ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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これまでのラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
幾度もの迷いの壁を越えて、二学期を迎えた千歌たち。彼女たちは再びラブライブに出場する、学校を救うことを目標とした。また、チームオーズにはウヴァに次いでカザリが加わり、さらには新たなライダーが転校生としてやって来たのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×3
カマキリ×2
バッタ×3
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1


雨と個性と超バイク

 学校説明会。それは来年度の入学を希望する中学生の為に開かれる、自分たちの学校のことをよく知ってもらおうという、在校生にとっての一大イベントだ。

 しかし、浦の星学院はこの学校説明会を行えないというところまで来てしまっていた。

 鞠莉ちゃんのおかげで、条件付きで開いてもいいということになったのだ。

 予選と学校説明会。二つの会場で披露する為の新曲を作る為、二グループに分かれた俺たち。

 次の場面は予選の為の曲を作る俺たちが、奮闘するところから始まる。

 

 ***

 

 ラブライブ予備予選に向けて、三年&一年チームで新曲を作ることになったのだが……。

「ねぇ、俺たちって何しに来たんだっけ……」

 淡島ホテルの鞠莉ちゃんの部屋で、用意されたお菓子とお茶をいただき、ティータイムと洒落こんでしまっていた……。

「何って……なんでしたっけ?」

「それ本気で言ってるの、ダイヤさん?」

「じょ、冗談よ。予備予選で歌う新曲を作りの為です!」

 ガチトーンでボケるダイヤさんに、ガチトーンのツッコミで返す。そんな声で冗談を言うのはやめていただきたい。

「じゃあ新曲について何かいい案がある人ー」

 ………あれ?誰も手を挙げてくれないのは何故だろう……。

 答えは簡単。ルビィちゃんはテレビに釘付け、善子ちゃんは寝そべってスマホを弄り、花丸ちゃんはポップコーンを鷲掴み……。

 人の話を聞いてねぇー……。

「鞠莉さん鞠莉さん、俺の話を聞いてくれる人がいないんですが……」

「どうしてかしら……。曲を作る為に最高の場所を用意したんだけど……」

「最高過ぎたんじゃない?快適な空間って居心地がいいけど、それが逆に意欲を掻き立てないって言うか……」

 一理あるとかそういうレベルじゃねぇ。

 人とは娯楽が近くにあると、作業に集中出来ない生き物だ。

 みんなもそれなりにくつろいでしまっている。完全に落とし穴にハマってしまっている。

「……場所を変えた方いいわね」

 改めてここが今はよろしくない場であることを確認、移動することになった。

 

 が、問題解決の糸口は見つからなかった。むしろ悪化した……。

 何とか新曲のアイディア出すところまでは辿り着いたのだが、花丸ちゃんと善子ちゃんは「無」、鞠莉ちゃんと果南ちゃんが「ロック」を取り入れたいと、意見が対立してしまったのだ。

「とりあえずどこからツッコんでいいか教えて」

「ええ?!わたしたちに問題は──」

「問題大有りです!ルビィちゃんたちを見てよ!」

「え?……あ」

 ロックは耳に合わなかったらしく、一年生は鞠莉ちゃんの持ってきた音源でダウンしていた。

 その後も話し合ったものの、この日のうちに決着が着くことは無かった。

 

 ***

 

 翌日、三年生と一年生はもう一度集まることになった。

 黒澤姉妹と話し合って、一つの答えが見えてきたのだ。その答えとは、

「三年生と一年生ってちゃんと話すことって少ないでしょ?だからこれを機に、もっと仲良くなれば曲作りも(とどこお)りなく進むと思うんだ」

「確かにそうかも。流石マネージャー!みんなのことをよく見ているのね!」

「ダイヤさんとルビィちゃんがいなかったら、俺だって気付かなかったよ」

「……でもどうしてカザリまで?」

 俺を盾にしてそういう果南ちゃん。まあそうなるよね。

「みんなで色々やろうと思ったんだけど、人数が半端になっちゃうかもしれないし、来たいっていうから呼んだんだよ」

「そういうことだから、ボクも参加させてもらうよ」

 ついこの間まで本気で戦い合っていたとは思えないほど、フランクな感じだ。そもそもこれがカザリの素なのだが。

 

 というわけで三年生チームと一年生チームに分かれてドッジボールをするこに。

 三年生チームの内野は果南ちゃんと俺。外野はダイヤさんと鞠莉ちゃん。

 一年生チームの内野は善子ちゃんとカザリ。外野はルビィちゃんと花丸ちゃんだ。

「行くよ、鞠莉!」

 果南ちゃんの一投からスタート。鞠莉ちゃんへパスし、「シャイニートルネード」が炸裂。善子ちゃんに当たるが、ワンバウンドしてカザリがキャッチした。

 ……これドッジボールだよね?

「ボクたちの番だね。戦いでは負けたけど、今度は勝つよ!」

 風を利用したカザリのボール。ソレは横に弧を描いて俺に向かってくる。

「って!冷静に分析してる場合じゃねぇ!?」

「タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!!」

 過去最速でオーズに変身してボールをキャッチ。

「あっぶねぇ……危うくドッジボールで大怪我するところだった……」

 この後も試合は続いたものの、一年生はカザリを除いて全滅してしまった。

 ちなみに勝敗が着く前に俺とカザリ以外の全員がダウンしたので、引き分けとなったのだった。

 

 ドッジボールの次は、一年生の提案で図書館へ。

「八百年の間に、人間たちの読む物も随分面白くなったよね」

「確かにそうかもだけど……すげえな。俺はそんな本読む気にもなれないぞ……」

 カザリが手にしていたのは歴史書。それも数冊は積まれている。

「読書は一人で読むのも、みんなで読むのもどっちも楽しいずら」

 図書委員である俺と花丸ちゃん、善子ちゃんはもちろん普段からアイドル雑誌をよく読んでいるルビィちゃんとダイヤさんは問題無し。

 しかし果南ちゃんと鞠莉ちゃんは、

「おーい、二人とも起きてますかー?」

「「………」」

 ……寝てる。

「二人は読書や難しい話が苦手ですから……」

 ダイヤさんはそう苦笑する。

 ……正直、普段の感じから薄々そんな気はしてた。

 しばらくしても二人は起きず、これ以上はあまり意味が無いと、読み終えられなかった名残惜しさを感じつつ、図書館を後にした。

 

「予想以上に噛み合わないね……」

 インドア派の一年生とアウトドア派の三年生。

 まさかここまでとは思わなかった……。

「ボクはどっちも楽しかったけどね」

「まあ、人それぞれだから……」

「「はぁ……」」

 どうすれば良いだろうと思考していると、思わぬ襲撃者に会ってしまった。

「久しぶりね、オーズの坊や。それからカザリ」

 人間の姿をしているのに、ルビィちゃんは少し退く。無意識に恐れているのが伺える。

「誰?」

「カノジョはメズール。グリードの一人だよ」

 カザリが答えると、メズールは本当の姿へと変異していく。

「ポセイドンの坊やが言ってたことは本当だったのね。オーズと手を組むなんて、気でも狂ったの?」

「ボクは自分にとって最善の手段を選んだだけだよ。コアメダル一枚でアイツに勝てるなんて思ってないからね」

 カザリはメズールの挑発には乗らない。しかしその発言から、メズールはポセイドンと関わっていることが分かった。

「やっぱりお前も奴に関与してるんだな。てことはガメルも一緒か?」

「ええ。わたしもガメルも後はあなたたちの持っているメダルを手に入れれば完全復活が出来るのよ」

「残念だったね。キミたちのメダルは全部アンクが持ってるよ」

 カザリの言葉を聞くと、メズールは笑い出した。そんなこと言われなくても分かっている、と。

「わたしの役目は坊やたちを足止めすること。アンクのところには今頃ガメルが行っているはずよ」

 勝利を確信した笑い。だが、その笑いはすぐに止むことになった。

「そうか、それは残念だったな」

「……どういうこと?」

「今日は頼りになる後輩を二人もおいてきたんでね。今頃ガメルはやられてるんじゃないか?」

「ならすぐに坊やを倒して行くまでよ!」

「オーズ!」

 メズールの不意打ち。しかし、

「変身!」

「ライオン!トラ!チーター!ラッタァ・ラッタァ!ラトラーター!!」

 変身と同時にライオディアス発動で攻撃は蒸発。もちろん威力は調節し、後ろの鞠莉ちゃんたちに被害が及ばないように。

「はぁぁぁっ!」

 瞬時にトラクローを展開してメズールを切りかかる。

 が、メズールは防御はおろか、避けることすらしない。

 次の瞬間地面からサメヤミーが飛び出し、メズールを庇い爆散した。

「なっ…!?」

 目の前で起こった事を上手く飲み込むことが出来ず、棒立ちになる。

「隙だらけよ!」

 防御が間に合わず、徒手での攻撃をモロに受ける。

「自分のヤミーを…盾にするなんて……」

 これじゃあいくら攻撃してもヤミーに防がれてしまう。

 でも無数にいるメズールのヤミーを……。

 やるしかない……。

 クラウチングスタートの体制に入り、

「よーーい……ドンッ!」

 腕を広げてメズール目掛けて突撃。もちろんヤミーも現れるが、そいつらごと体当たりする。

「うらあぁぁぁぁぁああっ!!」

 何百メートルか走り、ヤミーが出てこなくなった段階で腕をクロスし、メズールとヤミーを弾き飛ばす。

「な、なんて滅茶苦茶な……でも時間は充分稼いだわ。また会いましょう、オーズの坊や」

「待て!」

 追いかける暇もなく、メズールの逃走を許してしまった。が、戦いはまだ終わっていない。

「厄介なもん残しやがって…!」

 残されたヤミーたちが地面に潜り直し、逃走を図ろうとしている。

 一体一体相手するのは時間と体力が……。

 辺りを見回すと「これを使え!」と言わんばかりにライドベンダーが設置さていた。

「……デジャヴるんだけど、そんなこと言ってられねぇや!」

 まずセルメダルを一枚投入してトラカンドロイドを入手。さらに一枚追加し、今度はバイクに変形させ、カンドロイドを起動。

 トラくんは巨大化し、ライドベンダーはさらに変形。二つは合体し、トライドベンダーが完成した。

「おお!体がさっきより軽い!じゃなくて!」

 何故か一人ボケとツッコミをしてしまった。

「まだそう遠くまで言ってないはず、見てるだろ!女神さま!」

『なんじゃ、休憩中に』

 夏休みを終えて天界に戻った女神さま。休憩中なのは申し訳ないが、こっちはかなりピンチなんだ。協力してもらわなければ。

『仕方ないのう…ヤミーを見つければいいのじゃな……おるぞ。数百メートル先で暴れておる』

「サンキュー女神さま!行くぞトラくん!!」

「グラァァァァッ!!」

 トライドベンダーの雄叫びと共にアクセル全開で走り出す。

 合体前よりもマシンのパワーが上がっている為、女神さまが示してくれた場所にすぐに到着。

 ヤミーたちはアスファルトの中を速い速度で移動していた。その奇妙な光景を見た人たちは悲鳴をあげ、逃げていく。が、腰が抜けてしまったのか、逃げ遅れた人にヤミーが迫っていく。

「トラくん、お願い!」

 トライドベンダーはメダル型のエネルギー弾を発射し、ヤミーを一体撃破する。

「早く逃げてください!」

 その人の盾になるように停車、逃げたことを確認し、メダジャリバーを取り出して再発進。

「トリプル!スキャニングチャージ!!」

「グルアァァァァッ!!」

 トライドベンダーの咆哮で、地中から飛び出した数体のサメヤミーにオーズバッシュを放ち、トライドベンダーもエネルギー弾を発射。全てのヤミーに命中、爆発四散した。

「よーしよし!いいコだトラくん!」

 撫でてやると、トライドベンダーは勝利の雄叫びを上げるのだった。

 

 ***

 

「ただいまー」

 さっきの場所に戻るやいなや、みんな俺の方へ駆け寄って来た。

「中々戻って来ないから心配してたんだよ!」

「ごめんごめん。数が多くて手こずっちゃってさ…おっと…」

「耀太!?大丈夫…?」

 トラくんと一緒だったのが途中からだったからなのか、少しよろめく。

「大丈夫だよ。ほらカザリ」

 果南ちゃんに肩を借りながら、カザリへメダルを返却する。

「その様子だとメズールには逃げられちゃったみたいだね」

「メダルはいつでも取り返せるさ。それより……」

 メズールの所為を撃退したはいいものの、タイミング悪く雨が降り始めた。

 幸いなことに、花丸ちゃんの知り合いのお寺が近くにあるとの事なので、彼女から連絡してもらい、使ってもいいことになった。

 

 お寺の中はとても暗く、灯りはロウソクのみ。

 少し動くと「ギィ…」と軋む音が──

「ハグーーッ!」

「え?」

 何今の声可愛い。

「果南は怖いものが苦手だからね〜」

「そうだったんだ……誰にでも苦手なものってやっぱりあるもんなんだな」

 足に力を込めて音を鳴らしてみる。

「ハグーーッ!!」

 可愛い。

 ギィ…。三度(みたび)音が鳴る。

「耀太!」

「え!?こ、今度は俺じゃないよ!?」

 三回目のは本当に俺じゃない。その事を弁解していると、

「この猫が犯人だね」

 カザリが腕に猫を抱えていた。

「みゃぁお」

「なぁんだ……」

 ホッとため息をついた直後、ふぅっと風が吹き、ロウソクの火が消えた。

 火をつけ直してパニックに陥った果南ちゃんとルビィちゃんを落ち着かせ、今日一日のことを振り返る。

「みんなバラバラだね……」

「本当だね……」

 一体感の無さを痛感する。

 数秒間沈黙が続き、やがてあることに気づいた。

 雫が一滴、天井から落ちてきた。

「雨漏りしてる。どこかに受け皿になるものない?」

「はい、耀太」

 受け取った器をそこに置く。すると、それまで何も無かったのが嘘のように、次から次へと雨漏りし始める。

「こっちにもちょうだい」

「そっちにも」

 水が床に垂れないように器を集めて受け皿にする作業が始まる。

 雨漏りは至る所にあったけれど、そのうち床に落ちる水は無くなった。

 外から聞こえてくる雨の音。そして(ここ)では、受け皿に水が落ちる音が。

「ボク思うんだけどさ、わざわざ合わせる必要ってないんじゃない?」

「「え?」」

「今まで色んな人間を見てきたけど、その中でも同じ人間なんて一人も見たことない。似ている人間はいたけど、やっぱり違う。こうして聞き分けられるようになった声や音だって、全然違うしね」

 ……そうかもしれない。いや、確かにそうなんだ。

 どうしてみんなバラバラなんだろう、違うんだろう。当たり前だ。みんな同じじゃないんだから。

「全く違う個性を持ったみんな」

「好みも苦手なものも全然違うけど」

「けど、そんなAqours(みんな)だからこそ──」

 一人一人の違った音色だからこそ、ひとつの曲を紡ぐことが出来る。

「それじゃあそれを忘れないように、今日はここで合宿よ!」

 鞠莉ちゃんの宣言通り、この日はここで合宿となった。

 そしてついにラブライブ予備予選の為の新曲は、完成したのだった。




作者)今回ちょっと書くことがマジでないので、折角だしオリキャラ紹介していきます!第一回はこの方!この小説の第一主人公!
耀太)え!?あ、俺か。
作者)年齢十七歳。身長は170センチ。誕生日は2月14日。変身するライダーは「オーズ」。戦う使命を背負ってること以外は普通の男子高校生。だから女の子のあんなことやこんなことにも興味が──
耀太)余計なことは言わない言わない!
作者)苦手なものは水泳。泳げない訳では無いけど、25メートルを泳ぎ切ることが出来ない。時々言葉を反芻するのが癖で、転移前のAqoursの推しは?
耀太)曜ちゃんです。(*`・ω・´)
作者)その曜ちゃんとは親しい友だち止まりですが、これからどうなっていくことやら。
耀太)うるさいな。次回予告やるぞ。
作者)既に三人とのフラグを……
耀太)ダメだこれ。それでは次回ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「苦手と輝きと新ライダー」

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×3
カマキリ×2
バッタ×3
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1
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