可愛い女の子の無垢な笑顔って最高ですよね!?
ソフィーちゃんのかわいらしさを表現したそんなお話になっております。
お話はあまり進んでいませんが個人的にはこういう身のないお話が大好きなのでこれからも少しずつこんなお話が入ってくるかもです笑
楽しんで読んでくれたら幸いです!
ではどうぞ!
徽章の奪取を祝う、開催した当の本人も趣旨のよく分からない宴から一夜明け、アジトから地上へと出てきた。
昨日まで降り続いていた雨はまだやまない。
軒の低いプレハブ小屋のような屋根の下から眺める空はどんよりと曇り、まだしばらくはやみそうに思えなかった。
だがしかし、かといって俺は雨が嫌いなわけではない。
むしろ、雨の音は好きでよくドラム缶の上に座り、目をつむって雨の音に耳を澄ましたりするほどである。
ソフィーに一度その姿を見られてしまったのだが「かっこつけすぎでキモい・・・マジでキモい。」と言われてかなりショックだったため最近は頻度もめっきり減り、人気の無いところでやるようにしている。
最近はこうやって落ち着いて雨の音に耳を澄ます機会に恵まれなかったので今日は彼らが起きてくるまでこうやって目一杯雨の音を楽しんでやろうと思っていた。
その辺に転がっているドラム缶の上に腰掛け、ボーと雨音に耳を澄ます。
こうしていると日頃の雑念や、ストレスさえも洗い落とされる気がする。
どれくらいそうしていただろうか・・・。
屋根から垂れ落ちてくる雨粒を見ていると、ふと昨日取ってきた徽章のことが頭をよぎった。
俺は昨日広場にいた衛兵隊員から徽章を奪取した。
だが、そもそも、なぜ徽章を取ってくる必要があったのか。
もちろん、立場の弱い市民達にいつも圧力を加える衛兵が嫌いだから嫌がらせをしようとしたのではない
いや、それも少しあるんだけど・・・あいつら調子乗ってるから懲らしめたいって常に思ってたし。
徽章無くしたらあいつら面目丸つぶれだろうしな。
でも、今回の動機はそんな私情だけではなく、俺たち自警団「鴉」の活動資金を調達するため、というのが一番の理由だった。
今、俺たちの活動拠点はやまあいのへんぴで小さな町“コルト”であるが、この町はスラムがはびこっていることからも分かるように非常に貧しい町だ。
だが、それにたいしてこの町の所属する国”ザフスト”の中心地には文明が発達しこの時代の最先端技術が集まっており、俺たちの町とは比べ用もないほどに豊かなのだ。
それなのに俺たちの町には国からなにもその豊かさや文化の恩恵を与えられず、それどころかコルトの町は厳しい税徴収によって金を搾取され、衰退の一途をたどり続けている。
このことは断じて許すわけにはいかない。
それならばこの町は国から独立して自らの力で運営していく方が賢明であると俺は思うのだ。
幸い、土地は余っているし、農作物も取れる。
水もあるし、工業だってやろうと思えばできるだろう。
つまり、この町の再興にはザフストの支配から抜け出すことが最善手なのだ。
そのための活動を俺たちはしている。
この町を変えるために。
今一度決意を再確認した俺は「よっ」というかけ声とともにドラム缶から降り、大きくのびをする。
先ほどから座りっぱなしで少し固まっていた体がほぐれていくのを感じた。
と、そのとき・・・。
「あ、こんなところにいたのね、バルト。探したわよ。」
という呆れた様子の声が後ろから聞こえたので俺は振り返って、少し不満そうな声で言った。
「なんだよ・・・別に良いだろ、どこにいたって。」
「いいけど、一言ぐらい言ってくれたっていいじゃない。心配するでしょ?」
と寝起きらしいソフィーはこれまた俺と同様に不満そうだ。
唇を少しとがらせてるのがなんか少し可愛らしいと思ってしまったからか。
「お、おう。まあそうだな。悪い。」と弱気に謝ってしまう。
すると、俺のそんな返事が意外だったのか一瞬不思議そうな顔をした彼女だったが。
「・・・分かれば良いのよ。分かればね。私も怒ってるわけじゃないし。」と柔らかい笑顔でそう言った。
こいつのこういう笑顔は素直に美しいと思える。
しばらく声もなく彼女の笑顔に見とれていると、彼女は照れたようにしなを作って言った。
「な、なによ・・・そんなに見られると照れるんだけど・・・。」
「・・・あ、す、すまん。」
「・・・いや、別にいいんだけど・・・。」
互いに顔を背けて、しゃべらないため沈黙が訪れる。
ちらとソフィーの方を見ると、彼女の横顔はほのかにあかね色に染まっていてなおさら恥ずかしかった。
気まずい・・・なんとかしなくては・・・。
そう思い、なにかないかと話題を探すとひとつ思いついたので、いまだ両頬を手で押さえて顔を赤らめている彼女にできるだけ平静を装いつつ提案してみた。
「・・・なあ、昨日取った徽章を質屋に出しに行こうと思うんだがいっしょに行くか?」
「え・・・、あ、行く!行きたい!いっしょに行こ!」
「お、おう。行くか。」
「うん!」
なんだかめちゃくちゃテンションが高いソフィー。
俺の腕に抱きつきそうなくらいに距離が近く、少し驚いた。
そんなに質屋に行きたかったのか?と思わなくもないけれど、ソフィーの無邪気なこの笑顔を見ていると何もかもどうでもよくなってしまい、俺たちはソフィーの持っていた傘に身を寄せ、歩き出したのだった。
俺たちがこれから向かう質屋「アーツ」は店主とも親しく、ごひいきにさせてもらっている店だ。
まあ、特に変わった店ではない。
ただ、ある一点だけが違う。
それは・・・・どんなものでも買う、というただその一点だ。
これは非常にありがたいことで、この町はかなり貧しく不正がばんばんはびこってはいるモノの、ある程度のモラルが存在しており、そのモラルの一つとしてというか自己保身のためというかは定かではないが、一応、犯罪のにおいのするものは質として買い取らない、という不文律が存在する。
なので、こんな窃盗罪の匂いがぷんぷんする徽章を他のお店へと持って行くと大体質入れを断られてしまう。
しかし、「アーツ」は違う。
品物さえしっかりしていればどんなものであろうと買い取るし、事情も深くは聞いたりしない。
しかも結構良い値段で買い取ってくれるため非常に俺たちとしてはありがたいのである。
というわけで、俺たちは例のごとく「アーツ」にまでやってきた。
ソフィーは道中とにかくご機嫌で、今もるんるんで俺の横を歩いている。
どうしてこんなにご機嫌なのか、不思議でしょうが無いが機嫌が悪いよりは全然良いので深くは考えないで置き、お店の扉の前に立つ。
お店の店構えはぼろぼろの一言に尽きる。
立て付けが悪いのかあちこちゆがんでいるし、店の看板は汚れ、文字もかすれて店名も分からない始末。
この町の中でも酷い部類の建物だった。
すると、ソフィーがこの建物を見て。
「うわあ、いつ見ても汚いお店だね~。」と少し引き気味に言ったので。
「それは同感だが、店の前で言うのはダメだろ?」と俺は呆れ気味に返した。
そんな俺の忠告も聞こえていないのか、うわあ、と小さくつぶやきつつお店を眺め回すソフィー。
俺は何度も来ているから慣れたモノだが、ソフィーはあまりこういうところには来ないのでもの珍しいのだろう。
まるで、珍獣をみるかのように興味深そうにいろんなところを観察していた。
だが、そんな観察も少しすると満足したのか、「よし、入ろっか?」と首を傾けて俺の方を向きつつ聞いてきたので俺は「おう」と小さく応えた。
その反応に少しほほえみを漏らした彼女はお店の扉に手をかけて勢いよく開き元気よくこう言った。
「こんにちわ!ダイゲンさん!今日もよろしくお願いしますね?」
すると、店のカウンターにたたずむ大男が野太い声で応える。
「おお!ソフィー、久しぶりだな。」
「はい、お久しぶりです。」
「しかし、うちの店を汚いとは言うようになったな?え?」
ドスのきいた声でそう言うダイゲン。
さすがのソフィーも申し負けなさそうに言う。
「あ・・・聞こえてたんですね?ごめんなさい。」
「まあ、事実だから全然良いんだけどよ。これがバルトのクソガキならぶっ殺していたがな!」
「何でだよ!」
「がっはっはー!」
「はあ・・・。」
大笑いをするこの大男はダイゲン。
「アーツ」の店主だ。
この大笑いからも分かるように性格は粗暴で、直情的。
体格も大柄で今にも天井に頭が付いてしまいそうである。
もちろん、この体型と筋肉を見れば分かるとおりめちゃくちゃ喧嘩強い。
一度、店に入ってきた酔っ払いを追い出すのを見たが、とんでもなかったのを覚えている。
顔面無くなってたからね?いや、マジで。
だから、俺のことぶっ殺すとか言われるとホントに冗談に聞こえないのでやめてほしい。
でも、そんな無骨なおじちゃんもこのソフィーには非常に優しく彼女のすることは全て許してしまえるようだ。
わからんではないけど、俺とソフィーへの態度が違いすぎる。
もう少し俺へのあたりもマイルドにしてくれないかなあと思わないでもないがやはり男は皆、可愛い女の子に弱いのであると再確認したのであった。
「いやあ、結構いい値段つけてくれたね~。」
両手を後ろ手に傘を持つソフィーが足取り軽く俺の横を歩きながらそう言った。
今、雨は止んでいるがついさきほどまで降っていたからか道にはところどころ水たまりがある。
彼女の前にも一つそこそこ大きな水たまりがあったのだが、ソフィーは軽やかにそこにあった水たまりをヒョイと飛び越えた。
飛び越える際に、ひらりと彼女のスカートが舞い、不覚にも少し見惚れてしまった。
すると、俺の視線に気がついたのか振り返りつつ不思議そうに首を傾けるソフィー。
俺はごまかすように「いやいや、何でも無い」と、軽く手を振る。
彼女はそんな俺の仕草をさらに不思議そうに眉根を潜めていたが、俺の応える様子がないことを見て諦めたのか、一つ息を吐き、笑顔でこう言った。
「またいっしょに来ようね?」
「・・・・・・お、おう。また今度な。」
言葉に詰まりながらもなんとか応える俺だったが、にこやかに笑いかけるソフィーの笑顔のまぶしさに俺は今にも浄化され消えてしまいそうだった。
なんだよ~、いつものつんけんしたソフィーはどこ行ったんだよー!
ホント俺が地縛霊なら三回は昇天してるぞ・・・・二回は彼女の笑顔がもう一度見たいという後悔の念からまた戻ってきてるまである。
いや、まあ幽霊ってそんなことできるのか知らんのだけどさ。
それにしても、なんだか今日のソフィーはホントに素直で可愛らしいように思う。
思えば昔はこんな感じで俺とジークとソフィーの三人でいろんなところに遊びに行ってたっけ。
そのときのソフィーの嬉しそうな顔ったら、形容しがたいくらいに嬉しそうだったんだよな・・・。
でも、最近は組織のほうの仕事ばっかりでこんな風にゆっくりいっしょにお出かけすることもなくなってたっけ。
もちろん、一番は組織の運営なのだけれど、でも俺にとってはこの世の中で一番大切な二人な訳だからもう少し二人と過ごす時間を作っていこう・・・。
そんな決意を固めていた。
そのとき・・・・。
「勘弁してください!」
そんな悲痛な叫びが俺の耳に届いたのだった・・・。
どうでしたか?
金髪ツンデレちゃんって可愛いですよね?
次からもよろしくでーす!!