ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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これまでのラブライブ!サンシャイン!!〜Step! ZERO to OOO〜
学校説明会とラブライブ予備予選の二つのライブを成功させたAqours。しかし、資金不足という問題に直面する。フリーマーケット、そしてアルバイトで資金を集めながら、ダイヤは一年生、二年生と仲を深めようと奮闘する。ダイヤの試みは全て失敗してしまうが、千歌たちはありのままのダイヤでいて欲しいと、彼女を受け入れたのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1


デートと尾行と二人のオーズ

 最近、マルは妙な感覚を覚えるようになった。

 二つ上の先輩、島村耀太くんと一緒にいる時や彼のことを考えている時。彼が誰かといる時、胸がドキドキしたり、モヤモヤしたり、あるいは締め付けられるように感じる。

「それはきっと“恋”だよ!花丸ちゃん!」

「こ、恋?マルが?」

「そうか?俺なんて先生に呼び出される時は毎回ドキドキしてるぞ」

「それは慎司くんが悪いことをしてるからでしょ」

 マルが恋?耀太くんに恋?

 脳がそれを認識すると、どんどん顔が熱くなっていく。

「わ、分かりやすいわね、ずら丸……」

「ず、ずらぁ……」

「でも耀太先輩となるとライバル多いんじゃね?果南先輩は間違いないし、カザリ程じゃないにしても人気もあるしな。本人は自覚してないっぽいけど」

 まさに前途多難。というか、そんなに多いならマルでは勝てないような気がしてきた……。

「諦めちゃうの!?」

「え、オラまだ何も……」

「顔に書いてあるのよ。『オラじゃ勝ち目ないずら〜』って。もっと自信を持ちなさいよ」

「そうだよ。花丸ちゃんは可愛いんだから」

 マルの弱い心をすぐに察してフォローしてくれる二人。

「善子ちゃん、ルビィちゃん……」

「しょうがない。恋する幼馴染のため、ここは一肌脱ぎますか」

「慎司くん……」

 慎司くんもそう言って立ち上がり、笑みを浮かべる。何かを企んでいる時の笑い方が、今はとても頼もしく見える。

「まずは、先輩を“デート”に誘うぞ!」

「……え?」

「え?じゃないだろ。今日は先輩と図書室の当番あるだろ?その時に誘うの?OK?」

「えぇぇぇぇぇぇ!?」

 その時のマルの叫び声は、他の階にまで聞こえていたそうな。

 

 ***

 

 とある日曜日。

 バイト、そして部活も休みの今日、俺は花丸ちゃんと一緒に出掛ける──デートをすることになった。

 正直、かなり緊張してます。

 だって生まれて初めてのデートだし、相手が花丸ちゃん程の美少女だったら尚更でしょ。……誰に向かって言ってるんだろ。

 まあ、それは置いといて、デートで待たせてしまったり、ましてや遅刻など以ての外。なので十五分前には待ち合わせ場所に間に合うように出てきた。

「お、おはよう。耀太くん……」

 ……目の前に天使が舞い降りた。

 は!?いかんいかん。花丸ちゃんのあまりの可愛さに、危うく土下座するところだった(意味不明)。

「お、おはよう花丸ちゃん……」

 ひとまず挨拶を返し……どうしよう、会話が続かない。

 で、デートと言っても普通に遊ぶだけだし、そんな意識しなければ何も問題は無い!……はずだ。

 深呼吸で平常心を取り戻し、花丸ちゃんに話しかける。

「それじゃあ行こうか」

「うん…」

 最初に訪れたのは映画館だ。デートと言えば映画。まさに王道オブ王道だろう。

「どの映画を観るの?」

「えっと……」

 上に取り付けられているモニターに映るスケジュール表と数秒間にらめっこし、

「あ、これずら!」

 花丸ちゃんが見つけたのは、ベストセラー小説が実写化された映画だ。

 実に花丸ちゃんらしいチョイスだ。

 二人でカウンターの列に並び、数分で順番が回ってきた。

「どちらの席にお座りになりますか?」

 席は花丸ちゃんに決めてもらったので、支払いに移る。

「高校生二人で」

「はい。高校生お二人分で二千円になります」

 金額を告げられ、財布から千円札を二枚取り出そうとすると、

「よ、耀太くん。マルは自分で払えるから……」

「このくらい大丈夫だよ。折角誘ってくれたんだから、せめてこういう形とかでもお礼はしなきゃだし」

 一度はやってみたかった、デートで二人分の支払いを持つ。……ささやかな夢が一つ叶ったよ。

「はい、これ花丸ちゃんの分」

「…ありがとう」

 花丸ちゃんの笑みに頬が緩むのを禁じ得なかった。滑り出しは順調なようだ。

 

 ***

 

 今日この沼津でとあるイベントが行われ、それに伴った任務が遂行されていた。

「ね、ねぇ…やっぱりやめない?」

「何言ってるんだよルビィ。ここまで来てやめられるわけないだろ」

「いや、まだ十分引き返せるかrっ!?」

 大声でツッコミを入れようとするルビィの口を瞬時に塞ぐ。

「あんま大きな声出すな!聞こえちゃうでしょ!?」

 念の為、目標(ターゲット)の確認……大丈夫、バレてない。

「いいか、ルビィ。俺たちはただ二人を尾行するんじゃないんだ」

「それってどういうこと?」

「例えば知り合いが二人を見つけたとする」

「うん」

「その人が空気を読める人なら問題ない。耀太先輩と花丸が何をしているのか察して、すぐ離れてくれるだろう。けど、世の中にはとんでもなく鈍い人もいるわけで……だから二人が出来るだけ長い時間楽しめるよう、俺たちで見守るんだよ」

「なるほどぉ」

 ルビィも納得してくれたようだ。

 これで堂々と尾行もとい見守り隊としての役目を果たせる。いや堂々とし過ぎてもバレるだろうけど。

「二人とも見て!ずら丸が来たわ!」

「うーん…やっぱりあの二人には『ごめん、待った?』『ううん、今来たばかりだから大丈夫だよ』はハードルが高かったか……」

「そもそも二人ともそんなキャラじゃ……」

 少しの間耀太先輩がフリーズし、しばらくしてから二人は移動を開始した。

 そして到着したのは映画館。

 ド定番だな。まあ、変に気合が入ってないって証拠だな。

 二人ともチケットを購入してシアターへ入っていった。

「よし、俺たちも行くぞ」

「「……」」

「どうしたんだよ?」

「「二人はどの映画を観るの?」」

「……あ」

 問題が発生した……。

 フィクションでは、こういう時はバレそうでバレないご都合主義的な変装して来るものだ。が、現実でそんなこと出来るわけない。

 よって二人と距離をとって尾行している|俺たちさんにん》には、会話は全く聞こえてこないのだ。

「どうするの?」

「どうするって…なぁ……」

 二人がいなくなって数分。何かを思い出したらしいルビィが「そう言えば」と、

「花丸ちゃんが読んでた本が映画化したって話をしたんだけど、それじゃないかな?」

「もしかしてアレのこと?」

 善子もまた、カウンター上のモニターを示す。

「あ、そうそう!」

「よし!じゃあ改めて行くぞ!」

 いざゆかんとする俺に対し、二人は冷えた視線で、

「……何かシン、全然役に立ってないわね」

「そうだね」

 ……辛辣だな。いや実際そうだけど。

「仕方ない。俺は常日頃から善子しか見てないからな」

「!?!?」

 善子は顔を真っ赤に染めて、ルビィはSっ気を出した時の顔になる。

「よくそんな恥ずかしいこと言えるよね」

「事実だもん」

「よ、よよよ、善子って言うな!」

 精一杯の反論。可愛い。

 何やかんやで、ルビィと善子の予想は当たりだったようで、シアターに入ると耀太先輩と花丸が確認出来た。

 それから、この映画を観るには、善子とルビィはあと数年早かったとだけ言っておこう。

 

 ***

 

 上映が終わり、俺と花丸ちゃんは映画館を後にした。

 なかなか過激なシーンがあり、「これ年齢制限大丈夫かよ…」とか思ったりもしたが、最終的には面白かったに辿り着く。

「やっぱり本で読むのとは全然違ったよー」

「あ、それ分かる。想像だけだと、どうしても細かい部分が分かんなくなるんだよね」

 映画の感想を交換していると、花丸ちゃんのお腹の虫が「きゅるるるぅぅ」と可愛らしい音で空腹を訴えてきた。

「うぅぅ……」

「お腹空いたね。少し先にいいお店があるみたいだから、行こう」

 事前に調べていた店を新たな目的地に定めて、歩き始めようとすると、

「よ、耀太くん…!」

「どうしたの?」

「その…手、繋ぎたいなって……」

 ……何この可愛い生き物。

 俺は花丸ちゃんの手を握り、一緒に歩み始めた。

 

 お食事処でお昼を済ませ、午後は本屋巡りという形になった。

 それってデートとしてどうなの?とか言わない。というか言えない。楽しそうにしている花丸ちゃんを見ていたら。

 時間はあっという間に過ぎていき、日が傾き始めて、外はオレンジ色に染まった。

「今日は本当に楽しかったぁ」

「俺も楽しかったよ。花丸ちゃんもそう思ってくれててホント良かった」

 夕日のせいで顔が赤らめているように見えるが、微笑んでいる様子が伺える。

「そろそろいい時間だし、帰ろうか。家まで送ってくよ」

「ま、待って!」

 帰宅を促すと、花丸ちゃんが意を決したという声で俺を止める。

「花丸ちゃん?」

「……あのね、耀太くん──マルは耀太くんが……」

 彼女が何を言おうとしているのか、それを察した時だった。

 

「これはこれは、出てくるタイミングを間違えましたかね?」

 この世で一番会いたくない相手が現れた。

「察せるんなら出てこないで欲しかったな」

「申し訳ありません。色恋沙汰など、神であるわたしには無関係なことでして」

「そうかよ。花丸ちゃん、ごめん。アイツぶん殴ってすぐ終わらせるから」

「う、うん……」

 戦いの邪魔にならないように、花丸ちゃんは俺から離れてくれた。

「「変身!」」

「タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!!」

「サメ!クジラ!オオカミウオ!」

 互いに変身し、得物をを構える。

 初動はポセイドン。ディーペストパープーンを振って、エネルギー弾を発射する。

 メダジャリバーでそれを斬り落とし、今度はこちらの攻撃。

 間合いを詰めて斬撃を繰り出す。一撃、二撃と当てるが、三撃目を防がれ、反撃を貰う。

「さっきまでの威勢の良さはどうしました?」

「さあね?さっきの所に置いてきたかも!」

 体勢を立て直して新たな攻撃を繰り出す。

 しかしメダジャリバーの刃は奴に届くことなく、槍の柄で止まってしまう。

 左脇に蹴撃か直撃、その後、ディーペストパープーンで連撃を加えられ、吹き飛ばされる。

「くそ!はあっ!!」

 メダジャリバーを投げ、トラクローを展開。

 トラクローで攻撃を仕掛けるも、空振りばかり。直撃の手応えも槍に吸われたものだった。

 ポセイドンからは柄で一撃、さらに剣先で一撃。さらに胸部に蹴りが飛んでくる。

「ふん!」

「かはっ…」

 蹴り飛ばされ、転がり倒れる。

「あなたの力はそんなものですか?あなたの“本気”とやらはそんなに脆いものなのですか?」

 本気、その単語にあの戦いの記憶がフラッシュバックする。

「そんなわけあるかよ…!」

 攻撃のダメージが残る箇所を右手で抑え、メダジャリバーを杖代わりに立ち上がる。

「耀太くん!」

 花丸ちゃんが駆け寄ってくる。

「大丈夫…大丈夫だよ…花丸ちゃん…」

「でも、こんなにボロボロなのに……!」

「これ以上内浦(このまち)で好き勝手させるわけにはいかないんだ…!みんながいるこの内浦を…!」

 落ちていたメダジャリバーを拾い、構え直す。

「勇ましい!勇ましいですよ!“真の王”を決する戦いに挑む者はそうでなくては面白くない!」

「真の王を決する戦い……?」

 ポセイドンはドライバーを取り外し、別のバックルを腰に当て、装着する。

「なっ…!?それは…!」

 

 ポセイドンが装着したそれは、間違いなく俺と同じオーズドライバーだった。

 ポセイドンは、緑・黄・赤のメダルを左(ポセイドン側から見て)から順に装填。

「変身──っ!!」

 

 

タカ!トラ!
バッタ!

 

タ・ト・バ!タ・ト・バ!タ・ト・バ!!

 オースキャナーでメダルを読み取り、俺のモノよりやや低めの音声が読み上げる。

 そして、そこに立っていたのは、赤、黄、緑の三色。

 俺と全く同じ姿へと変身を遂げたポセイドン、否、真のオーズだった。

「オーズが……二人……」

 二人が対峙し、初めて声を発したのは花丸ちゃん。

「それだけではありませんよ」

 不敵な笑みをこぼす真のオーズ。

 次の瞬間、オレンジ色の空から紫色の光が飛来してきた。

 衝撃の連鎖に目を見開く。

「マジかよ……」

 ポセイドンがオーズに変身した上、“その力”までもが姿を顕した。

 紫色のそれは、俺と奴の頭上で円を描きながら周り、やがて半数ずつに分かれ、双方の身体へと飛び込んで来た。

「うっ……!?」

 俺は変身が解かれて地に倒れ伏し、真のオーズは膝を地につける。

「っ……やはりまだ上手く制御出来ませんね。ですが覚えておきなさい。これは全ての“終わりの始まり”なのだと。ふふふ……ははははは!!」

 奴の笑い声が辺りに響く。

「耀太くん!耀太くん!」

 そして俺を呼ぶ花丸ちゃんの声が聞こえた直後、俺の意識は絶えたのだった。

 




善子)あれ何なのよ!オーズが二人ってどういうこと!?
ルビィ)それに紫色の光…どっちも耀太くんともう一人のオーズの身体に…。
慎司)そんなの俺が聞きたいくらいだ。大丈夫だよな、耀太先輩…。
果南)耀太はきっと大丈夫。今までもそうだったから。
アンク)なんだあのヤミー……。
???)ウワアァァァアアッッ!!!
鞠莉)次回「恋する少女と耀太と無敵のコンボ」。元に戻って、耀太!わたしの大事な友だちの為に!

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×1
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×1
チーター×1
サイ×1
ゴリラ×2
ゾウ×1
シャチ×1
ウナギ×1
タコ×1
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