IS学園・一夏先生   作:猫林13世

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気になっちゃうんだろうな……


気になる世代差

 とりあえずの確認のし直しだけをして、鈴と千冬はラウラとシャルロットペアとの戦いに挑むことにした。既に当初の目的であった点数稼ぎは十分果たしているので、後は無様に負けないように気を付けるだけで良いのだから、精神的には幾分楽になっているが、今回の相手は油断しているとすぐに負けてしまう可能性があるのだ。

 

「さすがに今回はFFしないでよね」

 

「私だってしたくてしてるわけじゃないんだ。お前もこっちの動きを見て行動してくれると助かるんだが」

 

「前衛のあたしが、味方後衛の動きを見てたら隙だらけになるでしょうが。まぁ、一応気を付けるけど、基本的にFFはアンタの責任なんだからね」

 

「もうわかったって。それより、向こうは既にやる気十分のようだぞ?」

 

 

 既にアリーナでスタンバイしている二人を見て、千冬は臨戦態勢を取った。鈴も千冬につられるように気合いを入れ、アリーナに飛び出ていく。

 

「悪いが、デザートパスは私たちがもらう」

 

「別にそんなの欲しくないから、ラウラが欲しいならあげるけど……まぁ、無様に負ける気はないけどね」

 

「そんなに食べたいなら、今度ボクが作ったデザートの試食をしてくれないかな?」

 

「何だ、シャルロットは料理をするのか?」

 

「料理部に入ったんだよ。もう少し出来た方が良いかなって思って」

 

「私も料理なら出来るぞ」

 

「ラウラが?」

 

 

 物凄く意外だったのか、シャルロットはかなり失礼な反応を見せる。だがラウラは気にした様子もなく、自信満々に胸を張った。

 

「ジャガイモの皮むきなら任せておけ! サバイバルナイフ一本あれば十分だ! 後はこんにゃくと大根を串に刺して火を通せば――」

 

「それって料理なの?」

 

『何時までもくだらないことをしゃべってないで、とっとと開始位置に移動しろ』

 

「はっ! 失礼しました、一夏教官!」

 

 

 プライベート・チャネルなので他の人には一夏の声は聞こえないのだが、ラウラはその場で敬礼をして一夏に返事をした。

 

「ラウラ、ボクたちにしか聞こえてないんだから、そんな行動したら変な目で見られちゃうよ?」

 

「なに、一夏教官に怒られたという事は鈴や千冬には分かってるようだから、そんなことを気にする必要はないだろ」

 

「観客のみんなには分からないんだってば……」

 

 

 やっぱり何処かズレているなと感じながら、シャルロットは急いで開始位置に移動し合図を待つことにした。

 

「そうだ、シャルロット」

 

「なに?」

 

「試食の件、楽しみにしてるからな」

 

「そうだね。上手くできたらお願いするよ」

 

 

 最低限の料理の腕は持っているが、それで満足出来ないと思っているので、失敗作を食べさせるわけにはいかないなと、シャルロットは違うところで気合いが入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 待合室と化している更衣室で千冬・鈴ペア対ラウラ・シャルロットペアの試合を見ている簪は、やはり世代差は大きいのかなと感じていた。

 

「かんちゃん、何を気にしてるの?」

 

「本音……起きてたんだ」

 

「そこに驚くの~?」

 

 

 本音としては驚かすつもりがなかったので、予期せぬところに驚いた簪にツッコミを入れ、真面目な雰囲気を作り出す。

 

「世代差なんて、結局は操縦者の実力で覆す事が出来るんだから、気にするだけ無駄だよ」

 

「それは、分かってるつもりなんだけどさ……この四人の動きを見て、同じ実力者同士だと、やっぱり世代差は大きいのかなって思っちゃって……」

 

「確かに、シャルルンの動きが若干鈍く見えるけど、それでもシャルルンは負けてるわけじゃないよ。FFの心配がない分、ラウラウの方が自由に動けてるし、それだけでも十分は戦果だと思うよ」

 

「確かに、鈴の方は千冬のFFを避ける為に、若干動きに制限が掛かってるようにも見えるね」

 

「つまり、いくら第三世代の専用機を持ってるおりむ~だって、それを完全に使いこなせなければ意味はないんだよ。第二世代だけど、かんちゃんはその打鉄弐式をちゃんと使いこなしてるんだから、世代差なんて気にしなくて良いんじゃないかな? ましてやこれはお遊びのようなものなんだから、本番のモンド・グロッソ並みの緊張感を持って挑めるようなものじゃないよ?」

 

「気づいてたんだ……」

 

「これでもかんちゃん専属のメイドだからね~。主様の事はちゃんと見てるんだよ~」

 

「普段からそうなら、頼もしいんだけどな」

 

「何だよ~! せっかく励ましてあげたのに~!」

 

 

 何時も通り間延びした喋り方に戻った本音に、簪は思わず笑いだした。

 

「ありがとう。まさか本音に心配される日が来るとはね」

 

「これでもちゃんと従者してるんだよ~」

 

「虚さんみたいに分かり易く従者してくれると助かるんだけどな」

 

「楯無様みたいに、常日頃からフォローが必要な感じじゃないでしょ、かんちゃんは」

 

「お姉ちゃんも、やれば出来るんだけどね」

 

 

 普段おちゃらけてるけど、実力は確かなのだと簪も分かっているので、それだけに虚が可哀想で仕方がないのだった。




やっぱり本音は本音だった
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