金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
モチノキ町
これは、遊園地の次の日の事だった。
しおり「昨日、清麿君と恵はリィエンって人から土曜日に一緒に香港に来るように頼まれていたわね」
コルル「私も行きたかったなぁ…」
しおり「仕方ないわよ。そうだ、福引券を持ってるから福引でもしない?」
コルル「福引?」
しおり「ほら、あのガラガラができるのよ」
コルル「(四等、ブリ。ガッシュに持っていったら喜びそうだなぁ…)しおりねーちゃん、ガラガラやりたい!」
しおり「はーい」
???「ちょっと、私も混ぜてくれない?」
そこへ、パティペアも来た。
しおり「パティもガラガラをするの?」
パティ「当然じゃない。四等のブリはガッシュちゃんの大好物なのよ!絶対に当ててやるわよ!」
パティとコルルは福引をしたが、どっちもハズレしか出なかった。
パティ「ムキーーーッ!!何でハズレしか出ないのよ!!あぁ、悔しい~~~!!」
しおり「(あらら…)」
ウルル「機嫌が直るのに時間がかかるな…」
しおり「そんなにがっかりしないで!ね?」
パティ「もう、何で私達はハズレなの!?納得がいかないわ~~!!」
???「君達、ハズレちゃったのかい?」
声の主は黒人の男だった。
パティ「そうよ!それでムシャクシャしてるのよ!!」
???「じゃあ、私の景品を譲ってあげよう」
コルル「その景品って何?」
???「一等の温泉旅行券だよ。おじさんはアフリカに帰っちゃうから…君達みたいな人に譲りたかったんだ」
しおり「コルル、よかったね」
コルル「おじさん、ありがとう!」
???「いいんだよ。『気を付けて』行ってきてね」
男が温泉旅行券を譲ってくれた事にコルルペアとパティは大喜びしていたが、ウルルは少し凝視していた。
パティ「どうしたのよ、ウルル。嬉しくないの?」
ウルル「いえ…。ただ、アフリカとかへ帰るという理由で温泉旅行券を譲るというのは今まで聞いた事がなくて、少し怪しいと思うんですよ…」
パティ「別にいいじゃない。本当はガッシュちゃんとも一緒に温泉旅行に行きたかったけど、頼まれ事があるのなら、そっちを優先させるわ。一緒に行くティオが余計な事をしないのかが不安なのだけどね…!」
ウルル「(嫉妬深いな…)」
パティ「とにかく、私達も温泉旅行に行くわよ。コルルもそれでいい?」
コルル「しおりねーちゃんのお父さんとお母さんは仕事でいない事が多いから、一緒に行こうか」
パティ「ああ…、温泉で私の美貌はさらに磨かれるのね…。早く土曜日にならないかしら…?」
ハイテンションで温泉旅行を楽しみにしているパティにしおりとウルルは苦笑いした。
温泉旅館
そして土曜日、ガッシュ達がウォンレイ救出に向かったのと時を同じくしてパティ達は温泉を満喫していた。
パティ「あ~、いい湯だわ。生まれ変わる気分だし、私の美貌も一段と磨かれるみたい…。ガッシュちゃんと一緒に入りたかったなぁ…」
コルル「ガッシュは男の子だから一緒に入れないよ、パティ。だけど、あのおじさんちょっとかわいそう…」
しおり「お仕事らしいし、仕方ないよ。私のお父さんとお母さんだって仕事だし…」
コルル「そう言えばパティのパートナーのウルルって人はあのおじさんを疑っていたようだったけど…」
パティ「ウルルは仕事だから旅行券を譲ると言ったのを怪しいと言っているのよ。まぁ、本当かどうかはわからないけどね」
しおり「ウルルさんもそろそろ温泉から出てるだろうから、私達も出よっか」
温泉から出た後、自分達の泊まる部屋でくつろいでいた。
パティ「私達より出るのが早かったわね」
ウルル「はい…、男湯も私1人しか入っていなくて…」
しおり「夕食まで時間があるわね。何をしようかしら?」
コルル「しおりねーちゃん、これ、あったよ」
テーブルの上に紙切れがある事に気付いた。
コルル「…なんて読むの?」
しおり「秘湯、煮桃の湯…。コルル!奥の方に隠し湯…別の温泉があるんだって!」
コルル「へー!私行きたい!」
しおり「私も行きたい!決まりね、普段着に着替えて行きましょ!」
パティ「私達も行くわよ、ウルル」
ウルル「(おかしいな…。私達が来た時にはこの紙切れはなかったのに…どうして急に…。それに…、私が温泉から上がって部屋に戻る時にも何かが入ったような音もした…)」
パティ「話を聞いてるの?ウルル!私達も行くわよ!」
ウルル「あ、はい…」
旅館を出て、紙切れにある隠し湯を目指して一行は進んだ。隠し湯を楽しみにする女性陣とは対照的にウルルは紙切れをかなり怪しんでいた。隠し湯を探したものの、見つからなかった。
しおり「おかしいな…この辺りのはずなんだけど…」
コルル「どこにも湯気がないよ」
パティ「本当にこの辺りなの?全然痕跡も見当たらないわよ」
ウルル「仕方ないので帰りましょうか」
仕方ないので一行は帰る事にした。その光景を温泉旅行券を譲った男、ガルザとそのパートナーの豹の魔物、バランシャが見ていた。
ガルザ「ウォケル!」
遠くからのため、かすかながらパティとコルルには聞こえた。
パティ「この声は何?」
しおり「きゃあっ!」
突如として超音波のような攻撃がしおりを襲った。
ウルル「しおりさん!」
コルル「しおりねーちゃん、足、大丈夫!?」
しおり「なんとか…ねえ、もしかしてこれって…魔物の攻撃!?」
パティ「そうとしか考えられないわよ!さっき何かの声が聞こえたでしょ?きっと、あれがさっきの呪文だったのよ!」
ウルル「(前々から怪しいと思っていたが、これは罠か!)遠回りしてでも見通しの悪い所を通りながら吊り橋を渡りましょう!」
しおり「そ…そうしましょ」
コルル「(しおりねーちゃん、足引きずってる…痛かったんだ…)」
ウルルに手を引いてもらい、一行は見通しの悪い場所を通りながら吊り橋を目指した。
バランシャ「あの男の方はこの温泉旅行が罠だと薄々気付いているようね」
ガルザ「だが、もう手遅れだ。一気に2体も狩る事ができるぞ」
バランシャ「今回の狩りも楽勝ね」
ガルザ「今回はいっその事、橋を落さずに帰れるという希望を持たせて一網打尽にしてみないか?」
バランシャ「それ、いいわね。ちょうど、あの子達は身を隠しながら逃げようとしているわ。今は岩を背にしているみたいよ」
ガルザ「ふふふ、その考えは甘いぞ。少し顔を見せてやるとしようか」
吊り橋を目指す一行は遠回りしつつ、少し休んでいた。
ウルル「大丈夫ですか?」
しおり「傷自体は…そこまででもないから…」
パティ「コルル、私達は魔物が来たらウルルとしおりに伝えるわよ」
コルル「うん…」
ガルザ「ドルク!」
鎧を纏ったバランシャがしおりとウルルが背にしていた岩を砕いて現れた。ウルルはしおりの手を引いて咄嗟にかわした。
バランシャ「咄嗟によけたけど、よけた際の隙が命取りよ!」
しおり「ゼルク!」
コルルは凶悪な姿になり、爪でバランシャを引き裂きに近づいた。
コルル「ウアアアッ!!」
バランシャ「は、速い!?」
咄嗟にバランシャは避けたが、コルルの爪が少しかすった。
バランシャ「ガルザ!」
ガルザ「ウォケル!」
超音波をコルルは爪で防御した。
バランシャ「なかなかやるじゃない。でも、そろそろ撤」
ウルル「アクル!」
コルルに気を取られている隙にバランシャはアクルで吹っ飛ばされた。
バランシャ「しまった!もう1体の魔物を見落としていたわ!」
ガルザ「グ・リアルク!」
バランシャの姿が消えてしまった。
コルル「どこ…?」
パティ「どこにいるのよ!」
ウルル「(まずい…、見えなくなったら私達が不利になる…)」
バランシャ「(ふふ、どこにいるのかわからないようね…ゆっくりといたぶって狩りを楽しみわよ)」
ガルザ「ウォケル!」
避ける体勢も整わないままパティはウォケルを受けてしまった。
バランシャ「(まずは、あまり強そうに見えない子から始末してあげるわ)」
ガルザ「グ・リアルク!」
再びバランシャは姿を消してしまった。
パティ「怨怒霊…怨怒霊~~!!姿を消しやがって、コンチクショ~~~ッ!いい加減に姿を見せなさいよ!!」
姿が見えずに一方的に攻撃を受けたパティの怒りはすぐに頂点に達し、凶暴化した。その凄まじい顔と気迫はバランシャはおろか、ガルザまでびびってしまった。
バランシャ「な、何なのよ、あのもののけ娘は!ガルザ!」
声をかけるも、あっけにとられていたガルザには聞こえなかった。
バランシャ「ちょっと、ガルザ!聞こえないの!?」
ウルル「パティ!」
パティ「ええ!」
ウルル「アクルガ!」
隙を逃さなかったパティはアクルガを薙ぎ払うように放った。薙ぎ払うように放たれるアクルガをバランシャは受けてしまった。まだ透明ではあったものの、水を被ってしまったため、位置がバレてしまった。
バランシャ「何て圧力の水なのよ!」
しおり「あそこに敵がいるのね…コルル、パティのお陰でどこにいるのかがわかったわ!あの動く水滴を追いかけるのよ!」
コルル「うん!」
しおり「ゼルク!」
パティ「ウルル、私も追いかけるわ!」
ウルル「アクロウク!」
バランシャの体についた水を頼りにコルルとパティは追いかけた。
コルル「絶対に逃がさない!」
パティ「待ちやがれ~~!!」
バランシャ「ちょっと、透明になっているのに何で私を追いかけてくるのよ!」
必死で逃げるバランシャはガルザと合流した。
ガルザ「バランシャ、大丈夫か?」
バランシャ「おかしいわ、ガルザ。私の姿、本当に消えているの?」
ガルザ「あ、ああ、もちろんだ。どこに」
再びパティとコルルが来たため、慌ててバランシャはまた逃げた。
バランシャ「だったら、なぜあの子達は私を追えるの!?」
ガルザ「なぜだ…なぜ奴等は正確に位置を…ん?」
透明になっているバランシャの体に水滴がついているのをガルザは見た。
ガルザ「水滴?そ、そうだ、あの時、バランシャは水を受けて…。だから、奴等はバランシャについた水滴を頼りに追えるのか!」
バランシャはやがて疲れが出始め、コルルとパティに追いつかれた挙句、殴る、蹴るなどの攻撃を受け続けた。
コルル「よくもさっきはしおりねーちゃんに攻撃してくれたわね!」
パティ「私達を怒らせたからにはただでは済まさないわよ~~!」
そして、バランシャはガルザの近くにふっとばされた。
ガルザ「くっ、一旦退いて体勢を立て直すぞ!」
パティ「逃がさないわよ~~!」
ウルル「しおりさん、立てますか?」
しおり「もう大丈夫よ。コルルはパティと一緒に頑張ってるから、私もじっといるわけにはいかないもの!」
慌てて逃げるガルザとバランシャだったが、逃げた先は崖だった。
ガルザ「し、しまった!」
ウルル「どうですか?あなた自身が追われる立場になった気分は」
声と共にウルルとしおりが来た。
コルル「しおりねーちゃん、大丈夫?」
しおり「十分休んだからバッチリよ」
ガルザ「おのれ、こうなったらバランシャ最大の攻撃形態、ギガノ・ガドルク!」
バランシャの鎧がドルクの時とは違う頑丈そうで鋭利なものになった。
ガルザ「ふはははっ!常に我々は獲物を狩る側だ!お前達にこの攻撃形態を破る事はできるか!?」
ウルル「こうなったら私達も最大呪文を使いましょう!」
しおり「ええ!ラージア・ゼルセン!」
ウルル「スオウ・ギアクル!」
巨大なロケットパンチと水の龍がバランシャに向かっていった。
ガルザ「ええ~~っ!!」
バランシャ「まさか、こんなに強力な呪文が使えたなんて~~!」
二つの呪文をバランシャは受け止めようともせず、ガルザと共に崖から真っ逆さまに落ちていった。
コルル「何とかなったわね」
パティ「そうね。これぞ、私と友達のコルルの友情パワーって奴かしら?」
しおり「いつから友達になったのよ」
ウルル「まぁ、突っ込まない方がいいですよ。さ、早く帰りましょうか」
パティとコルルの連携により、前の戦いでのガッシュが経験したバランシャとの戦いも楽に戦い抜く事ができた。旅館へ戻る際にパティの本が光った。
パティ「新しい呪文?」
ウルル「そうみたいですよ。テオアクルだそうです」
パティ「どんな呪文かしら?」
ウルル「さぁ、少なくともアクルよりは強いんじゃないですか?」
モチノキ町
そして、月曜日になり、帰ってきた魔物の子達は公園に集まった。
コルル「ウォンレイって魔物だったんだ」
ティオ「そうよ。助けに行く途中でバリーっていうとんでもなく危なくて強い魔物と遭遇したけど、何とか退けてウォンレイを助け出せたわ」
ガッシュ「コルルとパティはバランシャという魔物に襲われたのか…」
パティ「でも、私とコルルが倒したのよ。本は燃やせなかったけど、また来ても返り討ちにするわ!」
???「あっ、ガッシュじゃない。女の子3人と何をしてるの?」
声をかけたのはナオミちゃんだった。
ガッシュ「ナ、ナオミちゃん…!」
ナオミ「随分、会ってなかったわね。私が遊んであげるわよ」
ガッシュ「ヌオオオッ!!」
ガッシュを追いかけまわそうとするナオミちゃんにパティが立ちはだかった。
パティ「怨怒霊~~、ガッシュちゃんをいじめるな~~!!」
ナオミ「ヒ、ヒィ~~ッ!!モンスター~~~!!」
パティに怯えてナオミちゃんは逃げてしまった。
パティ「もう大丈夫よ、ガッシュちゃん」
ガッシュ「助けてくれてありがとうなのだ、パティ」
パティ「照れちゃうわ、ガッシュちゃんったら」
ティオ「ガッシュ、私と遊ぶわよ!」
パティ「ガッシュちゃんを独り占めするんじゃないわよ!」
ティオ「何ですって!?」
清麿「(やれやれ、パティとティオの喧嘩は日常になってきたな…)」
またいつものパティとティオの喧嘩が始まった。その光景を清麿は登校時に見る羽目になった。しかし、これに限っては喧嘩する程仲がいいのかも知れない…。
これで今回の話は終わりです。
今回のバランシャとの戦いは原作では匂いを頼りにバランシャを追っていましたが、この話ではバランシャの体についた水滴を頼りに追うという流れにしました。
次の話は本来ならばファウード編にならないと登場しないある魔物が出番を前倒しする形で登場します。ちなみに、アニメオリジナルの魔物のグリザも最初から魔鏡強化後の状態で出てきます。