モーさんに双子の姉をぶち込んでみた   作:|ω・`)

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『私は、幸せなの。モードレッドと、こんな形だけど、一緒に居れて。…それじゃあ、駄目かな?』

 

 

 

 ───────認めるか、そんなもの。

 

 認めて、なるものか。

 

 

 

 

 

 オレは、絶対に────────

 

 

 母上を、許さない。

 

 

 

 ─────────────────

 

 

 

 あるところに、二人の女の子がいました。

 

 一人はやんちゃで元気いっぱい。もう一人はおとなしくてとても頭が良い子でした。

 

 その女の子たちは双子でした。とても仲が良くて、いつも二人でいました。

 

 けれど、そのふたりの間には、言葉はあまりありませんでした。

 

 どうしてでしょうか、二人は言葉を言わなくても、お互いの考えている事や、思っている事が、だいたいわかっているようでした。

 

 その様子を見て大人たちは気味悪がりました。

 

 普段大人たちと話しているときは、大人たちは普通と思えるようなのですが、女の子たちが一緒にいるのを見ると途端に気味が悪くなるそうなのです。

 

 それは、女の子たちの母親も同じでした。

 

 母親は、そもそも双子を産む気などありませんでした。

 

 母親は、王様の子どもを産んで、その子どもを王様にしようとしていたのです。だから、一人でよかったのです。王様の子どもを作るにあたって一枚噛んだお花の魔法使いさんにも、そう言い含めてありました。

 

 それなのに双子が産まれてしまったのだから、さぁ大変。

 

 お花の魔法使いさんも、こんなことになるとは思っていませんでしたが、どこかおかしげに笑いをこらえていたようでした。

 

 お花の魔法使いさんによると、本当は一つであったものが二つになって、それぞれが元々一つであったのと同じくらいに大きくなったというのです。

 

 母親はそれを聞いたときはとてもよろこびましたが、少しするとその顔がくもります。

 

 王様になれるのは、一人しかいません。二人いても、意味がないのです。

 

 そこで、お花の魔法使いさんはあることを言いました。

 

『それなら簡単なことだ。二つに別れたのを、また一つにすればいい。』

 

 

 

 

 二人は母親に呼び出され、お花の魔法使いさんにある魔法をかけられました。

 

『どちらかが死んでしまったとき、もう一人のほうに全てがとけてしまう』という魔法でした。

 

 やんちゃで元気いっぱいな女の子にはこの魔法がよくわかりませんでしたが、おとなしくて頭がいい女の子にはこの魔法がどんなものか、だいたいわかってしまいました。

 

『いつか私は、妹と戦わなきゃいけない。』

 

 女の子は、とても聡明でした。二人でいるときに母親からとても冷たい目で見られているのに、気づいていたのです。そんな時に、お花の魔法使いさんからこの魔法のことを聞いてしまえば、母親がなにをしようとしているのかはもう分かってしまいます。

 

 女の子は、ある決意を、胸に秘めました。

 

 女の子は、急いで妹と一緒に戦うための準備をし始めました。それまでにもお花の魔法使いさんからいろいろな稽古をつけてもらっていたのですが、ますますそれに取り組むようになったのです。もう一人の女の子にも、

 

『私以上に頑張らなきゃダメだよ』

 

 と言って聞かせました。女の子にはなんだかよくわかりませんでしたが、姉さんの事が大好きだったので、その言う通りにすることにしました。

 

 

 

 そして、何年も経ったある日、女の子は、妹に稽古で負けました。

 

『今日からは私が姉だからな!』

 

 と言って聞かない妹を、女の子は微笑ましく見つめていました。

 

『はいはい、わかったよ』

 

 といえば、ますますはしゃぎ始める妹に、女の子は思わず笑ってしまいます。

 

 なんで笑うんだと問い詰める妹をのらりくらりとかわしながら、夜に思いを馳せます。

 

 ある時から、女の子たちの間にあったつながりが、いつの間にかなくなっていました。

 

 女の子が、決意を固く秘めた日から、もう長いときが過ぎました。

 

 それでも、女の子の決意は、揺らぐことも、霞むこともありませんでした。

 

 

 

 女の子は、妹が大好きでした。願わくば、ずっと一緒にいたいと。添い遂げたっていい。私は、この子を愛していると。

 

 真っ白な雪の原に、赤い花が咲きました。

 

 月明かりに照らされた女の子のかんばせが、美しく浮かび上がりました。

 

 女の子は、あの日からずっと思っていました。妹が、ずっと長生きしますように、と。けれど、それは作りものの体が邪魔をする。

 

 滴が、女の子の頬に伝いました。女の子が涙を流しているわけではありませんでした。

 

 女の子は、妹の気持ちをまるで考えていませんでした。自分が消えれば、きっと妹は幸せになれると、信じて止みませんでした。

 

 女の子の体が、心が、融けていきます。

 

 

 

 眩く照らされた雪の原、そこに突然咲いた真っ赤な花。

 

 その中で、ある女の子の叫びが響き渡りました。 

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