工藤 五月雨は素晴らしい世界に転生するそうです。 作:@Kuroya
「工藤 五月雨さん、ようこそ死後の世界へ。あなたはつい先程不幸にもなくなりました。短い人生でしたが、あなたの生は終わってしまったのです。」
なにもない空間、俺は急にそんなことを告げられた。
周りを見渡せば本当になにもなかった。ただあるのは、俺と少女が座っている椅子があるだけだ。まるで彼女と2人だけで異世界に飛ばされたみたいだ。なにそれ、憧れるwいや、憧れはしないな。むしろ怖い…
俺と少女は向かい合うように座っている。それにしても、この子かわいいな。美貌だし、透き通った長い水色の髪に、それに水色の目をし、かわいいし、それにめちゃくちゃかわいい!大事なことなので2回いいました!
そうまるで女神みたいな人だった。我ながらどうかと思うが他に誰かがこの場にいたら全員かわいいと思うに違いない。思わないやつは即座にその場に行き、殴りにいくわ。俺、やると決めたらやる男だから。一様言っておくが深い意味はない。いや、まじで。
そんなことは今は考えなくていい、何俺死んだの?全然記憶が無いのだが…。
「私の名はアクア。日本において若くして死んだ人間を導く女神よ。」
結果…目の前の美少女は女神でした!ピンポンピンポン俺大正解!本当に女神っているんだね!はっ!俺としたことが話が脱線してしまうところだったぜ。ふぅ…。俺まだ一言も喋ってませんね…。ここは一つ質問しよう。ほら、なぜ死んだのか聞かないと分かんないし。
「すみません、質問いいですか?」
俺の質問に女神様が笑顔で頷く。
「いいわよ、この女神アクアが何でも答えてあげるわ!」
「…俺の死因ってなんですか?」
「事故死よ。あなたは妹を庇い、トラックに轢かれて死んだのよ。」
この女神はなんだか軽いな。てか、俺トラックに轢かれたのかよ。…はっ!思い出した!確か放課後、妹と喋りながら帰っていたら、高速でトラックが突っ込んでくるのが見えたから咄嗟に妹を突き飛ばして、俺トラックに飛ばされたわ。ちなみに俺の妹の名前は工藤 飛鳥、自慢の妹だ。はいそこの君、シスコンって言わない。シスコンじゃないから。ただ、妹想いなだけだから。
「その、飛鳥は…飛鳥は無事ですか?」
「軽い捻挫をしたけど、妹さんは無事よ。」
「そうですか…。」
飛鳥が無事なことを確認し、俺は肩を落とす。でも、飛鳥に悪いことしたな。目の前で兄が轢かれるのを見たんだから。俺そんな光景見たらトラウマになって、家に引きこもるわ!…後で謝らないとなぁ…。あ、俺死んでるんだから無理だわ。あれ、何か急に寂しくなってきた。もう飛鳥と会えないどころか、家族、友達にも会えないのか。
「お、俺はこのあとどうなるのですか?天国的な所にいくのでしょうか?」
「あなたが希望するのであれば天国行きのゲートを開いてあげるけど…あまりオススメしないわよ?」
質問に対して女神様は首をかしげて答えた。かわいい…
「何でですか?」
「いい天国はあなたたちが想像している様な素敵な所ではないのよ。死んでるんだから食べ物も必要ないし、物も当然ない。作ろうにも材料がないし。がっかりさせるけど、本当に何もないのよ。テレビもなければ、漫画もゲームもないの。それでもあなたが行きたいと言うなら止めないけど。」
えーなにそれ、マジで何もないじゃん。やることないじゃん。じゃんじゃんじゃん。なんだそれ。
「天国があるってことは地獄もあるんですか?」
「あるけど、天国とさほど変わらないわよ。変わるとすれば気温かしら、天国が暖かいなら地獄は極寒よ。」
へー、天国って地獄とさほど変わらないのかよ。変わるとしたら気温って…
「あなたもしかして地獄に行きたいの?自分から地獄に行きたいとか言う人あなた合わせて3人目よ。」
「行きたくないわ!」
誰がいくかそんな我慢大会みたいなとこ。てか2人地獄行きたいって言った奴いるのかよ。そいつあれだ、ぞくに言う変態だな。…地獄って極寒なのかよ。
「そ、あなたも2人みたいにへんた…変わり者だと思ったけど違うみたいね!」
女神様から変態と聞こえたのだが聞き間違えかな?
残念そうに(残念そう?むしろ苦笑いだぞ)…している俺を見て、女神は(もう様付けなくていいか、)満面な笑みを浮かべていた。
「うんうん、天国なんて退屈な所行きたくないわよね?そこで!今から私が3つの選択肢をいいます!」
バン!と立ち上がりなんやらその3つの選択肢をいい始める。
「1つ目はさっきあなたが言った通り天国的な所に行ってお爺ちゃんみたいな生活「お爺ちゃんみたいな生活って…」をするか。2つ目は人間として産まれ変わり、新たな人生を歩むか。でも、今更記憶を消して赤ちゃんからやる直すって言われても、めんどくさいでしょ!」
ふむ、1つ目は論外として、2つ目は全然いいんじゃないかと思えてきたがこんな言い方をするって言うことは3つ
目に何かあるな。
「そして、3つ目が…。あなたゲームはお好き?」
「まぁ、嫌いではないが…。」
俺がそう返すとアクア(もう女神っていわなくていいよね?)は説明を始める。
アクアの説明を聞くと俺がいた世界とまた別の世界に魔王がいて、魔王軍の進攻のせいでその世界がどうやらピンチらしい。他にもモンスターが存在するとか。…怖
「そんな世界だから死んだ人達のほとんどが生まれ変わりを拒否しちゃうの。このままだとその世界が滅びちゃうのよ。」
「で、俺みたいな他の世界で死んだ人達を異世界に転生さしたらどうかと考えたのか…。」
「そ!あなたは異世界でやり直せるし、異世界の人達は即戦力になる人がやってくる!どう、異世界に行く気になってきたでしょ!」
なるほど…。悪い話ではない、悪い話ではないが…
「なぁ、異世界に行ってもいいけど俺がいた日本はモンスターとかいなかったし平和だったっぞ。そんな奴がモンスター狩りに行ったら即戦力どころか即死するぞ。」
俺の質問にアクアはあ、忘れてた!みたいな顔をし手を叩いた。
「いい忘れていたわ。異世界に送ってすぐ死ぬんじゃ意味ないから、何か一つだけ。好きな武器、能力を持っていける権利をあげてるの。」
なるほど!それはいいな。異世界に好きな武器や能力を持っていけるのか!だから、即戦力になるのか。
「さぁ、選びなさい。たった1つだけ。何者にも負けない
力をさずけましょう。例えば、強力な特殊能力。それは、伝説級の武器。どんなものでも一つだけ。異世界に持っていける権利をあげましょう!」
アクアの言葉にどこから出したのだろうか分厚い本を取りだし渡してきた。それを受け取りペラペラーとめくっていく。そこには怪力、超能力、魔剣などが記載されていた。
色々ありすぎて、正直選べん。
「なぁ、今思ったんだが異世界語とかしゃべれるのか?」
アクアは俺に1枚の紙を渡していた。そこにはなんやら長々と説明が書いてあった。
「そこは問題ないは私たち神々のサポートで異世界に行く際にあなたの脳に負荷をかけて、一瞬で習得できるわ!まぁ、副作用で運が悪いとパーになる可能性がある…かな!」
「なにさらりと怖いこといってんだ!」
俺は紙を丸めて床に叩きつけた。
「なに、運が悪いとパーになるとか言ったか?」
「後は強い武器か能力を選ぶだけね!」
「無視するな!言ったろ!運が悪いとパーになるのか!」
「もう早くして!早く特典選んで異世界に行って!ほら早く!」
こいつ!まぁ、いいや。早く選んで異世界にいこーと。
「…ここに書いてない能力を選んでもいいのか?」
なぜかプンスカ怒ってたアクアが不満げな顔で頷く。そんなに早く行ってほしいのかよ。僕、泣いちゃうよ?
「いいわよ。でもそこに書いてる能力以外に何かあるの?」
うむ、ここに書いてない能力でもいいのか…。あ、俺とんでもねえこと思いついてしまったわ。
「じゃ、武器召喚でお願いしまーす。」
「…じゃ、そこに立って後その範囲から出ないように」
「へ?」
何もない言わないの?だって武器召喚だよ?伝説級の武器出し放題だよ?もうそんなの一つ一つの武器がチートなのにそんな武器をポンポン出されたらチートじゃすまないよ?世界征服出来るかもしれないよ?まぁ、しないけどよ。
「他に聞きたいことでも。」
こいつ。早く行けオーラがみじみ出てるぞ。 そういうのもっと隠せよ。
「いや、何でもない…」
「そっ、それじぁ。」
アクアが手を2回叩いた。その時、俺の足元に青く光る魔法陣が現れた。
おー、すげ!魔方陣だ!
「工藤 五月雨さん。これからあなたを異世界へと送ります。魔王討伐の勇者候補の一人として。魔王を倒した暁には神々からの贈り物をさずけましょう。」
突如、光が増す。どうやら異世界に行く準備ができたらしい。
やがて、光が全身を包んだ。
みなさんこんにちは。さっきこの世界に転生してきた、工藤 五月雨です!突然ですが、僕いきなりピンチです!どこかの女神様(アホ)のせいで死にそうです!
現在、俺は広い草原をひたすら走っていた。なぜ走ってるのかって?それは後ろをみたらわかる。
そう、今俺は“ゴブリン”に追われていた。だって、目を開けるともう10匹ぐらいのゴブリンが目の前にいたんだもん。そんなのみたら誰だって逃げるわ。
「あの女神は何でこんなところに転送させたんだよ!普通安全な町だろ!いきなりバトルとか鬼か!うお、何か飛んできたぞ。ヤバイヤバイ。あれ当たったら俺死んじゃう。くそ、あの女神覚えとけよ!」
あいつ絶対にゆるさん。あのアホはギルドで冒険者登録しないと能力使えないとか何いってんの?ギルドの近くに転送しろよ。あのゴブリンどうすればいいんだよ!異世界来て3分で死亡とか笑えないぞ。
そんなことを考えながら必死に逃げていると…
「『ライト・オブ・セイバー』ッッッッ!」
草原に突如声が響き渡った。それと同時に俺を追いかけていたゴブリンの胴体に光の線が走るのが見えた。一拍おいてゴブリンの体が真っ二つに分かれていた。
おぉ、ゴブリンが真っ二つに、エグ…
呆気にとられていると残りのゴブリンがその女の子に向かって襲いかかる。
「『ファイヤボール』ッッ!!」
その女の子の手に火の玉が現れ、それをゴブリンに飛ばした。火の玉は一体のゴブリンに命中し近くにいたゴブリンを巻き込み爆発した。
おぉ、ゴブリンが黒焦げに、エグ…
「あの、大丈夫ですか?」
まだ俺は呆気にとられていたら、その子は話かけてきた。俺はその子を見て思った。…かわいいと。年は14歳ぐらいだろうか。黒マントに黒のローブ、スラリと整った体型。大人しめな顔立ちで、かなりかわいい!それに胸が…。はっ、何をしている工藤 五月雨!平常心になるんだ。平常心平常心平常心へいじょうしんヘイジョウシン…
「あっあぁ、大丈夫だ。ありがとう助けてくれて。」
噛まずに言えたぜ!あの状況でよく言えたと思う。
「いえいえそんな。偶然通っただけなので…。」
その女の子は少しだけ恥ずかしそうに頬を染め、俯きながら呟いた。どうしたのだろうかと女の子に話し掛けようとしたら、急に顔を上げ着ていたマントをバサッと翻した。
「…我が名はゆんゆん。アークウィザードにして、上級魔法を操る者。やがては紅魔族の長となる者…!」
「…」
女の子の自己紹介に思わず吹きそうになるが我慢をする。これは突っ込んだ方がいいのか、スルーした方がいいのか。…この子顔真っ赤だよ?なるほどあまりその事にはふれないでほしいらしい。だから俺はスルーすることに決めた。
「俺は工藤 五月雨だ。よろしくなゆんゆん。助けてもらっていきなりで悪いんだが、この近くに町とかあるか?どうやら道に迷ってしまって、行き方を教えてほしいのだが…。」
俺の質問にゆんゆんはまた俯きながら呟いた。
「?町ですか?それならアクセルが一番近いですよ。私も今からそこに用があるので、その…い、一緒に行きますか…?」
「いいのか?それは助かる!いやー、このあとどうしようかなって思ってた所なんだよ。まぁ、ゆんゆんがいなかったらどうすることもできなかったけど。」
「…」
あれ?どうしたんだろうか。若干まだ顔が赤いような…。
「大丈夫か?」
「ひッ、ひゃい!だッ、大丈夫です。じゃ、行きますか。」
「おッおう、よろしく頼むな。」
こうして、俺とゆんゆんはアクセルを目指し足を進めた。
あの女神まじで許さん。