IS学園・一夏先生   作:猫林13世

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どっちが本当なのか…


真の本音…?

 ゆっくりとお風呂を堪能した五人は、今回の事件の事を話し合う為に食堂にやってきた。

 

「あっ、おりむ~にシノノン、セッシーにリンリンも来た」

 

「本音、お前は相変わらずだな……」

 

「あんな事件の後だというのに、よくそんなのほほんとしてられるな……」

 

「まぁ、あれが本音だからね……」

 

 

 千冬と箒の言葉に、本音ではなく簪が申し訳なさそうに答える。当の本音はというと、バカにされた事に気付いた様子もなく、残っていたケーキを頬張って幸せそうな表情を浮かべていた。

 

「というか、何で本音がここにいるのよ?」

 

「簪さんの名前を言わなかった事も気になりますわ」

 

「だって、かんちゃんにここに来るように言われたんだから、かんちゃんがここに現れるのは知ってたんだよ~。でも、四人も来るとは聞いてなかったから、そこは驚いたよ~」

 

「そういう事だったのね。それで、何で本音を呼んだの?」

 

「一応情報を持ってるだろうから」

 

 

 いくらのほほんとしているからといって油断すると、あっという間に懐に飛び込まれて情報を引き出されてしまう、それが布仏本音という人物の評価なのだ。

 

「それで、本音は何処で議員があのIS企業から不正にお金をもらっている事を知ったの?」

 

「ん~、なんとなくあの企業の業績に比べて利益が少ないかな~って思ってただけなんだけど、今日あの議員の腰巾着として学園にやってきたのを見て、あぁそういう事かって思っただけ」

 

「本音が企業の利益を調べてたなんて知らなかったよ……」

 

「おね~ちゃんに調べろって言われたから調べたんだけどね~」

 

「虚さんが?」

 

「あの企業は更識に不利益をもたらす可能性があるから、徹底的に調べて弱みを握っておいた方が良い、って言ってたけど」

 

「そういう事……虚さんらしいね」

 

「楯無様のご命令だったみたいだけどね~」

 

「お姉ちゃんの?」

 

 

 当たり前のように話を進める簪と本音だが、ふと周りの反応が薄い事に気付き四人に視線を向けると、大小の違いがあれ全員驚いた表情を浮かべていた。

 

「どうかしたの?」

 

「いや……物騒な話題を当たり前のようにされたら、こんな顔になると思うが」

 

「物騒?」

 

「弱みを握るなど、更識っていったいどんな家なの?」

 

「あれ? みんなは知らないんだっけ~?」

 

「教える必要もなかったし、普通に生活していれば関係ない家だからね」

 

「何だというんだ、いったい……」

 

 

 箒の呟きに、本音は簪の顔を見る。教えるかどうかは簪に任せるという意思表示であり、簪も本音の意思を正確に把握した。

 

「一応他言無用でお願いしたいんだけど」

 

「あぁ、分かった」

 

「一夏兄に誓おう」

 

 

 鈴とセシリアも頷いて意思表示をし、簪の説明を待つ。

 

「更識家は暗部組織なんだ。正確には対暗部用暗部といって、日本に不利益をもたらすような組織を潰したり、その組織と繋がりがありそうな人間を調べ上げて、場合によっては始末する組織なんだ」

 

「始末というのは……」

 

「うん、最悪は箒が思ってるような事をするよ。もちろん、私や本音は実際にやった事はないけど」

 

「そんな家が動いていたという事は、あの議員は何処の暗部組織と繋がっていたという事か?」

 

「海外の組織と繋がっているという噂が流れてたんだよね。日本の技術を盗み出して、ISを大量に作り出して世界を征服しようと企んでる」

 

「そんな組織と繋がって、議員に何の得があったのよ?」

 

「征服した世界のトップとして、破壊しつくした後の世界の救世主として祭り上げられる予定だったらしいよ。たぶん耳障りが良い言葉に騙されて踊らされていただけだろうけど、その組織に相当な金を渡していたのは調べがついてるし、あの人から海外組織を潰す足掛かりが出来ると思うよ」

 

「さっきから気になってたけど、本音の口調がまともなんだけど」

 

「本音は真面目な話の時は間延びしないんだよ」

 

「お仕事モードの時にこの喋り方をすると、おね~ちゃんに怒られるんだよね~」

 

 

 すぐにいつも通りの口調に戻った本音に、千冬と箒は鋭い視線を向け、本音の実力を測ろうとした。

 

「コイツ、強いのか?」

 

「分からん……」

 

「実力を隠すのも仕事だからね~。でも、織斑先生には一瞬で見破られちゃったけど」

 

「まぁ、一夏さんは相手の実力を見破るのも仕事のような感じだからな」

 

「弱小と言われていたドイツ軍を、僅か二ヵ月で世界最強まで押し上げたのも、個人の実力を見極めて適切な訓練指示を出したからだと言われていますからね」

 

「そんなこと、一夏兄にとっては当たり前の事だがな!」

 

「ねぇ、やっぱり千冬って……」

 

「あぁ、簪の思った通り、こいつは極度のブラコンだ。だが、本人にその事を言うと怒るから、黙っておいた方が良い」

 

 

 簪と箒が内緒話をしている事が気にはなったが、一夏が褒められてご満悦の千冬にとってそんな些末事はどうでもよかった。暫く一夏の凄さを話し満足したのか、その後は大人しく報告に耳を傾けていたのだった。




やる時はやるんですよね……
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