現在、テスト直前ながらこれを書いてました。もう少しすれば夏なのでもう少し早く書けそうかな…(希望的観測)
まだ日も上りきっていない早朝、俺は目が覚めたので、他の人を起こさないようにテントを抜け出し、川の水が汚れていないことを確認して、顔を洗い、服を着替えた。服を変えるといっても、同じジャージに着替えるだけではあるが。
服を着替え終わってから、手元の時計を確認すると、時計の針は4時を指していた。点呼を取るまでまだ3時間もあるため、他クラスの偵察に向かうことにした。Aクラスのベースキャンプの場所は把握しているが、B、Cクラスのベースキャンプはどこにあるか分からない。それに、この島の全景を把握しておきたい。そのため、誰も行動しないこの朝の時間に島の地図を作っておこうかと思ったのだ。それと、朝だからこそ警戒されにくいと思うので、そのうちに他クラスに偵察を仕掛けるというのも目的にある。8時までには戻らないといけないので、すぐに紙とペンとバインダー、それを持ち運ぶリュックを持って移動を開始した。
周りを木々に覆われた森を普通に移動するのは体力が必要になる。普段の舗装されたコンクリートを移動するのなら体力はさほど必要ではないが、ここは地面は舗装されてない悪路などもあり、体力を削られる。そのため、フリーランニングと言われる技術を利用して俺は森の中を走り抜ける。フリーランニングとは、自分の肉体のみで、特殊な器具を使うことなく障害物を使って走る技術だ。今回で言えば、障害物とは鬱蒼と生えた木々のことだ。この木々を使って普通なら移動には使わないであろう木の上などを移動していく。
この技術を使うメリットとして、普通なら移動に時間がかかる道でも、時間を大きく移動できることが挙げられる。現に、海岸から俺たちDクラスのベースキャンプまで20分ほど歩いたと、池や山内は言っていたが、俺は10分もかからず移動を終えた。
このように時間を短縮できたので、さっさと様の周りを探索する。まずは島の外周だ。島の周りは砂浜となっているので、日が昇る前にさっさと終わらせておきたいというのがある。夏に海水浴に行った時、砂浜は地獄のように熱くなる。しかし、まだ日が昇りかけの5時ごろともなれば、さほど熱くはない。そのため、すぐにバインダーを取り出し、地図を書き始めた。
「ふぅ、こんなもんか」
顔から滴り落ちる汗をぬぐいながら、完成した地図を確認して俺は一息ついていた。これからの6日間で使う大切なもののため、時間をかけてゆっくりと使っていたら、2時間かけて外周を完全に書き終えることができたのだった。実際に歩いてみると、割と広い島のようで、広いということが分かった。そして、Bクラス、Cクラスは海岸沿いにベースキャンプを張っているということも分かったのだった。流石にそのベースキャンプの中を堂々と歩くことはできないので、そこは森の中を抜けたが、そこからでも他クラスの状況はよく分かった。
まずはBクラス。Bクラスはうちと同じように、節約を徹底して、使わないといけないところは使って凌ごうとしているようであった。見るに近くに井戸のようなものも見えるため、水の確保にも困ってはなさそうだ。
正直なところ、Bクラスについては想定内であった。堅実主義の帆波がクラスをまとめているというのもあるが、現実的に使わないで済むポイントは使わないで、それでも楽しく過ごせるようにある程度は使うと予想がついていた。
それに対してCクラスの様子には度肝を抜かされた。CクラスはBクラスやDクラスとは対極、ポイントを使いに使いまくっているのが目に見えていた。俺が遠目に確認しただけでも、モーターバイク、BBQセット、テントに大型仮設トイレ、体を洗うのに使う仮設施設など、ポイントを散財しているとしか思えないポイントの使い方であった。しかも、それらは各設備の中でも最も高いポイントを要するものばかりだ。何故それを俺が分かるのかと思うかもしれないが、それはポイントを記したマニュアルを俺が見たときに、それぞれ一番高いもので印象に残っていたからだ。
あの様子から、Cクラスはすでに諦めたか、もしくはあえて0ポイントにすることで、他クラスのクラスリーダー指定のリスクを0にすると行った目的があってかもしれない。
前者なら敵が人組脱落してくれるので有難いが、恐らくその可能性はないだろう。Cクラスを牛耳るのは相手に勝つためなら手段を選ばないと言われている龍園だ。そんなやつがこんな機会をみすみす手放すとは思えない。要警戒だろう…。
そんな思考を巡らせていると、もうじき7時になりそうになってきていた。暑くなっていた体も冷えてきたし、一旦ベースキャンプに戻ろう。体も汗をかいたから、川の水で汗も吹き流しておきたい。
そう思って、立ち上がって移動をしようとした時だった。
「…あれ?司くんじゃん!こんな時間にこんなところでどうしたの?」
振り返った先にいたのは、同じく少し汗をかいて服をパタパタしながらこっちに歩いてくる一之瀬帆波であった。汗をかいているため、服が身体に張り付いていて、帆波の抜群のプロポーションが目に見えて分かるようになっており、目のやり場にすごく困る…。それに加えて上着を引っ張って暑さを凌ごうとしているため、胸の谷間の部分も見えてしまい、少し目線をそらして会話をする。
「…ああ…朝早く目が覚めたから島の地図でも作ろうかなって思ったからしてただけだよ。それこそ帆波はこんな朝早くからそんなに汗かいて何してたの?」
「ええっとね、私も早く目が覚めちゃったから、少し体を動かしておこうかなって思ったんだよね。それで砂浜走ってたらすごい汗かいちゃったんだ」
言われて足元を見ると、確かにジャージに砂がこびりついている。確かに砂浜を走っていたようだ。
「朝から走ろうなんてよく考えたな…こんな暑い時期に走ろうなんて俺は思わないからさ。それに女子って、日焼けとか気にするから、そこら辺、帆波も大変じゃない?」
「にゃはは、確かに大変かな〜。日焼けはお肌の天敵って言うから、みんな意識してるかな。私もこの時期だけど、長袖のジャージ着るとかして対策してるけど、それでも焼けちゃうんだよね…」
確かに露出する肌を少しでも抑えようとしているのは多くの女子を見ていれば分かる。昨日だって、隙が出来れば日焼け止めのクリームを塗っている女子たちがいた。男子の視点から見ると、めんどくさくないかなって思うけれども、やっぱり肌の問題は死活問題なんだろうなと思う。
「…あのさ、司って肌が白い子の方がいい…?」
突然帆波が質問してくる。肌が白い方がいいかと言われたが…。じっと見つめられて回答を待っているので、早く答えないといけないが、どうしてそんなことを俺に質問してくるんだろうか?俺の答えなんて聞いたところで何もならないと思うのだが…。そんなことを思いつつも、とりあえず答えることにした。
「そうだな…。俺は肌が白すぎるってのは嫌かな…。なんだかさ、白すぎたら人形みたいに見えてちょっとあれじゃないかな…って思うんだよね。だから、ちょっとくらい焼けてるくらいがいいんじゃないかな?それこそ、帆波くらいかな?帆波ってめっちゃ白いわけじゃないけどさ、人肌あるくらいでいいと思うな。まあ、別に俺の意見だから。気にしなくても……?」
そんな感じで、話をしていると、ふと帆波がこっちを見ていなかったことに気づいた。話始める時には、じっと俺のことを見つめていたのに、今は顔を赤くしてうつむいてしまっている。
「大丈夫か!?熱中症か何か…?」
急に顔が赤くなってうつむいてるので、不安になって帆波と移動しようとするが、帆波は大丈夫だと言って聞かない。とりあえず、本人が大丈夫だと言うので、少し待ってみる。
「…うん、もう、大丈夫!」
「それならいいが…無理をして倒れるようなことはしないように気をつけてな」
「うん!そろそろ点呼の時間になるし、帰りながら話でもしない?」
腕につけられた機械を確認すると、時刻は7時30分手前であった。そろそろみんなが起きてきて、朝の準備を始める時間帯だ。そんな時間にいないって気づいたら探されたりするかもしれない。そうなので、少し急ぎ目に歩いて帰ることにした。帆波をBクラスのベースキャンプに送り届けてから、Dクラスのベースキャンプに戻るとしても15分で戻れるくらいの距離であったので、遅れることはまずないとは思うが、遅れたらアレなので、帆波を送り届けたらダッシュで戻ることにはしておこう。
「ここまででいいよ。もう、私たちのベースキャンプも見えてるし、司が遅れちゃったら申し訳ないから…」
10分ほど先ほど話していた場所から歩いて来ていたが、もうBクラスのベースキャンプが見える場所までやって来ていた。帆波が気遣ってくれているので、ここはその気遣いに甘えさせてもらうことにしよう。
「それなら嬉しい。もうそろそろ点呼の時間も来るから、帆波も遅れないように気をつけてな」
「うん!司も遅れないように気をつけてね」
「ああ。気をつけるよ」
別れの言葉も済んだので、俺ももベースキャンプに戻ろうと踵を返した時だった。後ろから再び声をかけられたので、もう一度振り返る。
「あ、あのさ!すっかり聞き忘れちゃってたんだけど、私たちBクラスとDクラスの同盟についてはどうなったのかな?」
帆波に言われてようやく思い出した。何か伝えなければいけないことがあったのに思い出さないと思っていたが、それだった。危うくもう一度こちらに来る手間がかかるところだった。
「すっかり言い忘れてた…」
「もう、こんな大事なことを言い忘れるなんて、司も意外とドジっ子なんだね」
帆波はちょっと意外な一面を見つけたようで、驚いているようだった。
「案外俺は忘れっぽいんだよね…。そんなに意外だった?」
「うん、司ってDクラスの中でも頭いいって聞いてたから、忘れっぽいなんて思わなかったんだよね」
「そんなことはないけどね。Aクラスなんかに比べたらまだまだ足りてないと思うぞ…と、そんなこと言ってる暇はあんまりなかったんだった。じゃあ、正式に伝えさせてもらうけど、俺たちDクラスはBクラスと同盟を組むことを望んでいる。同盟を結んでもらえるか?」
「もちろん!Bクラス代表の一之瀬帆波として、今回の同盟、結んだことを認めるね」
「ありがとう。それと、確認したいことがあるんだけど、Bクラスの方にCクラスの生徒が来たりした?」
「??変なこと聞くんだね?えっと…確か、昨日司と別れた後に、Cクラスの金田くんが怪我をしていて、私たちのベースキャンプに連れて来たよ。龍園くんに怪我させられたって言ってたし、許さないよね!」
帆波は同じクラスメートを怪我させた行為について少し怒っているようであった。クラスメートを大切にし、何よりも仲間が第一優先主義の帆波には考えられないことなんだろう。
「ああ…。確かに仲間に手を挙げるというのは許されるべきことではないって俺も思うな」
「だよね!だからさ…」
「けど、その金田には気をつけた方がいい。多分だが、そいつはBクラスのリーダーを当てに来たスパイだ」
突然のことに、よく分からないといった顔をしている帆波に続けて警告しておく。
「うちのクラスにも同じように怪我をしたCクラスの伊吹という女子がやってきた。ちょうど金田と同じような状況だ。だから二人は、スパイの可能性が高い。まさか偶々龍園に暴力をされて違う2クラスに同じタイミングで行くなんて考えにくい。だから、帆波も気をつけた方がいいぞ」
帆波はそれを聞いて複雑そうであったが、すぐに内容を理解してくれて、Bクラスのみんなに伝えておくと言ってくれた。これでCクラスの目論見を少しは挫くことが出来るかもしれない。
「それじゃ、俺はもう帰るか。金田にはくれぐれも気をつけてな。また何かあったら、言ってくれ。また話に来るから」
「うん、教えてくれてありがとうね。また何かあったら言うね!」
こうして帆波と別れて俺はDクラスのベースキャンプの場所へと足早に戻ったのだったが、点呼開始5分前であったため、他のクラスメイトたちにこっぴどく怒られてしまったのだった。
なんか普通に一之瀬さんがヒロインじゃないかと思い始めた今回…。
あと何話したら有栖は登場するんだろうか…