ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
前回の三つの出来事
一つ、学校説明会とラブライブ予備予選。二つのステージで披露する新曲を二曲用意する為、千歌たちは二手に分かれることに。
二つ、全く噛み合わない三年生と一年生。それぞれの親睦を深めるために一緒に遊ぶことになったのだが、メズールと遭遇。これを撃退する。
そして三つ、突然の雨に耀太たちは花丸の知り合いのお寺に雨宿りすることになった。何もかもが合わないと落ち込んでいたが、カザリの助言により、新たな曲のイメージをつかむことが出来たのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×3
カマキリ×2
バッタ×3
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1


苦手と輝きと新ライダー

「どうしても頼みたいことがあるんだ」

 とある休日、俺こと佐藤晴也に一本の電話が入った。

 詳しい話は旅館「十千万」で、と言われ、向かった。

「……つまり先輩が出掛けている間、高海さんたちのことを見ていてくれと?!」

「うん。俺も三年生と一年生をどうにかしないといけないから」

 十千万に着き、島村先輩にそう言われるやいなや、俺は思う。

 ……どうしよう、断りたい。

「……宮沢さんだけじゃダメなんでしょうか。それにウヴァだっているんですね?」

 塵ほどの希望を込めて尋ねる。

「うんダメ」

 即答かよ。

「お前も知ってるだろ。今俺たちが敵にしている相手」

「それは、まあ……」

 実際に戦ったことはないが、女神さまからそのことは言付かっていた。手段を選ばず、凶悪極まりない神の成れの果てだと。

「ポセイドンはもう何度も千歌ちゃんたちを狙って来てる。守ってあげれる人はできるだけ多い方がいいんだ」

 彼の瞳は真剣そのものだった。もちろん、命を守るのに浮ついたも何も無いのだが。

「……その仕事を引き受けるにあたって、一つ問題があるんですが」

「問題……?」

 そう、彼の頼みを受けるにはどうしても伝えなければいけないことがあるんだ。

 

 その問題とは──

 

「女の子が苦手っ!?」

 俺の告白に先輩は予想通りの反応を見せた。

 先日の挨拶を見ていれば当然ではあるのだが。

「し、始業式の時は何で平気だったんだ?」

 俺は頭を掻きながら、

「あの時体育館にいた人全員を野菜だと思っていました」

「そ、それなら今回はあの時より確実に人は少ないんだし、尚更大丈夫なんじゃ……」

 肩を落とし、嘆息する。

「ダメなんです。野菜作戦は人が多いときじゃないと不自然過ぎて……」

「……どういうことだよ?」

「違和感なく野菜がある場所と言えば、畑か八百屋ですよね?」

「そう……なのか?」

「人がいればいるほど野菜の数は多くなり、その場所は八百屋、そして畑と重ねやすくなる。けれど、野菜が少ないと……」

 ポカンと口を開けて耀太は立ち尽くす。しばらくしてその口を閉ざしてこう言った。

「いやそれも色々おかしいだろ!」

 ツッコミを入れられながら、結局先輩に押し切られて高海さんたちの護衛につくことになった。

 

 ***

 

 十千万の千歌先輩の部屋にて、今日はいつもとは違う珍しい面子が揃っている。

 千歌先輩たち二年生に加え、転校生の佐藤晴也。そして俺だ。

 集まった目的としては、今度の学校説明会で披露する新曲作りと、万が一グリードやポセイドンが出た時の為の対処だ。

 が、

「千歌ちゃん、歌詞浮かびそうにない?」

「はぁ〜〜…全然分かんないよ〜〜……」

 このように作業がほとんど捗っていないのだ。

「“輝き”っていうのをキーワードにしようと思うんだけど……」

「“輝き”、か……」

 反応から察するに曜先輩も梨子先輩も、二人ともピンと来ていないんだろう。俺もだけど……。

「はーるやくん!」

「……うわあぁぁぁっ!?」

「「ッ!?」」

 千歌先輩に話しかけられた途端、佐藤が甲高い悲鳴を上げて音撃をかます。

「静かにしろっ!こっちにまで聞こえてきてうるせぇんだよっ!!」

 耀太先輩の部屋にいたらしいアンクが乗り込んできた。

「誰だ!デカい声出した奴は?!お客に迷惑だろっ!!」

 アンクに続き、従業員姿が板についてきたウヴァが部屋に入って来る。

「「ご、ごめんなさい……」」

 その剣幕は凄まじく、その場にいた全員が謝ったのだった。

 

 二人が部屋を出ていった後、佐藤は俺たちに土下座してみせた。

「そ、そこまでしなくても……。大体いきなり話しかけた千歌ちゃんだって悪いんだし」

「ごめんね、晴也くん。びっくりさせちゃって」

「い、いえ……俺がこんなだから……」

 謝罪に次ぐ謝罪。千歌先輩はもちろんそして佐藤も普通に良いヤツなわけで、多分これじゃあどれだけ時間があってもキリがない。というわけで、

「ストップ、そこまで!」

「慎司くん?」

「千歌先輩も佐藤も謝るのはそのくらいにして──」

「……実は俺、女性が苦手なんです」

「そうそう。女性が苦手で・・・へ?」

 佐藤の発言にしばらく時間が停止。数秒して再び、

「「えええええええええっ!?」」

「「だからうるせぇって言ってんだろっ!!!」」

「「ごめんなさぁぁぁいっ!!!」」

 今度は佐藤を除く全員が叫び、アンクとウヴァが召喚されたのだった。

 

 このまま黙っているわけにもいかないと感じた、そう言って佐藤は話した。

「……俺、小さい頃にいじめられてたんです」

 幼い頃のトラウマが脳裏に焼き付き、それ以来女性を見ると、その時の記憶と共に恐怖がフラッシュバックしてしまうらしい。

 さっきとは打って変わって、深刻な雰囲気に包まれていく。

 佐藤の過去(はなし)は、千歌先輩たちとは縁遠い話だろう。周りがみな敵だなんてこと、きっと想像もつかないはずだ。

「そうだったのか……」

 その証拠に三人とも言葉を失い、悲しい表情をしていた。

「だから──」

「ありがとう」

「え……」

 何かを切り出そうとしていた佐藤の言葉を遮ったのは千歌先輩だった。

 数秒前までの悲しげな彼女はそこになく、佐藤に向けられていたのは、とても優しい笑みを浮かべていて。

 そして震える佐藤の手を優しく包み込んでいた。

「わたしたちのことも苦手だーって思ってたのに、晴也くんは助けてくれたんでしょ?」

()()()()()()?どういうこと、千歌ちゃん?わたしたち、晴也くんはまだ会ったばかりじゃ……」

「ラブライブの地区予選があった日、わたし聞いたんだ。怪物と戦ってる戦士を見た!って。それって晴也くんなんでしょ?」

「え、あ、そ、それは…そうだけど…」

「だから、ね」

 あれ?すげぇドキドキするんだけど。ヤバくね?

 いかんいかん!俺は善子一筋なんだ!!

 意思を強く保って正気を取り戻し、佐藤の方を向くと、彼は泣いていた。

 表情こそ変わっていないが、その()から一筋の涙が零れていた。

「わわわ、ご、ごめんね!いきなり手なんか握っちゃって!」

「…いえ、ありがとうございます」

 そう答える佐藤は、佐藤ちゃんはきっと大丈夫だ。

「きゃあああああ!」

 ……なんてタイミングだ。結構いい感じだったのによ!

 降りて外に出ると、ガメルが暴れていてウヴァが応戦、アンクが観戦していた。

「アンクー、メダル、返せー!」

「はっ、残念だがそいつは無理だな」

「モタモタするな、お前たち!早く変身して手伝え!」

「あいよ!って危ねっ!?」

 ドライバーを腰に装着した瞬間、エネルギー波が飛んで来た。

「この感じ、アイツか」

 アンクの睨む先にいたのは、ディーペストハープーンを携えたポセイドン。そして奴の視線は俺たち、正確には佐藤に向けられていた。

「行くぜ、佐藤ちゃん!」

「ええ、宮沢さん!」

 改めてセルメダルを取り出し、佐藤も変身の体勢に入る。

「変身!」

 セルメダルをドライバーに投入し、ハンドルを回転させて変身を完了させる。

「変……身!」

 そして佐藤は、仮面ライダーよろしくの変身ポーズ。からのドライバーに水が吸い寄せられ、姿が変わっていく。

 

 伝説のあのライダーを彷彿とさせるフォルム。

 まるで水面(みなも)のように、陽の光を反射するボディ。

 

 その戦士の名は──

 

「俺はアクア。仮面ライダー、アクア!」

 

 

 ***

 

 この力を得て、この世界に来て、二度目の変身。

 最初は女神さま(あのひと)には「とある少女たちを守って欲しい」と言われた。

 けど、あの時はただ(ヤミー)を倒した“だけ”だった。

「守れ」と命じられた人たちに近づく敵を、振り払うだけでいいと、そう思ってた。

 

「ありがとう」

 その言葉をかけられたのはいつぶりだろう。

 

 たった一言なのに、胸が熱くなって。

 

 守りたいと思っていた。

 

 眼前の(てき)から!

 リーチはポセイドンに及ばないものの、アクア(この力)の強みは水を力に変えること。

 海のあるこの町なら──!

「俺は負けない!!」

 ポセイドンの攻撃を紙一重で回避し、徒手による連撃。

「すげぇ……ポセイドンを圧倒してやがる」

「オーズと同等……いや、それ以上か?」

 流れるように蹴りを加え、攻撃の隙を与えない。

 さらに水を吸収して攻撃の威力を上げ、ラッシュを仕掛ける。

ポセイドン(この力)が圧倒的差をつけられるとは……ふふふ、はははは!」

 狂ったように笑い出すポセイドン。

 不気味だが、奴を仕留めるには絶好のチャンスだ。

「オーシャニックブレイク!!」

 スライディングで勢いをつけて放つ必殺技のキックを叩き込んだ。

 

 ***

 

 いやマジですげぇ……。

 本当にポセイドンを倒しちまった。こりゃ負けてらんねぇな!

「ショベルアーム」

「「うらぁぁあ!!」」

 左腕に武装してウヴァと共に同時にパンチ、そこから回し蹴りを食らわす。

 セルメダルの消費が激しいガメルに、CLAWsでメダルを削り取られながらの攻撃は有効なようで、攻撃の質がさっきから落ち続けている。

「うぅぅぅ…やめろぉぉ!」

「悪く思うなガメル。ここを襲わせるわけにはいかないんだ」

 ウヴァの一撃がガメルを吹き飛ばす。

「っしゃあ!こいつを食らいな!」

「ブレストキャノン!セルバースト!!」

 よろよろと立ち上がろうとしているガメルに砲身を向け、ブレストキャノンをぶっ放す。

「うわぁぁぁぁ!!」

 砲撃は命中し、ガメルは悲鳴をあげるとともに爆発した。

「おめでとうございます」

 刹那、後方から佐藤ちゃんが倒したはずのポセイドンの声が。

 振り向くと、倒れたと思っていたポセイドン、さらに今倒したはずのガメルも健在で、ポセイドンの腕でウヴァの身体を貫いていた。

「が……貴様…俺のメダルを…」

 腕が引き抜かれると、ウヴァはセルメダルを零しながら地に膝をついてしまう。

 そしてポセイドンの手には、二枚のコアメダルが握られていた。

「おいお前、今何をした?」

「何を?メダルを頂いただけですが?」

「ちっ…答える気は無いか」

 ヤツが()()()()()ことには気付いたのか、アンクは。

「それではまた会いましょう」

 そう言い残し、ガメルとともにポセイドンは消えてしまった。

 

 ***

 

『またアイツに……』

「はい……あ、でも悪いことばかりじゃなくて!」

 コアメダルを奪われてしまったこと、佐藤ちゃんの快勝、彼が苦手を少し克服し、そのおかげで曲が完成したことなど、今日起きたことを電話で耀太先輩に伝える。

 向こうも結構大変だったみたいだけど、最後はカザリに助けられたらしい。

『そっか…、大変だったな』

「それはお互い様ですよ」

『そういやさ、いつの間にか佐藤“ちゃん”になったんだな、呼び方』

「んー、まあ語呂がいいからですかね」

 佐藤ちゃんは明日、正式にスクールアイドル部に入部することになった。

 新たな仲間が加わり、心機一転……といきたいところだったが、運命の神さまは残酷(ドS)であるという知らせが入るのだった……。




作者)オリキャラ紹介第二弾!今回はこちら!
ロリ神)うむ、苦しゅうないぞ。
作者)実年齢不明。身長140センチ。耀太たちをこの世界に転移・転生させた張本人。当初は第二次メダル争奪戦で狙われた自身のメダルを集め直すためと言っていたが、本当の目的は欲望の力で人間を滅ぼそうとする弟を止めること。
ロリ神)耀太たちを騙していたことは悪いと思っておる。じゃがそれ以上に、騙していたにも関わらず、戦うことを続けてくれているあの者たちには感謝しておるよ。
作者)というわけで次回予告いってみましょう!
ロリ神)次回ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「ダブルブッキングライブと方法と鳥ヤミー」

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1
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