違うクラスの女の子に目をつけられたんだが   作:曇天もよう

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テストからの風のWパンチでまた投稿遅れてました。
次回はもう少し早く登校できると思います


提案

山内の厄介…ではなく親切心で、怪我したCクラスの生徒、伊吹澪をDクラスの拠点へと連れ帰ることになった俺たちは先ほどまで歩いて来ていた道を歩いていた。

当初の目的である火をつけるための木の回収を終えたからだった。

怪我をしていて、なおかつDクラスではない伊吹はもちろん木を持っていなかった。そして、比較的運動神経の悪く、女性でもある佐倉も木を少なく持っているのも真っ当だと思った。しかし、そう行ったわけでもない山内がほとんど木を持たずに佐倉や伊吹に話しかけていることに関しては、正直気に食わなかった。

 

伊吹は一匹狼で他人とあまり干渉しないタイプのため、山内の話をほぼ聞き流していたが、佐倉はあまりどうしていいか分からず、困っているようであった。

そんな佐倉の困った様子など気づいていないのか、山内は自分の自慢をしていた。

 

佐倉は困惑しており、伊吹は興味ないとそっぽを向いているのに、気づかず話しているとは呑気というかアホらしいというか…。大方佐倉がネットアイドルをしていたこと、胸が大きいことに気づいて急にアピールし始めた、といったところだろう。

 

以前須藤の暴力事件が起こる前に山内が、「佐倉ってやつ誰だ?そんなやつクラスにいた?」ということを池と話していたのを覚えている。ところが須藤の事件で証人として出ることになった佐倉がネットアイドルをしていたことが一部の人に知られた。そこから気づいたのだろう。

それに加えて山内は常々、「胸が大きい女で可愛いやつを彼女にしたい」と言っている。確か最初は櫛田を狙っていたはずだが、まず櫛田はいろんな人と仲良くしているため倍率が高い上に、相手にされていない様子だった。そこでまだ、知ってる人が少なく、内気で推していけば折れそうな佐倉をターゲットにしたと予想できる。

 

これは単なる俺の予想でしかないが、山内は同じ男としてあまりいいと思えない。ころっとターゲットを変え、相手の事情も考えず自分のことばかり話す。そんなことしていたら女性は振り向いてはくれないだろうに。まあ、そんなこと本人に言ったところで話を聞かないだろうし、わざわざ言ってやる義理もないため言わないが。

 

そんなことを考えている間にも、山内はひたすらに話しかけており、佐倉は依然どうしていいか困っていた。

俺は佐倉と接点がないため、助け舟を出そうか困っていたが、あまりにしつこいため、流石に口を挟もうと思った。

 

しかし、そのタイミングで綾小路が割って入ったため、話すのを止めた。佐倉は嬉しそうな顔で綾小路を見ていたため、綾小路を相当信頼しているようであった。山内は綾小路が割って入ったことに不満そうな顔を浮かべていたが、佐倉が困っていたことには依然気づいていないようであった。

 

そんなやりとりを伊吹はくだらないといった様子で見ていた。

 

 

そんなことがありながらも、少しづつ拠点へと戻りつつあったが、俺は伊吹に対する警戒を解いてはいなかった。理由はやはりスパイである可能性が高いからであった。

この試験は7日間を無事生き残ること、そして、他クラスのリーダーを特定することといった大きな二つの目標がある。その他クラスのリーダーを当てることはかなり重要なポイントになる。そのためにCクラスが送り込んだのではないかと思ってしまう。

 

伊吹の顔には青あざがくっきりと残っているため、本気で殴られたというのは間違っていないようではあったが、どうしても信頼するには至らなかった。

山内や佐倉はただ伊吹が喧嘩をして出てきたと本気で信じているようであった。綾小路はどう思っているのか分かりにくいため、謎であった。

 

ともかく、そんな危険因子を連れ帰ってもいいのか、それを未だに考えていた。今Dクラスはただでさえ雰囲気が悪い。少しでも多くのポイントを残そうとする男子、快適に過ごしたい女子で多くもめている。そこにより喧嘩になりそうな原因を持ち帰って何も起こらないか、と言われたら、絶対に何か起きるだろう。

 

さてどうしたものかと思っていると、俺たちから見て右手側の方向から話し声と草をかき分ける音が聞こえて来るため、俺たちは立ち止まった。

話し声から察するに女性2人、男性2人と言ったようであった。

 

佐倉は誰!?と緊張して身構えているようであったが、俺はその声の中の1人に聞き覚えがあった。

 

その人物を含む集団は少しづつこちらに接近しているようで、草をかき分ける音が少しづつ大きくなってきていた。

 

やがて近くの草むらの中からその人物たちは現れた。

 

「少し強引だったんじゃないか?結構草むら激しかったし、みんな草が体についてるぞ」

 

「確かに少し疲れたね…近くで休憩できる場所ないかな…?」

 

「俺はまだ元気だけど、確かに白波は疲れてそうだな。どうする?休憩する?」

 

「んー、確かに千尋ちゃんも疲れてるし休憩しよっか!…ってあれ?司?」

 

草むらをかき分けてやってきていたのは帆波たちBクラスの面々だった。それもBクラスの中でも中心人物である、帆波、神崎、柴田、白波の4人であった。

 

「あー!一之瀬ちゃん!今日もかわいいね!」

 

「ん?帆波たちか。ここで会うなんて偶然だな」

 

「にゃはは、かわいいなんてありがとう。それにしてもこんなところで会うなんて思わなかったなー。会えて嬉しい!」

 

帆波は山内に感謝しつつもすぐに俺の方に来て話を始めたため、山内はショックを受けているようであった。そして、山内が俺に向けて鋭い視線を送っているが、気づいていないフリをして無視しておいた。

 

他にも白波も懐疑的な視線を向けていたが、俺は白波と接点があるわけではないし、どうしてそんな視線を向けられているのかわからなかったため、こちらと流しておくことにした。

 

「司に会えて嬉しいな!丁度Dクラスの人たちと話をしたくて探してたところだし、本当にタイミング良かった!」

 

「ん?俺たちを探してた?何か用事でもあったのか?」

 

「うーんとね、それについて今話したいところだけど、B、Dクラス以外の人にはあまり聞かれたくないことだから、少し離れたところで話ししたいな。どうかな?」

 

「俺はいいけど、伊吹はどうだ?何かあるか?」

 

伊吹にどうであるか聞いておく。こちらとしては納得できるが、どうか分からないため、念のためだ。

 

「他クラスの動向について私は興味ないから勝手にしたら?それでも気になるっていうのなら、私に監視でもつけとけば?」

 

伊吹は問題ないようだが、確かに万が一にでも盗み聞きされていては困る。そのため、俺と一之瀬はBクラスの柴田、白波、Dクラスからは山内と佐倉をここに残して、少し離れたところで話をすることになった。

佐倉は綾小路もいなくなることを不安そうにしていたが、綾小路が何か話すと、待っていることをなんとか受けてくれた。

 

 

こうして少し移動をし、凡そ伊吹には聞こえないような場所まで移動してから本題に入る。

 

「よし、ここなら聞こえないね。じゃあ、簡潔に話そうかな」

 

「ああ。早めに何を話したいのか教えてほしい。俺たちもしないといけないことがあるし、そっちにもあるだろうしな」

 

「うーんとね、簡潔に言ったら、今回の試験でもBクラスとDクラスの間には同盟関係があるのか、それを確認しておきたいんだよね」

 

「同盟関係?」

 

綾小路が聞き返す。これに神崎が答える。

 

「以前Dクラスの須藤が起こした暴力事件についてBクラスとDクラスの間には協力関係にあったことを綾小路?は知っているか?」

 

「…ああ。詳しくは知らないがそう言った話を聞いた」

 

「そのときの説明については今更話したところで意味はないから省かせてもらう。今回の同盟関係について、簡単に言えば、互いのクラスのリーダーが分かっても言わないということをこちらからは提案したい。俺たちBクラスはなるべくリスクを避けた動きをしたい。そのため、少しでも当てられる可能性を下げておきたい。そう思った上での行動だ。理解してもらえただろうか?」

 

神崎が分かりやすく説明をしてくれる。綾小路も納得したようで、首を縦に振っていた。

 

「今回の試験について、私たちはどこのクラスのリーダーについても当てるつもりはないんだよね〜。勿論当てれたときの50ポイントは大きいけどね、外したときのリスクが怖いなってみんな言ってたの。だからDクラスも私たちのクラスについてして欲しくはないんだけど…どうかな?」

 

確かに帆波は一理ある。ハイリスクハイリターンのため、出来るならしたくない手段ではある。しかし、最も特典の少ないDクラスは他クラスに追いつくために少しでもクラスポイントを獲得しないといけない。そう考えるとこの提案は断りたい。

しかしながら、現状Cクラスはかなり積極的に動いているため、Cクラスを抑え込めるためにもBクラスと協力関係にはありたい。

 

さてどうするべきか…。悩んでいると、綾小路も悩んでいるようではあった。

その様子を見ていた神崎が一つの提案をする。

 

「突然言われて困っているのだろう。そこでだ。一旦戻って相談してみてくれないか?これはクラスに関わることだから悩んでいるのだろう。クラスで相談して、意見をまとめてくれ。期限は…そうだな、あまり遅すぎるとこちらも不安になる。明日の夜までに教えて欲しい。どうだろう?」

 

「ああ。確かにそれならいい。俺一人で決めるには荷が重すぎるから、その提案をしようと思っていたところだ。こちらとしても十分に考えてから返答させてもらいたい。帆波と綾小路もいいか?」

 

「俺は詳しくはわからないから、桐生の意見に従っておくよ」

 

「うん!司が言うなら待ってるね!…といってもどこに私たちがいるか分からないと困るもんね」

 

綾小路もとりあえず意見にのってくれ、帆波も了解してくれた。そして帆波はBクラスが拠点にしている場所への行き方を教えてくれた。

 

「それじゃあ、明日の夜まで私たちは待ってるから、良い結果を言ってくれるのを楽しみにしてるね!それじゃまた明日ね!」

 

そう言うと帆波と神崎たちは柴田、白波たちを呼びに帰っていった。

 

ここには綾小路と俺だけが残された。綾小路も戻ろうとするが、少し綾小路にも聞いておきたいことあるため、待ってもらう。

綾小路はめんどくさそうな顔をしたが、律儀に待ってくれるため、質問する。

 

「さっき俺には分からないって綾小路は言っていたよな?」

 

「ああ。俺はそんなに頭が良くないからこう言ったことは分からないんだ。それがどうした?」

 

「いや、お前は賢い。今回の内容についてちゃんと理解しているはずだ。そうじゃなければ、神崎の提案に質問をするだろ?それにお前はその直前まで腕を組んでいたが、その提案を聞いてからは外していた。人の心理状態として手を組むのは思案していることが多い。違うか?」

 

「…買いかぶりすぎだ。そんなことない。これ以上待たせると佐倉たちに申し訳ないから戻るぞ」

 

そう言うと綾小路も戻っていってしまった。果たして綾小路が本当にそうなのか。真相は分からなかったが、これ以上問い詰めても何もないと判断した俺も元の場所へと戻っていった。

 




よう実8巻買って読みました。
この小説でも割と重要そうな橋本について結構出てきたことや、有栖と帆波の対立など盛りだくさんで面白かったですね
また投稿意欲が上がってきたので、もう少し頻度上げていきたいと思います

早く有栖書きたい…
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