金色のガッシュベル!!SECONDLAP   作:アンドロイドQ14

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LEVEL60 ファウードの封印を解け!

某国

 そして翌朝、アポロはアルベールらを迎えに行っていた。

 

アルベール「休暇をとるのが遅くなって済まない!」

 

アポロ「すぐにニュージーランドへ向かうぞ!ニュージーランドに着いた後、マリル王女達と一緒にファウードが復活した際の対策を考えよう!」

 

レイラ「ええ。アル、行くわよ!」

 

アルベール「おう!」

 

 

 

 

ファウード

 一方、ファウードの封印が解けるかどうかわからないのと、ガッシュ達の侵入等が重なり、リオウは苛立ちが募る一方だった。

 

リオウ「くそう、何たる様だ!ガッシュ達には逃げられ、おまけにファウードの封印が解けるかどうかわからんとは!」

 

ザルチム「リオウ、ウォンレイをひっ捕らえてきたぞ。これで足りるか?」

 

リオウ「いや、足りるかどうかわからん。アースが協力しないのなら、ウォンレイがいても足りん可能性が高い」

 

ザルチム「とすると、ディオガ級の術を持つ魔物の大半がいるガッシュ達をどうにかするしかないようだな」

 

 

 

 捕らえられたウォンレイ達は牢に入れられていた。

 

リィエン「清麿達、大丈夫あるか…?」

 

ウォンレイ「私達にできる事は清麿達を待つ事だけだ」

 

フォルゴレ「そう言えば、牢に入れられる時に『ウォンレイがいても力が足りない』とかの声が聞こえたよ」

 

キャンチョメ「もし、そうだったら、ジェムの命は…」

 

ウォンレイ「(みんな、準備を終えたら早く来てくれ。遅れたら取り返しがつかなくなってしまう…)」

 

 

 

 

ファウード 魔界に帰す装置がある部屋

 同じ頃、ファウードを魔界に帰す装置がある部屋の前では、ガッシュ達は夢を見ながらスヤスヤ眠っていた。

 

 

 清麿と恵は互いに夢の中では新婚生活を送っていた。

 

清麿「メグ、あと数か月したら赤ちゃんが生まれるな」

 

恵「そうね。マロ、私は赤ちゃんの名前は何にするか迷ってるの。マロはどういった名前にするの?」

 

清麿「う~ん……男の子の場合とか女の子の場合を考えると、正直どういった名前にするのか悩むなぁ…」

 

恵「よく考えてから決めましょう」

 

清麿「そうだな」

 

 

 

恵「清麿君、私は清麿君の事がとっても大好き……」

 

清麿「俺も大好きだよ、恵さん……」

 

 寝言でもお互いの事を言い合う2人であった。そんな中、モモンが起きた。

 

モモン「この感じは……みんな、みんな起きて!」

 

 モモンは慌ててガッシュ達を起こした。パートナー達は精神的疲労のせいでなかなか起きなかったが、魔物の方はすぐに起きた。

 

ティオ「どうしたの?」

 

モモン「こっちに来ているんだ。強い魔物が2体」

 

パティ「強い魔物って…」

 

ガッシュ「(この魔力はアースとカルディオだな……)」

 

???「そこにいる者は何奴?」

 

 今回は最短距離で先にガッシュ達がファウードを魔界に帰す装置がある部屋に来たため、アース達は後から来た。アースの放つ殺気で清麿達も起きた。

 

ガッシュ「清麿!」

 

清麿「殺気で目が覚めた。しっかり寝たから体力も心の力も満タンだ!」

 

しおり「それに、誰かが私達が寝ている間に運んでくれたのね」

 

レイン「大半は俺が運んだけどな」

 

サンビーム「まさか、カルディオが来るとはな…」

 

アース「ふん、よもや貴公らに先を越されていたとはな。バオウの使い手とその仲間達」

 

サウザー「カルディオ、お前の言った通りだったな」

 

カルディオ「パル」

 

サウザー「まさかとは思ったが、あの馬がこんな所にいたとはな」

 

アース「貴公ら、何の用かは知らんが、我が目的が達成が目前まできたこの時、何人たりとも邪魔はさせん!消えてもらうぞ」

 

サウザー「アース、他の魔物に存在がバレねえようにあんたに教えてもらった気配を消すって技をやってきたが…、もういいよな?」

 

モモン「(気配を?それで、僕も気付かなかったのか)」

 

サウザー「気を放ち、全力でこいつらと戦うぜ!」

 

 カルディオとアースは気配を消すのをやめた。

 

恵「待って、私達はあなた達と戦いに来たんじゃないの!」

 

清麿「俺達はファウードを止めるために来たんだ!」

 

アース「ならば、扉の向こうの装置をなぜすぐに起動させん!?今すぐに起動させなければチャンスはもう訪れないのだぞ!」

 

しおり「それって、リオウの呪いをかけられた人達に死ねと言ってるのと同じじゃない!」

 

コルル「アースとカルディオはそんなひどい事をして平気なの!?」

 

アース「某とて好きでやってる訳ではない!だが、この人間界を守るにはそれ以外に方法はない!」

 

サウザー「邪魔するんだったら容赦しねえぞ!例え何人束になって邪魔して来ようともぶっ飛ばしてやる!ディオギコル・ギドルク!」

 

 早速、サウザーはディオギコル・ギドルクを発動させた。

 

サンビーム「この場はやむを得ないか…。ディオエムル・シュドルク!」

 

 ウマゴンは炎の鎧を纏い、カルディオとの炎と冷気のぶつけ合いになった。

 

カルディオ「(ウマゴン、あの時、俺達は仲間達がいる事による底力を侮っていたからお前に負けた。だが、今の俺にもその思いはわかる。いや、それ以上の思いがある。そんな思いになれたのも…、お前のお陰さ!)」

 

 カルディオの冷気がウマゴンの炎を押した。

 

サンビーム「(あいつら、以前戦った時より強くなっている!一体、あれから何があったんだ?そもそもあいつらは他の魔物と手を組む事を嫌っていたはず。それがなぜ…?)」

 

サウザー「アース!」

 

アース「承知!」

 

 アースはガッシュ達に襲い掛かった。

 

パティ「来るわよ!」

 

ガッシュ「アース、聞いてほしいのだ!」

 

アース「問答無用!」

 

チェリッシュ「こうなったら、戦うしかないわね。ニコル!」

 

ニコル「ガンズ・ゴウ・コファル!」

 

 連射される宝石をアースは全て剣で弾いた。そして、ガッシュ達に振り下ろそうとした。

 

恵「セウシル!」

 

 ティオの盾でアースの剣は防がれた。

 

ティオ「そう言えば、あのアースって魔物は術を使ってこないわね」

 

ウルル「もしかすると、アースのパートナーも…」

 

アース「察しがついているようだな。その通り、我が本の使い手も呪いをかけられている!そして、封印を解かず、今すぐファウードを魔界に帰す事、それがこの子の意思だ!」

 

 エリーも呪いがかけられている事に既にその事を知っているガッシュペア以外は衝撃を受けた。

 

恵「じ、自分の命を捨ててでもファウードの封印を解かないの…?」

 

ニコル「そんな事って…」

 

ガッシュ「アース、お主は本当にエリーが死んでもいいと思っておるのか!?」

 

アース「それは…」

 

エリー「これで世界が救われるのだ…。ならば…、俺の命一つくらい…」

 

清麿「ふざけんじゃねえ!!どうして自分の命の価値を軽く考える!?」

 

エリー「何だと…!?」

 

恵「あなたが死んだら悲しむ人達だって多いのよ!今すぐに思い直して!」

 

清麿「…俺はな、ある男に会った事がある。そいつは今のお前のように『自分はいつ死んでもいい』とか言っていたんだ。お前を見てるとそいつを思い出すんだよ!世界が救われるために命を捨てるとか、いつ死んでもいいとか考えるんじゃねえ!俺達が何としても命を救うぞ!」

 

ガッシュ「(清麿の言う男はデュフォーの事だな…)」

 

レイン「アース、お前だって本当はパートナーを助けたいはずだ!それに、お前達の目的もファウードを止める事だろう。ガッシュに力を貸してくれ!」

 

 ガッシュ達がエリーを救おうとしている姿にアースは剣を下げた。

 

エリー「どうした?アース!」

 

アース「……貴公らの協力を認めよう。だが、装置の動かし方はわかるのか?」

 

ティオ「清麿を甘く見てもらっては困るわよ。清麿はアンサー・トーカーだから動かし方もわかるのよ」

 

アース「アンサー・トーカー?」

 

ニコル「『どうすればいいのか』という疑問に関して瞬時に最適な答えが出せる人の事よ。戦闘はもちろん、こういった未知の文字の解読とかにも使えるの」

 

アース「そうか!だから、某の剣の特性もすぐにわかったというのか!」

 

清麿「ああ。それと、エリー達にかけられている呪いのタイムリミットは?」

 

アース「後、20時間だ。ここの次の日の日の出と共にリミットが来る」

 

清麿「次の日の夜明けか…」

 

エリー「アース、何をしている…」

 

エル「無茶をしてはいけません!」

 

チェリッシュ「あなたのような子を私達は放っておけないの。安静にしてなさい」

 

 エリーをカイルと一緒に安静にした。

 

サンビーム「清麿、ここからファウードの封印の場所までどれぐらいかかる?」

 

清麿「みんなをウマゴンで運ぶ事ができないから徒歩で行けば……最短距離だと最低でも2時間ぐらいはかかる」

 

パティ「かなり大変ね…」

 

ウルル「でも、そうしないとみんなを救う事はできませんよ」

 

 前の戦いの時と違い、清麿はアンサー・トーカーで機械の操作やタイマーのセット、ロックの解除などを行った。途中、休憩や食事、万一、アンサー・トーカーが使えなくなった時のための保険として魔界の文字の学習、次の夜明けに備えるための睡眠等を挟みながら行った結果、残り5時間となった。

 

アース「これが、アンサー・トーカーの力か……」

 

清麿「これで何とかなりそうだ(後は、ゼオンとデュフォーがここへ来ない事を祈るだけだ。このロックは同じアンサー・トーカーだとすぐに外されてしまう…。一応はタイマーを変えられた時の事を想定して色々な仕掛けをしておいたんだがな…)」

 

恵「とすると…、これでファウードはすぐに魔界に帰ってジェム達を救えるのね!」

 

ニコル「でも、ゲルマディック海溝に沈めるなどの仕掛けをどうしてしたの?」

 

清麿「もし、タイマーが故障したり何者かに変更されてファウードを魔界に帰す装置が作動しなかった時の保険さ。それに、ファウードは泳げるらしいから沈める事はできなくても少しは時間を稼ぐ事はできるだろう」

 

サウザー「本当にどうにかなっちまったな……」

 

カルディオ「パルパルモーン(サウザーも本当は嬉しいんだろ。仲間のエリーの命を救える上、故郷の妹も守られるからな)」

 

しおり「今から出発する?」

 

清麿「ああ。途中で休憩をとったりしながらファウードの封印を壊しに行こう!」

 

ガッシュ「よかったのう、アース!」

 

アース「清麿、本当にかたじけない…」

 

レイン「流石はガッシュとそのパートナーだ。相反する事を同時にこなすとは」

 

 エリーが助かるのにアースは涙を流していた。そして、一同は部屋を出た。その時、チェリッシュの足が止まった。

 

ティオ「どうしたの?チェリッシュ」

 

チェリッシュ「デボロ遺跡の時の悪寒がまたしたのよ」

 

モモン「後、僕が半年以上も前に感じたような強大な魔物の気配を一瞬だけど感じたんだ…」

 

コルル「どんな気配だったの?」

 

モモン「それが……ガッシュよりも強大な気配だったんだ……」

 

ガッシュ「(私より強大な気配……。もしや、ゼオン!)」

 

ニコル「とりあえず、今は行きましょう」

 

 ガッシュ達が部屋から出た後、入れ替わるようにゼオンペアが来た。アースが扉の鍵穴に貼っていた魔法の紙を丁寧に剥がし、マントを合い鍵代わりにして扉を開け、部屋に入った。

 

ゼオン「ガッシュの奴、仲間と共にこの部屋で何をしていたんだ?」

 

 辺りを見回すと、コンピュータなどがあった。

 

ゼオン「これは?」

 

デュフォー「ファウードを魔界に帰す装置だ。まぁ、逆にファウードを人間界に送る事も可能だがな」

 

ゼオン「デュフォー、このコンピュータを調べてくれ」

 

 アンサー・トーカーの力を使い、デュフォーが操作すると、タイマーなどの情報が出た。

 

デュフォー「このタイマー、ファウードの封印が解けるとすぐに魔界に帰されるようにセットされている」

 

ゼオン「こんなものを魔界に帰すだと?舐めた事をしてくれるな、清麿、ガッシュ」

 

 ふと、ゼオンはある事が思い浮かんだ。

 

ゼオン「そうだ、このタイマーを利用してやろう」

 

デュフォー「タイマーの機能をだと?」

 

ゼオン「魔界に帰る時間をファウードの封印が解けてから数百分単位で経過しないと作動しないようにセットし直すんだよ。そうすれば、ガッシュ達は焦るぞ。そして、念のためにエネルギーカットができないようにすればリオウ達は大慌てになるし、この装置を止めるためには部屋に来てぶっ壊すなりするしかなくなる。やれるな?デュフォー」

 

デュフォー「ああ。俺のアンサー・トーカーを以てすれば簡単な事だ」

 

 デュフォーはコンピュータを操作し、タイマーをファウードの封印が解けてから410分後に魔界に帰るようにセットし、さらにはエネルギー系統のシステムに細工をしてファウードを魔界に帰す装置へのエネルギーカットができないようにした。

 

デュフォー「他の機能はどうする?」

 

ゼオン「今は放っておけ。この部屋を出る前に清麿がかけたのと同じロックをかけるぞ」

 

 清麿がしたのと同じロックをデュフォーはかけた後、ゼオンに部屋の扉に鍵をしてもらってから魔法の紙を再び貼り、ゼオンと共にその部屋を去って行った。

 

 

 

 

ホテル

 時は遡って清麿がタイマーのセットなどを行っていた頃、アポロ達はニュージーランドのホテルで今後の対策会議をしていた。

 

パムーン「つまり、明日の夜明けにファウードの封印を解かなければジェムは死ぬという事だな?」

 

マリル「その通りじゃ」

 

レイラ「となれば、ガッシュ達はファウードの封印を解くというのね」

 

アポロ「問題はその封印が解けた後だ。ファウードの封印が解けたら彼等の命が危なくなる。それをどうにかするためにも、朝早くに僕達はファウードへ行き、封印が解けた直後に清麿達を助けなければいけない」

 

マリル「カラオム、明日の夜明けは何時ごろか?」

 

カラオム「現地のニュース番組によれば、次の日の夜明けは5時40分頃です」

 

マリル「よし、ファウードへの出発は午前3時頃とする。皆の者達は早く睡眠をとり、次の日に備えるのじゃ」

 

 各自、次の日に備えて早く寝る事にした。

 

パムーン「(次の日は長い一日になりそうだな…)」

 

 

 

ファウード

 前の戦いの時と違い、時間の余裕もあるため、体力の消耗を抑えるためにガッシュ達はゆっくり移動していた。安静にしているエリーとカイルをサウザーは見つめていた。

 

恵「大丈夫よ、サウザー君。エリーちゃんとカイル君は助かるわ」

 

サウザー「う、うるせえ!気安くオイラを君付けするなよ!それに、オイラには関係ねえ」

 

サンビーム「関係ない?そんな事ないだろ?私達と戦った時、お前は魔物同士と手を組んで戦う事が大嫌いだったぞ。それがなぜ、アース達と一緒に行動してたんだ?」

 

しおり「どうしてなの?教えてくれたっていいじゃない」

 

サウザー「…アース達とはここに来る途中で会ったんだ。ウマゴンの臭いを追いかけて偶然にな」

 

 

 

回想

 それは、アース達がファウードに潜入する前に事だった。アースと遭遇したカルディオは戦闘に突入した。

 

サウザー「カルディオ!」

 

カルディオ「パルパルモーン!」

 

 カルディオの冷気を受けてアースは膝を付いた。

 

サウザー「てめえ、オイラ達の事を舐めてるのか!?なぜ術を使わねえ?そのまま倒されたいのか!?」

 

アース「黙れ…!その台詞は某を倒してから言ってもらおう…!」

 

サウザー「強がってる口聞いてんじゃねえや。望み通り、倒してやらぁ!」

 

???「ジャン・ジ・ソルド」

 

 カルディオが突撃しようとした所、剣が落ちてきた。

 

サウザー「やっぱり術を使えるじゃねえか。あ!?」

 

 エリーの様子には流石のサウザーも驚きを隠せなかった。

 

サウザー「な、何だ…?どうなってやがるんだ…?」

 

アース「エリー、いけませぬ!呪文を唱えては体力が奪われます!」

 

エリー「だま…れ…」

 

 呪いと病によってエリーは倒れてしまった。

 

エリー「今、こいつに倒されては…世界が…滅ぶ…のだ……」

 

 

 

 

サウザー「オイラには、あいつと同じぐらいの妹がいるんだ。そんな奴が死にかけているのを見て、戦えるかよ」

 

恵「サウザー君はとても優しいのね」

 

サウザー「だから、オイラを君付けすんじゃねえ!」

 

ティオ「少しは素直になりなさいよ!」

 

パティ「あら、ティオは人の事を言えるのかしら?」

 

ティオ「何ですって!?パティ!!」

 

 こんな状況でもパティとティオの喧嘩は始まった。

 

アース「あの娘達の喧嘩を止めなくてよいのか?」

 

清麿「いや、止めない方がいいぞ……」

 

チェリッシュ「あの子達の喧嘩は仲がいい証なのよ。気のすむまでやらせてあげればいいわ」

 

 そんなこんなでファウードの封印の場所へ向かう一方、ウォンレイはリィエンと共に牢から出された。

 

ザルチム「出ろ。お前にも封印を解くのを手伝ってもらうぞ」

 

ウォンレイ「私が加われば足りるのか?」

 

ザルチム「アースが来ないのなら、足りるかどうかはやってみなければわからん」

 

フォルゴレ「じゃ、じゃあジェムは……」

 

リィエン「そんな事ないある!きっと、清麿達は何とかする方法を見つけるに決まってるある!」

 

キャンチョメ「そうだぞ!ガッシュが来ればお前達の悪事なんか!」

 

ザルチム「黙りやがれ、アヒルが!」

 

 キャンチョメを殴ろうとしたザルチムだったが、ウォンレイに止められた。

 

ウォンレイ「この2人に危害を加えると私は一切協力しないぞ。それでもいいのか?」

 

ザルチム「(ちっ、あのアヒルは力はないが、下手をするとガッシュ並に厄介な奴だ。術を消したりコピーしたり、本当はこの場で消しておきたかったがな…)」

 

 キャンチョメの厄介さに着目し、ザルチムはすぐに消そうとしたが、ウォンレイに邪魔されてザルチムはキャンチョメを消すのを諦め、ウォンレイペアを連れて行った。

 

 

 

飛行機

 そして、アポロ達はファウードに向かっていた。

 

アポロ「わかってるかい?ファウードの封印が解かれて清麿達が攻撃されそうになった場合はビクトリームが攻撃して少しでも怯ませ、僕がロップスの術でファウードの手を止める。その隙にレイラとパムーンは術で足場を作り、清麿達を飛行機に逃げ込ませるんだ。ファウードが攻撃に移る前に来れたらビクトリームと僕の番は省略する」

 

ビクトリーム「ぶるぁああっ!私の出番を潰すのか!?」

 

アポロ「だから、さっき言ったのはファウードの封印が解かれてから清麿達が攻撃されそうになった時だよ」

 

アルベール「だが、ファウードを止められる時間はどれぐらいだ?」

 

アポロ「新しく覚えたディオガ・ディノ・リグノオンだと……せいぜい数分程度といった所だ。下手をすると1分未満かも知れない」

 

ランス「厳しいな……」

 

パムーン「だが、やるしかない」

 

レイラ「ファウードを止めるためにもね」

 

ロップス「かう!」

 

 

 

ファウード

 リオウ達は最大呪文を放つ準備をしていた。

 

リオウ「さぁ、一斉に術を放て!」

 

アドラー「アルセム・ガデュウドン!」

 

ルン「バビオウ・グノービオ!」

 

チータ「ディオガ・ラギュウル!」

 

ジェット「エマリオン・バスカード!」

 

 まずは4体の術がファウードの鍵の方へ放たれた。

 

カーズ「ディオガ・ガズロン!」

 

ベルン「ディオガ・ギニスドン!」

 

アリシエ「シャオウ・ニオドルク!」

 

ジェム「ディオガ・ドレミケル!」

 

リィエン「ゴライオウ・ディバウレン!」

 

 次に5体の術が放たれた。

 

バニキス「ファノン・リオウ・ディオウ!」

 

ラウシン「ジボルオウ・シードン!」

 

ミール「ディオボロス・ザ・ランダミート!」

 

 最後に3体の術が放たれた。しかし、ファウードの封印は解かれなかった。

 

リィエン「封印が解けないある!」

 

キャンチョメ「やっぱり、力が足りなかったんだよ!」

 

フォルゴレ「そうしたら、ジェムとアリシエは……」

 

???A「グラード・マ・コファル!」

 

???B「ジオウ・レンズ・ザケルガ!」

 

 誰もが諦めかけたその時、上空からガッシュの術が放たれてファウードの封印が解かれ、アリシエ達の呪いも解けた。それと同時に数発の銃弾がリオウを貫いた。

 

リオウ「ぐあああっ!!な、何だ!?」

 

???「これは呪いをかけて坊やの友達のパートナーを殺そうとしたお前への怒りの銃弾だよ!」

 

 銃弾を撃ったのはウマゴンに乗ってリオウを狙撃したチェリッシュだった。

 

リオウ「お、おのれ……!」

 

チェリッシュ「最後に1発、受け取りな!」

 

 今度はリオウの肩を銃弾が貫通した。それと同時にガッシュ達も来た。

 

フォルゴレ「チェリッシュじゃないか!」

 

キャンチョメ「さっきの狙撃は凄かったぞ!」

 

ウォンレイ「よし、今から出すぞ!」

 

 ウォンレイは手刀で牢を破壊し、キャンチョメペアを出した。

 

キャンチョメ「やったぁ!」

 

ジェム「やっと体が動くようになったわ!」

 

ウォンレイ「よかったな、ヨポポ」

 

ヨポポ「ヨポポイ!」

 

清麿「いや、浮かれるのは早いぞ!本当に大変なのはこれからだ!」

 

ガッシュ「(また、あの動くファウードを見る事になろうとは…。過去に戻った以上、こういった光景を見るのはいずれ来ると思ってはいたが……)」

 

 封印が解かれるのと同時にファウードの封印を果たすための建造物が破壊され、ファウードがその姿を現した。

 

 

 

飛行機

 その光景を飛行機で向かっていたマリル達は驚きを隠せなかった。

 

マリル「あれがファウード……」

 

カラオム「何という大きさだ!高さだけでもエベレストの半分近くはあるぞ!!」

 

マリル「いよいよ動き出したか…」

 

パムーン「こいつを止めるのは骨が折れそうだな…」

 

レイラ「でも、やるしかないわよ」

 

アルベール「こんな化け物にはとっとと退治しないとな」

 

 

 

飛行機

 同じ頃、バリー、ブラゴ、テッドを連れてきているナゾナゾ博士もファウードの封印が解かれた事をアポロから聞いた。

 

ナゾナゾ博士「何じゃと!?ファウードが動き出した!?」

 

テッド「博士、ガッシュ達は大丈夫なのか!?チェリッシュは」

 

バリー「わめくな、テッド。それぐらいでガッシュ達はくたばりはしない」

 

ブラゴ「どういった連中がいるのだろうな?ファウードには」

 

 

 

オーストラリア

 オーストラリアにいたアシュロンは何かに気付いた。

 

リーン「ダンナ、奴がいるんですか?」

 

アシュロン「ああ。抑えているようだが、確かに奴の気配がする」

 

リーン「俺達も向かうしかないようですね。ファウードに」

 

 

 

ファウード 体内

 ファウードが目覚めたのはリオウに気付かれないように潜入していたゼオンペアも察知した。

 

ゼオン「いよいよ動き出したか、ファウードが」

 

デュフォー「もうすぐ俺達は違う景色を見られるのだな?」

 

ゼオン「ああ。リオウ、今はファウードが目覚めたのに浮かれているがいい。ファウードを手に入れ、最後の勝者になるのは…この俺になるのだからな。俺達がセットしたタイムリミットは6時間50分、清麿以外ではエネルギーカットも含め、途中で解除する事は一切不可能。さぁ、この状況でどうする?リオウ、ガッシュ」

 

 ファウードが目覚めた事に浮かれるリオウを嘲笑うようにゼオンの邪悪な野望が動き出し始めるのであった。




これで今回の話は終わりです。
今回は清麿がファウードを魔界に帰す装置のタイマーをセットし、様々なロックをかけてからファウードの封印を解く話ですが、アニメ寄りにしてるものの、アニメ展開をやりつつ、原作の装置の防衛も両立させるために清麿達が去った後、ゼオンとデュフォーが装置がある部屋に来て、タイマーをいじってファウードが魔界に帰る時間が封印が解けてから6時間50分後にしまうという展開にしました。ちなみに、誰が装置の防衛をするのかはまだ秘密です。
次の話はガッシュ達が再びファウードに突入します。

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