ノーゲーム・ノーライフ I am a loser 作:飯落ち剣士
「……え?」
いいの?
「構いませんよ、どうせ私が勝ちますし」
全権賭けるってまじかよおい。油断してることは分かってるし、だからこそ相手に賭けるものを提示させた海だが、流石にこれは予想外。
(
——まあ、油断してくれていた方がこちらも好都合だ。さっさとゲームを始めてしまおうか。
そう思って海は特に反論もせず、話を進める。
「じゃあそういうことでいい。詳しいゲームのルールを教えてくれ」
まあ、ゲーム内容は分かってるんだけども。
「ゲーム内容は、『具象化しりとり』私たち
そう、しりとりである。ただし具象化する。
「しりとりをして、使った言葉でこの場にあるものは消え、無い物は現れます。なお、
・既出の言葉を口にする
・30秒以上回答しない
・続行不能
——このいずれかで負けになります。なおプレイヤーに直接続行不能になるような影響は与えられません。例えば私が『血』といってもあなたの血は消えません」
……よく出来たゲームだな。ルールに穴がない。しかも絶対面白い。
まあ、穴なんていくらでも
海は質問を重ねていく。
「創作物の具象化ってあり?」
「もちろん、なしです」
「十の盟約違反してない?」
「ご心配なく。ゲーム中は一時的に仮想空間に移動します。終われば全て元どおりなので、一切の違反はございません」
「じゃあ続行不能ってのはさ、
——死んだら負けってことでいい?」
「その解釈で構いません」
じゃあもう聞くことはない。ゲームを始めよう。そう言って海は腕をパキパキと鳴らす。
「プレイヤーは俺1人。後の2人はおまけで」
「え」
「おかしいだろう」
「では、初めてよろしいですか?」
「ああ、大丈夫だ。テテフ、用意してたやつちょうだい」
「……」
テテフは仏頂面で海に数枚の金属板を渡す。海はテテフと対照的に笑って受け取る。
「じゃあ、ゲームを始めようか?」
「はい。それでは」
「「
数十人の天翼種が見守る中、今。
——
*
「先手はそちらからどうぞ」
「じゃーお言葉に甘えますかね」
そう言って海は、テテフに指示を出す。
「テテフ、何があっても大気保存以外の魔法は使うなよ」
「は?それってどういうこと——」
テテフが訝しんで発した言葉はしかし、言い切る前に海の言葉にかき消された。
「アヴァント・ヘイ
海が発したその言葉とともに、
そしてそれに従い、足場が消え、海・ファル・テテフは落下が始まる。
「これはまた……初手から飛ばしてきますね。ムカ
ミハイールは涼しい顔で羽を広げながら気持ち悪い虫を具象化する。
「ちょっと海さん⁉︎」
つまり初手での足場消しは悪手以外の何者でもない。
ファルはそう思ったが——。
「そうか?電
足場を消した当の本人はいたって涼しい顔で、いつも持ち歩いているスマートフォンを消す。
そしてそれを見たファルも、冷静さを取り戻す。
「まさか初手で足場が消えるなんて思いませんでしたよ。
「まあほかのやつらにしりとり見られたくないしさ。ナイ
「その配慮はありがたいですけどね。
「でしょ?てかお麩はあるんだ。ファンタズ
その言葉で、やっと足場、アヴァント・ヘイムが再び現れる。ただし
「戻すのなら最初から消さないでくださいよ。マス
「別に消そうがどうしようが俺の勝手でしょうに。クラスルー
海の言葉と同時に、机が、椅子が、床が、壁が、黒板が。
……いわゆる小学校の教室が姿を現わす。
「立ってやるのも疲れるじゃん?」
そう言って海は机に座る。
「ああ、私の知らない知識……たまりません」
そう言いながら海と同じように、ミハイールも机に座る。
ファルとテテフは近くでそっと椅子に座った。
「ところでこれどれくらい続くの?」
「長いと1ヶ月以上は余裕でかかりますが……
……まあ、だろうなぁ。てか。
「俺もそのくらい続けるつもりだし」
さてと、まずは純粋にゲームを楽しみますか。
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