有栖の栞を手に入れるために県内の書店4店舗回った作者です
ただ、栞の有栖がかわいいくてとても満足してます
皆さんはゲットしましたか?
帆波と別れてベースキャンプに戻った俺だったが、点呼を終えると、再び島の探索に向かうことにした。
今朝は砂浜方面の探索をしたが、今度はAクラスが占有している洞窟があるエリアを探索することにした。あちらの方はB、C、Dクラスとは離れているため、そちらの方面のエリアはAクラスが占有している可能性が高い。もっともリスクを良しとしない保守的な動きのBクラスはあの海岸以外の占有をしていないと言っていたため、Bクラスは占有から予測するのは難しい。尤も同盟関係結んでいるため、当てたりはしないが。
Cクラスに関しては謎のポイント大量ポイント使用が見えたので行動が読めない。今朝、砂浜から観察した程度だが、BBQセット、テント、仮設トイレ、ウォーターバイクなどポイントを散財しなければ手に入らないような品物ばかり揃えられていた。あれではポイントが0になるのでは?と思ったが、B、Dクラスにスパイの疑いありの人を送り込んでいるため、何かしら企みがあると考えていいだろう。そう考えると、Cクラスもどこかのエリアの占有をしている可能性はある。だが、この洞窟のエリアは島のマップ上は対岸に存在している。わざわざこちらまで出向いてからのはリスクが高いだろうと思う。
話が逸れたが、万が一にもCクラスがそちらのエリアに手を出していないとは言い切れないため、Aクラスの探索を主としてCクラスの情報も集めながら、島の詳しい地形を確認することにしていた。
こちら側は意外と起伏が激しい場所もあるため、あまり人は近づかない気がするが、気に留めずスポットを確認して回る。先程確認した島でも随一の巨大樹の下にあったスポットは誰も占有していないことを確認した。これは流石に目立ちすぎるため、慎重派な葛城は占有しなかった可能性が大きい。葛城はリスクを良しとしないため、やはり目立つスポットは空振りに終わりそうな気がする。
「次は船が旋回していた時に見かけた塔のような場所に向かうか…」
島の周りを旋回している時に洞窟を見かけたが、その近くに小さくだが、出っ張った不自然な洞窟のような物を一瞬だけ見かけたのだ。あまりに見づらかったため、気づいているかは分からないが、現在Aクラスが占有している洞窟の付近にあるため、周りの探索をしたは拍子に気づいている可能性はある。
次の目的地が決まったため、地図にこの辺の地形を書き込みながら移動を開始した。
日が天高く昇る時間となり、厳しい日差しが容赦なく降り注ぐ時間帯になって来た。ジリジリと照らされることで汗が止まらなくなり、日陰で何度か休憩を取りながらも、目的としていた付近にようやくたどり着いた。森の中の坂道が長く続いたため、歩くだけでもかなり体力を奪われたが、少しづつ波音が聞こえて来たため、気力を振り絞って移動を続けていた。
森を抜けるとすぐにそこは断崖絶壁となっていたため、肝を冷やした。落ちたりしないように気をつけながら下の方を確認すると、この場所がかなり高く、落ちたら怪我を負わずにいられるわけがないほどであることがよく分かった。
とりあえず、周りを確認するため、崖に沿って歩いていると、浜風が心地よく、先程までの暑さによる不快さはなく、心地よさを感じさせてくれた。
そんなことを思いながら注意深く周りを確認していると、一見見逃してしまいがちな場所にハシゴが架かっているのを見つけた。すぐに下の方へ確認に行きたいが、場所が場所のため、壊れてないかなど入念に確認して、安全性を確認してたから下に降りていく。
下に降り終えると、小屋や、釣りをするための道具などが丁寧に置かれていた。明らかに自然に置かれてるとは思えないため、どこかのクラスが占有しているのだろうと思えた。
ここにいることがバレると面倒になるため、さっさと確認して戻ろうと、小屋の中に入ってみた。これだけ辺境の場所にあるにもかかわらず、小屋の中には一切埃が多くたまっており、人が生活しているような雰囲気はなかった。日が当たりにくいため、暗い室内を手探りで進んでいくと、奥の部屋に洞窟の中で確認したスポットを占有するための機械を発見した。
機械には現在Aクラスが占有していることが記されていた。そして、残り1時間程度と記されていたため、近くAクラスがやってくる可能性がある。疲れは溜まって来ているが、ここに長居すると面倒なことになるため、すぐに戻ろうとした時だった。
バタンッと扉が思い切りよく開かれ、部屋の中に一筋の光が差し込む。ちょうど扉とテーブルまで挟んで場所に立っていたため、眩しさに目が眩んで目を隠していたが、入って来た人物に気づかれてしまったようで、「誰だ!」と小屋の中に駆け込んで来た。
今更逃げようにも崖の中に作られた空間のため、窓を蹴破って逃げようとしても、最終的な脱出ルートは最初に使ったハシゴしかない。そこに先回りされたらどちらにしろ捕まってしまう。そのため、逃げようとはせず、大人しく手を挙げて抵抗しない意思を示しておく。
「お前、どこのクラスのやつだ?名前を言え」
高圧的に詰め寄ってくることに少しイラっとはするが、面倒ごとは避けるため、大人しく名乗っておく。
「Dクラス所属の桐生司だ」
「…知らんな。とりあえず何か怪しいものを持ってないか調べさせてもらう。これは決して暴力をするわけではない。こちらとしても暴力をし、面倒ごとはしたくない。Dクラスの少ない脳みそでも理解してもらえたか?」
いちいち発言にイラッとさせられるが、黙って賛同の意思を示す。すると、後ろの方に何人かいた数人がこちらに詰め寄って来て確認をしようとする。野郎に体を触られることに関してはそんな趣味はないので不快感しかないため、早く終わってくれないかと思いながら、待っていると、ここで指揮しているやつの後ろの方から、聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「ん?桐生か?」
その人物の姿は後ろから差す光で見えなかったが、ようやく見えるようになって、その人物が自分の知り合いだと確認できた。
「橋下か…なんとかツキはあったようで良かった」
俺を知っていた人物、それは橋下であった。橋下がここにいるということは、ここにいる集団は有栖派閥の人間だろう。これが葛城派閥ではなくて本当に良かった。
「お前ら、桐生は信用に足る。ボディーチェックなんかしなくていい。解放するんだ」
「しかし…」
橋下の命令により、ボディーチェックを止めようとするが、納得がいかない人もいるようで、何人か戸惑っているようであった。しかし、橋下が強い口調で伝える。
「聞こえなかったのか?桐生は坂柳が個別に信頼をしている生徒だ。なんなら、俺よりも信頼をしているのかもしれない。そんな人物に粗相をするのか?坂柳を怒らせるようなことはしない方がいいとお前たちは知らないのか?」
「そ、そうなんですか…」
やめることに抵抗していた人も、橋下の言葉を聞いて一斉にやめる。今の言いようからかなり有栖は圧政を敷いているのかと思った。普段の俺に接する姿的にはそこまで怒る素ぶりは見えないが、俺が知らない一面なのかもしれない。有栖は怒らせない方がいいと言うことを思わず知ったかもしれない…。
「他の奴らはここから出て、誰か来ないか確認しててくれ。一対一で少し話したい」
「分かりました」
そう言うと、橋下以外の人は外へと出て行った。全員が外へ出て行ったのを確認して橋下は話し始める。
「うちのもんが迷惑かけてすまない。わざとではないんだ。どうか許してやってくれ」
開口一番に大きく謝って来たので、驚いたが、とりあえず顔を上げるように言う。
「彼らがやろうとしたことは、理解できるから謝らなくていい。それよりも俺に聞きたいこととは?」
「理解してもらえて嬉しい。聞きたいことは一日でどれくらい情報を掴んだかだ」
「そのことか。まあ、なんとなくAクラスのリーダーを予想はした。確定まではたどり着いてないから不安要素はあるが…」
「なるほどな…」
橋下は腕を組んで考えるようなそぶりを見せた。坂柳派閥としては葛城派閥がこの時間で失敗することを望んでいるため、自身に損を被るとしてでも葛城の評価を下げようとしている。そのため色々と考えているのだろうか。
「とりあえず1日でかなり前進しているようだな。その様子なら答えにたどりつきそうか。因みに自信はどれくらいあるんだ?」
「そうだな…8割方といったところか。俺がマークしてないだけで他に誰か知らないメンバーがいる可能性があるかもしれないが、神室から事前に聞いていた情報とすり合わせると、多分その人物で間違いはないと思っている」
「なるほど…それなら安心したよ。まあ、俺たちも影で妨害工作は続ける。何か情報が欲しくなったら俺か神室に伝えてくれ。それと、坂柳派閥のメンバーでも主要なメンバーには桐生の話は通しておく。坂柳が言っていないのが気になるが、今回のような出来事がまた起こるとお互いに大変だからな」
「ああ、助かる。また何かあれば接触させてもらうよ」
そう言って俺は立ち上がり、ここから去ろうとする。小屋の扉を開けたところで不意に橋下が話しかけてくる。
「なあ、桐生、お前はどうして坂柳に従っている?」
どうしてこんなところでそんな質問をするのか、疑問に思ったが、その理由を考えてみる。
確かに最初は無理矢理従わされたような気がする。突然話しかけられ、お茶に行った先で強引に引き込まれた。考えてみれば別にそこで強引に引き込まれただけであって、強制はされていない。別に従わなくても良かったかもしれない。それでも俺は結果的に有栖に従い、Aクラスに上がるように裏から工作をしている。
相変わらず、よく考えてみれば、自分がいるクラスを蹴散らしてAクラスになれなんて変なことを言っているとは思う。いつも変なことは言うし、無茶苦茶はする。それでもなぜか有栖といると面白いし、楽しく思う。なぜなんだろうか。俺でも分からない。
「…考えてみたが俺でも分からない。変わった人だとは思う。無茶苦茶だし、有栖の言う通りにするのは大変だ。それでも不思議と有栖といたいと思う気持ちある」
「…そうか。変なこと聞いてすまなかった。葛城派の奴らが来ないとは限らないから早めに戻っておくことを勧めておくぞ」
橋下は納得はしていなそうであったが、早く帰ること、このルートを辿ると帰りが楽など、いろんな情報をくれた。そのことに感謝しつつ、俺は葛城派にバレないように早々に退散するのであった。
「不思議といたい…ね。何を言ってるんだか。くだらない」
「橋下さん?どうしました?」
「いや、なんでもない。そろそろ葛城と弥彦が来る時間だ。一応あいつらに従順に接しておけ。バレないようにな」
「分かりました!」
橋下に聞きに来た一人が他の人に連絡を伝えに行き、いなくなった小屋に一人橋下が佇む。その表情は先ほどまで桐山と話していた好青年な一面ではなく、まさに悪人顔と言うのが似合っているような不気味な笑顔であった。
「俺が従うのは常に優位に立ちたいからだ。そんなくだらない感情に流されたりはしない…。あいつに接触してみるか…」
桐生の知らないところでまた別の思惑が動いているのであった…
また更新が遅くなってしまいました
今回は結構展開が進んだ気がします…ですよね…?
次回はもう少し早く出せるはず…