ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~   作:白銀るる

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前回のラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~
遂に始まった浦の星の閉校祭。
みながそれぞれの出し物を楽しむ中、耀太と果南も約束していた閉校祭デートを満喫する。
そして閉催式が終わる直前、耀太たち仮面ライダーのサプライズライブが幕を開け、盛り上がりは最高潮のまま、閉校祭は終わりを迎えたのだった。

カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズの使えるメダルは?
タカ×3
クジャク×2
コンドル×2
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×2
チーター×2
サイ×2
ゴリラ×2
ゾウ×2
シャチ×2
ウナギ×2
タコ×2
プテラ×2
トリケラ×1
ティラノ×2


狙われた少女とカザリの戦いと謎のメダル

 月と星。そして街灯だけが明かりを灯すこの場所で、家に帰る途中だった鞠莉たちの前に現れたカムイ。既に変身は完了し、武器を手にしていて、いつでも戦うことが出来ると言っているようだ。

「何をしに来たの?言っておくけど、これ以上コアメダルを渡すつもりは無いよ。むしろ、ボクたちのコアを返してくれないかな?」

「そんなに怖い顔をしないでください。わたしの持つメダルを返すことは出来ませんが、君からメダルを奪うつもりはないのでご安心ください」

「それじゃあ本当に何が目的?」

「今のわたしが欲しいのは、君が逃がしたあの少女ですよ」

「鞠莉たちのことか!」

「ええ。正確にはその欲望ですがね」

 カムイの目的を聞いて戦闘態勢に入るカザリ。そんな彼を見て、カムイはやれやれと肩をすくめる。

「しかし逃がしてしまうとは……君もなかなか酷いことをしますね」

「どういうこと?」

「よもや、わたしが一人でここに来たとでも?わたしが作り出したヤミーたちが、この周りを囲っているのですよ」

「なっ……!?」

 しまった。既に車は随分と離れてしまっている。彼の速さなら追いつくのは容易いだろう。しかし、今目の前にいる敵を足止めしなければ、彼女たちがさらなる危険に晒される。……なら自分に出来ることは……。

「ここで君を足止めして、少しでも鞠莉たちが逃げられる確率を高くする!」

「面白い冗談ですね。今の君にわたしが止められるとは思いません……が、その敬意を評して、お相手を勤めさせていただきましょう!!」

 ジャラムを構えるカムイ。対するカザリもグリードへと姿を変え、戦闘の構えを取る。

「(頼んだよ、オーズ、アンク……!)」

 鞠莉たちを救うことが出来る戦士たちに全てを託して。

 

 ***

 

「はあ……歌うのってあんなに疲れるんだな……。千歌ちゃんたちって凄いわ」

「えへへー、それほどでも」

「っていうか耀太くんたちは歌ってる以外に演武もしてたじゃない」

 千歌、梨子ちゃん、そしてアンクと帰路につき、十千万でしばらくお喋りをしていた。

 まあ、内容はお察しの通り今日の閉校祭のゲリラライブだ。

「でも本当にびっくりしたわ。『もう終わりかぁ…』って雰囲気だったのに、いきなり始まったんだもの」

「それは俺も思った……。慎司が『どうせやるなら最後にド派手にやりましょう!』って」

「それであんな花火まで用意しちゃうなんて……一体どこから持ってきたの?」

「うーん……それは秘密かな~?」

「ええー!凄い気になるぅ!」

 モヤモヤを抱えたような表情になる千歌ちゃんとそれを見て苦笑する梨子ちゃん。

 そんな微笑ましい光景を見ていたはずなのに、この瞬間に俺の心を覆った感情は焦りや不安と言った負の感情。

「耀太くん……?」

 そんな俺の表情を見て、千歌ちゃんが不安そうな声で俺の名前を呼ぶ。

「どうしたの?何だか怖い顔をしてるけど……」

 刹那、焦燥感やらなんやらを()(くる)めた嫌な予感は、大きく膨れ上がる。

「ヨータ!」

「アンク、それにみんなも感じたのか……」

「ああ。それもかなりの数のな」

 気のせいじゃなかったか……大多数のヤミーの気配。

 それにグリードに酷似した気配が一人分だ。

「感じたって何?一体何を感じたの?」

 二人の中でも、俺から感じ取った正体不明の焦りを、良くないことが起こったという結論に至ったようだ。

 何を感じたの?千歌ちゃんがそう尋ねた時、俺はしまったと顔を手で覆う。

「ごめん二人とも。このことは戻って来たら話す。だから……」

 待っていて、そう告げようとした矢先、バッタカンドロイドがやって来る。

『耀太!!助けて!!』

「「っ!?」」

「鞠莉ちゃん!?何があったの!?」

 必死に助けを求める鞠莉ちゃんの声が、カンドロイドから流れだす。

『もう一人のオーズが現れて、カザリが残って逃がしてくれて……その後たくさんのヤミーが追いかけて来て!それで……!』

「分かった!俺たちが行くまで絶対に逃げ切って!」

 事態はかなり不味い方向へ傾いているようだ。

 大量のヤミーが鞠莉ちゃんたちを追って、カザリは一人でカムイと戦っている……。早く行かなければ!

「ウヴァ、メズール、ガメル!こことみんなのことを頼む!アンク、行くぞ!」

「言われるまでもない!」

 俺とアンクはライドベンダーを変形させ、待っていたらしいタカカンドロイドの案内に従って鞠莉ちゃんたちが助けを待つ場所へ向かった。

 

 ***

 

「はあ…はあ……」

「大丈夫ですか?もう随分と息が上がっているようですが」

 まだまだ余裕を見せるカムイに対し、カザリはかなり体力を消耗している。カムイとの戦いで、相当な量のセルメダルを消費してしまったからだ。

「息が上がる?ボクはグリードだよ。コアを取り込んだ所為で目が悪くなってるんじゃない?」

「ふふふ……そうだと良いですねえ」

 笑いながらジャラムを振るい、カザリに近づいていく。一方のカザリは、傷口からメダルが零れないように押さえている。

「はあああ!!」

 左腕をぶらりと垂らしながら、右手だけで攻撃を仕掛ける。

 しかし、それは簡単に剣でいなされ、弾かれてしまう。

「君といいアンクくんといい、本当に彼らに毒されてしまったんですね……一度はともに行動していただけあり、哀しく思いますよ」

「よく言うよ……君たちがボクらを捨てたんじゃないか」

 カムイともう一人、翼をもつ男にコアを裏切られ、コアを奪われたあの日のことを思い出す。

「……まあそのおかげで鞠莉たちに出会えた。それについては感謝してるかな」

「なるほど……やはり君を逃がした彼の判断は甘かったということですね」

「そういうことだね。君はつくづく仲間に恵まれないみたいだね」

「口は禍の元……人間たちの言葉だそうです」

 カザリの発言に少し頭に来たのか、カムイの声色が若干怒りを孕んだようなものになる。

 カムイは紫のメダル三枚をジャラムのくぼみにはめる。

「スキャニングチャージ!」

 剣の刀身が冷気と紫色のスパークを帯びる。

「消えなさい」

 振り上げられたメダジャラム。それはカザリに振り下ろされるはずだった。

 だが、その時が来ることは無かった。

「……?」

 いつまで経っても攻撃が来ないことに気付いたカザリは、閉じていた目を開ける。

 剣は彼の頭上スレスレの場所で止まっていた。

「……くっくっくっ……やっと捕まえましたか。予想より時間が掛かってしまいましたが、まあいいでしょう」

 一人ごちるカムイを前にして、カザリは疑問符を浮かべる。奴はいったい何を言っているのか。予想をつけることが出来ないわkではない。カムイの言葉を冷静に分析する。

 カムイの狙いは鞠莉。そして「捕まえた」と言った。……カザリの意識の中に最悪の情景が映し出される。

「君とのお遊びもここまでです。命拾いしましたね」

 カムイはバッタレッグの力を解放し、最大まで跳躍力を引き出して跳び去っていく。

「ちっ……待て……!」

 カザリもボロボロの体に鞭打ち、その後を追いかけた。

 そのスピードは尋常ではなく、グリードである彼にさえも追いつかせることを許さない。

 今出せる目一杯のスピードを出すが、カムイとの戦闘で負ってしまったダメージが響き、セルメダルが零れ落ちていく。

 それでも……!それでも彼は走る。

 大切な人を守る為に。

 

 体を酷使し続け、辿り着いた時には、鞠莉と果南、そして運転手は軍鶏ヤミーの力で拘束されていた。

「おや、追いついて来たんですか?けれどボロボロですねえ。ここに来るまでにどれだけメダルを落としてしまったんですか?」

 途切れ途切れの息に、傷だらけの体。

 カムイはそんな様のカザリを見てせせら笑う。

「その子たちを離せ!」

「そう言われて素直に『はい、分かりました』と応じるとでも思いました?特に彼女は私の計画には必ず必要になってくるのですから」

 彼はそう言いながら、一枚のメダルを取り出す。

 一見すると、何の変哲もないメダル。

 しかし、それはカザリにとっては異常な代物だった。

「何そのメダル……それで鞠莉に何をするつもりなの!?」

「さあ、何でしょうね?君なら分かるんじゃないですか?欲望を持つ人間にすることと言えば」

 彼はその得体の知れないメダルを使い、鞠莉からヤミーを生み出す気でいるのか。

 そんな考えが、カザリの頭の中で自然に出来上がる。

「そんなことさせない!鞠莉はボクが守る!!」

 右手をかざして竜巻を発生させるも、軍鶏ヤミーとゾウヤミー、カマキリヤミーに阻まれる。

「ヤミーのクセにボクの邪魔をしないでよ!!」

 三体のヤミーに攻撃を始める。

 だが、グリードとは言え、三対一なうえに深手を負っている。

 攻撃は容易く防がれ、また簡単に腕を捕らえられてしまう。

 軍鶏ヤミーに腕を捕られ、ゾウヤミーに体を押さえられて、カマキリヤミーに胸を裂かれる。

「ぐわあああ!!!」

 さらに拘束を解いたゾウヤミーから追撃を貰ってしまい、グリードとしての姿を保てなくなってしまう。

「カザリ!!もうやめて!わたしはどうなっても構わないから!カザリたちにはこれ以上手を出さないで!!」

「「鞠莉(お嬢さま)!?」」

 鞠莉の悲痛な叫びが辺りに響く。

「ダメだ……」

 しかし、彼は立ち上がろうとしていた。

「キミを渡すわけにはいかない……それをしてしまえば、オーズたちに……耀太たちに合わせる顔が無い……。何より、そんなことボクが許さない……!」

「カザリ……」

 血のようにメダルを零しながら、怒りの色を露わにするカザリ。

 その姿に、果南はかつて自らを救った耀太を重ねる。

「ふっふっふ、そんななりで何が出来ると言うのですか。自らが死ぬことで彼女たちの後悔と恐怖心を植え付けることですか?」

 ヤミーたちを退かせ、カザリに剣を突きつけるカムイ。

「やめて……!お願いだからやめてよ!!」

 再び鞠莉が叫ぶ。

 もう一度、カザリはそれを止めようとするが、声を出すことが出来ない。

 カムイは軍鶏ヤミーに命じ、鞠莉を自身のすぐそばまで連れてこさせた。

「鞠莉を離して!その代わりにわたしが……」

「ふむ……申し訳ありません。今の貴女の欲望ではわたしの望みを果たせないのですよ。ですからその望みを聞いてあげることは出来ませんね」

 その手に持つ金色(こんじき)のメダルをちらつかせるカムイ。

「ごめんね、果南。また勝手なことして……。ダイヤと耀太にも……わたしの代わりに謝っておいて」

「鞠莉っ!!」

 その瞳に涙を溜め、申し訳なさそうに笑う鞠莉。

 彼はそんな鞠莉の額に挿入口を出現させ、そのメダルを投げ入れた。

「う……うう…………!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 直後、鞠莉は自ら拘束を破り、絶叫し、その体は投げ入れられたものと同じ金色のメダルに包まれていく。

「そんな……」

 そして鞠莉は、ライオンの頭、ゴリラの上半身、肩には虫の頭がついていて、背から鳥の翼、下半身はタコの足のような装飾を持ち、尾に位置する場所から蛇が生えているヤミー──キマイラヤミーに取り込まれてしまったのだった。

 




曜)なんか前回とのギャップが凄いね……。
晴也)ま、まあ、シリアス回というか、最終決戦も近いらしいですし……。
ルビィ)鞠莉ちゃん、どうなっちゃうんだろう……。
千歌)大丈夫。耀太くんとアンクさんがきっと助けてくれる!わたしはそう信じてるから!
ルビィ)千歌ちゃん……。
曜)……そうだね。あの二人ならきっと!
晴也)次回「明かされた真実と秘密と休息」……いよいよあのことをみなさんに……。
千歌)晴也くん?あのことって……?

カウント・ザ・メダルズ
タカ×3
クジャク×2
コンドル×2
クワガタ×2
カマキリ×2
バッタ×2
ライオン×2
トラ×2
チーター×2
サイ×2
ゴリラ×2
ゾウ×2
シャチ×2
ウナギ×2
タコ×2
プテラ×2
トリケラ×1
ティラノ×2
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