金色のガッシュベル!!SECONDLAP   作:アンドロイドQ14

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LEVEL54 清麿の選択

モチノキ中学校

 学校が終わり、清麿は帰ろうとしていた。

 

中田「高嶺、ちょっと個人的な話をしていいか?」

 

清麿「いいけど……」

 

中田「高嶺に好きな女の子はいるか?」

 

清麿「言えないけど、一応……」

 

中田「では、水野とその女の子が悪党に捕まり、1人しか助け出せないのなら、どっちを助ける?どっちも助けるという選択肢は認めない」

 

清麿「どちらかを助けるって……」

 

中田「現実というのは非情なものだ。正解のないこういった選択肢を迫られる事がたくさんある。この場ですぐに出せなくてもいいから高嶺なりに答えを出すんだ」

 

清麿「はい……」

 

 恵が好きとは言ってないが、清麿からすれば担任の中田の質問は鈴芽と恵を天秤にかけるようなものだった。

 

清麿「水野と恵さんが敵に捕まったらどっちを助けるか、か……。俺は恵さんは好きだが、水野にも恩はある。そんな状況になったら俺って……どっちを選ぶんだろうな……」

 

 恵と鈴芽のどちらかしか助けられない状況になったらどちらを助けるのか清麿にはわからなかった。

 

 

 

モチノキ町

 チェリッシュは空き時間を利用してグラード・マ・コファルを使いこなす訓練をしていた。

 

ニコル「命中率も随分上がったわよ」

 

チェリッシュ「この術、扱いが難しいけど、使いこなせばかなり強力な術よ」

 

ニコル「人間界のスナイパーライフルと比較してもその性能は歴然。しかも、二つのミラーサイトまで出てくるとはね」

 

チェリッシュ「清麿のアンサー・トーカーで詳細もすぐにわかって納得したわ。3つの銃口がある上に威力も人間が死なない程度に加減する事もできる。人質の救出にも役に立つわ」

 

ニコル「今日はこれくらいにして二日後のサーカスにガッシュ達を誘いましょう」

 

 

 

高嶺家

 家に帰った清麿はファウードの事を考えていた。

 

清麿「何とかモモンを発見できたが、肝心のモモンはガッシュから聞いた通り臆病か……。それにしても、ファウードが出現して1か月、敵の動きもより活発になってきてるはずだ……」

 

 そんな時、ガッシュとウマゴンが来た。

 

ガッシュ「清麿!」

 

清麿「どうした?」

 

ガッシュ「清麿、チェリッシュが来てるのだ!」

 

 下に降りてみると、チェリッシュペアがいた。

 

ウマゴン「メルメルメ~~!」

 

 ウマゴンはチェリッシュに飛びつき、チェリッシュは抱っこした。

 

チェリッシュ「もう、ウマゴンったら」

 

 抱っこしてくれたチェリッシュの顔をウマゴンは舐め回した。

 

清麿「ニコルさん、チェリッシュ、どうして?」

 

チェリッシュ「二日後はオロロンサーカスの公演があるの。だから、坊や達に見に来てもらいたくてね」

 

ガッシュ「清麿もファウードの事ばかり考えていないでたまには息抜きするのだ」

 

清麿「息抜き?確かに必要だな。それと、空いたペットボトルを持てる限り持つというのも知らせないとな」

 

チェリッシュ「どうしてそれが必要なの?」

 

清麿「ファウードに入った後で必要になるんだ」

 

ニコル「清麿、2日後のサーカスを見に行くチケットを渡すね」

 

 ニコルは清麿にチケット9枚を渡した。

 

清麿「そのチケットは?」

 

ニコル「これ、ガルザって人から『出張でサーカスへ行けないから君達にあげるよ』ってもらったの。だから、この町にいる魔物とそのパートナーにあげる事にしたのよ」

 

チェリッシュ「それに、私達は団長さんからお客さんを呼び込むのも頼まれているの」

 

ガッシュ「あれ?1枚足りないのだ」

 

ニコル「会場にはペットは入れられないの。だから、ウマゴンはペット扱いで外で待ってもらうしかないわ」

 

ウマゴン「メル……」

 

 ガッシュと一緒にサーカスが見れない事にウマゴンは落ち込んでしまった。

 

ガッシュ「ウマゴン、私もウマゴンと一緒にサーカスを見れないのは残念なのだ…」

 

チェリッシュ「それじゃあ、二日後のサーカスを楽しみにしててね」

 

 チェリッシュペアは帰って行った。それと入れ替わるように鈴芽とマリ子が来た。

 

鈴芽「高嶺君、二日後はハイキングに行かない?マリ子ちゃんと話して考えたんだけど」

 

清麿「悪い。俺、二日後は知人からの招待でサーカスを見に行くんだ。ハイキングには行けない」

 

マリ子「その持ってるのってチケット?」

 

鈴芽「そのチケットって余りのもの?だったら、私達もそのチケットでサーカスに行っていい?」

 

清麿「ダメだ。これは知人のために預かっているチケットなんだ。例え水野の頼みであっても渡せない」

 

鈴芽「高嶺君がチケットを渡さないなんて…。もしかして、私の事が嫌いなんじゃ……」

 

清麿「そ、そんな訳じゃ…。でも、預かり物は渡せないんだ」

 

鈴芽「そんな~~!」

 

マリ子「預かり物なら仕方ないわよ。鈴芽ちゃん、私がチケットを買ってあげるから泣かないでね」

 

 泣いている鈴芽を連れてマリ子は帰った。

 

ガッシュ「清麿、今日はやけに鈴芽に冷たいではないか」

 

清麿「悪い。今日はやけに気持ちの整理がつかなくてな…」

 

 夜になっても清麿の様子がおかしく、ガッシュは華にその事を聞いていた。

 

華「清麿が鈴芽ちゃんに冷たい態度をとったの?」

 

ガッシュ「それに、今日は気持ちの整理がつかないとか言ってたのだ。どうしてなのだ?」

 

華「実は珍しい事に清麿が私に相談していたのよ。先生に鈴芽ちゃんと恵さんが悪い人に捕まってどちらかしか助けられないなら、どっちを助けるのかって。清麿も将来、避けて通れない道を突きつけられたみたいね」

 

ガッシュ「そんなに深刻な事なのか?」

 

華「多分、先生は清麿がこれからどちらかしか選べない時が来る事を教えたのだと思うのよ。大人になって社会に出ればこういった事もよくあるわ。今はガッシュちゃんにはわからないけど、いずれはわかってくると思うわ」

 

ガッシュ「どちらかしか選べぬ…か……」

 

 華の言葉にガッシュは前の戦いでリィエンら呪いをかけられたパートナーを犠牲にするか、世界を犠牲にするかという選択肢を突きつけられた事を思い出した。その時は誰も犠牲にしないという第3の選択をとったが、今回は第3の選択肢自体、存在しないため、恋の事はよくわからないものの、悩んでいる清麿の姿がかつての自分と重なり、ガッシュは痛々しい思いでいっぱいだった。

 

 

 

サーカス会場

 二日後、呼んでいたティオ達が待ち合わせのサーカス会場に来た。この時間はまだ開演時間から2時間ほど前であり、人もほとんどいなかった。

 

ティオ「やっほー!チェリッシュからサーカスの事は聞いたわ!」

 

恵「私も休みだから、息抜きにサーカスを見ようと思ってたの」

 

清麿「恵さんやみんなが来てくれてよかった」

 

恵「私も清麿君と一緒にサーカスを見るのを楽しみにしてたのよ」

 

ガッシュ「チェリッシュからもらったチケットはここにあるのだ」

 

 ガッシュの手にはチェリッシュから渡されたチケットがあった。

 

コルル「9枚しかないよ」

 

パティ「ウマゴンはペット扱いだから入れないのよ。だから、これで合ってるわ」

 

サンビーム「さ、受付を済ませてから会場に入ろう」

 

???「久しいのう、皆の者」

 

 声がしてその方を向くと、そこにはマリル王女がいた。

 

しおり「マリル王女!」

 

カラオム「マリル様は日本政府との会談が終わってサーカスを見たいという事でここに来られたのです。何ともここでお会いするとは奇遇ですね」

 

マリル「ちゃんと私とカラオムらもチケットは持っておる。一緒にサーカスを見ようではないか」

 

ウルル「まだ始まるのに2時間ほどありますよ」

 

パティ「特等席を今の内にとっておきましょうよ。さ、みんな行くわよ!」

 

マリル「清麿、何か悩み事でもあるのか?」

 

清麿「い、いや、別に…」

 

マリル「(何か清麿には悩みがあるようじゃな……)」

 

 悩みの内容はわからないものの、清麿が悩んでいる事はマリルは察した。そして、一同はサーカス会場に入ったが、その姿を黒ずくめの男達が見つめていた。その頃、鈴芽とマリ子が来たが、途中でマリ子は鈴芽と逸れてしまった。

 

マリ子「鈴芽ちゃんったら、どこに行ったの…?」

 

 鈴芽は会場の近くで迷子になっていた。

 

鈴芽「ねえ、マリ子ちゃん、どこにいるの!?どの道へ行けば会場に着くの?」

 

 ふと、鈴芽は黒ずくめの男達を見かけた。

 

鈴芽「すみません、どこへ行けばサーカスの会場に」

 

 男達は何も答えず、鈴芽を気絶させた後、拘束した。

 

 

 

 一方、ガッシュ達はサーカスが始まるのを楽しみにしていた。

 

ガッシュ「ウヌゥ、チェリッシュの空中ブランコを生で見るのは楽しみだのう…!」

 

ティオ「ウマゴンにも見せてあげたかったけどね」

 

コルル「仕方ないよ。ウマゴンはペット扱いで会場に入れないし…」

 

恵「みんなも喉が渇いたなら、私が飲み物を買ってきてあげるわ」

 

 恵はみんなの飲み物を買いに席を離れた。そんな中、カラオムの携帯電話に着信が入り、カラオムが出た。

 

カラオム「はい。……なんですと!?」

 

 本国からの電話にカラオムは驚いた。

 

 

 

一方、みんなの飲み物を買いに行った恵は何を選ぶか考えていた。

 

恵「さて、ガッシュ君達は何が」

 

???「女よ、お前は人質になってもらおうか」

 

 恵を複数の黒ずくめの男達が取り囲んだ。

 

恵「どういう事?」

 

暗殺者「我々は女性であるマリル王女が王位を継ぐ事など認めん。そんな王女への見せしめにしてやろう」

 

恵「私はこう見えても」

 

 しかし、恵の背後にマッチョな男が不意打ちで恵を取り押さえてしまった。

 

恵「は、放して!」

 

暗殺者「よし、次はマリル王女へ王位継承を放棄させるぞ。放棄しないなら、殺す!」

 

恵「(この人達、遊園地の時のマリル王女暗殺をもくろんでいた人達の仲間ね…)」

 

 恵の後を追っていたウマゴンは恵が捕まった現場を目撃し、それをガッシュ達に知らせるためにサーカス会場へ向かった。

 

 

 

 

その頃、ガッシュ達は恵の帰りが遅い事に気にしていた。

 

ティオ「恵ったら、やけに遅いわね」

 

コルル「何かあったのかな?」

 

???「ねえ、高嶺君、鈴芽ちゃんは見なかった?」

 

 マリ子がサーカス会場に来た。

 

清麿「別に見てないが……」

 

マリ子「変ね…、もしかして、迷子になったんじゃ…」

 

???「メルメルメ~~!」

 

 慌てて会場にウマゴンが来た。

 

清麿「ウマゴン、こんなに慌ててどうしたんだ!?」

 

ウマゴン「メルメルメ、メルメル、メルメルメ!」

 

サンビーム「何だって!?恵が黒ずくめの男達に攫われただと!?」

 

ガッシュ「本当なのだな?ウマゴン!」

 

ウマゴン「メルメル」

 

ティオ「だったら、すぐに恵を助けに行かないと!」

 

 そんな時、また電話が鳴った。

 

マリル「カラオム、また本国から私の暗殺を目論む連中の事を伝える電話か?」

 

カラオム「いえ!マリル様、この前のマリル様暗殺を目論んだ連中の仲間からの電話です!」

 

マリル「何?」

 

 その電話にマリルが出た。

 

暗殺者『マリル王女に告ぐ。我々は2人の人質を取ってこのサーカス会場の近くの建物にいる。人質を返してほしければ我々の元に来て王位継承権を放棄せよ。そうしないのであれば、人質の命はないと思え!』

 

 そう伝えた後、通話は切れた。

 

清麿「(もしや、人質は恵さんと水野…?)」

 

ティオ「人質の内の1人はきっと恵よ!すぐに恵を助けに行かないと!」

 

サンビーム「焦る気持ちはわかるが、何の考えもなしに行くのは危険すぎる」

 

ウルル「それに、マリル王女が王位継承権を放棄したとしても、必ず約束を守るとは限りませんよ」

 

ティオ「だけど……」

 

清麿「とにかく、今の状況で焦っても仕方ない。敵の様子を見てから対策を立てよう。それと、今回はチェリッシュの協力も必要だと思う」

 

 清麿はオロロンサーカスの団長に人質救出にチェリッシュを協力させる事を頼んだ。

 

団長「まだ公演に時間はある。用を直ちに済ませて戻ってくるんだ」

 

チェリッシュ「はい」

 

 一同は指定された場所へ向かった。

 

マリル「清麿、人質の救出に私も向かわせてもらうぞ」

 

カラオム「いけません!敵の狙いは恐らく、マリル王女の命!闇雲にマリル王女が動けば」

 

マリル「私は恵達にはお世話になった。私も彼等の作戦を手伝わねばまたしても我が国の問題に巻き込まれてしまった恵達に申し訳ないのじゃ!」

 

ティオ「随分変わったわね、マリル」

 

マリル「今の私には頼もしい味方がおる。清麿、そなたが作戦を立てるのだぞ」

 

清麿「はい」

 

 

 

 

建物

 ガッシュ達が指定の建物に来ると、その場所はコンサートホールだった。そこには、離れた所でそれぞれ腕を掴まれて拘束され、銃を突きつけられている恵と鈴芽の姿があった。

 

清麿「(やっぱり人質は恵さんと水野だったのか…。まさか、先生の言った質問が現実になってしまうとは……)」

 

サンビーム「離れた所にいるから救出はどちらかを先にしなければならないようだ……」

 

ニコル「しかも、敵の人数は結構多いわよ」

 

コルル「清麿お兄ちゃんは恵お姉ちゃんと鈴芽お姉ちゃんのどっちを先に助けるの?」

 

清麿「俺は……」

 

 中田の質問に答えられず、今でもどちらを先に助けるのかという答えが出せない清麿は答えようがなかった。

 

ティオ「どうしたの?清麿」

 

ウルル「どちらを先に助けるのかで悩んでいるようですよ」

 

しおり「清麿君、早く決めないと恵と鈴芽ちゃんが2人共殺される可能性だってあるのよ。早く決めて!」

 

清麿「俺は……」

 

マリル「清麿、自分の気持ちに正直になって決めるのじゃ。そうすれば、どちらを先に助けるのかを決められるはず。正直な自分の気持ちではどちらを助けたいのか?」

 

 マリルの言葉に清麿は自分は本当はどちらを先に助けたいのか正直に考えた。その答えは……。それから、一同は作戦を立てた。

 

清麿「みんな、以下の通りに行うんだ!」

 

 指示の後、マリルが部屋に入った。

 

暗殺者「マリル王女、王位継承権を放棄しに来られたのですか?」

 

マリル「私が王位を継ぐ事に不満があるのであれば、国政の場でそれを言えばよかろう!なぜ人質をとる!?」

 

恵「(マリル王女……)」

 

鈴芽「(高嶺君、早く助けに来て!)」

 

暗殺者「そんな事はどうでもいいだろ!?とにかく、王位を放棄しろ!さもなくば、人質と王女の命はないぞ!」

 

マリル「この愚か者め!人質をとるという事は私に恐れをなしているのと同じだ!そんな臆病者達にこの私は臆せぬ!痛い目に遭いたくなければ人質を解放しろ!」

 

暗殺者「言わせておけば言いたい放題言いやがって……!王女を撃ち殺せ!!」

 

 暗殺者達が銃を構えようとした瞬間、グラード・マ・コファルの銃弾が次々と暗殺者に撃ち込まれた。

 

暗殺者A「ぐあっ!」

 

暗殺者B「何だ!?どこから撃ってきやがった!?」

 

暗殺者C「これは凄腕のスナイパーの仕業だ!王女め、俺達の意識を向けさせてスナイパーに狙撃させるとは……!」

 

暗殺者A「だが、別の方向からも撃ってきたぞ!複数のスナイパーがいるのか!?」

 

 これは、ミラーサイトを利用してスナイパーが複数いると見せかける罠であった。

 

ニコル「練習しててよかったわね」

 

チェリッシュ「さぁ、私が連中をかく乱させるから人質を救出するのよ!」

 

サンビーム「ディオエムル・シュドルク!」

 

 ウマゴンにガッシュペアとサンビームは乗り、人質の救出に向かった。

 

暗殺者D「奴等め、いつの間にこんな作戦を!こうなれば、王女をぶっ殺してやる!」

 

 銃を弾かれた暗殺者はナイフを手にマリルに斬りかかった。

 

マリル「ふん!」

 

 しかし、マリルは素手で襲ってきた暗殺者達をなぎ倒した。

 

暗殺者C「何っ!?」

 

マリル「私とて護身術ぐらいは身に付けておる。何もできぬと思うとは浅はかであったな」

 

暗殺者B「くそっ…」

 

暗殺者A「おい、それよりもあの馬を止めろ!人質の方へ向かってくるぞ!」

 

ウマゴン「メルメルメ~!」

 

 人間の銃ではウマゴンに当てる事はできなかった。ウマゴンが通るのに邪魔な暗殺者達はウマゴンの炎で熱がっていた。

 

鈴芽「(凄い……まるで高嶺君は白馬の王子様みたい……)高嶺君、私を」

 

清麿「恵さん!手を!」

 

恵「清麿君!」

 

 恵を取り押さえていた暗殺者達はウマゴンが来る直前にチェリッシュが狙撃して気絶させ、無事に清麿は恵を救出した。

 

恵「清麿君、今の清麿君は白馬の王子様だったわ…。それに…私を助けてくれるって信じてた…」

 

清麿「俺も無事に助け出せて嬉しいよ、恵さん」

 

鈴芽「そんな…、高嶺君が恵ちゃんの方を先に助けるなんて……」

 

 自分の方を先に助けてくれると思っていた鈴芽は恵を先に助けた清麿の姿にショックを受けていた。

 

暗殺者「こ、この女の命は」

 

清麿「ラウザルク!」

 

 ラウザルクがかかったガッシュはすぐに鈴芽に銃を突き付けていた暗殺者を殴り飛ばし、鈴芽を救出した。

 

ガッシュ「もう大丈夫なのだ、鈴芽」

 

鈴芽「高嶺君が……」

 

パティ「さて、人質救出も終わったから次は派手に暴れるわよ、コルル!」

 

コルル「うん!」

 

ウルル「オルダ・アクロン!」

 

しおり「ゼルク!」

 

 その後、ガッシュ達によって暗殺者達はあっけなく全滅した。

 

恵「ごめんね、清麿君。またしても悪い人に捕まってしまって」

 

清麿「いや、恵さんが無事だったからいいよ」

 

しおり「これにて一件落着ね」

 

鈴芽「高嶺君、どうして私を先に助けてくれなかったの?銀行強盗の時は必死で助けてくれたのに…。私の事が嫌いなの?」

 

清麿「……今まで躊躇していたがはっきり言う。俺は……恵さんが好きだ」

 

 デュフォーの言った事を否定し続けていた鈴芽だったが、清麿の口から『恵が好き』という事を聞いてショックを受けていた。

 

鈴芽「どうして?どうして高嶺君は私より恵ちゃんの事が好きなの?私だって中学に入ってから高嶺君の事が好きだったのに…!」

 

清麿「……俺が不登校の時もお前だけ普通に接してくれたことは感謝している。だが、俺にとって胸がドキドキするほど好きになった女の人は恵さんなんだ。初めて恵さんに会った時から、恵さんが命の危険に晒されたりしたら居ても立っても居られないほどになるぐらい好きになった。だから水野、お前の想いには応えられない」

 

鈴芽「そんな…、高嶺君は恵ちゃんの事が好きって言ったあの男の人の言った事が本当だったなんて…、そんな~~!!」

 

 デュフォーが出した答え通り、清麿は自分よりも恵の方が好きとわかった鈴芽は大泣きし、逃げて行った。

 

コルル「鈴芽お姉ちゃん、可愛そう…」

 

清麿「(水野に俺は恵さんの事が好きだと言った男って何者なんだ?もしかすると……)」

 

 そういった事がわかる男は清麿の知ってる人物の中では同じアンサー・トーカーのデュフォーしか思い浮かばなかった。

 

マリル「これは避けて通れぬ道…、どちらかを選ばねばならぬ時。清麿はその時が早く訪れたのじゃ…。ガッシュやその友達もその時がいずれ訪れようぞ」

 

 清麿が悩んだ末、自分の正直な気持ちに従って恵を選んだ事にガッシュはその悩んでから出した答えの重さを感じ取った。

 

マリル「カラオム、私の護衛の者達と共にこ奴等を警察に引き渡すのだぞ」

 

カラオム「はっ」

 

マリル「ではそなた達、いつまでも沈んだ気分でいないで気持ちを切り替え、サーカスを見に行こうではないか」

 

チェリッシュ「いけない!後、1時間で始まるわ!急いで戻らないと!」

 

 犯人を警察に引き渡した後、一同は急いでサーカス会場に向かった。

 

 

 

 

サーカス会場

 ガッシュ達は無事に会場に到着し、準備が終わってからサーカスも始まった。

 

団長「レディース&ジェントルメン!本日は我がオロロンサーカスにようこそおいでくださいました!それでは、我がサーカスの妖精、チェリッシュの曲芸をご覧ください!」

 

 まずは、チェリッシュの空中ブランコから始まった。チェリッシュの華麗なる芸にガッシュ達は大喜びした。

 

ガッシュ「おお!直接見ると迫力が違うのだ!!」

 

 生で見た事にガッシュ達は大いに喜んでおり、パートナー達も喜んでいた。

 

恵「清麿君、一緒にサーカスを見る事ができて嬉しいわ。それに、私の事をはっきり好きって言ってくれたわね。私も清麿君の事が好きよ」

 

清麿「恵さん……。何だか、はっきり好きと言えて気分がすっきりしたよ」

 

 前の戦いの時と違い、意図しなかったガッシュの干渉によって清麿と恵はよりお互いを意識し合い、そして恋人同士になったのであった。

 

サンビーム「マリル王女はどのような話で日本政府との会談をしたのですか?」

 

マリル「1か月ほど前に出現した巨大な建造物についてじゃ。あれはカラオムらは建造物だと言っておるが、私からすればまるで檻に閉じ込められた巨人のようにも見える。そなた達は何か知っておるか?」

 

清麿「あれは魔界から来た魔界の脅威、魔導巨兵ファウード。超巨大な魔物です」

 

ウルル「まだファウードは封印されている状態で動けないのですが、ファウードを目覚めさせて人間界諸共残りの魔物達を一掃する魔物達がいるのです」

 

マリル「そうであったか……」

 

カラオム「まさか、このような……」

 

マリル「このまま放っておけば我が国はおろか、全ての国が滅びる…。よかろう、2度も私はそなた達に助けられた。今度は私達がそなた達を助けようではないか」

 

ティオ「助けるって…」

 

マリル「恵達をファウードへ送るのじゃ。どの道、そなた達は誰かにファウードまで送ってもらう予定であろう。私達にできる恵達への手助けはこれくらいであるがな」

 

清麿「いえ、マリル王女の心遣いには感謝しています」

 

 サーカスが終わり、外へ出てみると報道陣に囲まれていた。

 

清麿「げっ!こんな時に……」

 

恵「これはチャンスかも知れないわ」

 

 恵は報道陣の前に出てきた。

 

リポーター「恵さん、人質にされたというのは」

 

恵「皆さん、この場をお借りして話したい事があります。この私大海恵は…2歳年下の男性、高嶺清麿君と交際しています!」

 

 恵の発表に報道陣は質問した。

 

リポーター「では、恋人との出会いはいつごろだったのでしょうか?」

 

 それから、恵や清麿への質問攻めは続いた。

 

 

 

 

モチノキ町

 清麿に振られて鈴芽は泣きながら途方に暮れていた。

 

マリ子「鈴芽ちゃん、どうして泣いてるの?」

 

鈴芽「うぅっ…、高嶺君に振られちゃったの…。恵ちゃんの方が好きだって……」

 

 そこへ、中田夫婦が来た。

 

中田「水野、どうしたのかね?」

 

ワイフ「いつもの元気がないわよ」

 

鈴芽「先生、高嶺君に恵ちゃんの方が好きだって振られちゃって……」

 

中田「失恋したというのか……」

 

ワイフ「私も夫に出会うまでは色々と失恋したのよ…。その時の気持ちが蘇ってくるようだわ……」

 

中田「失恋は悲しくて辛いだろう…。だが、それを理由に悪い事をしてはいけない。今はしっかりと悲しみ、気持ちを切り替えなさい」

 

鈴芽「先生!!」

 

 鈴芽は大泣きしながら中田に泣きついた。マリ子と中田夫婦も鈴芽を慰めるのであった。

 

 

 

ファウード

 その頃、ファウードではゴームが小さな子供二人を連れてきていた。

 

リオウ「これで力が一つ増えた。残る力は二つ、その力でファウードの封印を壊し、解放するまでもう少しだ」

 

 ファウードの封印が解けるのがもう少しである事にリオウは笑みを浮かべていた。ゼオンに誘導され、まんまと利用されているとも知らずに。

 

 

 

 

某国

 一方のゼオンはリオウ達の動向を見張っていた。

 

ゼオン「ふふふ、今はファウードの封印を解く力が集まってるので浮かれているがいい、リオウ。そもそも、お前達の行動は俺に誘導されているのだからな…。そして、ファウードはこの俺が手に入れる。それまで頑張ってもらうぞ…」

 

 邪悪な笑みを浮かべ、ゼオンはリオウ一味の動きを見張り、ファウードの奪取の機会を伺っていた。

 

 

 

高嶺家

 その夜は恵はティオと共に清麿の家に泊まる事になった。

 

華「清麿ったら、遂に恵さんと付き合う決心をしたのね」

 

清麿「バレたらまずいとか思ってたけど、どっちにしろバレるから恵さんが公表するって」

 

恵「でも、隠す必要もなくなって安心したでしょ?」

 

ティオ「サーカスの公演が終わって外に出たらマスコミに囲まれて取材攻めだったしね」

 

華「私も見たわ。ニュースの名前も『大スクープ、大海恵に恋人発覚!!』って大々的に放送されていたのよ」

 

ガッシュ「私達も映っておったか?」

 

華「勿論映っていたわよ」

 

ガッシュ「嬉しいのだ!」

 

恵「清麿君、頼みがあるんだけど…」

 

清麿「頼み?」

 

 清麿は自分の部屋で恵を待っていた。

 

ガッシュ「母上殿、私はどうして来てはならぬのだ?」

 

華「恵さんは仕事でこういった日は少ないのよ。たまには清麿と一緒にさせてあげようね」

 

 清麿はカメラを準備していた。

 

清麿「(急にカメラを渡して恵さんは何をするつもりなんだ…?)」

 

 すると、恵がバスタオルを巻いた状態で来た。デボロ遺跡での戦いの時、事故ではあったものの、清麿は恵の裸を見てしまったため、あの時と同じではと思い込んだ。

 

恵「清麿君、私を撮影してね」

 

清麿「め、恵さんの裸を撮るんですか!?は、裸はちょっと…」

 

 バスタオルをとるのをやめさせようとする清麿だったが、恵はバスタオルをとった。バスタオルの下は裸ではなく、清麿からお土産としてもらったハイビスカス柄のビキニだった。

 

清麿「(これは…レインの所に行った時に恵さんへのお土産として送った水着だ…)」

 

恵「私は裸を撮ってとは一言も言ってないのよ。バスタオルを見て早とちりしちゃったわね。それじゃあ、私が色々ポーズをとるから撮影してね」

 

清麿「は、はい」

 

 恋人の水着姿に清麿は見とれながら写真を撮った。

 

恵「ありがとう。こうやって独占撮影できるのは私の恋人の清麿君だけの特権なのよ」

 

清麿「め、恵さんの水着姿は美しかった……」

 

恵「うふふっ、私が清麿君に頼み事をしたから、今度は清麿君の頼み事を聞くわ」

 

清麿「た、頼み事は……」

 

 思わず清麿は恵の胸に視線が行った。

 

恵「もしかして、私の胸を触りたいんでしょ?」

 

清麿「そ、そんな事は…」

 

恵「前にも言った通り、清麿君が触りたいのなら、触っていいのよ。さ、触りたいのなら躊躇しない!」

 

 清麿の頼みが自分の胸を触る事だと見抜いた恵は清麿の手を掴んで胸を触らせた。清麿も恵の好意に従って振り払おうとせずに両手で恵の胸を触って柔らかさなどを満喫した。

 

恵「(ここまで胸が大きい事が嬉しいのは初めてかしら…?)」

 

清麿「(恵さんの胸は触り心地が最高だなぁ…。程良い大きさだし、柔らかいし……)」

 

恵「やっぱり私の胸は清麿君にとって触り心地がいいのね。清麿君になら触られても怒らないから、触りたい時は遠慮しなくていいのよ」

 

清麿「そ、そうですか…」

 

恵「ほんとは私のブラをとってから触りたかった?」

 

清麿「は、裸は流石に…」

 

 まだ胸を触られるのは恥ずかしいものの、恋人に触られる事に恵は嬉しい様子だった。

 

 それから、恵はパジャマに着替えて清麿と一緒に寝る事にした。

 

清麿「近いうちにファウードへ行くしかなさそうだ…」

 

恵「明日から忙しくなるわね。清麿君、大好きよ」

 

清麿「俺も恵さんの事が大好きだ」

 

 愛し合う2人は次の戦いが始まる予感を感じて寝るのであった。

 

 

 

 

事務所

 翌日、恵はいつものように仕事に取り込んでいた。

 

マネージャー「社長、恵ちゃんは何だか今までより輝いてますね」

 

社長「その理由は至って簡単、恋してるからさ。恋をしてる女の子は輝くものだよ。宝石よりもね。昨日、清麿という恋人との交際を世間に発表したから、隠す必要もなくなってより生き生きとできるようになってるね」

 

マネージャー「はい。仕事をびっしり詰めているのは恋人の清麿君と旅行を予定しているそうで…」

 

社長「ま、本当は別の理由なのかもしれないけどね」

 

 実際はファウードへ行くための準備ではあったが、恋人である清麿と一緒に行くという事だけは共通していた。恵の所属してる事務所の社長も詳細はわからないものの、それは見抜いていた。

 

 

 

モチノキ中学校

 翌日、恵が清麿と恋人関係にある事を公に明かした事は学校中でも話題になり、金山達は清麿に猛烈な敵意を向けた。

 

金山「高嶺~~、俺達に隠れて恵ちゃんと恋に現をぬかしやがって!」

 

マリ子「恵ちゃんを独り占めするなんてどういう事よ!」

 

清麿「(やっぱり、俺の予想通りになった。こんな時に限ってどうしてアンサー・トーカーでも答えが出せないんだよ…!)」

 

山中「絶対に恵ちゃんとベットで一緒に寝たりしただろ!?」

 

岩島「高嶺君は日本中の男を。いや、世界中の男を敵に回したんだぞ!」

 

金山「俺達に黙って恵ちゃんを独占した高嶺を許すな!」

 

清麿「や、やめろ!俺は」

 

???「静かに!」

 

 そんな清麿の危機を救うかの如く、中田が来た。

 

山中「先生、高嶺は俺達に黙って人気アイドルの恵ちゃんと付き合ってたんですよ!」

 

中田「お前達、人はルールを守り、周りに迷惑をかけないのであれば誰にでも異性と付き合っていい権利はあるんだ。お前達が女性と付き合ってその女性と付き合う事に他の人から文句を言われたらどんな気分だ?」

 

金山「そ、それは……」

 

中田「お前達が責めている高嶺と同じ気分だろう。自分がされて嫌な事を他人にするな!」

 

清麿「先生……」

 

 その後、中田は清麿と話をしていた。

 

中田「高嶺、お前は大海恵と付き合う事を決めたのか」

 

清麿「はい」

 

中田「誰にも迷惑をかけてないのであれば私は何も言わん。これからも幸せにな」

 

 励ましの言葉を言って中田はその場を去った。

 

清麿「ありがとな、先生…」

 

 鈴芽はまだ失恋のショックは抜けていなかった。そこへ、マリ子が来た。

 

マリ子「どうしたの?鈴芽ちゃん」

 

鈴芽「…何だか、高嶺君はどこかへ行っちゃうような気がするの…。(高嶺君、恵ちゃんと幸せにね…)」

 

 その鈴芽の予想は当たっていた。そして、鈴芽は身を引いて清麿と恵の仲を認めたのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回は清麿の恋愛事情に決着を着ける話でしたが、自分は清恵派なので、清麿がもし恵と本格的に恋人同士になったとしたら、というのを描きました。鈴芽が好きな人にはすみません…。
今小説の邂逅編だけでなく、石版編にも登場したマリル王女ですが、小説を書いてる際にガッシュ達をファウードへ送迎するという役ができるのではないかと考え、ファウード編でも再登場させる事にしました。なお、原作で送迎を担当したアポロはレイラ達を連れて来るので遅れて来ます。
次の話はゼオンの使い魔からのメッセージがガッシュペアに送られます。
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