拾ってきた感覚で言われても」
グリードだと分かっていたうえでの今回の行為、それも今まで敵対していた相手だ。鞠莉ちゃんは将来大物になる気がする。
「まあ何にせよ探す手間が省けたってことだな」
「探す手間ね……言っておくけど、今のボクを倒してもメダルは手に入らないよ」
「それはお前のその姿を見れば分かる。セルメダルも足りないんだろ?生憎これしか持ち合わせてないけど」
ライドベンダーとカンドロイド用の十枚。そこから八枚をカザリに渡す。
「どうしてボクに?」
「戦う前から弱ってる相手を一方的に殴るのは好きじゃないんでね。それにどうせそれだけじゃ何も出来ないだろ?」
「何を言ってるの?キミ程度なら今のままだって十分勝てるよ?」
「へぇ?俺の方も負ける気はしないんだけどな?」
バチバチと火花を散らす俺とカザリ。
「ストーップ!二人とも喧嘩はノーセンキューだよ!」
「「ご、ごめんなさい……」」
二人の間に入ってきた鞠莉ちゃんが、チョップで制止してきた。
二人揃って謝ったところで、本題に入ると促した。
「それじゃあまず俺からカザリに一つ提案がある。カザリ、俺たちと手を組む気はないか?」
これはウヴァの時とほぼ同じだ。
ウヴァの時はカザリとポセイドンが厄介な同盟を結んでいた為、それに対抗する手としてこの二人が手を組んでいる間は共闘し、最低限使う分のメダル以外は譲渡するという条件だった。
今カザリの証言によって(嘘の可能性も否めないが)続ける必要は無くなったが、女神さまに与えられた感覚を気に入っているため、再び敵対する可能性はほとんど無いだろう。
今度はカザリとも共闘し、ゆくゆくはグリード全員を味方につけたいところだが……。
「興味ないね。ボクは人間と、それもオーズと手を組む気ははサラサラない」
正直断られるような気はしていた。ウヴァの時は……とか思ったりもしない。ウヴァとカザリは“違う”のだから。
「そうか」
本来なら戦う者同士、武力抜きで話し合えたことすら奇跡だ。
同盟の内容まで説明して断られたのなら、もう何も言わない。次会った時は敵として全力で戦うだけだ。
……とは言ったものの、俺が与えたメダルで初めより力は安定したはず。鞠莉ちゃんを一人にしておくのは危険と判断し、しばらくはここにいることに。すると、
「ねぇ耀太」
「ん、なに?」
「グリードとオーズは元々は敵同士なんでしょ?ならどうしてアンクやウヴァはあなたと共にいるの?」
鞠莉ちゃんにそう問われた。
そう言えば鞠莉ちゃんたちには、それぞれの概要と関係だけを話し、実際にあった(?)歴史そのもののことは説明していなかった。
「アンクはさ、初代オーズとも協力関係にあったんだよ。それでも最後は裏切られてメダルを奪われて、挙句の果てにオーズはその欲望とメダルの力で暴走。石棺封印されてしまいましたとさ」
その話をすると、少し険しい表情になる。
「……耀太は大丈夫なの?」
「ああ…そうだね……」
正直暴走しないとは限らない。俺はオリジナルと違い、ちゃんと欲をたくさん持っている。女神さまは心配ないと言うが、万が一は起こり得るのだ。
無責任に「大丈夫」とは言えない。
どう答えようか迷っていると、
「それじゃあ約束。もし耀太が暴走しそうになったら、わたしが止める」
「鞠莉ちゃん……」
「あなたはもう何度もわたしたちを守ってくれたんだもの。だからあなたがピンチになったら、必ず助ける」
優しい──慈愛に満ちた、と形容すべき笑顔でそう言ってくれた。
「ありがとう──」
彼女への想いはそれ以外、どうしても表せなかった。
***
その日の夜。アンクたちのこともある為、耀太は帰宅。ホテルにはカザリと鞠莉の二人が残った。
「キミは変な人間だね」
話を切り出したのはカザリだった。
「あら?それはどういうことかしら?」
「どうして
その一言は、鞠莉に問いの意味を即座に理解させた。
「……彼に相応しいのはわたしじゃないもの」
寂しそうな笑みを浮かべ、静かに答えを返す。
「やっぱりキミは変な人間だよ。少なくとも、ボクが見てきた人間の中ではね」
ある程度回復したカザリは、部屋の中を歩きながら話を続ける。
「人間は誰しも欲望を持ってた。それらのほとんどが、本人には不相応だったり、不似合いだったりしてたけど、それでも叶えようと必死だった」
「そう」と答え、鞠莉は少しの間を開けて、口を開いた。
「──わたしはもう失いたくないの。わたしの、大切な居場所を……」
その気持ちを言葉にすれば、きっとまた傷付けてしまう。それなら胸にしまって、忘れよう。
大切な場所を守ってくれた彼を。
大切な親友を。
二度と傷つけないように。
そう切に想う鞠莉を見たカザリは、彼女に興味を抱いた。
彼女の欲望にではなく、彼女自身に。
***
翌日、やっぱり鞠莉ちゃんが心配になり、再び連絡船に乗って淡島へ。しかしその心配は杞憂だったらしい。
「協力って…本当かカザリ!?」
「まあね。少し興味あるものも見つけたし、しばらくはここにいてもいいかな」
「そっか、なら後でコアメダルを渡すよ」
「よろしく頼んだよ」
どういう風の吹き回しかと聞きたくなったが、それを聞くのは野暮な気して、結局聞くことはなかった。
手に入れるのは難しくて、失うのは簡単。
それは誰でも、どんなものでも同じ。
だからこそ、人は大切なものを失わないよう、必死に抗う。例えそれが、何かを諦めることだとしても。
慎司)作者作者。
作者)あれ?耀太はいないんだ?珍しい。
慎司)それはそうと、ここ本編とほぼ関係ないじゃん?
作者)いきなりメタいな。まあその通りなんだけど。
慎司)先輩はいつ鞠莉ちゃんのフラグ立てたんだ?
作者)そりゃあ、鞠莉ちゃんにとって耀太は……ってこれ言っちゃダメでしょ。ネタバレなっちゃーうよ
慎司)やっぱり?
作者)やっぱり
慎司)まあそのへんはおいおいってことか。
作者)そう。それじゃあ次回、ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜 2nd Season「新学期と転校生と再スタート」
???)ここが俺の通う学校か。
慎司)あれ?こいつ誰?もしかしてここに来て新キャラ!?
カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×3
カマキリ×2
バッタ×3
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1