ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~
前回の三つの出来事
一つ、Aqoursはラブライブの北海道地区予選に招かれた。
二つ、函館で再会したライバル、Saint Snowは、パフォーマンスの最中にミスをして、予選敗退してしまう。
そして三つ、ルビィとダイヤの姉妹の絆を己の欲望の糧にしようと企むメズールと遭遇した耀太は、ポセイドンの時と同様の未知の力を発揮し、メズールを下し、彼女を仲間に引き入れるのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×2
クジャク×1
コンドル×0
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×2
チーター×2
サイ×2
ゴリラ×2
ゾウ×2
シャチ×2
ウナギ×2
タコ×2
プテラ×2
トリケラ×1
ティラノ×2


二人の妹と聖なる夜と成長

「「ライブがしたい?」」

 ルビィに部屋に呼ばれ、花丸、そして善子ともども、その願いを告げられた。

「ライブって函館(ココ)でってことか?」

「うん、理亞ちゃんと一緒にね」

 Saint Snowの理亞とライブか。

 多分、昨日のことがあってそう思うに至ったんだろう。

「本当に出来るの?」

「分からない……」

 善子が強く言うと、ルビィの声色が少し弱くなる。

「でも、聖良さんとお姉ちゃんに伝えたいの……。理亞ちゃんとルビィの気持ち……」

 しかし、その弱さもすぐに掻き消された。

 Aqoursに加入した時と同じ、いや、それ以上の強い意志が今のルビィから感じられる。

「……ふぅ。しょうがな「面白そうずら!マルも協力するよ!」……」

「ホント!?じゃあ、この後理亞ちゃんと会うんだけど、一緒に来てくれる?」

「うん!」

 快く応じた花丸。

 ……やっぱり俺の扱い酷くない?

「もちろん善子ちゃんもね」

「善子じゃなくてヨハネ!それにそんなことをしてる暇はないの。わたしにはこの地に潜むリトルデーモンを探し出すという使命が……。けどどうしてもって言うならわたしも協力してあげなくもない──」

「善子ー」

「善子言うな!私はヨハネ!……ってずら丸とルビィは?!」

「お前がなんか言ってる間に行っちまったよ」

「え!?ちょ、嘘!?人の話は最後まで聞きなさいよ──!」

 叫びながら花丸たちの後を追う善子。

 肩をすくめて溜息をつきつつ、俺もその後を追うのだった。

 

 と言うわけでルビィが待ち合わせをしている喫茶店へ……やって来たのだが──。

 ストローから息を吹き込んで、ジュースを音立たせている理亞さん。

 すっごい不機嫌なのが見て取れる。

「わたし、三人も来るなんて聞いてない!」

 その発言から察するに、理亞は二人で話し合うつもりだったんだろう。

「で、でも、三人とも頼りになるし……慎司くんは仮面ライダーだし……」

「関係ない!そもそもわたし、みんなでワイワイやるのって好きじゃないの」

 ルビィがフォローを入れるが、あっさりとかわされる。

 すみません……ワイワイやるの好きで……。

「それを言ったらマルだってそうずら。善子ちゃんに至ってはさらに孤独ずら」

 フォローになってないどころか、味方を背中から攻撃してるな、それ。

「ずら?」

「あ、これは、その……おらの口癖ずら……」

「おら?」

「あわわわ……違うずら……」

 口を開く度にどんどん墓穴を掘っていく花丸。

「花丸はそれが口癖なんだよ。だからルビィと花丸はずっと図書室に籠ってたんだ」

 おどおどする花丸に見かねて、フォローを入れる。

 すると理亞の刺々しい雰囲気が消えていく。

「そうなの……?」

「ずら……今年の春まではずっとそんな感じだったけど……」

「……わたしも、学校では結構そうだから……」

 なるほど。花丸やルビィと通じるものがあったってことか。

 三人のやり取りを見ている理亞の表情が、だんだん緩んでいく。

 どうやら警戒は解いてくれたようだ。

 ……が、本題はここからだった。

 理亞の考えた歌詞を読み上げる花丸。

 そしてその内容は……うん、その……なんだ。

 善子チックというか、厨二チックというか……。

 まあ、ルビィたちが苦笑いするくらいのものであるとだけ述べておこう。

「い、言ったでしょう!?詞も曲も姉さまが作ってるって!」

「いやまだ何も言ってないじゃん……」

 とは言え、本人がそう言ってしまうということは、そういう自覚はあるんだろうな……。

「ふ……何の捻りも無い直接的な表現ばかりね」

 おっと、突っかかっていく善子さん。

「何よ、文句あるの?」

 しかし理亞さんも一歩も引かない!

「でも歌いたいイメージはこれで分かったずら」

「ルビィも手伝うから、一緒に作って見よ?」

「あなたたち、ラブライブの決勝があるんでしょ?曲作りなんてしてる暇あるの?」

「それは……」

「そこら辺は心配ご無用!なんたって頼りになる先輩たちがいるからな!」

「うん!それにルビィちゃんは理亞ちゃんのお手伝いがしたいずら」

「理亞ちゃんやお姉ちゃんと話してて思ったんだ。わたしたちだけでも出来るってことを見せなくちゃいけないんじゃないかなって。安心して卒業できないんじゃないかなって──」

 ……こうして見ていると、この三人──特にルビィは本当によく成長したと思う。

 だからこそ、今は応援してやりたい。

 ルビィが言った直後に、携帯の受信音が聞こえた。

「ゲッ!リリーだ!『どこにいるの!?もう帰る準備しなきゃダメよ!』って……」

 善子のスマホの画面を覗くと、確かに梨子先輩からメッセージが来ていた。

 しかも、そこそこ怒っていると、字面だけでも分かる。

「どうするの?」

「今は冬休みだろ?それなら───」

 

 ***

 

「ここに残る!?」

 帰って来た一年生四人から、信じられない話を持ち出された。

 まあ、理由としては、落ち込んでいる理亞ちゃんを励ましてあげたいとのこと。

 それは構わないんだけれど……。

「すいません耀太先輩。今何で俺の方を見たんですか?」

 あ、気付かれた。

「いやね、年頃の女の子三人と思春期真っ盛りの男を北海道に置いていくのはちょっと……と思っただけだよ」

「そんな信用ないんですか俺!?言っておきますけど、俺は善子一筋なんで他の娘に手を出すなんてことしませんから!」

「いや余計心配だわ」

 そんなこと言うから善子ちゃんが顔赤くしちゃってるよ。

 ていうか今の発言は結構ヤバいぞ。

 もしネットに拡散なんてされようもんなら……。

「まあそれは置いておいて、泊まるところとかはどうするの?」

「幸い、理亞ちゃんの部屋に余裕があるからお世話になるずら」

「なるほどね。で、慎司は?流石に理亞ちゃんの部屋に泊めてもらうなんてことないよな?」

「何言ってるんですか先輩。そんなの当たり前じゃないですかー」

 まあ当たり前だよな。泊めてもらうとか言いだしたら、八倒して無理矢理沼津に……。

「もちろん泊めてもらいますよ(冗談)」

 すぐさま戦闘態勢に入り、慎司の腹部目掛けてボディブローを仕掛ける。

「ちょ!ちょ!嘘!嘘ですよ!」

「時と場合を考えろ!思春期男児(ケダモノ)が冗談でもそんな発言していいと思ってるのか!?」

「ルビ!ルビがおかしいです、先輩!」

 などという漫才を繰り広げ、千歌ちゃんの了承も得て、一年生は北海道に留まることになった。

 

 所変わって飛行機の中。

 慎司一人では心配だと、カザリを含めた一年生以外は予定通りに帰ることになった。

「来てよかったね」

「本当にね」

 今回の函館訪問は、色々と得るものがたくさんあった。

 それを糧にして、Aqoursのみんなには精進して欲しい。

 そんな俺の想いを知らないダイヤちゃんの大きな溜め息が聞こえた。

「何か気に入らないことでもしたんじゃないの?」

「そんなことっ……!」

 若干、もとい結構な勢いで涙目になっている。

 やはり五人と別れた時に、「付き添いは無くて平気」と言われてしまったのがショックだったのだろうな。

 キャビンアテンダントさんから声がかかるも、果南ちゃんが対処してくれた。

「でもあの態度、何か隠してるようだったよ」

「まあ、それは分からなくはないかな」

「メンバーと別れてSaint Snowの家に泊まる……?もしかして──」

 そして「あの三人+αがAqoursを脱退する」などというあり得ない妄想の末、久々にダイヤちゃんの「ぶっぶーですわ!」が機内で炸裂した。

 それにしてもこの展開、何か凄い既視感を感じる……なんでだろう……(すっとぼけ)。

「そうじゃないと思うな」

 ダイヤちゃんのそれを否定したのは千歌ちゃんだった。

「多分あれは──」

「あれは……?」

「んー……言ーわない。きっともう少ししたら分かると思うよ」

 千歌ちゃんはそう微笑んだ。

 妹同士、何か思うところがあるのだろう。

 俺はそう納得し、ダイヤちゃんは再び機内に声を響かせたのだった。

 

 ***

 

「今日は中々面白かったね」

「ん、確かにそうだな」

 理亞の部屋での話し合いが終わり、ルビィたちはそのまま理亞の家に留まり、俺とカザリはホテルにチェックインした。

 今日だけで何人かの意外な一面が見えた。

 ルビィも理亞も中々なお姉ちゃんっ子だったとか……。いやルビィは何となく分かってはいたけど、まさか理亞までとは……。

「まあそれより俺はお前が残ったことが意外だったな」

「そう?」

「ああ。いつも鞠莉先輩にべったりなイメージがあったからな」

「ははは、確かにそうかもしれないね」

 やけに素直なカザリ。

 ついでにもう一つ、気になったことを問う。

「あとさ、あのメガネ、メズールにあげちゃって良かったのか?めが……神子さんに頼めば新しいのを……」

「良いんだよ。ボクにはもう必要のない代物だからね」

「それってどういうことなんだ……?」

「そうだねぇ……」

 一息程の間を開け、カザリはもう一度口を開く。

「満足出来たから……かな?」

「満足……」

 本来、グリードから決して出るはずのない言葉。

 しかし、何故か違和感の欠片すらも感じられなかった。

「なんてね。確かに色々と恵まれているとは思うけど、満足するにはもう少しだけ、足りないかな」

 窓から夜空を見上げるカザリの横顔は、少し哀しいさを感じさせる。

 まるで、その「足りないもの」は絶対に埋まるものではないと言っているように。

「さて、明日は早いんだし、今日はもう寝ようか」

「そうだな……」

 カザリに促され、俺はベッドに入り、目を閉じた。

 

 ***

 

 そしてイベントの選考会がやって来た。

 この選考で見事受かることが出来れば、クリスマスのイベントでSaint SnowとAqoursの二人の合同ライブをすることが出来る。

 が、やはり二人の態度、表情、そして声色から不安や焦りがあるのは見て取れた。

「ルビィ知らない人と話すの苦手……」

「わたしだって……」

 いざとなると仕方がないのかもしれない。しかし、今回はそんな弱音を吐いて、じっとしているわけにはいかないのだ。

「そろそろだね」

「姉さまがいないのがこんなにも不安だなんて……」

 そんな二人の震える手にそっと手を乗せ、

「でもさ、全部自分たちでやらなきゃ」

「全て意味がなくなるずら」

 善子と花丸がエールを送る。

 遂にルビィと理亞に順番が回り、二人は部屋の中に入っていった。

 

 ***

 

「さて、そろそろルビィたちの番かな?」

「時間的にもそうだろうね」

 四人と別れ、俺とカザリは選考会の会場とは全く別な場所に来ていた。

「全く、こんな日にヤミーが出てくるなんて、ホントにTPOを考えて欲しいもんだぜ」

「って言われても、前はボクもそんなこと考えなかったからねぇ」

 肩をすくめるカザリ。

 そして目の前には成長体のヤミーが数体だ。

「キャンプの時(サバイバルとミステリーと未来へのトレジャー 参照)のこともあるし、ポセイドンの野郎が生み出した奴らなんだろうな……」

「その話は知らないけど、ボクが生み出した心当たりのないヤミーがいるあたり、そう考えるのが妥当だろうね」

 カザリはそう言いながらグリードの姿に変身。

「新しいバースの力を試すにはもってこいだけど、これ以上好き勝手やられて、ルビィと理亞(アイツら)が悲しむ顔は絶対に見たくないんでね。悪いが速攻でかたをつけさせてもらう!」

 ドライバーを腰に巻いてセルメダルを一枚投入、レバーを回転させてバース・ツヴァイへと変身した。

「ドリルアーム」

 初めにドリルアームを武装し、ネコヤミーを撃破。

 続いてカザリが、サメヤミーを吹き飛ばした。

 サメヤミーと入れ替わるように、バイソンヤミーが突撃してくる。

「キャタピラレッグ」

 カザリとスイッチして、キャタピラレッグを装着。

 キャタピラを高速回転させて進み、ドリルで迎え撃つ。

「バース!伏せて!」

「おっと」

 バイソンヤミーをぶっ飛ばし、カザリの指示通り伏せると、頭上にいたらしいアゲハヤミーが、カザリの起こした竜巻で吹き飛ばされる。

「そのまま逃がしはしねーぞ!」

「クレーンアーム」

 クレーンアームと組み合わせたドリルを、飛ばされているアゲハヤミー目掛けて投げ掛ける。

「カッターウィング ショベルアーム」

 翅ごと拘束され、自由落下を始めたアゲハヤミーをショベルアームで叩き落とす。

 カザリがバイソンヤミーをネコヤミー目掛けて殴り飛ばし、二体が激突。

 そこに丁度良くアゲハヤミーが落下、直撃した。

「あと一匹……そこか!」

 強化されて追加された新機能、《セルサーチャー》で地中を動き回るサメヤミーを感知。

 ドリルをサメヤミー目掛けて投擲し、見事ヒット。

 ヤミーの身体に突き刺さり、捕らえた。

 クレーンアームを展開して、纏まっていた三体のヤミーとともに拘束した。

「そしてこれがバース・ツヴァイの目玉装備!」

「ブレストキャノン バスター!ブレイカー!!」

 機械音声と共に胸部に展開されたブレストキャノン。

 二枚目、三枚目とセルメダルを追加投入して、砲身を変形させていく。

 双頭槍のような砲身の間にセルメダルのエネルギーが収束される。

「これが俺の……!全力全開ッ!!」

 某魔法少女のような掛け声とともにエネルギー砲を発射。

「スターライトォォ……ブレイカァァァァァァ!!!」

「それは関係ないと思うな」

 カザリがそう言うが、そんなこと知ったことか。

 放たれた白い閃光は四体のヤミーを爆発四散させた。

 

 ***

 

 函館にいたとても短い期間の中で二人の妹は確かな成長を遂げた。

 そしてそれをそれぞれのお姉さんに見てもらう為にここまで来たんだ。

 ルビィと理亞の、もうすぐ到着するお姉さんを待つ姿を、少し離れた場所から見守る。

「さっきのダイヤ先輩からのメール的に、そろそろ来てもよさげな時間だけど……」

 今現在ここにいるのは、函館に残った一年生と、ダイヤ先輩より先に戻って来た耀太先輩たち。

 後者の方は、ルビィたちにも内緒で来てもらっている。

 まあ、なんだ。

 あの四人へのささやかなサプライズってやつだ。

「見て。二人とも来たみたいだよ」

 ダイヤ先輩と聖良さんへと、二人は歩みより、手紙を渡した。

 今まで勇気をくれたことへの感謝と、少しだけ成長した自分たちを見て欲しいという想いを込めて。

 

 聖なる夜の前夜。

 二人の姉と妹は、互いへの想いを歌にのせたのだった。

 

 




作者)ははは……今回はバース・ツヴァイについて解説したいと思います……。
仮面ライダーバース・ツヴァイ
女神が改修した仮面ライダーバース。
基本スペックが向上し、ある程度コアの集まったグリードとも互角に渡り合うことが可能。
また、セルメダルのエネルギーを感知して、索敵をすることが出来る。
さらに最大の特徴として、ブレストキャノンが大幅に強化された。
メダルの投入枚数に応じて、キャノン→バスター→ブレイカーと砲身と放たれる砲撃の威力が変化する。
※注:スターライトブレイカーは出ません。

千歌)ねぇねぇ、作者くんどうしたの?
耀太)珍しく今回の話をいい感じにまとめられたのに、ページの読み込みに失敗して半分以上消えたらしいよ。
梨子)なんか可哀想ね……。
作者)ははは……あそこまでの話をかける気なんてもうしないぜ……。
耀太)……あとで慰めてやるとして、次回予告いこうか。
梨子)そうだね、次回「入れ替わりと果南のココロと耀太の秘密」

カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
クジャク×1
コンドル×0
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×2
チーター×2
サイ×2
ゴリラ×2
ゾウ×2
シャチ×2
ウナギ×2
タコ×2
プテラ×2
トリケラ×1
ティラノ×2
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