違うクラスの女の子に目をつけられたんだが   作:曇天もよう

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私事がありまして投稿が出来ずにいました。申し訳ございません。
それに際して、私は新年の挨拶はする事ができませんのでよろしくお願いいたします。
それとこの小説を今年もよろしくお願いします。

今回はここまでの話での有栖視点を描いた小説になります。一部場面での有栖視点ですので、あらかじめ読んでいないと分かりづらいところがありますので、ご注意ください。


番外編:坂柳有栖の思い

突然ですが皆さんは世の中『平等』であると思われますか?

 

突然のことに驚かせてしまっていることでしょう。私はこの考えに大いに反対です。『平等』が存在するというのなら、それは仮初めのものであって、本当に平等であるとは言えないでしょう。ヒトというのは生まれ持って能力にすでに差が生じております。例えば私。私は生まれつきにして先天性疾患を患っておりました。この先天性疾患により、私は一切の運動を禁じられていますので、この時点でも既に存在していると言えるでしょう。他の方がどう思われているにしても、私といたしましては真の意味で『平等』とは存在しない、そう考えております。

 

 

 

 

 

 

春。新たなスタートを切る人の多い季節。私、坂柳有栖もこの春より高校生となりました。私はお父様が理事長をされています高度育成高等学校に入学をいたしました。ここは政府経営の高等学校でありますので普通の高校とは異なることが多くあります。ですが、私がここへ入学してみたいと思いました理由といたしましては、やはり普通の高等学校とは違う人材が集まることに興味を抱いたからです。

私は、入学式の日に他の方々よりも少し早めに学校へとやって来ていました。これから三年間共に生活をするクラスメートたちを観察するために…

 

しかし、そこで見た人たちは私を大いに失望させました。そこにいた人たちは確かに頭は良さそうな人が多かったとは思います。それでも私を期待させるような人物は誰もいませんでした。

 

失望した私は教室の外に出ました。今まで満足をさせることを出来る人がいなかったためにこの学校へと来たのにも関わらず、それに相応しい人物がいなかった。一部しか見ていないのですが、他の方も変わらないでしょう、そう思っていた時でした。

 

この人は私を楽しませてくれる人物かもしれない、そう直感的に思わせる人物が目の前に歩いてきたのです。とても怠惰そうにしている様子を見ていると、普通の人なら期待もしないような人物かも知れません。しかし、私からすれば同じクラスのつまらなそうな方々よりも遥かに私を楽しませることが出来る人物であろうと思いました。

 

最初は話をかけておく程度にしておきましたが、彼とはもっと話をしてみたい、そう思いながらもここは一度戻ることとしました。

 

 

 

 

放課後、私は早速カフェに行き、コーヒーにミルクを軽く混ぜて飲んでいました。カフェは静かな雰囲気で自分の考えを整えるのに適している空間であると私は思います。この敷地内にも複数店カフェはあるようですが、初めにやってきたこのカフェは私好みな内装に、雰囲気を醸し出しています。ここは頻繁に通いたくなる、そう思いながらカップを手に持ち口元へと持ってきた時でした。

店の扉がゆっくりと開き、鈴の音が店内に響き渡りました。

私は誰がやってきたのかと確認するために、カップをテーブルに置き確認をしました。そして扉の方向を見ました。するとそこに立っていた人物に私は再び驚かされました。

 

そこにいた人物、それは今朝私が面白そうな人と思った人物でした。校内に複数あるカフェの中でもここを選び、そして同じタイミングで

やってくる。これは彼に話しかけておくしかない、そう思い早速話しかけてみました。

 

彼について色々と質問をさせてもらいましたが、彼はDクラスの桐生 司君らしいですね。Dクラスと言いますと、担任の真島先生が、ここ高度育成高等学校では優秀である順にクラス分けをしていると言われておりましたね。そうなると彼はいわゆる落ちこぼれという部類に分類されるのでしょうが、私からすれば彼はAクラスの生徒に負けないどころか、圧倒するであろうポテンシャルを持っていると思われますね。

その才能を見抜けなかった学校に問題があるのか、それともそう言った学力や知性以外の他の要素も考慮しているのか。後者があり得る話であるでしょうが、私には関係のない話ですね。

 

しばらく話をしていてやはり思いました。彼は私を楽しませてくれる人物に間違い無いでしょう。さらに言えば、学校からは不良品だと扱われるとうわさのDクラスだ。他の方々も彼の素晴らしさにはまだ気づかない事でしょう。そうとはいえども、いずれは彼の素晴らしさに気づく人が現れるでしょう。それまでに彼を手中に収めておきたいですね。さて、どうしましょうか。そんなことを考えていると彼との話は終わってしまいました。定期的にカフェでお茶をしませんか?と誘うことはできましたので、自宅の寮へ帰って色々と考えみましょう。

 

 

 

「坂柳、お前のやり方は苛烈すぎる。そのやり方では付いていけないものもあるのだ」

 

今日も葛城くんは私に注意をしてきます。ですが、彼の考え方と、私の考え方はまるで違うので平行線を辿るだけです。私からすれば彼の考え方は面白くありません。彼は安全志向で、すぐに安全策に逃げます。ですが、安全策など10年ほど前に私は飽きました。何かを失う覚悟を持って挑まなければ面白くありません。よって今日も彼の話は流しておくことにします。

隣で彼の腰巾着騒いでいますが、これも無視ですね。

今日は桐生くんとここ、Aクラスで待ち合わせをしているのです。何故待ち合わせをしているのかといえば、彼とついに交渉をすることが出来るようになったからです。こちらが持っている情報を提供することで彼との交渉の機会を得た、それだけ私は久しぶりに嬉しく感じているのですが、その邪魔をするこの方達ときたら…。

 

「私には私のやり方があります。それはあなた方とは相容れぬやり方ですが。それに私についてこれない人がいると言っておりますが、現に私と共にこられている方々がいらっしゃまいますので、あなた方についていかない人がいるというのも事実。何か違いますか?」

 

「確かにそうだが…」

 

「私には考えるべき事があるので、邪魔しないでいただきたいのですがよろしいでしょうか?」

 

そう言って、再びこれからどうするかの展望を考えます。この学校は普通ではありませんから、何かしら特別な試験などをしてくるでしょう。その時に彼がどんな活躍をするのか見ているというのも面白そうでしょう。ですが、その前にこの前にいる邪魔な方々をどうにかする方がいいでしょうか。

Aクラスを支配する、そんなことはどうでもいいです。Aクラスを支配したところで何も面白いことはありませんから。私が求めているのは、肌にひりつくような緊張感と、持っている知識を全て使い戦う爽快感…。Aクラスの方々では誰も私を満たすことはできない…。出来るとすれば彼だけ…。

 

 

 

 

 

 

無事彼と協力関係を結ぶことに出来ましたが、彼は意外と表立って行動をしないタイプのようですね。少し命令のようになってしまいますが、DクラスをAクラスに上げさせるように言ってみましょうか。そうしなければ、一生私の右腕として働かせる。そう言ってみるだけでも彼は動きそうですね。彼がAクラスに成り上がることが出来たなら、それはひりつく緊張感のある戦いをすることが出来るでしょうから満足できるでしょうし、出来なかったにしても、彼を近くにずっと置いておける。どちらに転んでも私には得となるいいものですね。次回カフェでお会いするときに言いましょうか。でも…

 

「上等だ!かかって来いよ!」

 

静かな図書館には似つかわしくない声が響き渡りました。せっかく一人思索にふけっていたというのにマナーのなっていない人ですね。注意をして差し上げましょうか。

移動をするとそこには赤髪をした如何にも不良という身なりをした生徒と、複数の生徒達が言い争いをしていました。どうやら複数人の生徒たちが挑発をしているようで、それに怒りを募らせているようでした。軽く注意をして帰ろうかと思っていましたが、赤髪の後ろに司くんが控えているのを見つけたので、少し荒らしてからいきましょうか。すると彼は私を追って来てくれると思います。そうすれば先ほど考えていたことも今のうちに話せるでしょうし一石二鳥ですね。ちょうど挑発をしている生徒さんもA〜Cの生徒がほぼ変わらないと言った過ちを話されましたのでいい機会ですね。

 

「あら、随分と面白い物差しを持たれているようですね。その話、私も混ぜてくださいな」

 

 

 

 

 

今日は桐生くんの自室へと向かっています。以前司くんが本を紹介してくれるとお話しされておりましたので、今日誘いに行っています。突然のことに司くんが驚くでしょうけど、彼の驚いた表情を見ていると、不思議とこちらが嬉しくなるので、突然行くことにしました。彼の部屋番号は予め聞いておきましたので、入り口でインターホンを鳴らします。しばらく呼び出しの音を聞きながら待っているとマイクから眠たそうな声が聞こえてきました。どうやらつい先ほどまで寝ていたようですね。すぐに降りてきてもらうように言ってからしばらく待っていると息を切らして降りてきました。15秒ほどの遅刻でしたので、図書館に行った後でごはんに付き合っていただくことにしましょう。

 

普段は物静かな司くんですが、意外と人がいるときには喋るものなのですね。図書館へ来る間、何かしら話を続けらようにしてくださったおかげで楽しくここまで来ることが出来ました。それに彼は何も言っていませんでしたが、体の不自由な私に合わせて歩くペースをゆっくりにして下さっていました。普段のスピードから考えるとゆっくり過ぎて司くんには歩きづらかったでしょうが、文句ひとつなく司くんは歩いて下さりました。これはとても嬉しいことです。そう言った心遣いが出来るところ、改めて素晴らしいところであると思います。

 

司くんは私のために本を探しに行ってしまいました。しばらくは近くにあった本を手に取り読んでいましたが、20分待っても司くんは帰ってきませんでした。あまりに長いので、司くんを探しに行くことにしました。近くにあった本棚に本を返そうかと思いましたが、この本も面白かったので借りて行くことにしました。

しばらく歩いて探していると、司くんは一心不乱に本を探しているようでした。せっかくなのでしばらくその様子を見ていると、こちらに気がつかないくらい集中して探しているようです。集中している姿を見ていると意外と司くんは背が高いのだと思いますね。私が小さいから余計にそう感じるのでしょうか。分かりませんが、司くんに話しかけにいきます。

私が来たことに驚いているようですが、探している本が無いのだと教えて下さりました。とりあえず今手にとっている本を紹介してください、そう話した瞬間でした。司くんの目が変わりました。そして水を得た魚のように饒舌に本の紹介をし始めました。本の紹介をして下さるのは嬉しかったのですが、少しづつ近づいてくる司くんに私は驚いて後ずさりをしてしまいました。ついに本棚が背中に当たり下がれなくなってしまいましたが、それでも司くんは近づいて来ます。ついにその距離は司くんの吐く息が顔にかかるくらいに近づいて来ていました。あまりに近い距離に私も心臓が鼓動を早めています。自然と顔も熱を帯びて来たようで、恥ずかしくなって来ました。

あまりに近過ぎるため、恥ずかしさが増して来て、司くんに声をかけることにしました。司くんもこの状況に気づいたようで慌てて後ろは下がりました。勢いよく下がり過ぎたため、司くんは後ろの本棚に頭を強打してしまいとても頭を痛そうにしていました。その様子を見ていると、心の底から笑えました。いつもは冷笑と表現するのが正しいような笑いをすることはありますが、心の底から笑ったのはいつぶりでしょうか。とても恥ずかしかったですが、とても楽しい一日だったことを覚えています。

 

 

 

 

思い返してみるとこの夏休みが始まるまでだけでも多くの事がありました。司くんといると私にとって良いことばかりです。そんな司くんたち含めて、全員が行くという夏休みの豪華客船の旅。本来は体調を考慮して見送るつもりでしたが、一人ここへ残っても面白いことはないでしょうね。お父様の許可を降ろすのは苦労しましたが、非常に楽しみです。

これからもあなたがどんな面白いことを私に見せてくれるのか…楽しみにしていますね…

 

 

司くん?




というわけで3.4巻に有栖参戦です。有栖が介入する事でどう変化が起こるのか、楽しみにしていてくださいね!
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