ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~ 作:白銀るる
それではラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~
前回までの三つの出来事
一つ、春休みが明け、耀太は浦の星学院に転校した。
二つ、千歌の勧誘により、スクールアイドル部(仮)に入部。
そして三つ、スクールアイドル、そして内浦を語る千歌に耀太は心を動かされるのだった。
カウント・ザ・メダルズ
現在、オーズが使えるメダルは?
タカ×2
カマキリ×1
バッタ×1
トラ×1
最近、わたしには一つ悩みが出来ました。
内浦に引っ越してきて、東京とは全く違った環境に置かれて、それでも周りの人たちはとても親切で、友達も出来た。
大変なことに巻き込まれてしまったけど、それも含めて今は前より少し楽しいと思えるようになった。
そんなわたしの悩み。それは……
「梨子ちゃん!」
「ごめんなさい!」
友達の千歌ちゃんのスクールアイドルの勧誘です。
浦の星に来てから毎日毎日毎日!いつでも、どこにいても千歌ちゃんがひょっこり現れて「一緒にスクールアイドルやろう!」って……。
誘ってくれるのは素直に嬉しい。だけどわたしは……。
「りーこちゃん!おはよう!」
「お、おはよう、千歌ちゃん……」
こんな調子でまた今日も始まります……。
***
今日もまた千歌ちゃんはスクールアイドルの勧誘に勤しんでいる。だけど暫定メンバーは千歌ちゃんと果南ちゃんと俺の三人。果南ちゃんに関しては「もう少し考えさせて」とのことなので本当に仮の状態だ。
「さてと、これからどうしたもんかね」
Aqoursにはあまり干渉せずに守ることに徹しようと思ったのだが、千歌ちゃんの言葉を聞いてしまい、そうもいかなくなってしまったらしい。
一人で良い案を考えるために早く来たんだけど……。
「あれ?耀太くん?」
嘆息したところで後ろから声をかけられる。渡辺曜、千歌ちゃんのもう一人の幼馴染で水泳部員であるはずだけど……。
「ああ、おはよう曜ちゃん」
「おはヨーソロー!」
ふぅ……やっぱ曜ちゃんかわええわ……。
モニター越しで観てた時より断然可愛いっ!……じゃなくて!やばいやばい。顔に出る前に平常心に戻らなければ……。
「今日は千歌ちゃんたちと一緒じゃないんだね」
「少し考え事をね。一人で考える時間をなるべく多くとりたいから」
「それって千歌ちゃんと関係してたり?」
「Exactly」
流石は幼馴染、よく分かっていらっしゃる。
「スクールアイドル部(仮)のメンバーがなかなか集まらなくてね。俺も何かできることはないかなーって」
「そっかぁ。わたしも何か手伝ってあげたいけど、水泳部があるし……。あ!朝練に遅刻しちゃう!ごめんね!」
「こっちこそごめ……「よーい……ドン!」うっそぉ……」
陸上部も真っ青の走りを見せて、彼女は去っていった。
結局何も思い浮かばないまま、生徒たちが登校し始めた。
「だめだー!解決策が見えてこなーい!」
「千歌のお守り大変そうだね」
他人事のように果南ちゃんがそう言う。
「ああ、大変だよ。あんな本気の
「本気かぁ。……で、耀太はどうして頭下げてんの?」
「いや、かなり考えたけどもうこれしかないかなって」
「それってつまり」
「千歌ちゃんの力になって欲しい」
しばらくの沈黙。
過去にどんな事があったのか俺には分からない。でもこれが果南ちゃんにとって迷惑以外の何物でもないということは俺でも分かる。
でも感じてしまったんだ。
「どうしてそこまでしようとするの?まだ出会ったばかりで、何も知らない千歌の為に」
険しい表情とトーンで迫られる。
「見てみたい。千歌ちゃん
「耀太の為?」
「そう。千歌ちゃんと手を繋いで、誰に手を伸ばして、誰と繋がって、誰と輝くのか、知りたくてしようがないんだよ!」
頭に浮かんでくる言葉をどんなにうまく繋ぎ合わせても、それしか出てこない。
「それに確かに今は何も知らない。けど、これから知っていけばいいと思う。だって俺ももう……」
「内浦の仲間だもんね」
「そういうこと」
果南ちゃんの表情が和らいでいく。勧誘成功か?
「分かった。耀太と耀太の言う千歌の本気に免じて、わたしも参加する」
「まじで!?「ただし!」え」
「その”本気”が口先だけじゃないか、確かめさせてもらうよ!」
「望むところさ!」
この約束がのちに大変な事態を招くのはもう少しだけ先のお話。
***
「スクールアイドルかぁ……」
千歌ちゃんと東京に行ったあの日、千歌ちゃんが魅入っていた女の子たち。
とてもキラキラしていて、わたしと同じ高校生だっていうことを疑った。
果南ちゃんや梨子ちゃんを誘ってるって言ってたっけ。きっと可愛いんだろうなぁ……。
そう思って少し想像してみる、可愛い衣装に身を包んで、ステージに立つ千歌ちゃんや果南ちゃん、そしてもののついでに自分を……。
瞬間、脳に電撃が走った。
これまで数多の
でも、それでも、ほんの一瞬だけでも「やってみたい」と思ってしまった。
それから何より、幼馴染の、千歌ちゃんのやりたいこと。この渡辺曜がやらない訳にはいかない!
思い立ったが吉日!早く千歌ちゃんに……、
「あれ?千歌ちゃんは?」
「千歌ならまた梨子ちゃんを追いかけて行っちゃったよー」
やっぱりそうだよねー。
「ありがとう、探してみるよ」
そうは言ったものの、どこから探したものか。
千歌ちゃんだけならまだしも、梨子ちゃんを追いかけたなら、梨子ちゃんが行きそうなところを探さないと。
ああ、でも梨子ちゃんの行きそうなところってどこだろう?皆目検討がつかないよ……。
そうしていると前から耀太くんが来て、
「「千歌ちゃん見なかった(って教室に)……」」
被った。
「「もしかして耀太くん(曜ちゃん)も……?」」
耀太くんも千歌ちゃんに用があるみたい。でも教室にはもういないことと梨子ちゃんを追いかけて行ってしまったことを話すと、
「それなら音楽室に行けばいるかもしれないな」
「音楽室?」
「千歌ちゃんに用があるんでしょ?なら一緒に行こう」
「うん」
音楽室に近づくにつれてピアノの音が聞こえ始めて、どんどん大きくなっていった。
その”音”はとても優しくて、まるで海の中にいるみたい──。
音楽室に入ったけれど梨子ちゃんも千歌ちゃんもわたしたちに気付いてない。
邪魔するのも
「あれ!?耀太くん!?曜ちゃんも……」
終わると同時に思わず拍手してしまい、二人を驚かせちゃったみたい。
「ごめんね梨子ちゃん、立ち聞きしちゃった」
「梨子ちゃんがこんなにピアノが上手なんて知らなかったよ!」
「そんなことないよ。それに大勢を前にしちゃうと……」
俯く梨子ちゃん。触れられたくない“ナニカ”に触れてしまった気がして「ごめん」と謝る。
しばらく気まずい空気が流れるも、それを変えるためか耀太くんが「そうだ!」口を開いた。
「スクールアイドルのことなんだけど、果南ちゃんがね「参加してくれるって!?」近い近い……」
千歌ちゃんがグッと顔を近づけると耀太くんはたじろぐ。まあ、本当に近過ぎて一歩間違ったら……。
「まあ、そんなとこかな。千歌ちゃんの“本気”を見せてくれたらっていう条件付きでだけど」
「やったー!これでまた一歩前進だね!」
やっぱり果南ちゃんもなんだね。よし、わたしも!
「千歌ちゃん、わたしも千歌ちゃんと一緒にスクールアイドルやりたい!」
「本当、曜ちゃん!?」
「うん!」
千歌ちゃんは文字通り、飛ぶように喜んでくれた。
***
耀太くんが、そして曜ちゃんが千歌ちゃんにスクールアイドルのことで、前向きな答えを示した。でもやっぱりわたしは……。
「梨子ちゃんはどうする?」
耀太くんが優しく語りかけてくる。
「わたしは……」
わたしが内浦に来たのは、失ってしまったものあるいは得られなかったものを見つける為。
でも結局何も得られないままで、多分ピアノもまだ十分には弾けない。
そんなわたしに……
「出来るかな?」
気づけば熱が目から溢れて頬を伝っていた。
「わたし、千歌ちゃんが言ってくれるような子じゃ全然ないし、ピアノだって千歌ちゃんたちの前だけでしか弾けないし、スクールアイドルのことだって全然知らないし──」
不意にぬくもりに包まれた。優しくて、心が安らぐような温かさに。
「千歌ちゃん……?」
「大丈夫だよ、梨子ちゃんなら。今がダメでもきっとできるようになる。梨子ちゃんがスクールアイドルはごめんなさいって言ったとしてもわたしは梨子ちゃんの力になるから──」
涙が止まらなくなってしまった。やっぱり千歌ちゃんには敵わない。
「千歌ちゃん……」
「梨子ちゃん、わたしと一緒にスクールアイドルやってくれますか?」
「はい──」
耀太)仮メンバー状態の果南ちゃんを入れて五人のメンバーが揃った俺たち。しかし、このスクールアイドル部(仮)は俺の知れないところで危機を迎えていた!?
???)わたくしが生徒会長でいる以上、スクールアイドル部は認めませんわ!
千歌)そんなぁ……
??)ファーストライブでこの会場を満員に出来たらスクールアイドル部の設立を許可します!
曜)そういえば私たちの名前って?
梨子)次回、ラブライブ!サンシャイン!!~Step! ZERO to OOO~「試練とまだない名前と新たな力」
???)次はボクが相手になってあげるよ……フフフ……
カウント・ザ・メダルズ
タカ×2
カマキリ×1
バッタ×1
トラ×1