IS学園・一夏先生   作:猫林13世

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あの人に敵うわけがない


乙女の悩み

 鈴たちと合流した千冬は、一夏の姿を探して見つからないと分かると落胆した。

 

「やはり一夏兄は忙しくて帰ってしまったのか」

 

「さっき挨拶はしたが、忙しそうだったな」

 

「なぁ千冬」

 

「何だ?」

 

「一夏さんってIS学園でどんな仕事をしてるんだ? 普通の高校教師だって、あそこまで忙しくはしてないと思うんだが」

 

 

 弾と数馬の疑問を受けて、IS学園所属のメンバーはそろって苦笑いを浮かべる。一夏が普通の教師より忙しそうなのは彼女たちも感じていたが、それは学園が一夏に仕事を丸投げしているからで、他所の教師は一夏並みに忙しそうにしているのではないかと思っていたからだ。

 

「やはり他所から見ても、一夏兄は忙しそうなのか」

 

「どういう事だよ」

 

「IS学園内でも、一夏さんは頼られてるって事よ」

 

「? あの人が頼られるのは、何時もの事じゃないのか?」

 

「そうなんだけどね……頼られ方が異常というか、女の世界なのに男性である一夏さんが一番頼りになるって言うのも問題なんじゃないかって思ってね」

 

「開発なんかにも携わってたんだろ? だったら頼りになって当然だと思うが」

 

「今の時代、自分は偉いって勘違いしている女どもが大勢いるだろ? そんな中で一夏兄が活躍してると知れば、その勘違い女のプライドをズタズタにすることに繋がりかねない。そうなると、ますます一夏兄が普通に生活出来なくなってしまうだろうが」

 

「まぁ、一夏さんが普通に生活してたら、女どもは騒ぐだろうな」

 

「モンド・グロッソ連覇だけでも話題性十分なのに、一夏さんはあの見た目だからなぁ……」

 

 

 同性の弾や数馬から見ても、一夏の容姿はレベルが高いと思える。むしろ張り合おうという気持ちすら湧いてこないくらい、自分たちとは違うとさえ思っている。

 

「セシリアなんか早々に一夏さんの魅力に陥落したらしいしね」

 

「な、何を言いだすんですか鈴さん!」

 

「ラウラだって、一夏さんに指導してもらって懐いたんでしょ?」

 

「あの人は真に尊敬出来る方だと思っているからな」

 

「男が苦手なかんちゃんも、織斑せんせ~には普通に話しかけてるもんね~。楯無様もおね~ちゃんも、織斑せんせ~に懐いてる隠せてないもん」

 

「一夏兄の魅力に逆らえる女がいるとは思えないが、私はまだ誰も義姉と呼ぶつもりは無いからな」

 

「相変わらずぶっ飛んでるわねー」

 

 

 お付き合いなどの過程をすっ飛ばして結婚という結論にたどり着いた千冬に、鈴は呆れ顔を浮かべる。弾と数馬も似たようなリアクションなのを見て、シャルロットはこれが定番のやり取りなんだろうなと察し、苦笑いを浮かべた。

 

「織斑先生と釣り合いそうな人ってどんな人なのでしょうね」

 

「少なくともボクたちじゃ釣り合わないだろうね……大人の魅力が必要だろうし」

 

「大人の魅力か……山田先生はどうだ? 並大抵の大人には無いものを持っているだろ?」

 

「ラウラ……大人の魅力ってそういう事じゃないから」

 

「そうなのか?」

 

「まぁ、魅力と言えば魅力なのでしょうが……」

 

 

 シャルロットとセシリアが真耶の身体の一部分を思い浮かべ、同時にため息を吐く。

 

「どうやったらあそこまで育つのでしょうか?」

 

「ボクにも分からないよ」

 

「お前たちも気にしてるのか……」

 

「千冬も? でも千冬はそこまで小さいわけじゃないでしょ?」

 

「私の隣には化け乳がいるからな」

 

「化け乳? あぁ、箒の事……確かに大きいよね」

 

 

 三人の会話を横で聞いていた簪が、自分の胸に視線を落としてから本音の胸に視線を向け、更にはシャルロットたちの胸に視線を向けて寂しそうな表情を浮かべる。

 

「大丈夫よ、簪」

 

「鈴?」

 

「アイツらを全員殺せば、あたしたちが平均的な大きさになるから」

 

「べ、別にそんな物騒な事を考えてたわけじゃないからね!?」

 

「お前ら、さっきから何の話をしてるんだ?」

 

 

 黙って聞いてた弾だったが、さすがに忘れ去られているのではないかという不安から声をかけたのだが、女性陣から一斉に鋭い視線を向けられてしまった。

 

「な、なんだよ……」

 

「セクハラ野郎! 今の会話を盗み聞きしてたな!」

 

「盗み聞きって、俺たちの前で話してたのはお前らだろうが! なぁ数馬」

 

「あ? まぁ、何か話してたのは知ってるが、聞こうとも思わなかった」

 

「裏切者が!」

 

「やっぱり弾は変態だったのね。これは蓮さんや蘭に報告しなきゃだわ!」

 

「ふざけるな! そんなことされたら、ますます居場所がなくなるだろうが!」

 

「乙女の会話を盗み聞きしたんだから、それくらいされて当然だ!」

 

「だから、聞きたくて聞いたんじゃねぇっての! というか、お前らが俺たちの前で勝手に話し始めたんだろうがよ!」

 

 

 弾の言葉に、千冬と鈴が左右の脛を同時に蹴り上げる。その痛みで悶絶して倒れ込んだ弾は放っておいて、いよいよ始まる箒の神楽を見る為に、メンバーはベストポジションに移動するのだった。




両脛は痛そう……
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