金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
高嶺家
コルルがしおりと親睦を深めていた頃、ガッシュと清麿は再び今後の事について話していた。
清麿「しおりさんが見つかったのはよかったが…、術の制御という別の問題が発生したな」
ガッシュ「ならば、私がコルルの特訓の相手になろう。マントやラシルドで防ぎ続け、コルルが術を制御できるまで」
清麿「それじゃあ、ガッシュの身が、って言いたい所だが、今の所はそうするしかねえか…」
ガッシュ「コルルを仲間にする事に成功したから、今度はティオを仲間にするのだ」
清麿「そのティオがどこにいるのかわかるのか?」
ガッシュ「簡単なのだ。ティオのパートナーは人気アイドル、大海恵なのだ」
清麿「大海恵?あの人気アイドルが魔物のパートナーだと!?なら、話は早いな。とりあえず、コンサートに行けばティオに会えるかも知れない。コルルとしおりさんも連れて行くか?」
ガッシュ「ティオに紹介したいし、親睦を深めるためにも連れて行くのだ。だが、ティオを消そうとマルスという悪い魔物が襲ってくるのだ」
清麿「戦いは承知の上だ。それで、マルスはどういった術を使う?覚えているのなら、教えてほしい。作戦を考える時の参考になる」
ガッシュ「ウヌ。マルスの術は…」
ガッシュはマルスの使える術がどういった術であるのかを清麿に教えた。
清麿「これでマルスの術がどういったものか全部わかった。コンサートの日になったら、お前の圧倒的な力でマルスをコテンパンにやっつけてやろうぜ!」
ガッシュ「おう!」
コンサート会場
コンサート当日、しっかり4人分のチケットを確保したガッシュペアはコルルペアを連れてコンサート会場に来た。
ガッシュ「(ウヌゥ、キャンチョメとフォルゴレは結局来なかったのう…。ロブノスも来ておらぬし…)」
清麿「すごい人だな…」
しおり「TVで見てたけど、人気アイドルは凄いわね」
???「高嶺君…、その人って…恋人…?」
声がした方には、ショックを受けている鈴芽の姿があった。
しおり「違うわ。私はガッシュ君の友達のコルルの保護者でしおりっていうの。よろしくね」
鈴芽「そうだったんだ。なんか私、昨日寝てるときに高嶺君が他の女の人と恋人になっちゃう夢を見たの。もしかして本当にそうなったりして……」
清麿「そんな都合のいい事が起こる訳ねえだろ(いいか、ガッシュ。俺としおりさんは水野達と一緒にコンサートを見てるから、ガッシュはコルルと一緒にティオがどこにいるのか探してくれ。もし、マルスって奴が現れたらコルルに俺に知らせるよう頼むんだ。いいな?)」
ガッシュ「(わかったのだ。それでは清麿、コルルと一緒にティオを探しに行くのだ)」
その頃、大海恵の控え室では…。
恵「ねえ、ティオ。やっぱりダメよ。コンサートは中止に…」
ティオ「まだそんな事言ってるの!?魔物の方は私に任せてって言ってるでしょ!絶対に邪魔はさせないわ!恵がファンを裏切ってどうするの!?恵はみんなの憧れなのよ。あなたの仕事はみんなを歌で元気づける事。あなたもそのためにアイドルになったんでしょ?集まってくれたファンのために歌いなさい!」
恵「でもね…そうしたらあなたが…」
じっと見つめるティオに恵は反論できなかった。
恵「わかったわよ。敵が来ない事を祈るわ」
ティオ「それでいいのよ。がんばりなさい!」
恵「はぁ…、今私達を追ってきている魔物、例の落ちこぼれのガッシュ君だったらよかったのにね」
ティオ「そうね。ガッシュだったら片手で捻ってあげられるのにね」
恵「…違うよ、ティオ。味方になってもらって…」
『味方』という言葉を聞いたティオの表情が一変して恵を睨んだ。
恵「…はぁ…、わかったわ。この戦いは周りの全てが敵だもんね」
ティオ「そうよ!私の前に現れるのはみんな敵なのよ!たくさん倒した子が強くなって生き残れるのよ!それに、あんな弱虫で泣き虫の落ちこぼれがこの戦いで勝ち残れてるわけないじゃない。とっくの昔に魔界に帰ってるわよ」
ガッシュはコルルを連れてティオを探しに行った。
コルル「ガッシュ、関係者以外立ち入り禁止の場所に入っていいの?」
ガッシュ「向こうからティオの魔力を感じるのだ。あそこを通らねばティオに会えぬのだ」
一方の恵は出番になった。
マネージャー「恵ちゃん、出番よ」
恵「あ、はい」
ティオ「頑張ってね、恵」
恵「(やせ我慢して…。味方はいない、周りは敵だけなんて…。でも、私達の力は守りの力。攻撃呪文は弱すぎて役には立たない。今までは必死に逃げてきたけど…もう…もう…)」
マネージャー「恵ちゃん、顔が暗いわよ。笑顔、笑顔!」
恵「はい!(ダメダメ、切り替えなきゃ。ステージに集中よ!ここで暗い顔してたら、またティオに怒鳴られちゃう!)」
気持ちを切り替え、恵はステージに立った。
恵「みんなー!今日は来てくれてありがとー!!」
恵の登場に観客は大はしゃぎした。
しおり「ほんとにコンサートに来てよかった~~!!」
清麿「(しおりさんまではしゃぐなんて…。すげえ、これがアイドルの力か…。ガッシュはもうティオを探し出せたのか…?)」
一方のティオは控え室の前にいた。
ティオ「ふふ、始まったようね。さ、あとは私の仕事よ。もし敵が来るとしたらこの関係者用の裏口一つ!この扉の前に立って敵を待つ。本当にやつらが来たら、私が囮になってなるべく会場から離れた所に逃げる!これで完璧よ!誰にも恵のコンサートの邪魔はさせないわよ!……本当に逃げ切れるかな…」
不安になったティオはふと、恵の言葉を思い出した。そして、自分がマルスから受けた仕打ちを思い出していた。
ティオ「…そうよ…、味方なんて…一人も…いないのよ…」
そう思っていると、ガッシュとコルルが来た。
コルル「ガッシュの言った通りだ!」
ティオ「…ガッシュ…、コルル…」
ガッシュ「お!ティオではないか!久しいのう」
ガッシュを見た途端、ティオは鬼のような形相で迫り、ガッシュの首を絞めた。
ティオ「ガッシュ、あんたまで私を倒しに来るとはねー!」
コルル「違うよ、ティオ!ガッシュは」
ティオ「コルルまで私を倒しに来たのね!ってか、どうしてガッシュとコルルは一緒にいるのよ!」
コルル「それは」
???「ハハッ、やっと見つけ、ガッシュと見慣れない奴がいるな」
声と共にマルスとパートナーのレンブラントが来た。
マルス「…まぁ、いいや。今日は3体も一気に潰せるのだからな。まずは、ティオにするか…その後、ガッシュと見慣れない奴を潰し、締めにコンサートを潰してやるよ」
ティオ「だ、ダメよ!それだけはやめて!!」
マルス「そんな事、誰が」
ガッシュ「マルス、その言葉、取り消せ!そして、もう二度とティオの前に姿を現すな!」
さっきの無邪気な態度とは打って変わって凄まじい怒りと気迫でゆっくりマルスに近づいた。
マルス「(な、なんだ…?何で俺が怯えているんだよ…。あんな落ちこぼれの気迫に怖気づくなんて…)」
ガッシュ「コルル、急いで清麿を呼んでくるのだ。術なしでマルスとどこまで渡り合えるか知らぬが、清麿が来るまでは耐えてみせよう」
コルル「うん!」
ティオ「ちょっとコルル!」
急いでコルルは清麿を呼びに行った。
ガッシュ「ティオ、私の事が信じられぬか?」
ティオ「ガッシュ…」
ガッシュ「お主が私の事を信じてくれなくてもよい。お主のパートナーの恵殿のコンサートは私が守ってみせよう。だから、ここから逃げるのだ」
マルス「術なしで俺と渡り合う?バカじゃねえのか?パートナーがいなきゃ、お前はただのガキじゃねえか」
ガッシュ「それはどうかな?この戦いに参加しておる魔物は術無しでも強い者もそれなりにいるぞ。そしてその言葉、そっくりそのままお主に返してやろう!」
マルス「言わせておけば言いたい放題言いやがって…!レンブラント!」
レンブラント「ガロン!」
マルスの手から巨大な鉄の鎖が出た。だが、ガッシュはマントで軽く受け止めて弾いた。
マルス「ま、マントで受け止めた?」
ガッシュ「何をしておるのだ、ティオ!早く逃げるのだ!お主は後でゆっくり話がしたい」
ティオ「ガッシュ…」
迷った末、ティオはその場から逃げる事にした。
マルス「ガッシュ、ティオの後にしてやろうと思ったが、言いたい放題言いやがったからお前から消してやる!」
言い終わって前を見ると、ガッシュはいなかった。
マルス「何処に行った?」
???「ここだ!」
声がした方は、上だった。飛びかかったガッシュはマルスの懐に潜り込んで顔面にパンチを入れた。
ガッシュ「言ったであろう。術なしでも強い魔物もそれなりにいると」
マルス「この野郎…!俺の術をマントで防げるからっていい気になるな!!レンブラント!」
レンブラント「エイジャス・ガロン」
頭に血が上ったマルスは次々とガッシュに攻撃を仕掛けた。勝負はガッシュの優勢ではあったのものの、過去の体に戻ってしまったが故、王族の力に目覚めていても体の鍛え方が足りないガッシュは自身の最も強い頃の身体能力は出せなかった。
ガッシュ「(やはり、過去の体故、鍛え方が足りぬのか…)」
その頃、コルルは清麿にマルスが来た事を伝えていた。
清麿「わかった、すぐに俺も向かう!」
同じ頃、ガッシュに言われて逃げたティオも恵を呼んでいた。
恵「ティオ!敵ね、敵が現れたのね!」
ティオ「うん、ごめん…。本当にごめん…」
ティオペアが駆け付けると、術無しでマルスと戦い続けているガッシュの姿があった。
恵「ティオ、本当に…あの子が落ちこぼれのガッシュ君…?」
ティオ「そうなんだけど…、どうして呪文が使えないのにマルスと戦えるのかわからない…(あれが…、あのガッシュ…?)」
勇敢に戦うガッシュが本当に自分の知ってるガッシュなのかと疑問に思うティオであった。術が使えないのに自分と渡り合うガッシュにマルスは苛立っていたが、恵が来たため、ある事を閃いた。
マルス「予定変更だ。あっちの方を狙うぞ」
レンブラント「ガンズ・ガロン!」
マルスの手から飛ばされる無数の鉄球をガッシュはマントで防いだ。しかし、何発かはガッシュの頭上を素通りして恵の方へ行った。
ガッシュ「しまった!」
恵「(呪文の発動が間に合わない!)」
???「危ない!」
鉄球が恵に迫った時、清麿が駆け付けて恵を押し倒す形で伏せさせた。
清麿「ぐあっ!」
しかし、その際に清麿は何発か鉄球を受けてしまった。恵は自分の置かれた状況を確かめてみると、急いで伏せさせてくれたとはいえ、その際に清麿に抱きしめられていた。
清麿「怪我はないですか?」
恵「ないけど…(何、この人…。とってもかっこいい…)」
清麿「そう。よかった(間近で見るととても綺麗だ…)」
清麿と恵はお互いに声に出すのが恥ずかしい想いが芽生えていた。
清麿「安心してください。コンサートは俺とガッシュが守ります」
ティオ「(この人が…、ガッシュのパートナー…)」
清麿「ガッシュ、奴等から目を離すな」
ガッシュ「おう!」
マルス「どこまでも邪魔が入りやがって!!」
レンブラント「ガロン!」
清麿「ザケル!」
恵と共に起き上がった後、清麿は前を向かずにザケルを唱えた。ガロンとザケルがぶつかり合ったが、競り合いにすらならずにザケルがガロンを一方的に破壊し、マルスとレンブラントを襲った。
マルス「お、俺の術が、ぐあああっ!!」
凄まじい威力のザケルを受けたマルスとレンブラントは一気にコンサート会場の外まで吹っ飛んだ。
ティオ「何!?あれがガッシュの術!?マルスの術を簡単に打ち破るなんて!初級どころか、明らかにギガノ級の術の威力じゃない!」
恵「(ギガノ級…?)魔界にいた頃からガッシュ君はあの威力の術が使えたの?」
ティオ「違う。もっと威力は低かったのに…。第一、ガッシュじゃあんな威力の術が撃てるはずがないのにどうして…?(それに、パートナーは振り返りもしないで…)」
清麿「外まで吹っ飛んだか…あんた達は安全な所へ。あいつらは一歩たりともこの会場内には入れさせん」
ティオ「ま、待って!何で、何で助けてくれるの!?」
清麿「俺には、何で君らがそんな事を聞くのが不思議だよ」
ガッシュペアはマルスを叩きのめすため、外へ出た。そこへ、コルルが来た。
ティオ「コルル!」
コルル「ティオも清麿お兄ちゃんとガッシュの戦いを見届けよう」
外にふっとばされたマルスはふらふらになっていた。
マルス「この野郎…!落ちこぼれのくせになんて威力だ…!」
清麿「どうした?落ちこぼれの一番弱い術たった一発でこのザマか?」
マルス「一番弱い術!?ふざけやがって…!!」
ティオ「(弱い術?あれで一番弱い術なの!?じゃあ、強い術の威力はあんなものじゃないとでもいうの!?)」
レンブラント「ガロン!」
清麿「ザケル!」
再びザケルとガロンのぶつかり合いになったが、結果はさっきと同じでザケルがガロンを粉砕してマルスを吹っ飛ばした。
マルス「だったら…!」
レンブラント「エイジャス・ガロン!」
清麿「ガッシュ、俺をマントに包んでその場から離れろ!」
ガッシュ「ウヌ!」
エイジャス・ガロンを見た途端、清麿はガッシュに指示を出し、ガッシュは清麿をマントで包んでその場を離れた。すると、鎖付き鉄球が出てきたが、ガッシュはかわした。その後、ガッシュはマルスの背後をとった。
清麿「ジケルド!」
ジケルドをマルスは受けた。マルスは異常な威力のザケルを二発も受けたため怯えたが、何ともなかったため、威張りだした。
マルス「…ふふふ、ふはははっ!何をしたかは知らねえが、意味のねえ術を覚えるとはやっぱり落ちこぼれだな!レンブラント、数だ、数で勝負だ!」
レンブラント「ガンズ・ガロン!」
再びガッシュに向けて無数の鉄球が放たれた。しかし、途中で鉄球はマルスの方へ戻っていき、次々とマルスにぶつかっていった。
マルス「ぐがっ!俺の術が俺を襲うなんて!」
清麿「やっぱり、俺の考えた通りになった。どうだ?自分の術を自分が受ける気分は」
マルス「そんな!俺の術を初めて見ただけでどういったものかわかるんだよ!」
清麿「生憎、俺はガッシュと出会う前にお前とティオの戦いの現場を見た事があるんだ。だから、お前の攻撃は全て知っている」
マルス「くそう!くそう!」
この清麿の言葉は戦う前に考えた嘘ではあるが、ガッシュから聞いた事でマルスの術を全て知っているのは事実であり、冷静な判断力を失っているマルスに信じ込ませるには十分な内容であった。
清麿「ガッシュ、あいつをブン殴ってやれ!俺もパートナーをブン殴る!」
マルスが一方的にガッシュにやられている光景にティオは驚きを隠せなかった。
ティオ「凄い、マルスを一方的に叩きのめしているなんて…何であそこまで私達を助けようとするの…。なぜ私達を」
恵「…きっと、あの子達は私達よりずっと戦ってきたのよ。さっきだってそう…本の持ち主が後ろを向きながら敵に攻撃を当てる事なんて普通できないわ。それだけ、辛い戦いを重ねてきたんじゃないかしら?」
コルル「その通りだよ。ガッシュはあのブラゴとも戦った事があるから」
ティオ「ブラゴ!?あのブラゴと戦って生き残れたなんて…」
ガッシュとマルスの格闘戦は完全にガッシュの優勢であった。同時にパートナー同士の殴り合いも清麿は機転を利かせつつ、優位に運んでいた。
マルス「くそう…、俺がこんな落ちこぼれに負けてたまるか!レンブラント、最大呪文だ!」
レンブラント「ギガノ・ガランズ!」
巨大なドリルがガッシュを襲う。
ティオ「ガッシュ!恵!」
恵「ええ!マ・セシ」
清麿「ザケルガ!」
ギガノ・ガランズを見ても清麿とガッシュは動じないままザケルガを放った。ザケルガたった一発でギガノ・ガランズは瞬時に破壊された。
マルス「そんな…、俺の最大呪文がこうもあっさり破られるなんて…!ぐがぁあああっ!!」
そのままザケルガはマルスに命中し、大きく吹っ飛ばした後、マルスは倒れた。
レンブラント「あ…あ…」
凄まじい強さと気迫を持つガッシュと清麿の姿にレンブラントは恐怖で戦意が揺らいでいた。ほどなくしてマルスは立ち上がった。しかし、余裕は全くなく、パートナー同様、怯えていた。
ティオ「(マルスが怯えている?)」
マルス「くそっ…、なぜこんなに邪魔をする……!てめえらには関係ねえだろ…!ティオ達を庇ったって……どうせあいつらとは…敵に」
話している最中にガッシュはマルスを殴った。
ガッシュ「関係なくはない!ティオは…私の友達だからだ!それに、お主にとっても友達であったであろう!私の友達を傷つけ、自分の友達を捨てたお主の歪んだ心は私が打ち砕く!」
ティオ「友達って、魔界にいた頃からそういう所は全然変わってないじゃない…」
コルル「友達のためなら、いかなる困難にも立ち向かうのがガッシュだよ」
マルス「ふ、ふざけるな!!何で、この俺様がガッシュごときに倒されなければならん!俺は王に」
激しい怒りと共にマルスを睨みながらゆっくりガッシュは近づいた。落ちこぼれとバカにしていたガッシュに最大呪文を簡単に破られ、気迫と怒りに威圧されたマルスの心は恐怖と絶望に染まっていた。
マルス「あ…、あ、あ……、来るな、来るな来るな!!」
レンブラント「ガンズ・ガロン!」
無数の鉄球をガッシュはマントで全て弾いた。そんな中、ガッシュの本が輝いた。
清麿「これは…、新呪文?」
ガッシュ「試してみるのだ」
清麿「ああ。第八の術、マーズ・ジケルドン!」
ガッシュの口から赤い球体が発射され、球体はガンズ・ガロンを弾きながらマルスを吸い込んだ。
マルス「な、なんだ、これは…?ぐああああっ!!!」
球体から抜け出そうとしたマルスは凄まじい電撃が走った。動くと電撃が走る事も知らず、マルスは痛みで暴れ出そうとしたため、さらに電撃を浴び続けるという悪循環に陥った。
恵「あの技、まるで拷問みたい…」
清麿「この術は魔物を閉じ込める術なのか」
ガッシュ「もうこれくらいでよかろう。次の一撃で本を燃やすのだ」
術を解くと、マルスは倒れ込んだ。
清麿「マルス、お前のようなクソ野郎はこの一撃で人間界からいなくなれ!テオザケル!」
レンブラントが死なないように加減したテオザケルにマルスはパートナーごと飲み込まれ、マルスの本は燃えてしまった。
清麿「どうだ!?バカにしていた奴に手も足も出ずにやられる気分は!?二度とティオとガッシュをバカにするんじゃねえぞ!」
ガッシュ「マルス、この痛みを以てティオが受けた苦しみと気持ちがわかったであろう!魔界でこれまでのティオへの仕打ちを反省するのだ!」
マルス「ち、ちく…しょう……。レンブラント…」
レンブラント「お、おう…」
マルス「この先……、魔物に会う事が…あったら…ガッシュとティオを…潰すように伝えろ……。モチノキ町に…いるとな……」
レンブラント「…できればやっておこう」
激痛と恐怖で意識が途絶えたマルスはそのまま魔界へ送還された。マルスの遺言を聞いたレンブラントはその場から逃走した。
ティオ「(ガッシュ、いい人に会えたのね。ガッシュが強くなったのもわかる気がする。でも、この戦いで生き残るのは…)」
マルスを倒し終わった後、ガッシュペアは振り向いた。
ティオ「(そう…ガッシュ達が助けてくれた気持ちは嘘じゃない!ガッシュもあの人もいい人よ!でも、ガッシュも王様になりたくて戦っている。その気持ちも事実。私達は…やっぱり戦わなくちゃいけないのよ!だけど、勝てるの?マルスの術を簡単に破ったガッシュに…)」
清麿「さ、早くコンサートに!急がねえとファンが待っているぞ!」
ガッシュ「ちょうどマルスを倒し終わった事だし、ティオとゆっくり話がしたいのだ。コルルも久しぶりに同じクラスのティオと話がしたかろう?」
コルル「そうだよ」
ティオ「(…嘘、そんなはずない!この戦いに仲間なんていないんだ!どんなに信用してたって…、どんなに昔から仲良しだからって…、どんなに昔から変わってなくったって…周りは全員敵なんだ!)何で戦おうとしないのよ!生き残るのは1人だけなのよ!あなたと私は敵同士でしょ!?そもそも、ガッシュは敵のはずのコルルと一緒にいるのよ!」
ガッシュ「さっきの言葉を聞いておらぬのか?お主は私の友達だ。だから、戦いたくない」
ティオ「そ、そんなの関係ないでしょ!コルルこそどうして私やガッシュと戦わないのよ!仲間なんていないのよ!」
コルル「…ティオ、私も初めは敵に怯えながら過ごしててこの戦いに味方なんていないと思っていた…」
ティオ「なら、何で!?」
コルル「でも、ガッシュは一緒にいていいって言ってくれて嬉しかったの。それにね、ガッシュはある女の子と「優しい王様」になる約束したんだって。戦いたくないのに戦わされるこんな辛い戦いを終わらせるために。だから、私もそれを手伝っているの。まだ、パートナーも見つかったばかりで術の制御もできてないけど…。だから、ティオも一緒に目指そう、優しい王様を」
ティオ「……2人共何かっこつけてるのよ…!ハハハハハッ!落ちこぼれのガッシュと大人しすぎるコルルのくせに!や、優しい王様!?バカね、あんた達みたいな弱虫と内気な子に、かかか、叶えられるわけないじゃない!だ…、だから…、私も優しい王様を目指してあげるわ。私達が最後まで残ったら、誰かが勝っても優しい王様よ」
ガッシュ「ウヌ、その通りだ」
ガッシュ、ティオ、コルルの三人は手を合わせた。ちょうどそこへ、しおりが来た。
しおり「コルル、戻ってくるのが遅いけど…」
コルルを見つけたのと同時にしおりは恵の方へ視線が向いた。
しおり「ま、まさかあの大海恵さんとこんな場所で会えるなんて!サインください!」
恵「あ、はい…」
しおりにサインをしてほしいと頼まれた恵はサインした。
しおり「ありがとうございます!」
ティオ「ねえ、あの人がコルルのパートナー?」
コルル「そうだよ。ティオもしおりねーちゃんに挨拶してね」
ティオ「私がコルルと同じクラスのティオよ。しおり、よろしくね」
恵「しおりさん、私の事は普通に恵でいいわ。歳も同じぐらいだから」
しおり「じゃあ、私の事もしおりで。ティオとコルルは魔界では同じクラスの友達って聞いてるから、私達も同じ女子高生同士よろしくね。携帯電話の番号でも交換する?」
恵「そうしましょう。いざという時の連絡手段にもなるわ」
清麿「よかったな、ガッシュ。ティオが仲間になってくれて」
ガッシュ「ウヌ。恵の都合がいい時はみんなで特訓しようかのう」
清麿「それ、いいな。戦いもだんだん厳しくなってくるだろうし、みんなで強くならなきゃな」
ガッシュ「清麿、恵を見る時は顔が赤くなっておったぞ。どうしたのだ?」
清麿「そんな事はどうでもいいだろ!」
ガッシュ「(ウヌゥ、私が前の戦いで一緒に戦った清麿は恵を見ても顔は赤くなっていなかったのだ。やっぱり、この王を決める戦いが違ってるように清麿も少し違うのであろうか…?)」
こうして、ガッシュペアにはコルルペアのほかに新たな仲間にティオペアが加わった。コンサートが終わって恵はティオと共に帰る準備をしていた。
ティオ「恵、やけに清麿に視線が行ってたけど、もしかして…」
恵「え、えっと…」
ティオ「わかった!ひょっとして恵、清麿に恋をしたんでしょ!?」
図星を突かれた事で恵は赤面した。
ティオ「かっこいい人からあんな風に抱きしめられたら好きになっちゃうよね。清麿も恵をやたら気にしてた様だし」
恵「もう、ティオったら!(でも、ティオの言っている事も間違いではないけどね)」
ティオ『恵のほかに信じられる人がいた…。こんな戦いの中でも…まだ…、4人だけど…』
これで今回の話は終わりです。
アニメでは恵が清麿に惚れるだけでなく、清麿も明確に恵に惚れていたため、今小説では清麿と恵がお互い惚れるきっかけをより大胆でわかりやすく描きました。自分は清恵派であるため、今後も清麿と恵のラブラブぶりはきっちり描いていきます。その代わり、鈴芽はその代償として事ある毎に悲惨な目に遭うと思います。
マルスとの戦闘は原作の描写に加えてゼオンvsリオウも参考にして王族の力が目覚めているガッシュが一方的にマルスをフルボッコにする爽快感溢れる内容にしています。
次はガッシュペア、ティオペア、コルルペアの3組揃って特訓ですが、出番が飛んでしまったキャンチョメとフォルゴレも出てきます。