金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
高嶺家
それは、ファウードが出現したニュースが放送されてしばらく経った後の事だった。歴史の勉強がよくわからない岩島、金山、山中が清麿の家に来て、コルルと一緒に遊びに来ていたしおりと共に清麿は教えていた。
清麿「しおりさんもわざわざすいませんね」
しおり「気にしなくていいのよ。中学時代の復習にもなるし」
山中「いやぁ、しおりさんはとってもかわいい妹みたいな子もいて羨ましいなぁ…」
岩島「それより、高嶺君。これ、注文のビデオだよ」
清麿は岩島に頼んでいたビデオを受け取った。
清麿「ありがとな、岩島」
金山「それにしても、源平合戦の一ノ谷の戦いはすげえな!」
ガッシュ「一ノ谷の戦い?」
コルル「それって何なの?」
しおり「それはね」
???「源義経という武将が活躍した源平合戦の大きな戦いの一つだ」
声と共にサンビームが来た。
清麿「サンビームさんも日本史を知ってたんですか?」
サンビーム「結構興味があったから歴史書を見てたんだ」
ガッシュ「一ノ谷の戦いは何なのか教えてほしいのだ」
ウマゴン「メルメル」
サンビーム「一ノ谷の戦いは源義経がある奇策を行った事でも有名な戦いの一つなんだ」
コルル「その奇策って何?」
清麿「義経は敵の裏をかくために敵の陣地の背後にある急な坂を下るという作戦をとったんだ。勿論、従っていた武士は馬で下りる事は不可能だと思っていたが、義経は地元の猟師から急な坂を鹿が下りたというのを聞いて『鹿にできて馬にできない訳がない』として急な坂を馬で下り、見事奇襲を成功させたんだ」
ガッシュ「私には歴史の事は難しくてよくわからないのだが、源義経はかっこいいのだ!」
ウマゴン「メルメルメ~!」
しおり「ガッシュ君達も私達ぐらいの歳になれば歴史もわかるようになるわよ」
清麿「ところで、サンビームさんは何の用で俺の家に?」
サンビーム「清麿とガッシュはちょっと私の家に来てくれないか?大事な話がある」
サンビームの家
ガッシュペアはウマゴンを連れてサンビームの家に来た。
サンビーム「清麿達に来てもらったのは他でもない。私は仕事で1週間ほど北海道へ研修に行く事になった」
清麿「北海道…」
ガッシュ「北海道…」
サンビーム「その間、ウマゴンの事をよろしく頼む」
清麿「えっ?」
ウマゴン「メル?」
サンビーム「仕事だから、どうしてもウマゴンを連れて行けないんだ。それに、研修中に襲われたらとてもまずい状況になる。清麿達の傍に置いといてもらえないだろうか?」
清麿「ああ、もちろん大丈夫だ」
ガッシュ「ウマゴン、心配するでない。私達がお主を守るのだ」
ウマゴン「メル、メルメルメルメル!」
サンビーム「今回はダメだ、ウマゴン。清麿達と一緒の方が安全なのだ」
ウマゴン「メルメルメル」
サンビーム「大丈夫だ。帰りにおいしい干し草を買ってきてあげるよ」
空港
サンビームは北海道へ出発した。
ウマゴン「メルメルメ~~!!」
サンビームが研修に行った事でウマゴンは大泣きしていた。
ガッシュ「ウヌゥ、ウマゴン、泣くでない」
清麿「ほら、帰るぞ」
ウマゴンは泣き止まなかった。
清麿「しょうがない、ウマゴンが落ち着くまで待つか。何か飲み物でも買ってくる」
飲み物を買いに清麿はその場を離れた。
ガッシュ「ウヌ、ウマゴン、わかったのだ。そんなについて行きたいのなら、ウマゴンも北海道へ行くのだ。私も隠れて清麿の学校へよく行っておる。これは、とても役に立つバッグなのだが、貸しておくのだ。これさえあればどんな所にでも行けるのだぞ」
ウマゴン「メルメルメ~~!」
ガッシュ「ただしウマゴン、これだけは約束なのだ。私はずーっと家で待っておるから、必ず元気で帰ってくるのだぞ」
その後、ガッシュは清麿と共に空港を後にした。
清麿「確か、ガッシュの話ではサンビームさんとウマゴンは北海道でカルディオという馬の魔物と戦うはずだよな?」
ガッシュ「ウヌ。だが、今のウマゴンでどこまでカルディオに通用するのか…」
清麿「カルディオはそんなに強い魔物か?」
ガッシュ「ウヌ。まだディオエムル・シュドルクを使いこなせていないウマゴンと違ってカルディオはディオギコル・ギドルクを使いこなしておる。最悪の場合は…ディオウ・ギコリオ・ギドルクを使ってくる可能性もあり得るのだ」
清麿「使いこなせてないって、あれでまだ使いこなせてないのか!」
ガッシュ「本当に使いこなした証はパートナーを乗せても火傷や凍傷をしないまでに炎や冷気を制御できるようになった状態なのだ」
北海道
北海道での研修も終わった。
社員「研修も無事に終わったね」
サンビーム「1週間、お世話になりました」
社員「お疲れ。すぐに帰るかね?」
サンビーム「あ、いえ、少し車でお土産を買いに…そうだ!どこか、おいしい干し草を売っている所はありませんか?」
社員「おいしい干し草?あんた、変わってるね。郊外の牧場に行けば分けてくれるかもね」
早速、サンビームは牧場へ向かった。
サンビーム「お、大きいな…」
牧場主「ああ、干し草ロールって言ってな、夏の間にこれ作って、草のない冬に餌として保存しとくんだよ」
サンビーム「干し草ロールか…」
牧場主「あんた、持って帰れるか?」
サンビーム「無理です」
牧場主「まぁ、そうだな。布袋に入れて持ってけや。あんた、面白えからお金いらんよ」
サンビーム「ありがとうございます」
その牧場でウマゴンと再会したサンビームは観光する事にした。そのウマゴンペアの姿をある魔物が見ていた。
高嶺家
その頃、ガッシュペアは他の仲間達にファウードの事を伝える準備をしていた。
清麿「ナゾナゾ博士達にもファウードの事を教えないとな」
ガッシュ「ファウードの位置はわかるのか?」
清麿「既にアンサー・トーカーで把握している。だが、見えない細工がされているとなると……ガッシュが言ってた最も魔力探知に優れている魔物のモモンが来るまでは待っておくしかない…」
ガッシュ「ウヌ…」
清麿「その間にお前の友達のレインの所へも行く事になるんだろ?だったら、レインにファウードを止めるまでは人間界に留まってほしいと頼んでレインに協力してもらう事もできるんじゃないか?」
ガッシュ「レインの手紙が届くのが楽しみだのう…」
北海道
ウマゴンペアは観光を楽しんでいたが、雪遊びをしてウマゴンが凍えたため、サンビームは温かい飲み物を買いに行った。
ウマゴン「メルメル…メ!」
殺気に気付いたウマゴンは外に出た。するとそこには馬の魔物、カルディオとパートナーのサウザーがいた。
サウザー「気配だけで気付いたな。間抜けなだけの魔物に見えたけど…そこそこ戦える奴らしいな」
ウマゴン「メル…」
ウマゴンは身構えたが、よく一緒にいたガッシュ達がいないため、不安になった。カルディオはウマゴンのある臭いに気付いた。
サウザー「どうした?」
カルディオ「パルパルモーン」
サウザー「へえ、お前の体から別の魔物の臭いがするってよ。お前、魔物の仲間がいるのか?」
ウマゴン「メル…」
サウザー「そうか、仲間とつるまなきゃ戦えねえ魔物か…。オイラやカルディオの大っ嫌いなタイプだな。その仲間の魔物はここにいるのか?」
サンビーム「いいや、ここにはいない!ウマゴンは今、1体きりだ」
戻って来たサンビームもウマゴンの元に来る前から殺気に気付いていた。
ウマゴン「メル!」
サンビーム「私がウマゴンのパートナー、カフカ・サンビームだ」
サウザー「はははっ、ウマゴンか。間抜けな姿だと思ったら、名前まで間抜けとはな。オイラはサウザー。魔物はカルディオ。ウマゴンと違ってかっこいいだろ?」
ウマゴン「メル!メルメルメ!」
サンビーム「ふざけるな!ウマゴンはシュナイダーが心を通わせた友にだけ言っていいニックネームだ!お前達のような奴がバカにして言っていい名前ではない!」
サウザー「シュナイダー?それがウマゴンの本名なのか?間抜けな姿に似合わねえ名前だな。本名とニックネームが逆じゃねえのか?」
ウマゴン「メル!!」
サンビーム「それに、仲間というのを悪く言ってるみたいだが、それは違うな!」
サウザー「何だと?」
サンビーム「仲間というのは心を支えてくれる素晴らしいものだ。仲間がいるから臆病者というのは間違いだ!ウマゴンは1人で戦う勇気も持っている。その辺を勘違いしないでいただこう」
サウザー「能書きはいい、来なよ!」
サンビーム「シュドルク!」
サウザー「ますますもって気に入らねえ!カルディオと同じような術を使いやがって!」
サンビーム「何だと?」
サウザー「ギドルク!」
ウマゴンとカルディオは互いに鎧を纏った。
サンビーム「似た者同士が出会ったという訳か…」
サウザー「一緒にするんじゃねえ!やれ、カルディオ!」
カルディオ「パルパルモーン!」
サンビーム「行けっ、ウマゴン!」
ウマゴン「メルメルメ~~!」
突撃対決は互角だった。
ウマゴン「メルメルメ~!」
カルディオ「パルパルモーン!(なるほど、パートナーが言った通り、こいつの本名はシュナイダーでウマゴンはニックネームか)」
モチノキ町
その頃、ガッシュ達は公園で遊んでいた。
コルル「あれから1週間経つね」
パティ「ウマゴンは脱落してないのかしら?」
ガッシュ「そんな事はないのだ。ウマゴンは強いのだぞ。私達にできる事はウマゴンが帰ってくるのを信じて待つ事なのだ」
北海道
ウマゴンペアは事前に用意していた作戦を実行したが、あまり上手くいかなかった。
サウザー「あはは、面白れぇ!こいつら、本当に心がバラバラだ!」
サンビーム「くそう!下手な小細工に頼ろうとしたのが間違いだった!いつも通りだ、ウマゴン!ゴウ・シュドルク!」
第2の術を発動させた。
サウザー「ふん。こっちも行くぞ、カルディオ!ゴウ・ギドルク!」
カルディオも第2の術で次の強化形態になった。ウマゴンは突っ込んでいったが、それを予測していたカルディオは雪煙で視界を悪くした。
カルディオ「(もらった!)」
サンビーム「ウマゴン!」
雪煙を利用してカルディオは奇襲をかけたが、サンビームの掛け声だけでウマゴンは回避した。
カルディオ「(かわした?あのパートナーの掛け声だけで振り向きもせず)」
サンビーム「ウマゴン!」
ウマゴン「メル!」
ウマゴンはサウザーに向かって突っ走った。
カルディオ「(俺のパートナーを!)」
サンビーム「ウマゴン!」
サウザーの危機にカルディオは向かったが、またしてもウマゴンはサンビームの掛け声だけでカルディオに向かっていき、吹っ飛ばした。
サンビーム「グルービー!」
カルディオ「(な、何だ、この息の合い様は?本当にさっきまでの間抜けな2人か?)」
サンビーム「千年前の魔物との戦いを生き抜いた我々のコンビネーションを舐めないでもらおう!ウマゴン、このままパートナーの本を奪い取れ!」
しかし、ウマゴンが進んだ先にはサウザーは既にいなかった。
ウマゴン「メル?」
サンビーム「いない?」
当のサウザーはカルディオと共にウマゴンの背後にいた。
サウザー「上手く不意を突いたようだが、それで勝った気になってんじゃねえぞ。それぐらい息の合った攻撃はこちらにもできる!」
サンビーム「いつのまに…」
サウザー「そしてオイラ達はその一歩先も行っている。お前達に…これができるか!?ディオギコル・ギドルク!!」
カルディオに乗ってサウザーが呪文を唱えた後、吹雪と共にカルディオは氷の鎧を纏った。
サンビーム「(この術、氷である点を除けばディオエムル・シュドルクに似てる…。しかも、サウザーはカルディオに乗っているのになぜ凍傷にならないんだ…?)」
サウザー「これはオイラも驚くほどの強力な術でね。最初はオイラ自身もダメージを負う危険なものだった。だが一度、オイラ達の心が一致して使いこなせるようになったら、これ以上ない無敵の術となったのだ!」
サンビーム「残念だったな。扱う属性は違うが、似たような術はウマゴンも使える!」
サウザー「何だと!?」
サンビーム「ディオエムル・シュドルク!」
ウマゴンは炎の鎧を纏った。
サウザー「まさか、似たような術が既に使えるとはな。だが、その様子じゃまだ使いこなせてねえな」
サンビーム「何?」
サウザー「パートナーを乗せてもダメージを負わないようにするコントロールができてねえんだよ。ウマゴンの術もカルディオの術も扱う力は違っても扱い方は同じ。パートナーにダメージを負わせないコントロールを可能にするにはよほどの心の繋がりと血のにじむような訓練が必要なのよ!それができて初めて使いこなした事になる」
サンビーム「(そうか、だからサウザーはあの状態のカルディオに乗っても凍傷にならないのか…)」
サウザー「パートナーを乗せて戦う事ができないようじゃ、オイラ達には勝てはしねえ!」
カルディオ「パルパルモーン!」
カルディオは突っ込んで来た。
サンビーム「ウマゴン!」
掛け声を聞いてウマゴンはカルディオとぶつかったが、突っ込んで来たカルディオは冷気で作り出した分身だった。
ウマゴン「メル?」
サウザー「バカめ、オイラ達はこっちだ!」
横からカルディオは突進してウマゴンを吹っ飛ばした。
ウマゴン「メル!」
サンビーム「ウマゴン!(やはり、サウザーの言う通り私が乗れるようにならないと奴等に勝ち目はない…)」
そう考えていた通り、ウマゴンはサンビームが乗っても火傷しないようにするコントロールがまだできていないためにサンビームを乗せて戦う事ができず、積極的に攻められないためにカルディオに押されていた。
サウザー「やはりこの程度だな。とっととくたばりな!」
ウマゴン「メル…」
サンビーム「ウマゴン、お前は狭間の世界での戦いで仲間と連携できるような炎のコントロールができるようになったじゃないか。後は、私を火傷せずに乗せられれば奴等に勝てる!」
ウマゴン「メルメ…」
サンビーム「1週間前に源平合戦の勉強を少ししたのを覚えているか?源義経がなぜ一ノ谷の戦いで敵の軍勢に対して奇襲を成功させる事ができたのかを」
ウマゴン「メル……」
サンビーム「それは地元の猟師から鹿が急な坂を下りたのを聞いて、『鹿にできて馬にできない訳がない』と思い、それを実行したからだ。同じようにパートナーにダメージを負わせずにするコントロールがカルディオにできてウマゴンにできない訳がない!ウマゴン、私と自分を信じるんだ!そうすれば、必ずカルディオのような事ができる!」
ウマゴン「メル……」
サウザー「ろくな訓練もせずにそんな事がウマゴンにできるか!カルディオ、一気に仕留めるぞ!」
カルディオ「パルパルモーン!」
カルディオは襲い掛かった。
サンビーム『カルディオにできてウマゴンにできない訳がない!』
ウマゴン「メル……メルメルメ~~!!」
ウマゴンはサンビームを乗せ、カルディオに突進して吹っ飛ばした。
カルディオ「パル!?(何っ!?パートナーが熱がってないだと!?)」
サウザー「そんなバカな!こんな短時間でパートナーにダメージを負わせないコントロールができるようになっただと!?」
サンビーム「サウザー、ウマゴンがこの術を使いこなせたのはお前達が手本になったからだ。扱う力は違っても扱い方は同じ。それはカルディオにできてウマゴンにできない訳がないというのをお前達がその姿で否定してるからだ!」
サウザー「そんな事があり得るか!オイラ達だってこんなに力を使いこなすのに半年かかったんだぞ!訓練もせずにそれができるはずがない!」
サンビーム「お前達と違って私達の戦いはテクニックではなく、心で戦っている。それだからこそウマゴンはこうやって使いこなす事ができたんだ!今度はこちらの反撃だ!」
ウマゴン「メルメルメ~!」
ウマゴンが乗せてる人間が火傷しないようにするコントロールができるようになったため、ウマゴンとカルディオは互いにパートナーを乗せての戦いになった。炎と氷の戦いは一進一退の攻防となった。
サウザー「くそっ、使いこなした途端にこんなに厄介になるとは…!」
サンビーム「どうやら私達とお前達は互角のようだな。だが、私達はお前達と違って仲間の元へ帰らなければならんのだ!」
ウマゴン「メルメルメ!」
カルディオ「(仲間の元へ帰るだと!ふざけるな!)」
仲間の元へ帰るという執念でウマゴンペアは次第にカルディオペアを追い詰めていった。
サウザー「ふざけやがって、何が仲間だ!負けられないのはこっちも同じなんだよ!」
カルディオ「パル、パルパルモーン!」
サウザー「な、何だと!?カルディオ!あれを使うというのか!?あれを使ったらお前は…!」
サンビーム「(あれとは何の事だ?)」
カルディオ「パルパルモーン!」
サウザー「…わかったよ。もうあいつらを倒すにはあれを使うしかないようだ!」
サウザーはカルディオから降りた。
ウマゴン「メル?」
サウザー「ここまでオイラ達を追い詰めるとは思ってなかったぞ。だが、オイラ達はこんな事もあろうかと奥の手を隠していたんだ。これで終わりだ、ディオウ・ギコリオ・ギドルク!」
ディオギコル・ギドルクを更に超える冷気がウマゴンペアを襲った。
ウマゴン「メル!」
サンビーム「な、何だ!?さっきの術とは比較にならないこの凄まじい冷気は!まさか、奴等がこんな強力な術をまだ隠し持っていたとは…!(あのやりとりから推測すれば、カルディオに相当負担がかかる術だろうな…)」
サウザー「お前達は間抜けな面だったが、オイラ達が戦ってきた敵の中でもなかなかの強敵だったぞ。こんな術を使わざるを得なかった程にな!そのまま凍えちまいな!(頼む、すぐにくたばってくれ。この術は普通に使うだけでもカルディオが凍え死にかねない程なんだ…!)」
凄まじい冷気に炎の鎧を纏っているはずのウマゴンは凍り付き始めており、何とかサンビームを凍え死なせないための熱を生み出すので精一杯だった。
カルディオ「(へっ、何がパートナーを守るだ!何が仲間の元へ帰るだ!仲間なんてものを頼りにするからお前は弱いんだよ!そんなお前にこんな術を使わざるを得なかったのが誤算だが、お前の負けだ。凍えて大人しく魔界に戻っちまえ!)」
桁違いの冷気に晒されてもなお、ウマゴンは凍り付かないために炎を出し続けていた。そして、帰りを待っているガッシュ達の事を思い出していた。
ウマゴン「メル…メルメ…」
カルディオ「(なぜだ、あれだけの冷気を出しても奴は凍り付くのが遅いんだ!?)」
サウザー「カルディオ、お前は手を抜いて戦ってないよな?」
カルディオ「パル…」
サウザー「だったら…とっとと凍り付かせるんだよ!」
凄まじい冷気に晒されたため、ウマゴンはもう凍り付く寸前でサンビームも凍えていた。
サンビーム「ウマゴン、こんな所で負けるわけにはいかない!何としてもみんなの元へ帰るんだ!」
ウマゴン「メル……メルメルメ~~!!」
生きてみんなの元へ帰るという執念に反応してウマゴンの本が輝き、新たな力が目覚めた。
サンビーム「新しい呪文?」
サウザー「何が出たのかは知らんが、もうお前達は終わりなんだよ!」
サンビーム「言ったはずだ、私達は仲間の元へ帰らなければならないと!ディオウ・エムリオ・シュドルク!」
ウマゴンは氷が溶けると共にディオエムル・シュドルクととは比較にならない炎を出せる炎の鎧を纏った。サンビームは体が温まったが、すぐに熱がってウマゴンから降りた。
サウザー「何っ!?こんな所で新しい呪文だと!?」
サンビーム「あちっ!ウマゴン、私の心の力はもう少ない。この一撃で勝負を決めるぞ!」
ウマゴン「メル!」
サウザー「こっちも心の力はあとわずかだ。これで決めるぞ、カルディオ!」
カルディオ「パルパルモーン!」
ウマゴンとカルディオはぶつかり合った。灼熱の炎と極寒の冷気は激しくぶつかり合った。
カルディオ「(土壇場でこんな術を覚えやがって!)」
ぶつかると同時に睨み合ったが、仲間の元に帰りたいというウマゴンの執念の目にカルディオは怯んでしまった。
ウマゴン「メルメルメ~~!!」
その一瞬の隙を突かれてウマゴンが押した後、大爆発を起こした。
サンビーム「ウマゴン!」
サウザー「カルディオ!」
爆発の煙が晴れた後、サンビームとサウザーは倒れている互いのパートナーの元へ駆け寄った。
サンビーム「ウマゴン、大丈夫か?」
サウザー「凍え死んでないだろうな?カルディオ!」
サウザーは倒れているカルディオに触れてみると、ディオウ・ギコリオ・ギドルクを使った後とは思えないほど温かかった。
サウザー「ディオウ・ギコリオ・ギドルクを使った割には妙に温かいな。大丈夫か?」
カルディオ「パルパルモーン…」
サウザー「生きていたか、カルディオ…。でも、どうしてディオウ・ギコリオ・ギドルクを使った後のカルディオの体があんなに温かいんだ?普通に使ったら凍え死んでもおかしくなかったのに…」
サンビーム「恐らく、ウマゴンの術とカルディオの術がぶつかり合ったおかげでカルディオの体は温められ、ウマゴンの体は冷やされて互いに凍死と熱死を免れたのだろう」
サウザー「互いのパートナーがこんな様子じゃ戦いは続けられそうにないな。今回は引き分けにしておく。だが、次は必ず決着を着けてやるからな」
倒れているカルディオを引っ張ってサウザーは去って行った。
サンビーム「ウマゴン、みんなの元へ帰ろう」
ウマゴン「メル…」
ウマゴンを抱えてサンビームは山を下りた。
カルディオ「(怯えた…俺は奴のあの目に怯えたんだ…。引き分けなんかじゃない、俺は負けたんだ…)」
サウザー「俺はあいつらには引き分けと言ったが、カルディオは負けたと思ってるのか?」
カルディオ「パル…」
サウザー「仲間の元へ帰る、か…。こういった結果になったのも、仲間とつるむ魔物は弱いという俺達の認識が甘かったからだろうな…」
この時点ではまだ仲間とつるまないカルディオペアだったが、仲間の元へ生きて帰るという執着心の強さを侮っていた事を痛感したのであった。
これで今回の話は終わりです。
今回は原作のカルディオ戦ですが、そのままなぞっても面白くないので、締めにディオウ・ギコリオ・ギドルクとディオウ・エムリオ・シュドルクのぶつかり合いを描きました。
冒頭の歴史の勉強は自分は学生時代、歴史に興味津々で歴史の成績がよかったため、そういった描写を混ぜても違和感がないのと、ウマゴンがディオエムル・シュドルクを使いこなすきっかけとして挿入しました。
次の話は清麿がフォルゴレ達にファウードの説明をするのと、スケートの話になります。