対魔法国家建国記/生存園を確保する為に国を作ります/   作:SimoLy

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クソみたいな試験が終わったので続きです。
ですが次なる試験が私を襲っています。

一話(?)でプロローグは終わらせるつもりだったのですが、後半の内容的にこれもプロローグと置いた方が良いかなと思いまして....




プロローグ(2)

「...また、多くの仲間が死んだ」

「仲間」と評される「生き残った人々」を広場に集め、静かな怒りを込めた声でそう言うのは、

空に叫んでいた少年、海月(ウミツキ) 冬夜(トウヤ)だ。

「問おう、我々は後何人失えばいい?

後何人見捨てれば平和を享受する事が出来る?」

その声は、「答えなど聞いていない」と言った様子で、どこか諦観を含んでいた。

「分かっているさ、そんな時は訪れないってことは。

我々はこのまま逃げて隠れて、いつか最期の一人になるその日まで、奴らに怯える人生を送るのであろう。」

その言葉は、今の現状を如実に表していると言えた。

反論はおろか、変わる事のない今後の生活を憂いて顔を上げる事すら出来ない仲間達。

その様子を一瞥した彼は「だが」と今までの流れを断ち切る。

「一つ、長として提案、そして質問しよう。

我々はこのままでいいのか?

争いを避けて、より生き残る為に逃げ続けてきたが、それでも多くの仲間を失っている。

再び問おう、我々はこのままでいいのか?

『失いたくない』と逃げ、『逃げる為』に失い、失う度に居もしない神に祈る日々。

三度問おう!このまま終わるのか⁉︎

奴らに一矢報いる事も無いまま、何も残す事も無く滅びを待っているだけでいいのか⁉︎

提案しよう。一矢報いないか?

逃げ隠れする日々はもう散々だろう?

失った悲しみを堪えるのも充分だろう?

今こそ反逆の時だ。

我々の目的はただ一つ。『我々の国を作る』。

荒唐無稽な夢物語だが、夢を追ってくれる者はここに残り、夢物語は夢物語だと思う者は近隣の村に向かってくれ。」

言葉を切った冬夜に続ける様に、彼と同年代の少女は話し始める。

「この私の名前に誓って、村までの道は絶対安全だと保証するよ!

受け入れ先とも既に交渉済み。

...自分の身を考えて動いてね?」

民衆がざわめき始める。

「お前どうする?」「俺は----」「うちらは?」-------

民衆の中から一人、強い意志を宿した瞳を携え、冬夜に告げる。

「悪いな、俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ。

今までありがとう、お前には感謝してもしきれない。

お前が作った国が、世界を獲るのを楽しみにしているぞ。

『またな』、死ぬなよ。」

「うん、ありがと。ゆー兄も頑張ってね」

その会話を最後に、「ゆー兄」と呼ばれた青年はその場を立ち去る。

それを皮切りに、民衆が音を立て移動を始めた。

その様子に、「そうだ、それでいい」と優しい笑みを浮かべる。

「もしかしたら、見られていると離れにくいかもしれない」

と謎の配慮から目を閉じる。

そうして何分か経ち、まだ何かを動かしているような音はするが、静かに目を開ける。

最悪、しぃ兄と二人でも....と思って目を開け、残っている人数を確認する。

そこには、目を閉じる前の大体半分くらいだろうか、それくらいの人数が先程冬夜の言葉に補足した少女の指示でキャンプの設営準備をしていた。

その様子に思わず呆然としていると、一番手前にいた中年の男性が笑顔で言う。

「これからもよろしく頼むぞ」

特に何かを説明するわけではなく、単純にそう言った男性に笑顔で応じ、先程よりも声を張り上げる。

「残ってくれて感謝する!一泡吹かせるぞ!」

その呼び掛けに、残った者は様々に応える。

「まったく、頼むぞ我らが冬夜様!」

「国の作り方なんて分かるのか...?」

「一泡どころか、百泡吹かせてオーバーキルだろ」

最後に「しぃ兄」...海月(ウミツキ) 志久(シク)が近くに来て話す。

「ってわけ。愛すべきバカしかいないみたいだ」

そう口にする志久の顔には、困った様な色と嬉しそうな色が混在していた。

「折角頑張ったのに、想像よりも使って貰えなかったね」

「うん...誰も残らないと思ってた。」

「それは冬夜が可哀想すぎるでしょー」

「遠回しに死にます、って言ってるようなものだし」

そんな会話を交わしながら、こちらに向かってくる二人組の少女。

「あ、冬夜。良い所に。

後で話したい事があるから、一通り設営終わったら会議を開こうと思うんだけど」

そう言うのは二人組の少女の片割れ、空崎(ソラサキ) 詩織(シオリ)だ。

愛すべき賢者達の為、避難先の村への交渉や、経路の確実などを担当し、見事成功させた、冬夜にとっては年の近い姉の様な存在だ。

ちなみに勝手にキャンプの指示をしていたのも彼女だ。

「おーい?冬夜〜?」

「詩織、先に行ってる」

少し舌足らずな印象を受ける詩織じゃない方の少女は、それだけ言って設営を手伝う。

彼女は星山(ホシヤマ) 絢香(アヤカ)、基本的には皆に「(アヤ)」と呼ばれている。

端的に表現するなら、冬夜にとっての妹みたいな感じだ。

絢も無事に帰ってこれたみたいで良かった、と胸を撫で下ろしていると

「冬ぉ夜〜?」

ハッと気がつき、現実世界に意識を戻す。

するとそこには、目しか笑っていない詩織の姿があった。

「無視とは良い度胸だねぇ〜...?」

「冬夜、絢の所に居るから、終わったら呼んでくれ」

そう言って絢香の元へ向かう志久。

「しぃ兄!?しお姉一旦落ち着こ?ね?」

 

 

 

これは、そんな四人の物語。

 




海月はウミツキです!クラゲじゃないです!
次回はプロローグじゃないです。
プロローグ前に一体何があったかを察せた方も居るかもしれませんが、機会があれば書きたいと考えています。
次回は....できるだけ早く更新致します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!
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