ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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これまでのラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
三年生と一年生、そして二年生が完成させたそれぞれの新曲。間に合ったことへの安堵も束の間、天候の影響により延期となった学校説明会とラブライブ予備予選の日時が重なってしまうことに。
二つの会場でのライブを間に合わせる為、時間稼ぎに奮闘する耀太たちの目の前に、鳥のヤミーが出現。さらに二体目の奇襲に苦戦するも、双方のヤミーを撃破するのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1


お金とバイトと呼ばれたい名

 スクールアイドル部の部室で、そわそわとパソコンの前で待機するAqoursのメンバーとプラスα。

 そして練習着姿で窓を拭く千歌ちゃんという奇妙な光景が目に入る。

「ねぇ、耀太くん。千歌ちゃん、どうしちゃったの?」

 そう尋ねてきたのは梨子ちゃんだ。

「どうって……どうもしてないと思うけど……」

「もしかして今日が何の日か忘れちゃってるとか?」

 曜ちゃんがそう言うが、それは無いと絶対に言える。

 何故なら今日という日を誰よりも待ち望んだのは、件の彼女だからだ。

「千歌ちゃん、今日は一体何の日でしょう?」

「何って、ラブライブ予備予選の結果発表の日でしょ?」

「「おお」」

 みんなが一斉に声を上げる。いやそんなに?

「緊張はしないの?」

「しないよー?」

 ルビィちゃんの問いに自信ありげに答える。どうしてかと言うと、

「だってあんなに素敵な歌を歌えて踊れたんだよ!それに聖良さんもトップ通過は間違いないって!」

「いつの間にそんなに仲良しさんに……」

 そう、あのSaint Snowの鹿角聖良さんにも御墨付きを頂いている。それに間違いは無いだろう。

「あ、来た!」

「Aqoursは……」

 その名前が出てきたのは一番初め。

「ねぇこれってトップってこと!?」

「やったぁ!」

 ひとまず一難は去っていった。

 

 ……が、一難去ってまた一難がもはやテンプレ化してきているこの世界で、新たな問題が浮き上がらない訳がなく……。

「えー!?この間、みんなで千円ずつ入れたのに!?」

 うちっちーの貯金箱から一枚の硬貨──五円玉が出てきたことが、現在Aqoursが財政難に陥っていることを告げていた。

「何で五円……」

「ラブライブにご縁がありますようにってことじゃないですか?」

 誰かがそんな洒落を言うが、現状それは洒落にならない。

 Aqoursは自費で衣装や交通費を賄っている為、財政面で弱い傾向がある。

 勿論俺も出来る限り協力はしているが、それも限界というものはある。

 

 そしてやって来たのは淡島の銭洗弁天。

 千歌ちゃんが貯金箱に入っていた五円玉を洗っている。

「どうか……どうか五円を十倍!百倍に!!」

「五円の百倍は五百円だよー」

 無いに等しい神頼みとはこれ如何に。

「それに神頼みするくらいなら……」

 鞠莉頼み……といきたいところだけれど、

「小原家の力に頼ることは出来ませーんっ!」

「ですよねー」

 今のところ、Aqoursには完全に打つ手はほ無い……。

「ねぇダイヤさん」

「………」

 反応が無い。

 今度は目の前で手を振って呼んでみる。

「ダイヤさん?」

「!?ど、どうしました、耀太さん?」

「これからどうしようかって話なんだけど……ダイヤさん、大丈夫?」

「な、何の問題もありませんわ。資金の方についてはわたくしにアイデアがありますわ」

 

 ***

 

 というわけで、日を改めてやって来たのはフリーマーケット。

「なるほど、フリーマーケットなら高校生でも簡単にお金が稼げるし、何より時間も取られない。流石ダイヤさん!」

 メンバー(主に後輩)からの絶賛にダイヤさんは、善子ちゃんから貰った羽根を髪に刺して、怪しく笑みを浮かべていた。

 そして、

「ねぇ、千歌ちゃん。それは何?」

「何って、ミカンだよ?」

 謎の物体改めミカンの着ぐるみを着ている千歌ちゃん。

 それどっから持ってきたのとツッコもうかと考えていると、

「ねぇねぇ、ミカンのおねーちゃん」

「はーい!ミカンだよー!」

 小さな女の子がぬいぐるみを抱きながら千歌ちゃんを呼び止めた。

「いくらですか?」

「えーっと……どうしよっか…」

 そう尋ねられて、千歌ちゃんは歯切れが悪くなる。

 理由は商品(ぬいぐるみ)の値段であるが……。

「でも…今これしか持ってない……」

 女の子の手の上で輝くのは……五円……。流石にこれでは……。

「毎度ありー!」

 などと思った矢先、千歌ちゃんは五円を受け取り、ペンギンのぬいぐるみを女の子に譲ったのでした。

「やった!五円が二倍に!」

 ……うん、ご利益はあったね。

 五円が二倍で十円……。

 ま、まあ、あの可愛さに勝てる人なんてそうそういないし……それこそあの子が泣いてしまえば、心に変なつかえが残ってしまうだろう……。

 その後、ぬいぐるみの金額分のお金は俺が納め、またダイヤさんが物凄い剣幕を、お客さん相手に見せてしまったのだった……。

 

 フリーマーケットが終了し、売れ残った商品を片付けている時、やっと俺はある異変に気付いた。

 そしてそれは俺だけじゃない。

 千歌ちゃんの見つめる先にもまた、ダイヤさんがいる。

「ねぇ耀太くん、ダイヤさんの様子なんか変じゃない?」

「うん。多分何かあるんだろうけど……果南ちゃん」

「どうしたの、二人とも?」

「ダイヤさんが何か元気が無いように見えたからさ…」

「どうしたのかなぁって」

 すると果南ちゃんは苦笑した。

「千歌は不思議と鼻が利くよね。耀太に至ってはこういう時に限ってだし……」

 果南ちゃんが何かを呟くが、声が小さくて聞き取れなかった。

「まあ、ダイヤのことはわたしと鞠莉に任せて」

 ともあれ、彼女の言う通り、ダイヤちゃんのことは二人に任せることにし、今日はお開きになったのだ。

 

 ***

 

「んで、今日は曜ちゃんのところに入った救援要請を、みんなで手伝うってことで、オーケー?」

「救援要請って……まあ、間違ってはないんだけどね」

 やって来たのは「伊豆・三津シーパラダイス」。

 その名の通り水族館だ。

 以前曜ちゃんがバイトをしていたようで、今日はイベントの予定になっていて、人手が足りないらしい。その為、スクールアイドル部総出プラス二人で手伝うことになったのだ。

「それにしても、アンクが自分から進んでやるなんてな……」

「部屋で寝てると虫頭(ウヴァ)がいつもうるさくてな」

「あぁ…なるほど」

 要するにウヴァに怒られるのが嫌なんだな……。なんかウヴァも真っ当になってきてるよ、本当。

「まあ何にせよ、やるならちゃんとやってくれ。Aqoursの名前に傷をつけるわけにはいかないからな」

 アンクにそれだけ伝えて自分の仕事を始める。

 俺に与えられたのは売店でのレジと品出しだ。

 滑り出しは順調。

 それから何の問題も無く、休憩時間を迎えることとなった。

「ダイヤさんの様子、おかしくない?」

 そう話を始めたのは曜ちゃんだった。それに次いで善子ちゃんも、

「あれは、きっと魔界からの使者よ!」

 しかしそれは違うと花丸ちゃんと千歌ちゃんが、

「あの時ダイヤさんは確かに凄い怒ってたずら……」

「うんうん!だからわたしたち、ダイヤさんがこれ以上怒らないように頑張って──」

「ククク……」

 そこへ果南ちゃんと鞠莉ちゃん、それからアンクが笑いながら来た。

「あ、アンク?ね、ねぇ二人とも、アンクどうしたの?」

「えーっと、それが……」

 果南ちゃんたちの言った話は、今まさに俺たちも話していたダイヤさんのことだった。

「「『ダイヤちゃん』?」」

 全員が揃ってその呼び方を声にする。

 みんなから「ダイヤちゃん」と呼ばれたい、要するにみんなとの距離を縮めたいのでは、ということだ。

「小学生の頃から、わたしたち以外は中々近づけなくって……」

「…ダイヤ先輩って真面目で、どこか違う世界の人、みたいな感じ、最初はしてたかもなぁ……」

「確かにバカな宮沢と違うだろうな」

「……おい、アンク。もういっぺん言ってみろ」

「はいはい。ケンカは他所でやってこい。ところでアンク、どうしてさっき笑ってたんだ?」

「自分の欲望を満たすのがあんなに下手な人間がいるとは思わなくてな」

 うわぁ……こいつ最低だ。

「女の子の悩み事を笑うなんて、趣味が悪いよ、アンク」

「はっ!どの口がそんなことを言うんだかな?」

「この口だけど?」

 この後は言うまでもなく、アンクとカザリがバチバチと火花を散らしたので、すぐに二人を引き離し、人生で一番緊張感のある休憩を過ごしたのだった。

 

 休憩を挟んだ次の仕事は、いよいよイベントの準備……なのだが、ある問題が発生した。

 その問題とは……。

「「わーい!」」

「ああ?!みんな列にならないとダメよ!」

 幼稚園の子どもたちが、先生のいうことを聞かずに走り回っている。

 何とか事態を収めようとするが、収まる気配は全く無く、むしろ悪化してるところも……。

 

「みんなー!スタジアムに集まれー!!」

 

 辺りに大きな声が響き渡る。

 ダイヤさんだ。

 好奇心旺盛な園児たちは、何が始まるのかと、まるで磁石に引き寄せられているかのように、ダイヤさんの方へ集まっていく。

「園児のみんな、走ったり大声を出すのは、他の人に迷惑になるからぶっぶー、ですわ!みんな、ちゃんとしましょうね!」

  ダイヤさんが舞を始め、園児たちはみな釘付けに。

「凄いですね、ダイヤさん。あれだけまとまりが無かった子供たちを一瞬で……」

「うん。全く…ダイヤさんには敵わないな」

 晴也と二人、苦笑しながら、ダイヤさんに脱帽した。

 

 日が沈み始め、シーパラダイスは暗闇に覆われつつあった。

 一時はどうなるかと思われたが、アルバイトも無事終了。

 あとやらなきゃいけないことは……。

「ダイヤさん、お疲れ様」

「お疲れ様です、耀太さん……」

 今のダイヤさんは、見ただけで落ち込んでいるというのが分かる。

 まあ、無理もないのだろうけど。

「耀太さん。あなたの()に映るわたくしは、一体どのように見えていますか?」

「ダイヤさんはダイヤさんだと思う」

「それはどういう意味ですの?」

「そのままの意味だよ。ね、みんな!」

 俺が振り返ると、次いでダイヤさんも振り返る。

 そこにはスクールアイドル部のみんながいた。

「ダイヤさんは、果南ちゃんや鞠莉ちゃんみたいにふざけたり、冗談を言ったり出来ないなって思うけど、でもいざという時頼りになって、わたしたちがだらけてる時叱ってくれる。わたしは──わたしたちは、そんなダイヤさんでいて欲しい!そんなダイヤさんでいて下さい!」

 無理に変わる必要なんて無い。みんな、「今のままの黒澤ダイヤ」が大好きなのだから。

「わたくしはどっちでも良いのですわよ、別に……」

 照れ隠しのようなことを言いながら、彼女はホクロをかく仕草を見せる。

「せーの──」

 

 

 ──ダイヤちゃん!!

 

 




作者)オリジナル登場人物紹介のコーナー!四人目はこちら!
晴也)初めまして。仮面ライダーアクアに変身する佐藤晴也です。
作者)年齢は16歳。身長174センチ。誕生日は3月3日。幼い頃に女の子からいじめを受け、それ以来女性に対して苦手意識を抱いている。死ぬ一歩寸前を女神に救われ、仮面ライダーアクアとしてこの世界に転移。その為、女神に頭が上がらず、浦の星への転入も不本意ながらも受け入れました。ポセイドンを単独で圧倒する強さを持っています。とある出来事をきっかけに、ぎこちなさは否めませんが、女子生徒たちとも打ち解け始めています。また、自分に優しく語りかけてくれた千歌ちゃんに好意を抱いています。
晴也)………。
作者)あの、無言で変身するのやめてもらえません…?あと必殺技の体勢に入るのやめ──ドカーンッ!
晴也)……次回、ラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜「デートと尾行と二人のオーズ」

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1
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