金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
イタリア
チェリッシュがサーカスに入ってしばらくした後の事だった。フォルゴレは多くの女性ファンに囲まれていた。
キャンチョメ「先行販売の日本では大ヒットしたらしいけど、これならイタリアでもヒット間違いなしだな」
ふと、視線を向けるとそこにはお菓子があった。
キャンチョメ「あれ?お菓子がたくさん落ちてる」
お菓子が気になったキャンチョメはお菓子が置いてあるトラックの荷台に乗り込んだ。
キャンチョメ「誰だろう?こんな所に捨てちゃったのは。もったいないなぁ」
だが、キャンチョメが乗り込んだ直後、トラックの鉄格子が降りた。それに気づいたフォルゴレは慌てて向かおうとしたが、トラックは走り出した。
キャンチョメ「フォルゴレ、助けて~~!」
フォルゴレ「バカー、何してるんだ~~~!知らないおじさんについて行っちゃダメって言ってるだろ~~!」
キャンチョメ「フォルゴレ~~!」
高嶺家
それからしばらく経った後、日本ではオロロンサーカスの中継がテレビであり、遊びに来ていたティオ達と一緒にガッシュは見ていた。
ガッシュ「おお!サーカスとはこういうものなのか!」
ウマゴン「メルメル」
空中ブランコの際、ガッシュ達には見覚えのある人物が映っている事に気付いた。
コルル「ねえ、さっきの人って…チェリッシュじゃない?」
パティ「ほんとよ!」
ティオ「チェリッシュがサーカスをしてるなんて想像もつかなかったわ」
コルル「モチノキ町にいた時に言ってなかったっけ?魔界にいた頃は身寄りのない子供達を養うために働いてたって」
ティオ「あ、そうだったわね。でも、モチノキ町を出発してそう経ってないのにあんな短期間で他の人にも負けないぐらいの演技が身についたわよね」
コルル「それだけ努力したんじゃないかな?」
サーカス会場
チェリッシュの空中ブランコが始まる前の事だった。スペインに来ているオロロンサーカスのサーカス会場ではひょんな事からオロロンサーカスのピエロとなったキャンチョメの出番が終わり、チェリッシュの出番になった。
キャンチョメ「チェリッシュの番だよ」
チェリッシュ「それじゃあ、行ってくるわ」
キャンチョメ「(いいなぁ…チェリッシュはサーカスに入ったのが僕より少し早いだけなのに、あんなに芸が上手くできるなんて…)」
団長「さて、小さなピエロ、キャンチョメの曲芸の次は我がサーカスの妖精、チェリッシュの曲芸をご覧ください!それでは、チェリッシュを拍手でお迎えください!」
拍手と同時にサーカスの衣装に着替えたチェリッシュが来た。そこを、舞台の裏でニコルは見守っていた。
ニコル「(頑張るのよ、チェリッシュ)」
団長「さぁ、妖精の華麗なる空中ブランコをご覧ください!」
ぎこちなくて玉乗り等が失敗したキャンチョメと違い、チェリッシュは華麗に空中ブランコなどを決め、観客は拍手した。こうしてチェリッシュの出番も終わった。
団長「いやぁ、君はよく短期間で空中ブランコなどを決められるようになったね」
チェリッシュ「故郷では身寄りのない子供達を養うために色々働いたりしてたから短期間で身に付ける事ができたと思うわ」
団長「君も相当苦労してきたようだね」
ニコル「団長はあのキャンチョメって子の事はどう思ってるんですか?」
団長「今はあの様子だが、きっと玉乗りとかを成功させて観客を喜ばせる事ができるはずだ。今日の公演はここまでだよ。さ、明日の公演に備えようか」
スペイン
サーカスの衣装から普段着に着替えたチェリッシュはニコルと共に散歩していた。
ニコル「チェリッシュもこの村の噂を聞いた?」
チェリッシュ「お客さんが話しているのを聞いたわ。何でも、食料泥棒が出没してるそうだって」
ニコル「しかも、その泥棒はドラゴンみたいな怪物を連れているそうよ」
チェリッシュ「その怪物はどう考えても魔物としか考えられないわね…」
そう言っていると、キャンチョメが女の子と話しているのを見かけた。
キャンチョメ「僕、キャンチョメって名前だぜ。今、この村に来ているサーカスで働いてるんだ。ピエロの役をやってるんだけどさ、芸が全然上手くならないんだ。でも、不思議なんだ。僕が芸を失敗するとお客さんが喜ぶんだよ。団長もさ、失敗すると褒めてくれるんだ。何でだろうな…。ほら、ジャグリングをやってみるぜ」
石でジャグリングをしたが、石は落ちてしまい、少し経ってからキャンチョメの頭に石が落ちてきた。
キャンチョメ「な、ダメだろう」
少女「あははははっ!」
キャンチョメ「お前、笑えるじゃないか。喜んでくれるなら芸が失敗しても嬉しいや」
少女「トムトム。トムトム、空を飛ぶ。かっこいい」
キャンチョメ「そうか、だから上にあげてるのか」
ルシカ「キャンチョメ、失敗面白い。でも、成功したらルシカ、もっと拍手する」
キャンチョメ「お前、ルシカっていうんだ」
ルシカ「ルシカだけじゃない、みんなもきっとそう」
キャンチョメ「本当かい?」
ルシカ「うん」
キャンチョメ「じゃあ、練習頑張るよ。お前、僕の弟にしてやるよ」
ルシカ「本当?でもルシカ、女の子」
キャンチョメ「えっ?ははっ、お前、女の子だったのか。じゃあ、妹だぜ」
ルシカ「…嬉しい、兄ちゃんだ…嬉しい」
微笑ましい様子をチェリッシュペアは見守っていた。キャンチョメがルシカと共にどこかへ行った後、2人は村へ向かっていた。
ニコル「食料泥棒をやっつけに行くのね」
チェリッシュ「魔物の仕業としか思えないし、悪党を野放しにはしておけないわ…」
???「化け物~~!!」
出没している食料泥棒をやっつけようと意気込むチェリッシュペアだったが、ある悲鳴を聞いて駆け付けた。そこには、凶暴そうなドラゴンの魔物、バーゴとそのパートナー、フリトがいた。
フリト「バーゴ、ここの食料を全部いただいていくぞ」
バーゴ「うん」
???「人の食べ物を泥棒しようなんざいい度胸じゃない!」
フリト「誰だ!?偉そうに説教する奴は!」
声と共にチェリッシュペアが現れた。
チェリッシュ「私よ。さぁ、食料を持ち主に返しな!」
ニコル「(あの本…予想通り、村の人が言ってたドラゴンはやっぱり魔物だったのね)」
バーゴ「フリト、あの女、とっても怖いよ…。食料を返した方がいいんじゃない?」
フリト「何言ってんだ、バーゴ!腹ペコで過ごしたいのか?」
バーゴ「お腹が空いたままなのは嫌だけど…」
フリト「それに、あの女は魔物みたいだ。吹っ飛ばしてやる!フレイド!」
バーゴの口から炎が放たれた。その炎をチェリッシュはかわした。
ニコル「ゴウ・コファル!」
宝石がバーゴに撃ち込まれた。
バーゴ「いてっ!」
ニコル「ガンズ・ゴウ・コファル!」
今度は連続で宝石がバーゴに撃ち込まれた。
バーゴ「いててててっ!」
フリト「あの女、予想以上に強いぞ…。仕方ない…バーゴ、地面に術を撃ち込め!」
バーゴ「うん」
フリト「ギガノ・ビレイド!」
地面にギガノ・ビレイドを撃ち込んで煙と突風を発生させ、チェリッシュの目を眩ませた隙にフリトはバーゴに乗って逃げた。
チェリッシュ「逃げられてしまったわね…」
ニコル「どこへ逃げたのかしら?」
チェリッシュ「どこに逃げても探すわよ」
逃げたフリトとバーゴを追ってチェリッシュペアは周囲に住んでいる人に聞き込みを開始した。
村人「あの怪物なら、さっきリリっていうお婆さんの家の方角へ向かっていったぞ。確か、あそこの近くにはある女の子が世話をしている羊がいるんだが…」
ニコル「ありがとうございます。行くわよ、チェリッシュ!」
村人「ちょっと、怪物相手に挑むなんて無謀だ!」
リリという老婆の家に向かったチェリッシュペアだったが、着いた時には既にルシカが世話をしていた羊はバーゴに持っていかれており、泣いているルシカとキャンチョメの声が夕方の空に響いていた。着いた後、チェリッシュとニコルはリリから様々な事を聞いていた。
リリ「2人はルシカの羊を取り返しに行くのかい?」
ニコル「はい」
チェリッシュ「私もあのルシカって小さい子供が泣くのは見たくないの。だから、取り返しに行くわ」
リリ「やめときなよ。女2人であの怪獣に勝てる訳がないよ」
チェリッシュ「どういわれようとも私は行くわ。羊を取り返すためにも」
ニコル「食料泥棒のアジトはどこにありますか?」
リリ「…あんたは強い娘だ。教えるよ…。噂じゃあ、海岸の洞窟にいるって」
チェリッシュ「海岸の洞窟…ニコル、あそこへ」
???「2人は手を出さないで!」
フリトのアジトへ向かおうとするチェリッシュペアを止めたのはキャンチョメだった。
ニコル「キャンチョメ…」
チェリッシュ「あのドラゴンは坊やの手に負える相手ではないわ!私達に任せて!」
キャンチョメ「それでも、僕は行くんだ!それと、ルシカに伝えてよ。もう泣かなくていいってね」
そのままキャンチョメはスケートボードで海岸の洞窟へ向かった。
ニコル「どうするの?チェリッシュ」
チェリッシュ「あの坊やを追うわ。でも、助けるのは坊やがどうにもならなくなった時よ」
キャンチョメを追ってチェリッシュペアも海岸の洞窟へ向かった。
海岸の洞窟
チェリッシュペアは海岸の洞窟を見つけると、キャンチョメにもフリトにも見つからないように隠れた。一方、キャンチョメは途中でフォルゴレと合流してバーゴとフリトの2人と対峙していた。
フリト「へへへへっ、こいつはいい!さっきのガキがアホな男一人連れて、羊を取り返しにやってきたぜ!」
フォルゴレ「はははっ、アホは君の方だ!ブサイクが美男子に勝てると思うのか!?」
フリト「てめえ!羊より先に食ってやる!やれ、バーゴ!」
キャンチョメ「さぁ、行くよ、フォルゴレ」
フォルゴレ「ああ」
キャンチョメ「ルシカを泣かした奴を…」
フォルゴレ「キャンチョメをいじめた奴を…」
キャンチョメペア「許すもんか!」
フォルゴレ「ポルク!」
ポルクでキャンチョメはムキムキの巨体になった。これにはフリトはもちろん、隠れて見ていたチェリッシュとニコルも驚いた。
チェリッシュ「これがあの坊やの力?」
ニコル「見た目は強そうだけど、実際に強いのかはこれから見ないとわからないわ」
変身したキャンチョメは近づいていた。変身した姿にフリトとバーゴは後ずさりした。
キャンチョメ「さぁ、ルシカの羊を返せ!降参しないなら…」
フォルゴレ「力尽くで奪い返すだけだ!」
フリト「くそ、こいつ…魔物だったのか…」
キャンチョメ「ふははは、その通り!僕は無敵の魔物、キャンチョメさまだったのだ!」
キャンチョメが後ずさりしたフリトとバーゴを追って洞窟に入ったのを見たチェリッシュとニコルは洞窟の中の様子を隠れながら見ようとした。しかし、ある悲鳴が聞こえて見つからないように洞窟の様子を見ると、そこにはバーゴにチョップしたものの、逆にキャンチョメが痛がっていた。
ニコル「あれはただの見かけ倒しだったのね…」
その様子を見た2人は唖然としていた。
バーゴ「ぼ…僕、まだ何もしてないよ…」
フリト「そうか、外見は変わっても…あいつ自身は変わらないんだ!そう、あいつは弱いガキのままなんだ!」
フォルゴレ「バカーー、違うぞ!キャンチョメは強いんだ!それ、強さを見せてやれ、キャンチョメ!」
キャンチョメ「そんなことしたら手が折れちゃうよ!(チェリッシュの言った通りになったよ…。あ~、こんな事だったら、見栄を張らずにチェリッシュと一緒に戦えばよかった…)」
フリト「へへへっ、やっぱりそうだ!バーゴ、一気に反撃だ!」
キャンチョメ「うわ~、バレるのが早すぎる~~!!」
フリト「フレイド!」
フォルゴレ「キャンチョメ、ぶわ~~~っ!!」
キャンチョメの盾になる形でフォルゴレはフレイドをまともに受けてしまった。
キャンチョメ「フォルゴレ!」
フリト「はっ、もう終わっちまったぜ。魔物も弱ければ、人間も弱っちいぜ!」
キャンチョメ「フォルゴレ…僕が今、蘇らせてあげるよ!」
キャンチョメが歌い出すと、フォルゴレが立ち上がった。
キャンチョメ「(そうさ、フォルゴレは無敵なんだ!)」
フリト「くっそ~っ、もう1回だ!バーゴ、一気にカタをつけるぞ!フレイド!」
しかし、フォルゴレ達はかわした。
フリト「何!?よけた?ならば、これでどうだ!リン・フレイド!」
今度は輪っかの炎が放たれた。
キャンチョメ「火…火…だんちょ…団長……団長!」
リン・フレイドを見て、キャンチョメは団長に扱かれていた時のことを思い出した。そして、火の輪をくぐる要領でリン・フレイドをよけた。
キャンチョメ「そうだ、あの特訓だ!くぐる、火の輪をくぐるよ!だから、僕のお菓子をとらないで、団長!」
フリト「何っ!?こいつ、またよけやがった…!」
フォルゴレ「すごい、すごいぞ、キャンチョメ!(以前は…本当にドジなだけだったのに…)よーし、負けてられないぞ!キャンチョメ、反撃だ!コポルク!」
キャンチョメは小さくなった。
フリト「何!?小さく!?くっ…どこだ…どこへ行った…?」
小さくなったキャンチョメを探していると、何やら音がした。その方へ向くと、キャンチョメがフリトのズボンのベルトを外していた。
フリト「うわ~!こいつ何してやがる!」
キャンチョメ「僕の恐ろしさを見せてやる~~!」
ベルトが外れてしまった事でフリトのズボンが下がってしまった。
フリト「やめろ~~!パンツまでおろすな~~!!」
キャンチョメ「ふはははっ!」
調子に乗っていたキャンチョメはフリトが持ってる本で叩きはらわれた。
フリト「くそ、バーゴ、こいつを踏みつぶしちまえ!」
フォルゴレ「そうはさせるか~、ポルク!」
今度はフリトの化けた。しかし、頭が本物より長かった。
フリト「な、何ィ~~~~~っ!!」
キャンチョメ「ふはははっ、どっちが本物かわかるまい!」
フリト「わかるわ~~!!バーゴ、わかってると思うが、俺が本物のフリトだからな」
キャンチョメ「おいおい、何言ってるのさ。僕が本物だ」
キャンチョメがフリトに化けた事でバーゴはどっちが本物かわからなくなった。
フリト「何迷ってるんだ、この野郎!明らかにこいつが偽物だろ!」
キャンチョメ「はははっ、いくら賢くてかっこいいバーゴでも迷う事くらいあるよ。気にするな。僕は優秀な君を疑ったりはしないよ」
フリト「わかんねえのか、このウスラトンカチ!!」
バーゴ「こっちが偽物だ!」
暴言を言ったフリトを偽物だとバーゴは判断し、殴り飛ばした。
バーゴ「やったよ、フリト、偽物をやっつけたよ!」
キャンチョメ「えらいぞ、バーゴ。やっぱり君は賢いや」
フリト「くそっ、てめえら、もう許さねえ…!バレイド!」
牙を飛ばす攻撃をキャンチョメは受けてしまい、変身が解けてしまった。
フリト「はぁ…はぁ…どうだ?俺が、お前の本の使い手…俺が本物だ…そうだろ?バーゴ…」
バーゴ「う、うん…ごめんよ…」
フリト「だったら、あいつを本気でぶっ潰すんだよ~~!徹底的に、徹底的にな~~!!ギガノ・ビレイド!」
それまでの戦いの様子を見ていたチェリッシュとニコルはギガノ・ビレイドが来たため、洞窟から離れて別の場所に隠れた。その後、何とか攻撃をかわしたフォルゴレとキャンチョメが洞窟を出た。
フォルゴレ「キャ、キャンチョメ!今度こそダメだ、逃げよう!かないっこない!」
キャンチョメ「でも、ルシカの羊が…」
フォルゴレ「バカ!死んじゃったら元も子もないじゃないか!そんな傷ついた体でどう戦うんだ?」
フリト「はははは、いたぞ、バーゴ!止めを刺してやれ!」
フォルゴレ「キャンチョメ、撤退だ!」
この状況ではどうしようもないと判断したフォルゴレはキャンチョメを連れて撤退しようとした。それを見たチェリッシュはニコルと共に戦闘の準備をした。しかし、後を追ってきたのか、ルシカが来た。
ルシカ「ダメ~~!兄ちゃんをいじめるな!羊を返せ!」
フリト「邪魔だ、クソガキ!てめえも痛い目に」
ところが、話す途中でコファルがフリトの足にぶつかった。
フリト「いてぇ~~~っ!!誰が俺に石をぶつけたんだ!?」
???「小さい子供に手を出そうなんて許さないわよ!」
声と共にチェリッシュとニコルが姿を現した。
フォルゴレ「(魔物の本?だとすると、もう一方の女の子は…魔物…)」
キャンチョメ「チェ、チェリッシュ!」
チェリッシュ「さぁ、ここは危ないから離れるわよ!」
ルシカの手を引いてチェリッシュはフリトから離れた。
キャンチョメ「ありがとう、チェリッシュ、ニコル。ごめんよ、フォルゴレ…どんなに危険でも…どんなに無茶でも…僕はルシカを見捨てる事はできないんだよ!ルシカ、おいで!」
ルシカ「お兄ちゃん!」
キャンチョメ「安心するんだよ、ルシカ…。僕が…僕が絶対にルシカを守ってあげるからね!」
フォルゴレ「(どうする?このままじゃ2人とも…。チェリッシュに協力してもらうように頼むしかないか…)」
そんな時、キャンチョメの本が光った。
チェリッシュ「あの坊や、新しい呪文を?」
フリト「へっ、てめえら全員、まとめて吹っ飛びやがれ!」
ニコル「チェリッシュ、最悪の事態に備えるわよ!」
フォルゴレ「ええい、どんな技かはわからんが、もうこれしか可能性はない!第三の術、ディカポルク!」
術の発動と共に巨大なキャンチョメの幻影が現れた。もっとも、それに気づいたのはこの時点ではチェリッシュペアだけだが。
フリト「で、でっけ~~~~~っ!!」
キャンチョメ「フォルゴレ、僕、いったいどうしちゃったの?」
フォルゴレ「新しい呪文の力なんだ!体が大きくなったんだぞ!」
キャンチョメ「…え?うわぁあ!なんて大きいんだ~!」
フリト「くそっ、こうなったら、全力で攻撃するまでだ!」
フォルゴレ「(まずい!今までのキャンチョメの術は外見は変わっても、強さは変わっていなかった…。今回もきっと弱いままだ…だから、攻撃されたら…)」
フリト「ギガノ・ビレイド!」
フォルゴレ「わ~、待った~~!攻撃はやめ!」
バーゴの攻撃は幻影に当たった。しかし、あくまで幻影であるため、何も変化はなかった。
フリト「ははっ…やったぜ…。バカな術だ!標的がでかくなっただけじゃねーか!ははははっ、終わった!俺達の勝ちだ!え?何…?無傷だと!?」
チェリッシュ「(まだ気づいていないようね、大きい方は偽物だって事を)」
キャンチョメ「…そうか…こうなってるんだ…。ふは…ふはは…、うわ~~いっ!僕は無敵のキャンチョメ様だ!」
フリト「くそ!やられてたまるか!フレイド!バレイド!ギガノ・ビレイド!」
幻影とも知らずにバーゴは攻撃を続けた。
キャンチョメ「ははははっ、わかったか?僕の強さが!」
フリト「くそ!くそ…なぜだ…なぜ攻撃が効かねえ!」
フォルゴレ「(わかったぞ…不死身の訳が…。攻撃が効いてないんじゃない…。すり抜けて当たってないだけなんだ…!そう…あの大きな姿は幻!そして本物は…ここにいる…)」
ようやくフォルゴレもディカポルクのからくりがわかった。そして、フリトに向かって突っ走った。
フォルゴレ「よし、今なら本を奪える!奴等は呪文を使い過ぎた!もう心の力は残ってないはずだ!」
フリト「くっ…まだだ!まだ撃てる!フレイド!」
フォルゴレ「キャンチョメが作り出したこのチャンス、絶対に無駄にはしない!」
炎の攻撃にもフォルゴレは怯まずに突っ込んでいった。
フリト「やったか…?」
フォルゴレ「君は知らないようだ。この世には、どんなピンチをも乗り越える男がいる事を…。無敵と呼ばれる男がいる事を…。そう、それがこの私、鉄のフォルゴレ!絶世の美男子、イタリアの英雄、パルコ・フォルゴレさ!よ~く覚えておくんだな!」
ニコル「(尻が丸見えだけど、雰囲気を壊さないためにも黙っておくしかないわね…)」
フリト「くそっ、バーゴ、こうなったらあのガキだ!あのガキを人質にとるんだ!」
フォルゴレ「何っ!?しまったあぁ!」
バーゴはルシカを人質にとろうとした。そこへ、チェリッシュが立ちはだかった。
チェリッシュ「言ったはずよね、私は小さな子に手を出すのは許さないって!手を出したらタンコブ程度では済まないわよ!!」
チェリッシュの気迫にバーゴは怯んでしまった。その隙にキャンチョメはルシカをバーゴから遠ざけた。
ルシカ「兄ちゃん…」
キャンチョメ「ルシカ、大丈夫かい?」
ルシカ「う、うん。兄ちゃんは大丈夫?」
キャンチョメ「もちろんさ…ルシカ。僕が守ってやるって言ったろ?」
フリト「くそっ、あのガキ!あの女!」
キャンチョメとチェリッシュに気を取られている隙にフリトは本をフォルゴレに奪われた。
フリト「あっ、俺の本!」
フォルゴレ「はっ!」
そのままフォルゴレはバーゴの本をバーゴのフレイドで発生した火に投げ込んだ。火に投げ込まれた本は燃えてバーゴは送還された。
フォルゴレ「もう悪あがきはよせ…、これでわかったろ?君は負けたんだよ!あの勇敢な戦士…キャンチョメにな!」
フォルゴレとキャンチョメの様子をチェリッシュとニコルは微笑ましく見ていた。
ニコル「あまり私達が積極的に助太刀しなくてよかったわね」
チェリッシュ「そうね。もし、私が代わりに倒していたらあの子の成長は望めなかったかも知れないわ」
スペイン
それから、次の日になった。キャンチョメは最後に団長達やルシカに玉乗りを披露してからサーカスをやめたが、チェリッシュはテッドを探すのも兼ねて残る事にした。
団長「結局、君達はサーカスに残る事にしたのか」
チェリッシュ「はい」
団長「君の探している男の子、きっと見つかるといいね」
ニコル「私達がテッドという男の子を探してるの、知ってたんですか?」
団長「たまたまそのような話を聞いててね。でも、サーカスのみんなもそれを手伝いたいそうだ。何だか、家族を探している君は『母を訪ねて三千里』の主人公っぽいな。いや、君の場合は家族を訪ねて三千里かな」
チェリッシュ「母を訪ねて三千里?」
ニコル「人間界で有名な小説よ。日本ではアニメにもなったわ」
団長「まぁ、どれぐらいの付き合いになるからわからないが、頑張って行こうじゃないか」
チェリッシュ「では、これからもよろしくお願いします」
団長「私の方からもお願いするよ」
これで今回の話は終わりです。
ほとんど原作やアニメ通りですが、チェリッシュの出番等も加えました。
ガッシュでは女の子の魔物が少ないため、早期に女の子の魔物を出して仲間入りさせました。うしおととらのヒロインで言えばティオは麻子、コルルは真由子、パティは誰にも該当せず、チェリッシュは礼子のポジションにしています。
次はアポロが再び来る話になりますが、原作やアニメと違って清麿は二つの出来事をアポロから聞かされる事になります。それと、ある魔物も出番を前倒しする形で出てきます。