金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
高嶺家
次の日の夜、清麿は恵に電話していた。
清麿「恵さん、リィエンの件で…」
恵『休暇の事を言ってるのね。でも、休暇をとる必要はないわ。だって、週末の仕事先は香港よ。だから、香港で合流しましょう』
香港で合流する事を確認して恵は電話を切った。
ガッシュ「大丈夫であったか?」
清麿「ああ。まさか、俺達に助けを求める魔物のパートナーがいたとはな…」
遊園地
それは、日曜日の遊園地での出来事だった。フェイン、ハイド、ゾボロンを倒し、パピプリオを退けたガッシュ達はアトラクションを回る清麿達だった。そこへ、何者かが突然現れた。
リィエン「ハイーーーーッ!!」
その正体は清麿達を見続けていたリィエンだった。
リィエン「ハイーーーーッ!!」
そのままリィエンは清麿と恵の本を奪い取り、猛スピードで逃げていった。
ガッシュ「(あの者はリィエン?だが、来るのが早すぎるのだ!)」
清麿「泥棒だ~~!!」
ガッシュ「本が奪われたのだ~~!!」
恵「急いで本を取り戻すわよ!!」
ティオ「ええ!本を燃やされたら冗談じゃないわ!!」
4人は猛スピードでリィエンを追いかけた。リィエンが本を奪った光景に残りのコルルペアとパティペアはあっけにとられていた。
恵「清麿君、本を奪っていったあの人はもしかして…」
清麿「間違いない、魔物か、魔物の本の持ち主だ!」
ある程度リィエンは走った後、進行方向を変えた。
ティオ「逃がさないわよ!」
ガッシュ「返すのだ~~!!」
進行方向の先でリィエンは待っていた。それに清麿達は慌てて止まった。
清麿「うわああっ!!」
ティオ「危ないじゃない!ぶつかるところだったのよ!」
リィエン「いきなり本を奪い取ったりしてすまないある!まずは非礼を詫びるある!」
恵「あなたは?」
リィエン「私の名はリィエン。あなた達を魔物とそのパートナーと見て、お願いがあります!自分勝手と思うある……無茶なお願いとわかってるある!!でも…私はウォンレイを失いたくない!!どうか、私と一緒にウォンレイを救い出してほしいある!!」
詳しい話をリィエンから聞く事になった。
リィエン「お父さんがみんな悪いある。私のお父さんはマフィアのボスある」
清麿「な、何っ!?」
恵「マフィアのボスですって!?」
清麿「しかし、とんでもねえ親父だな」
リィエン「だから私がどんな人と付き合ってきても、みんな、お父さんの名前がわかった途端、私から去って行った。でも、ウォンレイは違った。お父さんの正体を知っても、私から離れなかった」
ティオ「ねえ、もしかしてウォンレイって、あなたのパートナーの魔物?」
リィエン「話が早いある。ウォンレイは私のパートナーの魔物ある」
清麿「魔物?」
回想
リィエン『ウォンレイと出会ったのは、彼氏に逃げられてやけ食いしてた時ある』
彼氏に逃げられたリィエンはやけ食いしていた。そこへ、ウォンレイが来た。
ウォンレイ「そんなに食べると体に悪い」
リィエン「大きなお世話ある。ほっといて!」
ウォンレイ「何があったかは知らないが、自分をもっと大切にしろ」
リィエン「お節介な人ある!私はこのまま食べて食べてお腹を破裂させて死んでやるある!離すある!ハイーーーーッ!!」
やけ食いを無理矢理やめさせようとしたウォンレイの行動に怒ったリィエンは蹴りを入れた。しかし、ウォンレイは避けなかった。
リィエン「なぜ、避けないある…?」
ウォンレイ「これであなたの気が晴れるなら、いくらでも蹴られよう」
それから、リィエンはウォンレイと話す事にした。
ウォンレイ「それで、やけ食いをしてた訳か…」
リィエン「あなたも、お父さんにこんな所を見られたら命が危ないある。早く行くある…」
ウォンレイ「可哀想な人だ…。鳥かごの中の鳥と同じだ。なぜ、自由に空を飛ぼうとしない?」
リィエン「鳥かごから逃げたってって、お父さんはどこまでも追いかけてくるある」
ウォンレイ「なぜ諦める?なぜ自分で翼を広げようとしない?」
リィエン「そんな事言ってくれたのって、あなたが初めてある」
すると、ウォンレイの持っていた本が光った。
リィエン「本が光ってるある」
ティオ「あなたはそのウォンレイって魔物の本の持ち主だったのね」
その後もリィエンは話を続け、ウォンレイが戦うのをやめて姿を消した事を話した。
リィエン「それっきり、ウォンレイは私の前から消えてしまったある…」
恵「あなた、ウォンレイの事が好きなのね」
???「いたぞ!」
声の主は黒づくめの男達だった。
リィエン「お父さんの部下ある!飛行機のチケットを用意するから、次の土曜日の香港行き出発ロビーに来てくれある!」
マフィア「待ちなさい、お嬢様!」
マフィアの部下に追われてリィエンはその場から逃げた。
清麿「みんな、どうする?」
ガッシュ「決まっておるではないか」
ティオ「私達もウォンレイを助けるのよ」
恵「困ってる人を放っておけないしね」
香港
出発の1日前の金曜日、強力な魔物、バリーがドンポッチョを追い詰めていた。
ドンポッチョ「降参する。許してくれ…」
バリー「降参だと?貴様、それでも王候補の1人なのか?」
ドンポッチョ「た、助けてくれ…」
バリー「ふざけるな!王を決める戦いで命乞いが通るとでも思っているのか?戦いの最中に敵に背中を向けてんじゃねえぞ!」
グスタフ「ギガノ・ゾニス!」
竜巻でドンポッチョはパートナーごと吹き飛ばされ、その際に本が燃えて魔界に送還された。
バリー「クズ野郎が!何でこんなクソ弱いやつまで王を決める戦いに加わっているんだ?」
グスタフ「戦いに勝ってもイライラし、満足していない。なぜだ?」
バリー「知るか、そんな事!」
グスタフ「最近のお前はいつもそうだ。まるで、欲しい物が手に入らなくてわがままを言っている子供のようにな」
バリー「ふん、欲しい物などないわ。イライラしているのは事実だがな。まぁ、強い奴と戦って粉微塵にできたら、多少は気も晴れるだろうよ」
グスタフ「お前が欲しいのはそれか?バリー」
バリー「欲しい物なんてねえって言ってるだろ!」
グスタフ「まぁ、よい。ならば、戦ってみるか?強い奴と。ガッシュ、と言ったかな。以前、噂で聞いた。日本にいるガッシュという魔物に挑んで帰ってきた者はおらぬと。そのガッシュという魔物は圧倒的な強さを誇り、凶暴な女の魔物を3体も従えているらしい。どうする?」
バリー「…面白い。日本へ行こうか、グスタフ」
グスタフ「ふっ、いいだろう。バリー。だが、もう今日は遅い。次の日に日本へ向かうぞ」
ホテルでバリーはグスタフと共に寝ていた。
グスタフ「魔界の王になるには戦いに勝てばいい、だったかな」
バリー「ああ。ただ、目の前の敵を倒せばいい。ふん、この分ならあっという間に王になれる」
グスタフ「ふん。本当にそれだけか?」
バリー「どういう意味だ?」
グスタフ「さあな、自分で考えな」
それから、寝る事にした。
空港
翌日、清麿とガッシュは朝早くに空港に来ていた。
清麿「なぁ、ガッシュ。ウォンレイってどんな奴だ?」
ガッシュ「ウヌ。とてもかっこいい魔物なのだ。おまけに強いのだぞ」
清麿「そっか…俺も会ってみたいな」
そう言ってると、リィエンを見つけた。
ガッシュ「お待たせなのだ!」
清麿「待たせて済まなかったな」
リィエン「あ、あ…あなた達、底抜けのお人好しさんね!私、嬉しいある!一生恩にきるあるよ!」
清麿「自己紹介がまだだったな、俺は清麿、高嶺清麿だ」
ガッシュ「私はガッシュ・ベルだ」
清麿「この前の2人は大海恵とティオ。2人は仕事で先に香港に行ってるから、着いたら合流しよう。さ、奴等が来ないうちに早く!」
香港
香港に到着したガッシュ達は仕事で先に香港に来ていた恵とティオの2人と合流した。
リィエン「恵とティオも底抜けのお人好しさんある!」
ティオ「それはいいから、早くウォンレイを助けようよ!」
ウォンレイが幽閉されている妖岩島へ向けて出発した。一方、バリーはグスタフと共に空港へ向かおうとしていた。
バリー「ところで、ガッシュって奴はどんな外見の奴だ?」
グスタフ「聞いたところ、金髪にマントの魔物だそうだ。まぁ、今の時点でわかっている外見の特徴はそれだけだ」
バリー「もっと特徴を知りたいが、後は俺達が実際に探すしかねえな」
ところが、バリーはある気配を感じた。
グスタフ「どうした?バリー」
バリー「魔物の気配を感じるぞ。もしかすると、ガッシュが俺達を倒しに来たのかも知れん。俺達が探すつもりが、先手を打たれてしまったようだ」
グスタフ「行くか?」
バリー「行くに決まってるだろ」
ガッシュ達は妖岩島が見える所まで来ていた。
清麿「あれが妖岩島か…」
恵「あの島にウォンレイがいるのね…」
リィエン「さぁ、早くウォンレイを」
???「ガッシュ、俺達が日本に行こうと思ってたらまさかお前の方から来るとはな。お陰で日本に行く手間が省けたぜ!」
声と共に術を使ってバリーがグスタフと共に空から降りてきた。
リィエン「何が起こったある!?」
バリー「金髪とマントの奴がガッシュだな。俺と勝負しろ!」
ガッシュ「バ、バリー!(な、なぜこんなに早く…確か、バリーと戦ったのは温泉の後…、そもそも、まだ魔物の数は40を切っていないのだ…!)」
ティオ「ガッシュ、バリーってあの虫みたいな頭の奴?」
ガッシュ「そうなのだ…。しかも、奴はとても強い…!」
バリー「む、虫みたいな頭…!ふざけやがって…、この生意気な小娘が!!」
自分の頭を虫みたいな頭と言われて激怒したバリーはティオの方から先に攻撃した。その攻撃をティオは慌ててかわした。
ティオ「ちょっと、ガッシュに勝負を挑みに来たのに何で私を攻撃するのよ!」
リィエン「ウォンレイを助ける邪魔をするなある!」
バリー「ウォンレイ?てめえら…、俺との戦いよりもそのウォンレイとかいう奴を助けるのを優先する気か…!あ~~、イライラが収まらねえ!!てめえら全員、ぶっ飛ばしてやる!!」
恵「ウォンレイを助けに行く時に厄介な魔物に遭遇したわね…」
清麿「こうなったら、戦うしかない!恵さんとティオはリィエンが巻き添えにならないようにしてくれ」
恵「わかったわ。清麿君とガッシュ君も無理しないでね」
グスタフ「戦いの準備はできたか?」
清麿「ああ。ウォンレイを助けるためにも、お前達を倒す!」
バリー「開き直っているようだな。だが、俺はイライラしてるんだ。最初から本気で行くぞ!行くぞ、グスタフ!」
グスタフ「ガルゾニス!」
清麿「ザケル!」
回転しながら突っ込むバリーとガッシュの電撃がぶつかり合った。前の戦いではザケルガとガルゾニスのぶつかり合いでバリーはほとんどダメージはなかった。しかし、今回はすぐにバリーはザケルに呑まれてしまい、吹っ飛ばされた。
バリー「ふっ、結構効いたぜ。いい呪文を持ってるじゃねえか」
グスタフ「(一番名前が短い呪文は最も威力が弱い傾向にあるが…、あの呪文の威力は異常だ…!もし、あれがガッシュの最も弱い呪文だとしたら…)」
清麿「(これまで戦った大概の魔物に大ダメージを与えたガッシュのザケルを受けても割とピンピンしてるとは…。こいつは相当強い魔物だ…)ガッシュ、奴に至近距離から呪文をぶち込むぞ!」
ガッシュ「うおおおっ!!」
指示通りガッシュはバリーに突っ込んでいった。
バリー「接近戦を挑むのか。いい度胸だ!」
グスタフ「ドルゾニス!」
ドリルのような竜巻がバリーの手を覆い、バリーは突っ込んで来た。
清麿「今だ、ザケル!」
突っ込んで来たのをチャンスと見たため、ガッシュがマントでドルゾニスをガードしてから至近距離からのザケルを当てようとした。しかし、バリーは前の戦いの時のようにザケルをかわした。
ティオ「かわした!?」
恵「あんな距離でかわせるなんて…!」
バリー「バカが!敵の体勢を崩さずにそんな攻撃が当たるか!」
グスタフ「ゾニス!」
そのままガッシュを清麿の方へ投げ飛ばしてからゾニスを高速移動に使ってガッシュペアに急接近し、2人を放り投げた。
バリー「攻撃のチャンスってのは…こうやって作るんだよ!」
グスタフ「ギガノ・ゾニス!」
清麿「(まずい、こうなったら、あの術を吹っ飛ばすしかない!)ガッシュ、マントを操作して体勢を立て直せ!」
ガッシュ「おう!」
清麿「ザケルガ!」
ギガノ・ゾニスとザケルガがぶつかり合ったが、ザケルガがギガノ・ゾニスを貫通した。
バリー「何っ!?ギガノ・ゾニスを破っただと!?ぐあああっ!」
ギガノ・ゾニスが破られた事に驚いたバリーはかわすのが間に合わず、ザケルガの直撃を受けた。一方の清麿は地面に叩きつけられたが、ガッシュはしっかり着地した。
ガッシュ「大丈夫か?清麿」
清麿「ああ。でかい一発をバリーに喰らわせる事はできたぜ…」
バリー「この野郎が…!調子に乗ってんじゃねえ!」
立ち上がったバリーは突撃し、ガッシュに格闘戦を挑んだ。
バリー「どうだ、てめえに俺の攻撃が防げるか!」
ガッシュ「何が何でも私は負けられぬ!」
バリー「それもここで(な、何だ、このガッシュの目は…!)」
ガッシュの強き瞳に思わずバリーは怯んだ。この隙をガッシュと清麿は逃さなかった。バリーが怯んだ隙にガッシュは頭突きを叩き込んだ。
バリー「ぐおおおっ!!」
清麿「ガンレイズ・ザケル」
無数の電撃弾をバリーはかわそうとしたが、王族の力が目覚めたガッシュの頭突きのダメージは予想以上に大きく、かわせずに電撃弾を喰らってしまった。
清麿「ザケルガ!」
バリー「ぐああああっ!!」
ガンレイズ・ザケルを受けて体勢が崩れた後、すかさずザケルガを撃ち込んだ。ザケルガをまともに受けたバリーは大きく吹っ飛んだ。
グスタフ「(あの少年、バリーが罵倒で言った事をすぐに戦い方に組み込んだとは…かなり頭がいいな…)」
バリー「うぐぐっ!何て威力だ…!」
清麿「どうだ!お前の言った通り俺達も体勢を崩して強い術を撃ち込んでやったぜ!ガッシュ、一気に畳みかけるぞ!」
ガッシュ「おう!」
清麿「テオザケル!」
バリー「ふざけやがって…!勝つのは俺だ!グスタフ、こうなったら最大呪文で吹っ飛ばせ!」
グスタフ「ディオガ・ゾニスドン!」
テオザケルとティオガ・ゾニスドンのぶつかり合いは熾烈を極めた。最終的にディオガ・ゾニスドンがテオザケルを押し返した。
清麿「ぐあああっ!!」
ガッシュ「があああっ!!」
恵「清麿君!」
ティオ「ガッシュ!」
バリー「わめくんじゃねえ、女共!あいつらをぶちのめした後でぶっ飛ばしてやる。手を出したらてめえらから先にぶちのめすぞ!」
かなりボロボロになりながらもバリーは近づいた。
ガッシュ「(何という事だ…。既にバリーがディオガ級の呪文を使えたとは…)」
清麿「(テオザケルが通じないだと?使える術の中でバリーを倒せそうな術は…バオウだけか…!だが、バオウは使いたくない…。使えばバリーを倒せるが、恵さんとティオとリィエンまでバオウに喰われてしまう!)」
ガッシュ「…清麿、バオウを使うのだ」
清麿「バオウだと!?無茶だ!あれならバリーを倒せるかも知れないが、制御が効かないから危険すぎる!」
ガッシュ「何を怯えているのだ、清麿!バリーを倒すにはもうバオウを使うしかないのだ!バオウに怯えていたらいつまでたっても使いこなす事はできぬぞ!」
清麿「だけど…」
バリー「俺を倒せる呪文だと?何なのかは知らんが、そんなものは使わせるかよ!」
バオウを使う事を躊躇している間にバリーは清麿を殴ろうとした。そこへ、ガッシュが立ちはだかった。
ガッシュ「絶対に私達は負ける訳にはいかぬ!ウォンレイを助けるためにも!」
バリー「そんなにてめえからふっとば(ま、まただ!何でこのチビを殴れねえんだよ!)」
再びバリーはガッシュの強き瞳に怯み、思わず距離をとってしまった。
清麿「(ガッシュ…、こんなにボロボロになっても…。そうだ…、俺達はウォンレイを助けるために香港に来たんだ。ここでバオウに怯えていたらバリーを倒すどころか、ウォンレイを助ける事も、ガッシュを王にする事もできねえ!)ガッシュ、バオウでバリーを倒し、ウォンレイを助けるぞ!」
ガッシュ「その言葉、待っていたのだ!」
バリー「くそっ、何で俺は俺との戦いよりも誰かを助けるのを優先しようとする甘っちょろいチビを殴れねえんだよ!こうなったらグスタフ、もう一度最大呪文であいつらを粉微塵にしてやるぞ!」
グスタフ「だが、ディオガ・ゾニスドンを撃てるのはあと1回だけだ」
バリー「1回で十分だ」
グスタフ「わかった。この一撃にすべてを込めるぞ…!」
ディオガ・ゾニスドンを放つため、グスタフは心の力を溜め始めた。同時に清麿も心の力を込めていた。
清麿「行くぞ~~っ!バオウ・ザケルガ!!」
再びすべてを破壊する雷の龍が姿を現した。その姿にバリーはおろか、グスタフさえ衝撃を受けた。
バリー「あ、あれがガッシュの最大呪文だと!?」
グスタフ「何という力だ…。想像を絶する程凄まじいが、それとは別に邪悪な気配を感じるぞ…!」
ティオペアとリィエンも驚きを隠せなかった。
恵「あれは何なの!?」
リィエン「とても大きな雷の龍ある…」
ティオ「恵、清麿とガッシュが!」
ブラゴ戦の時のように清麿とガッシュは体が黒くなり始めた。
清麿「ま、まただ…。力が…抜けて…。意識が……」
清麿はブラゴ戦のように意識を失い始めた。
清麿「…ダメだ…、もう…これ以上は…」
恵「清麿君~~!!」
バオウに喰われて意識を失いかけようとしている中、恵の悲痛な叫びが清麿に響いた。
清麿「恵さん…。そうだ、こんな所でバオウに喰われてたまるか!ガッシュ、行くぞ!」
清麿の叫びからしばらくすると、バオウの様子が変化し、清麿とガッシュの黒くなった所が元に戻った。
清麿「体が軽くなっていく…。制御に成功したんだな!」
ティオ「見て、清麿とガッシュが!」
恵「よかった…」
バオウの様子の変化にグスタフも何かを感じ取った。
グスタフ「(さっきまでの邪悪な気配が消えた…?どうやら、奴等はあの邪悪で強大な力を制御できたようだな…)」
バリー「何をボーッとあのデカイ龍を見てやがる、グスタフ!最大呪文でぶっ飛ばすぞ!」
グスタフ「よかろう。ガッシュの力とお前の力、どちらが上かはっきりさせるぞ。ディオガ・ゾニスドン!」
バオウとディオガ・ゾニスドンがぶつかり合ったが、バオウはディオガ・ゾニスドンをあっさり食べてしまい、そのまま前進した。
グスタフ「何という事だ…!」
バリー「そんな…、俺の最大呪文があっさりと…ぐああああっ!!!」
前の戦いの時と違い、バオウは真のバオウであったため、バリーは抵抗する事もできずに喰われてしまった。
清麿「勝ったな、ガッシュ…」
ガッシュ「ウヌ。真のバオウであれば、バリーでも耐えられないのだ」
そう言っていると、煙が晴れた。そこには、バオウに当たらなかったため、無傷のグスタフとバオウをまともに受けたのにも関わらず、ボロボロながらもまだ立っているバリーの姿があった。
清麿「(そ、そんな…!バオウを喰らっても立っていられるなんて…!さっきのバオウで心の力を使い果たしてしまった!このままではまずい!)」
清麿は焦ったが、グスタフは本を閉じた。
グスタフ「…この勝負、我々の負けだ」
清麿「負けだと!?バリーはまだ立って…」
グスタフ「お前達の最大呪文を受けてバリーはもう体を動かす事さえできない。それに、私も心の力を使い果たしてしまった」
その言葉通り、バリーは力なく倒れた。
バリー「…ちくしょう…、体が…動かねえ…」
グスタフ「引き下がる前に聞きたい事がある。ガッシュといったな、お前はどのような王を目指している?」
ガッシュ「…優しい王様だ」
グスタフ「だから、我々との戦いよりもウォンレイという者を救うのを優先しようとしていたのか。だが、お前の進む道は険しいぞ。その覚悟はできているのか」
ガッシュ「勿論だ」
清麿「そうじゃなかったら、マフィアの島とか危ない場所へは行かないさ…!」
ガッシュと清麿の目をグスタフはじっと見た。
グスタフ「…どうやら、覚悟はできているようだ」
バリー「優しい…王様…だと…!俺は…、こんな甘っちょろい奴を殴れずに…負けたのかよ…。ちくしょう…!」
ガッシュに心でも力でも負けたバリーは自分への凄まじい怒りと悔しさで涙を流していた。
グスタフ「負けたのがとても悔しいのか。バリー、お前はどんな王を目指しておる?目の前の敵をただ倒していけばよい…そんなチンピラ同然の考えしか持たんお前に、この者の志ある本物の目は殴れんよ」
バリー「ふ…ふざけるな…!俺がガッシュに怯んだのはそれが理由なのかよ…!」
グスタフ「そうだ。そして、彼等があの凄まじい邪悪な力を制御できたのもその志故だ。バリーよ、お前はどんな王になる?」
バリー「…強え王よ…どんな荒くれも一殴りで黙らせる強え王よ…!どんな力にも屈しない、最強の王よ!!もう二度と負けないぐらいにまで強くなってやる!」
グスタフ「…よかろう、チンピラよりは格が上がったな」
バリー「ガッシュ、次の会う時には絶対にお前を殴り、叩きのめせるぐらいにまで強くなるからな!」
グスタフ「では、我々は引き下がるとしよう」
倒れているバリーを背負ってグスタフは去って行った。
グスタフ「(あの者達があれほどの邪悪な力を制御できたのは、志だけではなく、勝利の女神もいたのだろうな…)」
去って行くグスタフは横目で清麿がバオウに喰われ、意識を失いかけるのを救った恵を見ていた。
ガッシュ「勝ったのだ…、バリーに勝ったのだ!」
清麿「勝ったな…。これでウォンレイを…」
戦いが終わって緊張の糸が切れたのか、清麿は倒れてしまった。
ガッシュ「清麿!」
リィエン「どうしたある!?」
恵「あんなにボロボロの状態で無理をしたから限界が来たのよ。ティオ、行くわよ!」
ティオ「ええ!」
恵「サイフォジオ!」
ボロボロのガッシュペアはサイフォジオでの治療を受ける事になった。その際、赤い本が光った事にガッシュ達は気づいた。
それからしばらくして清麿は目を覚ました。
恵「気がついたのね」
清麿「…恵さん、ここは…」
起き上がってみると、清麿は自分達はゴムボートに乗っている事、そして恵に膝枕してもらった事に驚いていた。
清麿「お、俺は恵さんに膝枕してもらっていたのかよ!」
ティオ「恵が膝枕してくれる男は清麿だけなのよ。感謝しなさい」
清麿「…恵さん…。恵さんがいなかったら、バオウの制御なんてできなかった。ありがとう」
ガッシュ「私からもお礼を言うのだ」
恵「どういたしまして」
ティオ「まさに、恵は勝利の女神だったわね」
恵「それは大袈裟すぎるわ…」
清麿「ところで、このゴムボートは誰が動かして…」
リィエン「私が漕いでるある」
ゴムボートを動かしていたのは必死で漕いでいたリィエンだった。
リィエン「今度は、私が頑張る番ある!」
清麿「いよいよか…」
恵「ウォンレイが閉じ込められている妖岩島は…」
視線の先には目指す妖岩島があった。そこへ、ザバスとそのパートナー、ガリオントが近づいていた。
ザバス「さっき、とんでもねえ力のぶつかり合いがあったな。まぁ、どうでもいいや」
これで今回の話は終わりです。
原作から前倒しする形でバリーとの戦いと真バオウの制御を描きました。
邂逅編に出てる魔物の中でガッシュが真バオウを使わざるを得ない状況に追い込める強敵はブラゴ以外ではもうバリーしか残っていなかったため、バリーはブラゴと同様に既にディオガが使える状態で強さを上方修正しました。
この話の最後あたりで清麿は恵に膝枕してもらっていましたが、お色気描写も含めて今後も清麿が羨ましいと思えるような描写をどんどん入れていきます。
次はウォンレイ救出になります。