IS学園・一夏先生   作:猫林13世

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酷すぎる気もする……


狂った家族関係

 スコールに謹慎を言い渡されたマドカは、何もない部屋で大人しくしていた。ここで暴れても目的が達成できなくなるだけなので、彼女は大人しくしてるしかなかったのだ。

 

「随分と無様だな、M」

 

「オータム……何の用だ」

 

「お前の両親からの伝言だ。襲撃日が決まったからお前にも教えておけってな」

 

「あいつらは私の親じゃない!」

 

「幾ら否定しようと、お前はアイツにそっくりだからな。遺伝子ってのは、意外とバカに出来ないのかもしれないな」

 

 

 楽しそうに告げるオータムとは違い、マドカは憎しみのこもった目をオータムに向けている。実際オータムが憎いのではない、彼女の後ろにいる両親が憎いのだ。

 

「そんな目で睨んだって、アイツらには届かないっての」

 

「分かってるそんなの! だが我慢出来ない」

 

「オレは家族ってのが分からねぇから何とも言えねぇが、普通娘が親にそんな目を向けるもんじゃないと思うがな」

 

「お前の感想なんてどうでも良い! それで、襲撃日はいったい何時なんだ」

 

「はいはい……襲撃はIS学園の一年が修学旅行で京都にいる二日目。列車移動する時があるからそこを襲うらしい」

 

「そっちがどんな思惑かは知らないが、私は私の目的の為だけに動かさせてもらうからな」

 

「そんなに憎いのか? 実の姉が?」

 

「何も知らず、お兄ちゃんとずっと一緒に過ごしてきたアイツが、憎くないわけないだろ? しかもお兄ちゃんの暮らしを一変させた原因の一人でもあるんだから、この手で殺したいと願うのは当然だろう」

 

「その考えもどうかと思うぜ。まぁ、確かに伝えたからな」

 

 

 これ以上マドカと話していると、自分が常識人なのではないかという錯覚に陥りそうで、オータムは足早にマドカの部屋から離れた。

 

「織斑千冬……お前はこの手で必ず!」

 

 

 仮にも一夏から指導を受けている相手なので、そう簡単にはいかないだろうとマドカも理解している。だがISの稼働時間や実際に人を殺めた経験は自分の方がはるかに多い自信がある。千冬一人に絞れば、そう難しい事はないだろうとマドカは思っているのだった。

 

「問題は、お兄ちゃんが素直にあの女を殺させてくれるかだよね……」

 

 

 一夏にとっては自分も千冬も妹なのだから、妹同士が殺し合いを演じるなんて見逃してくれるわけがないとマドカはそれだけが心配だった。自分の気持ちを一夏に伝えれば、多少なりとも同情はしてくれるかもしれないが、それで千冬を大人しく殺させてくれるかと言えば、そうはならないだろう。それが分かるから、マドカは焦っているのだった。

 

「他のヤツはどうでも良い。ただ織斑千冬だけは、この手で……」

 

 

 部屋にあった鏡に映った自分を見て、マドカはたまらなく殺意を懐いたのだった。自分の顔が、憎らしい程千冬に似ているから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マドカの部屋から戻ってきたオータムは、一応リーダーという事になっている相手の部屋を訪れた。

 

「伝えてきたぜ」

 

「ご苦労様。それで、アイツはどんな反応をしたのかしら?」

 

「お前が予想した通りの反応だったぜ。さすが母娘、相手の事はお見通しってか?」

 

「別にそういうわけじゃないわよ? 貴女だって、アイツの反応は想像出来たんじゃなくて?」

 

「まぁ、アイツは前から姉を殺す為だけに動いてたからな」

 

 

 現亡国機業リーダーは、織斑兄妹の母親に当たる人物。それを知っているオータムは、マドカが狂った原因はこいつらだと思っている。

 

「母親として、娘が娘を殺したがってるという状況はどうなんだ? やっぱり複雑だったりするのか?」

 

「そんなことあるわけないでしょ? 千冬をマドカが殺して、マドカを一夏が殺せば、私はきっと満たされる。そして一夏が私を殺してくれれば、これ以上ない幸せよ」

 

「……それじゃあ、報告はしたからな」

 

 

 これ以上相手をしていたら自分までもが狂ってしまうと感じ、オータムは足早にリーダーの部屋から逃げ出した。

 

「くそっ! あいつらの相手をしてると、まるで自分が正常だと思っちまうぜ……このオレが、普通なわけねぇのによ……」

 

「そりゃそうよ。恋人が女な時点で、貴女は普通ではないわ」

 

「スコール!? というか、何時からいたんだ!」

 

「貴女が足早にあの女の部屋から出てきたところ、からかしらね」

 

「最初からかよ!」

 

 

 舌打ちを我慢出来なかったオータムに、スコールは優しい笑みを浮かべオータムを抱きしめた。

 

「あの家族は狂ってるのよ。だから、貴女がペースを崩されてしまうのも仕方がない事。そんな事で頭を悩ませるのは止めなさい」

 

「でもよ……」

 

「自分で止められないなら、私が忘れさせてあげるわよ。もちろん、ベッドでね」

 

「お、おい……」

 

「嫌なの?」

 

「い、嫌じゃねぇけど……」

 

「それじゃあ、行きましょ」

 

 

 終始自分のペースを崩されっぱなしのオータムだったが、何故か嫌な気持ちは湧き出てこなかった。それが何故なのか、あえて考える事をしなかったのだった。




純粋同性交友……純粋じゃないか
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