金色のガッシュベル!!SECONDLAP   作:アンドロイドQ14

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LEVEL34 ありがとう、僕の王様

デボロ遺跡 外部

 外にいたゼオンは何かに気付いた。

 

デュフォー「どうした?ゼオン」

 

ゼオン「大きな力が一つ消えた。恐らく、強い千年前の魔物がやられたのだろうな」

 

デュフォー「ここで様子を見てるのも退屈だ。中に入ってみるか?」

 

ゼオン「そう考えてた所だ。どういった戦いになってるのだろうな…」

 

 

 

 

デボロ遺跡 内部

 ティオ達は清麿達が持ってきた月の石で魔物は体力と傷を、パートナーはさらに心の力を回復させて全快の状態になった。

 

清麿「さぁ、ゾフィスをやっつけに行くぞ!」

 

ガッシュ「待つのだ、清麿」

 

清麿「何だ?ガッシュ」

 

ガッシュ「お腹が空いたのだ。ここでお昼ご飯をみんなで食べたいのだ」

 

ティオ「敵をやっつけに行くのに何でお昼ご飯を食べようとか言うのよ!!」

 

 急に昼ごはんを食べようと言ったガッシュにティオの首絞めがさく裂した。

 

パティ「お腹が空いたなら、お昼ご飯を食べてもいいじゃない!それと、ガッシュちゃんの首を絞めるな!!」

 

ティオ「何よ、パティ!」

 

 しかし、ガッシュの首を絞めている時にお腹が鳴る音がした。

 

パティ「誰のお腹が空いたのかしら?」

 

ティオ「だだだ、誰なのかな…?」

 

恵「ティオもお腹が空いたのね」

 

ティオ「べ、別に空いてなんかないわよ…」

 

恵「激しい戦闘で私もお腹が空いたから、ガッシュ君の言う通り早いけどお昼ご飯にしましょう」

 

 ちょうど全員がお腹が空いたため、弁当を食べる事にした。パムーンも一緒にお昼ご飯を食べた。

 

アポロ「ちょうどいいタイミングだったね」

 

清麿「そうだな。腹が減っては戦はできぬと言うからな」

 

アポロ「だろうね。この弁当、ロップスもおいしいだろう?」

 

ロップス「かう!」

 

パティ「ガッシュちゃん、一緒に食べましょう!」

 

ガッシュ「ウ、ウヌ…」

 

ティオ「ガッシュ、食べるのなら、私とよ!」

 

コルル「ちょっと、喧嘩はよくないよ!」

 

 パティとティオの喧嘩にパムーンは引いていた。

 

サンビーム「女は怖いな…」

 

ウマゴン「メル…」

 

ニコル「元気が有り余っているわね」

 

パムーン「(思ったよりもガッシュの仲間の女は怖いな…。ガッシュ、お前、相当女の事に苦労してるんだな…)これ、誰の弁当だ?」

 

しおり「ビクトリームとそのパートナーの弁当だけど、『私のお弁当はメロンだからその弁当はいらない』とか言っちゃって余ってたの。ちょうど食べてくれる子が見つかって嬉しいわ」

 

パムーン「バカで変わり者のビクトリームらしいな…。この弁当、ゾフィスが出す飯よりうまいな。こんなにうまいもんを食べたのは千年ぶりだ」

 

チェリッシュ「好評で嬉しいわ。坊や達が食べている弁当は私達の手作りよ」

 

サンビーム「パムーンはいつかパートナーと会話できるようになりたいか?」

 

パムーン「勿論だ。石にされた魔物の大半が人間を心の力のバッテリー程度にしか思っちゃいないが、少なくとも俺やレイラはガッシュ達みたいにパートナーと話をしたい」

 

ガッシュ「レイラはどうしておるのだ?」

 

パムーン「ろくに会話もしないから今はどうなのかは俺にもわからん」

 

コルル「そう言えば罠にかかってはぐれてしまったナゾナゾ博士達は大丈夫かな?」

 

パムーン「何?罠にかかっただと?」

 

ウルル「通路の途中でメロンが置かれていて、それをビクトリームが持ち上げたせいで罠が作動してキャンチョメ組、ヨポポ組、キッド組、ビクトリーム組がその罠のせいで私達とはぐれてしまったんです。パムーンは彼等がどこにいるのか知りませんか?」

 

パムーン「どこにいるのかは知らんが、ゾフィスが罠で四天王と遭遇するようにする的な事を罠を仕掛けている時に言っていた。多分、はぐれたお前達の仲間は今頃、俺やツァオロン、デモルトと同じ四天王のベルギムと遭遇してるのかも知れんな」

 

リィエン「ナゾナゾ博士達がそのベルギムとかいう魔物と!?」

 

ウォンレイ「ただでさえ四天王は私達でもガッシュが来なければ全滅していたかも知れない強敵だ。ましてや、ギガノ級を超える術が使える魔物がいないナゾナゾ博士達は下手をすると全滅する危険性もある!」

 

パムーン「その通りだ。だが、ベルギムは意外とバカだから案外、かなり粘れるかも知れんぞ」

 

チェリッシュ「でも、その四天王のデモルトとかいう奴はどこにいるの?」

 

パムーン「奴は月の石を守っているから、はぐれたガッシュの仲間はまだ遭遇してないだろう」

 

パティ「難しい事を考えるより今はご飯を食べながら休憩してこれからの戦いに備えましょ」

 

 

 

 

 

 その頃、ナゾナゾ博士達はパムーンの予想通り、ベルギムEOと対峙していた。

 

ジェム「何よ、こいつ…」

 

ナゾナゾ博士「今までとは一味違う魔物の登場か…って、ビクトリーム君、どうしたんだ?」

 

 今まで以上にビクトリームはすさまじい怒りを見せていた。

 

ビクトリーム「ベルギム、ここで会ったが1000年目、今日こそ決着をつけてやるぞ!」

 

ベルギム「ビクトリーム、お前にそれができるかな?」

 

ビクトリーム「ゆくぞ、モヒカン・エース!」

 

ベルギム「ダリア!」

 

 しかし、お互いのパートナーは呪文を唱えなかった。

 

ビクトリーム「こんな一大事になぜ呪文を唱えない、モヒカン・エース!」

 

ベルギム「ダリア、早く呪文を唱え…あ、そうだった!千年前の魔物同士だと呪文が唱えられなかった!ならば、椅子で直接突撃だ!」

 

 椅子に座ったままベルギムは突撃し、ビクトリームを突き飛ばした。

 

ビクトリーム「ぶるぁあああああっ!!」

 

フォルゴレ「ああ、華麗なるビクトリーム様が!!」

 

 ビクトリームはそのまま気絶した。

 

キャンチョメ「どうしよう…華麗なるビクトリーム様が負けたら僕達…」

 

ジェム「あんなバカを当てにしない!ここは先制攻撃で行くわよ!」

 

 そんな中、フォルゴレは前に出た。

 

ナゾナゾ博士「フォルゴレ君、何を?」

 

ジェム「まさか、1人で戦う気?」

 

ナゾナゾ博士「ダメだ、それはあまりにも無謀!」

 

フォルゴレ「そこを通してください!」

 

 その言葉にジェムとヨポポはずっこけ、ベルギムも反応した。

 

フォルゴレ「お願いします。僕達はそこを通りたいだけなのです」

 

ベルギム「答えは…No~~~~ッ!!」

 

ジェム「ダメじゃない!こんな奴に話なんて通じないわ!そういった奴は」

 

ベルギム「芸をしなさい。私は千年前の魔物、四天王の1人、ベルギムEO。とても強い魔物です」

 

ジェム「博士、四天王って…」

 

ナゾナゾ博士「今までの魔物より強いって事なんだ」

 

ベルギム「千年も石にされてとても退屈していたのです。歌でも何でもいい、楽しませてくれたら、通してもよい!」

 

フォルゴレ「ほ、本当だな?私がスーパースターであると知ってその条件を出してるんだな?」

 

キャンチョメ「フォルゴレ、そんな条件なら簡単さ!1発かましてやれよ!」

 

ベルギム「か~~~っ!」

 

フォルゴレ「よーし、やるぞ、キャンチョメ!」

 

ベルギム「ただし、つまらなかったら殺す!殺す!!さ、芸をしなさい」

 

 ベルギムの出した条件にジェムは不満そうだった。

 

ジェム「本当にこいつ、約束を守るのかしら?悪党だからどうせ破るに決まってるわよ」

 

ナゾナゾ博士「まぁまぁ。それよりもフォルゴレ君、芸を外さないでくれ…。口だけではなく、とっても強い力を感じるのだ…。わしも君が時間を稼いでいる間、奴を観察し、策を練る。得体の知れない奴を倒す策を」

 

ベルギム「さぁ、早く私を楽しませてください」

 

ナゾナゾ博士「(頑張れ、フォルゴレ君…!)」

 

ベルギム「さぁ」

 

フォルゴレ「ごめんなさい…、芸を磨いて出直してきます…」

 

ジェム「いい加減にしなさいよ、フォルゴレ!さっきの自信満々な態度はどこに行ったの!?」

 

ベルギム「芸を…しないのですか…?芸を…しないのですか…?」

 

ジェム「もう、フォルゴレがダメなら、ヨポポの出番よ。ヨポポ、自慢の踊りをやっちゃいなさい!」

 

ヨポポ「ヨポポイ!」

 

 そんな中、キャンチョメが『鉄のフォルゴレ』を歌った。

 

ヨポポ「ヨポイ…」

 

キャンチョメ「フォルゴレは凄いんだぞ!映画に出てるし、CDだって出してるんだ!」

 

フォルゴレ「そう、私は世界のスーパースター、パルコ・フォルゴレ!」

 

キャンチョメ「女の子にだってモテモテさ!」

 

ジェム「(お母さんはフォルゴレのファンだけど、私には入浴中を覗いたりセクハラしまくるあんな変態男がどうしてモテモテなのか理解できないわ……)」

 

フォルゴレ「私は愛の戦士…」

 

キャンチョメ「だから、だから…」

 

フォルゴレ「ははははっ、そんなに私の歌が聞きたいのかい?しょうがないなぁ、歌ってあげるよ!」

 

キャンチョメ「ミュージックスタート!」

 

 フォルゴレは『チチをもげ!』を歌い出した。その間、ジェムとナゾナゾ博士はベルギムの様子を見ていた。

 

ジェム「そう言えば博士、ベルギムEOのEOって何なのかしら?」

 

ナゾナゾ博士「う~む、わからんが、それが突破口になるかも知れん」

 

ジェム「私にはそうは思えないわ。それより、反応がないわね」

 

 ナゾナゾ博士はベルギムに有効な作戦を考え付く事ができなかった。その間にフォルゴレの芸は終わってしまった。

 

ベルギム「マキシマム…」

 

ダリア「ケケケケケ!ギガノ・リュウス!」

 

 突然のベルギムの攻撃にナゾナゾ博士は衝撃を受けた。

 

ジェム「攻撃したって事はやっぱりダメだったじゃない!」

 

ナゾナゾ博士「何という破壊力…!」

 

ダリア「ガンズ・ゴウ・リュウガ!エルム・リュウガ!リュウズ・ヨーヨー!リュウズレード・キロロ!」

 

 そのまま連続でベルギムは攻撃を仕掛けてきた。その攻撃をナゾナゾ博士達は必死によけ続けた。

 

フォルゴレ「死ぬ!死んでしまう~!」

 

ジェム「こいつは何なのよ~~!」

 

 攻撃が終わり、ベルギムは椅子に座ったまま降りて動きを止めた。

 

ベルギム「マキシマムグッド!」

 

 意外な返事に一同は驚いた。

 

ベルギム「とっても素晴らしい歌ですね~!ベルギムEOはとっても楽しいです~!」

 

フォルゴレ「え?やった~~!やった、やったぞ、キャンチョメ!」

 

キャンチョメ「やっぱりフォルゴレは世界の大スターさ!」

 

ベルギム「一緒に歌ってもいいですか?私も一緒に、歌いたいなぁ」

 

キャンチョメ「…どうする?フォルゴレ」

 

フォルゴレ「いいんじゃないか?あいつ、意外にいい奴かも知れないぞ」

 

ジェム「そうは思えないけどね…」

 

ヨポポ「ヨポイ?」

 

ナゾナゾ博士「(奴を倒す策がない今、機嫌を損ねぬ方がよいか…)」

 

フォルゴレ「ああ、いいよ!」

 

ベルギム「ほんとですか!?嬉しい、嬉しい、ぬははははっ!!」

 

 嬉しさのあまり、ベルギムは椅子に座ったまま回った。

 

フォルゴレ「やっぱりあいつ、いい奴なんだよ!よーし、行くぞ!私の後に続けて歌うんだ!」

 

ベルギム「うん!」

 

 再びフォルゴレは『チチをもげ!』を歌い出した。

 

ジェム「また始まったわね…」

 

ヨポポ「ヨポポイ!」

 

 呆れ気味のジェムとは反対にヨポポは楽しそうに踊り出した。ベルギムも一緒に歌おうとしたが、舌を噛んでしまった。

 

一同「うわ、舌を!!」

 

ダリア「ケケケケケ、ディオガ・リュウスドン!」

 

 舌を噛んでしまったベルギムは椅子に座ったまま飛んだあと、最大呪文をぶっ放した。

 

ベルギム「染みる!光線が舌に染みやがる!!」

 

 その後、ベルギムは椅子に座ったまま落ちた。

 

ベルギム「くそ、貴様ら!よくも私にこんな事を…」

 

フォルゴレ「ごめんなさい!でも、私のせいではありません!あなたが勝手に!」

 

ベルギム「やかましい!てめえらまとめてぶっ殺す!」

 

ジェム「自分からやっておいてそんな言い方はないでしょ!こっちこそあんたを叩き潰してやるわよ!」

 

ベルギム「調子に乗りやがってコンチクショー!!ベルギムEOの『EO』は椅子に座ってお仕置きよだ!!」

 

フォルゴレ達「そうだったんだ!」

 

ジェム「何でそんな事に驚く必要があるの?」

 

ベルギム「ダリア!」

 

ダリア「ケケケケケ~~!!」

 

ベルギム「笑うな!」

 

 怒鳴った通り、ダリアは笑うのをやめた。

 

ベルギム「よし、攻撃だ!」

 

フォルゴレ「く、来る!」

 

ダリア「ディオガ・リュウスドン!」

 

 しかし、術は出なかった。

 

ヨポポ「ヨポイ?」

 

ジェム「術…全然でないわね…」

 

ベルギム「あれっ?術が出ないよ…。そうか!芸に感動して術を使い過ぎたんだ!」

 

ジェム「相当バカね…」

 

ベルギム「ダリア、月の光で心の力を回復だ!」

 

ナゾナゾ博士「ラージア・ゼルセン!」

 

ジェム「ドレミケル!」

 

 術が撃てなくなった隙を突いてキッドとヨポポは攻撃を仕掛けた。

 

フォルゴレ「ナゾナゾ博士、ジェム!」

 

キャンチョメ「キッド、ヨポポ!」

 

フォルゴレ「ダメじゃないか!ベルギム様になんて事を!」

 

キャンチョメ「そうだよ!」

 

ジェム「何を言ってるのよ!あんな奴はできた隙をしっかり突いて倒さなきゃいけないのよ!」

 

ナゾナゾ博士「それに、こちらには奴の強力な攻撃を防ぐ術がないのじゃぞ!今が最大のチャンスじゃ!」

 

キャンチョメ「…そうだった…。ガッシュもティオも他のみんなもいない…」

 

ベルギム「痛い…椅子も汚れてしまった…。コンチクショー!ダリア、もう呪文は使えるな?」

 

ダリア「ケケケケケー!」

 

ナゾナゾ博士「よいな、作戦は今説明した通りじゃ!」

 

一同「うん!」

 

キッド「博士…」

 

ナゾナゾ博士「怯えるでない、キッド。私の名はナゾナゾ博士。どんな敵と戦おうと勝利へと導く不思議な博士じゃ」

 

ベルギム「てめえら全員、最大呪文でぶっ飛ばしてやる!!」

 

ダリア「ディオガ・リ」

 

ジェム「ヨポポイ・トポポイ・スポポポーイ!」

 

 呪文の効果でヨポポの踊りと同じようにベルギムは椅子に座ったままダリアと一緒に踊り出した。

 

ダリア「ケケケ、ケケケ、ケケケケ!」

 

ベルギム「な、何だ!?体が勝手に!?ってダリア、一緒に踊るんじゃねえ!!」

 

ナゾナゾ博士「ナイスじゃ、ジェム君、ヨポポ君!行くぞ、キッド!」

 

キッド「うん!」

 

ナゾナゾ博士「ガンズ・ゼガル!」

 

 

 

 キッド達の戦いぶりをゼオンとデュフォーは戦闘によって空いた穴から見ていた。

 

ゼオン「ギガノ級の術までしか使えん奴2体と攻撃さえできん雑魚の中の雑魚の1体の計3体の雑魚であんな奴によく粘る事ができるな」

 

デュフォー「あの魔物はとても頭が悪いからな。魔物の頭が悪くてもパートナーがまともならあの程度の奴等に手古摺ったりしない。それと、あの3体のパートナーのうち、老人のパートナーがそれなりに頭がいい奴だからあんなに力の差があってもあそこまで持ちこたえられるだろう」

 

ゼオン「だが、どんなにパートナーの頭がよくても最終的に勝敗を決めるのは魔物の強さだ。まぁ、俺だったらあのバカと違ってあの雑魚3体を1分程度で全員魔界送りにできるがな」

 

デュフォー「あの老人のパートナー、敵の隙を作るためのウソとはいえ、呪文無しで瞬間移動できるとか言ってたぞ」

 

ゼオン「俺なら、ウソどころか実際に実行できるけどな。雑魚が全滅するかあのバカがやられるのか、どっちになるのかな?」

 

 その頃、キッドたちはキャンチョメが地面に化けてダリアから本を奪おうとしていた。

 

ベルギム「元はといえばてめえだ!ウ・ソ・なんかつくからだ!」

 

 ベルギムはダリアと共にナゾナゾ博士の方へ向かっていった。

 

キャンチョメ「もう少しだったのに…」

 

フォルゴレ「博士、ジェム、ベルギムが!」

 

ナゾナゾ博士「案ずるな!キッドとヨポポを前に出す事で私とジェム君が危険に晒されるのは承知の上だ!奴の攻撃呪文は全て見ておる!後は敵の本が光るのを注意して見ておれば何とか奴の攻撃は回避できる!そして、奴の最大の弱点は…椅子から離れられない事だ!」

 

 立てないだろうと判断したナゾナゾ博士とジェムは段差のある所にベルギムを誘い出した。

 

ジェム「いつも椅子に座ってるガイコツファラオ!あんたは立てないから段差は超えられないでしょ?悔しかったら立ってその段差を乗り越えてみなさいよ!」

 

ナゾナゾ博士「(いいぞ、ジェム君!これなら…)」

 

 ジェムの挑発に乗ったベルギムは立ち上がって椅子を持って振り下ろそうとした。

 

ナゾナゾ博士「お、おい…お前、立てるのか…?」

 

ベルギム「上等だ、コンチクショー!椅子が直接お仕置きよ!」

 

ナゾナゾ博士「(私は何という計算違いをしてしまったんだ…。だが…、未来ある子供をここで死なせるわけにはいかん!)」

 

 ナゾナゾ博士とジェム目掛けてベルギムは椅子を振り下ろした。それに気づいたナゾナゾ博士はジェムを突き飛ばし、その攻撃を受けてしまった。

 

ジェム「ナゾナゾ博士!」

 

キッド「博士!」

 

ナゾナゾ博士「来るでない、キッド!作戦を止めてはならん…。1チャンスをものにできねば勝てぬ勝負だぞ…。何、キッド…私は大丈夫じゃ…何せ私は不死身の肉体を持つ人間だからな…」

 

ジェム「(何が不死身よ…!明らかにボロボロじゃない…!私を庇って…)」

 

キッド「ほんと?」

 

ナゾナゾ博士「ああ…本当さ…(ウ・ソ…)さぁ、攻撃に戻れ!勝ちに行くぞ!」

 

フォルゴレ「博士、大丈夫ですか!?」

 

ナゾナゾ博士「ワシに構うでない!向こうで頑張っているキャンチョメ君を見失うぞ!君のパートナーはあの子じゃろ!?」

 

 ボロボロながらもナゾナゾ博士は立ち上がった。

 

デュフォー「あの老人、さっきの攻撃でまともに体が動かなくなり始めたぞ」

 

ゼオン「あのジジイが倒れたら雑魚共に頭脳的な戦いはできなくなる。ようやくこの戦いが終わりそうだな。あの雑魚達の敗北を以って」

 

 戦いの中、ナゾナゾ博士は昔の事を思い出していた。

 

ナゾナゾ博士「まだだ…、まだ…倒れるわけにはいかん…。のう…キッドよ…」

 

 

 

 

回想

ナゾナゾ博士『私を外の世界に連れ出してくれたお前のためにも、こんな所で負けてられぬ…』

 

 自然の中にひっそりと建っている建物にナゾナゾ博士は1人でいた。

 

ナゾナゾ博士「珍しいな。訪問者など、何十年ぶりか」

 

キッド「うわぁ、凄い数の本だね!こんなにたくさんの本に囲まれておじいさんは何をしてる人なの?」

 

ナゾナゾ博士「……ワシは…私は、何もしてない人さ…」

 

ナゾナゾ博士『そうじゃ…何もしてない人、医者だった時もあったが…ワシの手術で我が孫を死なせてしまったひどい医者じゃった…』

 

キッド「こんなにも何でも知ってるのに何もしないなんてもったいないよ。ねえ、この本の事も魔界の王様を決める戦いの事もわかってるでしょ?ねえ、僕を王様にしてよ。おじいさんの物知りが僕を王様にしてくれる。僕を王様にしてくれるんだ!」

 

 そんな時、ナゾナゾ博士は自身の手術で死なせた孫の面影をキッドに重ねた。

 

ナゾナゾ博士「お前を…?ふふふふ、はははははっ!キッドよ、よくぞ私を見つけ出した。君の言う通り、私なら君を王にできる。なぜなら、私こそ前回の魔界の王を決める戦いで王となった魔物の本の使い手、私こそ、ナゾナゾ博士なのだ!」

 

キッド「ほんと!?」

 

ナゾナゾ博士「ウ・ソ」

 

 嘘にキッドは驚愕した。

 

ナゾナゾ博士「なに、君を王様にするという事は本当じゃ。約束しよう。」

 

 

 

 

 

 ベルギムの攻撃で体がまともに動かなくなりながらもナゾナゾ博士は必死の思いで戦っていた。

 

ナゾナゾ博士「(私は、何のためにたくさんの本を読んで来たのか…?何のためにあれ程の知識をあつめていたのか…?孫を死なせてしまった後悔からか?いや、違う!それだけではない!もうメスを握る勇気をなくした私が何のために!)」

 

 ヨポポとキッドの攻撃でベルギムが気を取られている隙に煙の中からキャンチョメは出てきてダリアから本を奪おうとした。

 

ベルギム「何、いつの間の…?」

 

フォルゴレ「ダメなら直接燃やしてやる!」

 

ベルギム「私の本に何をする!」

 

ナゾナゾ博士「いかん!」

 

 ナゾナゾ博士はフォルゴレとキャンチョメを庇い、ベルギムに殴り飛ばされた。

 

キッド「博士!」

 

ジェム「ナゾナゾ博士!(まずいわ!ナゾナゾ博士はベルギムの攻撃を2度も受けているのよ!もう博士の体は…!)」

 

ベルギム「ふはははは、やったぞ、ダリア。あいつはもう動けない」

 

ナゾナゾ博士「(そうじゃ…ワシは今のために知識を集めておったのじゃな…。今のキッドのために…キッドを王にするという約束のために…。良き王が国を治めればたくさんの命が救われる…。医者では救えん命もたくさん生きるのだ…。だが、まだまだキッドには教えねばならぬ事がたくさんある…。今は寝ている時ではないのだ…!キッドの暮らす国を幸せに…ワシの…ワシのかわいい孫の未来を…!)」

 

ダリア「ギガノ・リュウス!」

 

 ギガノ・リュウスがナゾナゾ博士に向けられた。

 

フォルゴレ「博士!」

 

ジェム「博士!」

 

キッド「博士、死んじゃいやだ~~!!」

 

 ナゾナゾ博士の代わりにキッドがギガノ・リュウスを受けたが、防ぎ切れずに自分の本が燃えてしまった。

 

ジェム「あっ、キッドの本が!!」

 

 キッドの本が燃えているのを見たジェムは慌ててキッドの本に着いてしまった火を消そうとしたが、消えなかった。

 

ジェム「消えない消えない!どうして消えないの!?」

 

ナゾナゾ博士「(私はどうなった…?生きておるのか…死んでおるのか…?キッドは…?キッドを守らねば…。意識が薄くなってゆく…キッドは…?)」

 

 意識が薄れゆくナゾナゾ博士の目に飛び込んだのはキッドだった。キッドが足掻く様子をゼオンとデュフォーは冷ややかに見ていた。

 

ゼオン「ふん、パートナーも動けなくなったのにあそこまで足掻くとはな…」

 

デュフォー「火事場のクソ力という奴か…」

 

ゼオン「あのバカも相当甘いな…本を燃やしたら次の一撃をすぐに本に当てて燃えるスピードを早めないと大変な事になるぞ…」

 

 ゼオンの思った通り、ベルギムが本に2発攻撃してすぐに燃やし尽くす事をしなかったため、キッドが立てた作戦でダリアが持っていた月の石をキャンチョメに奪われ、ベルギムは追い詰められていた。

 

キッド『博士…博士…』

 

ナゾナゾ博士「(キッド…まさか…!キッドは向こうで戦っているのに私の心に直接声がする…)」

 

キッド『博士、今までありがとう。僕はもう…お別れしなきゃいけないみたいだ…』

 

ナゾナゾ博士「(キッドなのか…?いや、キッドはあそこで戦っておる。これは…キッドの心の姿…)」

 

キッド『僕は博士に色々な事を学んだよ。王様になるために勉強しなきゃいけない事、1人の力の限界、みんなで協力した時にできる大きな力』

 

キッド「今度はディカ・ポルクだ!呪文の意味はわかるよね!?」

 

フォルゴレ「!!ああ、わかるさ!第3の術、ディカ・ポルク!」

 

 今度は巨大なキャンチョメの幻が出現した。

 

ベルギム「わわっ、大きくなった!どんどん大きくなるよ!!こ、怖いよダリア、どんどん攻撃だ!!ありったけの術を使え!」

 

ダリア「ケケケケ、エルム・リュウガ!ギガノ・リュウス!ガンズ・ゴウリュウガ!ディオガ・リュウスドン!」

 

 巨大な幻を本物だと思い込んだベルギムは無駄撃ちを始めてしまった。

 

ベルギム「うわああっ、倒せない!」

 

フォルゴレ「(そうだ、幻とも知らないでもっと技を出せ!そう、心の力がなくなるまで!それにしてもキッド、どうしたんだ?こんな作戦を瞬時に。まるで、ナゾナゾ博士がそこにいるみたいだ…!)」

 

キッド『僕が…僕がこんな指示をできるようになったのも博士のお陰だよ。博士はいつも僕と遊んでくれたね、いつも僕を笑わせてくれた。いつも博士と一緒にいるだけで楽しかった。博士、博士は僕の…ナゾナゾ博士は僕の王様なんだ…!ねえ、僕は成長したかな?今の姿を博士は喜んでくれるかな?ねえ、僕は博士のようになれたかな?だとしたら嬉しいな…。僕は…王様になれたんだよね…』

 

 そんな中、燃えているキッドの本が光った。

 

ジェム「キッドの本が!」

 

ベルギム「くそう!みんな、みんなぶっ飛ばしてやる!!ダリア、残った心の力で全てをぶっ飛ばせ!」

 

ダリア「ケケケケ、ディオガ・リュウスドン!」

 

 頭にきたベルギムはこれまで以上の威力のディオガ・リュウスドンで全てを消し飛ばそうとした。

 

フォルゴレ「何っ!?」

 

ヨポポ「ヨポイ!」

 

ジェム「こ、これじゃあどうにもならないわよ!!」

 

キッド『博士、もう行かなきゃ。さぁ、最後の呪文を唱えて。僕の新しい呪文が本に出たんだ。きっとその呪文は、博士とみんなを守ってくれるよ』

 

ナゾナゾ博士「キッド…」

 

キッド『今までありがとう…大好きな…大好きなナゾナゾ博士!』

 

ナゾナゾ博士「ミコルオ・マ・ゼガルガ!!」

 

キッド「(さようなら…博士…)」

 

 涙ながらにナゾナゾ博士は最後の呪文、ミコルオ・マ・ゼガルガを唱えた。呪文によって現れた機械の女神は最大パワーのディオガ・リュウスドンを一蹴し、ベルギムを魔界送りにした。

 

フォルゴレ「博士…!」

 

ジェム「博士、博士…!私のせいで…キッドは…せっかくヨポポと友達になったキッドは…」

 

ヨポポ「ヨポイ…」

 

ナゾナゾ博士「わかっておる…何も言うな…」

 

 キッドを失ったフォルゴレ達は悲しみ一色だった。今回の戦いではガッシュはクリアに対抗するため、コルルやヨポポを初めとした親しい魔物をできるかぎり生き残らせようとしたが、ガッシュの目の届かない所でキッドは最初の脱落者となってしまった。




これで今回の話は終わりです。
今回はキッドとの別れを描いたベルギム戦ですが、戦闘開始早々にビクトリームがやられたのはビクトリームがいたら感動のシーンが台無しになってしまうと思ったのでいきなりやられて気絶した状態にしました。
次は原作よりも早いタイミングでゾフィスとブラゴの戦いになりますが、本来ならばファウード編のあの名物シーンがフライングで出てくるかも知れません。誰がやるのかはまだ秘密です。
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