金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
ファウード ???
ある部屋でゼオンは考え事をしていた。
デュフォー「ゼオン、どうした?」
ゼオン「ああ、ちょっとクリアと戦った時の事を思い出してな」
デュフォー「クリアか…」
回想
それは、イギリスでガッシュが見つからずにゼオンが苛立ってガッシュを探していた時の事だった。
ゼオン「くそっ、ガッシュはどこにいる!?」
デュフォー「焦るな。焦っても何も始まらないぞ」
ゼオン「どこだ!ガッシュ、どこにいる!?」
そんな時、ゼオンはある力に気付いた。
ゼオン「強い魔物の気配だ。そいつをぶっ飛ばして気晴らしでもするぞ!」
その強い魔物こそ、クリアであった。
クリア「随分気が立っているようだね、雷帝ゼオン。何かあったのかい?」
ゼオン「やかましい!俺は今、かなり機嫌が悪いんだ!お前をぶっ潰してやる!」
クリア「全く、雷帝がここまで短気な性格だったとはね。ヴィノーも発音ができないのに雷帝と遭遇するとは…。仕方ない、魔界を滅ぼす使命を邪魔されなくないから、ここで消すとするか。本当なら、呪文を使いたかったけど、ヴィノーがあれじゃあ使えないし、本気になれば呪文抜きでも倒せそうだ」
ゼオン「魔界を滅ぼすだと!?ここまで聞いたからには俺もお前を生かしては帰さん!!」
ゼオンはクリアに向かっていったが、クリアはゼオンのパンチを軽くいなしていった。
クリア「かなりのスピードとパワーだね。でも…僕には勝てないよ!」
ゼオン「やかましいと言ってるだろ!!」
ただでさえガッシュが見つからずに頭に血が上っていたゼオンはさらに激怒し、クリアに連続でパンチを仕掛けたが、クリアに全ていなされた。
デュフォー「(ゼオン、冷静になれ。クリアはゼオンの動きについていくので精一杯だ。だから、後はお前が使うなと言っているあの術を使えば…)」
ゼオン「この野郎が…!」
デュフォー「ゼオン、頭を冷やせ!腹が立つのはわかるが、頭を冷やさないと見えるものも見えなくなるぞ!」
ゼオン「それぐらいわかってる!こいつ、かなりやるぞ。デュフォー、ラウザルクとザグルゼムも使っていい」
デュフォー「珍しいな。俺に使うなと言っていた二つの呪文の使用を許可するとは…。(それだけ、クリアが強いという証拠か…)」
クリア「その二つの呪文を使えば君は僕に勝てるというのかい?」
ゼオン「ああ。その面をグチャグチャにできる程にな。やれ、デュフォー!」
デュフォー「ラウザルク!」
ガッシュのラウザルクと同じようにゼオンに雷が落ち、ゼオンの身体能力が強化された。
クリア「それは肉体強化の術かい?それを使った所で」
再びゼオンの所を見ると、ゼオンはいなかった。
クリア「どこだ!?」
ゼオン「ここだ!」
クリアが声に反応した途端、ゼオンのパンチがクリアの顔面に直撃した。その直後にゼオンはクリアの脇腹を思いっきり蹴った。
クリア「ぐほっ!」
ゼオン「一発でやられんとはな。気晴らしに何度も殴る事ができるからちょうどいい」
クリア「この程度じゃ僕には…」
クリアはゼオンにパンチを打ち込もうとしたが、ラウザルクで強化されたゼオンには攻撃は一切当たらず、逆にゼオンの攻撃を受け続ける事になった。ゼオンのラウザルクの持続時間が切れる頃には、クリアはあちこちに殴られた跡ができ、血も吐いていた。
クリア「まさか…僕は術を使えないとはいえ、ここまで追い詰められるとは…」
ゼオン「お前、確か魔界を滅ぼすのが使命とか言ってたな。なぜ滅ぼそうとする?」
クリア「それは簡単さ、僕は魔物を滅ぼすために生まれてきたからさ」
ゼオン「それは違うだろ?魔界を滅ぼしたいのには何か理由があるはず。例えば…、辛い境遇だったから、その仕打ちを自分にした奴等への復讐とか、世の中が腐りきってるからだとか、そういうのじゃないのか?」
クリア「だから言ってるだろう?僕は魔物を滅ぼすために生まれ、それが使命だと」
ゼオン「そんな理由はあり得ない。そもそも、お前はどうして自分が魔界を滅ぼしたいのか考えた事はあるのか?」
クリア「そ、それは…」
ゼオン「考えた事がないようだな。お前の話を聞いてて思ったが、お前からお前自身の魔界を滅ぼしたいという情熱を感じないぞ。まるで…お前は何かに操られていて、それをお前は自分の使命と勘違いしているようだ」
ゼオンの言葉で追い詰められ、自分のアイデンティティを揺るがされたクリアは余裕を失い、激怒した。
クリア「ふざけるな!!僕が操られているだと!?それは何かの間違いだ!僕は…僕は魔界を滅ぼすために生まれてきたんだ!操られてて僕がそれを使命と勘違いしてるだと…?そんな事があってたまるか!!」
激怒したクリアはゼオンに殴りかかったが、ゼオンは当初より頭が冷えて、デュフォーの指示を聞き、クリアのパンチを冷静にかわしていた。
ゼオン「どうした?本気になれば術なしでも俺を倒せるんじゃなかったのか?」
クリア「黙れ!」
余裕のないクリアの隙を突いてゼオンは手を向けた。
デュフォー「ザグルゼム!ザグルゼム!」
ザグルゼムはクリアの両腕に当たった。
クリア「こんな攻撃、全然痛く」
デュフォー「ソルド・ザケルガ!」
ゼオンは電撃の剣でクリアに斬りかかった。クリアは白羽取りで受け止めようとしたが、ザグルゼムの効果を知らずにそうしたため、クリアの両腕に蓄積されているザグルゼムの連鎖反応でソルド・ザケルガの刀身が巨大化し、それをクリアは受け止め切れずにまともに受けてしまった。
クリア「ぐああっ!!な、何だ…?」
ゼオン「それをお前が知る必要はない」
デュフォー「ディオガ・アーロ・ザケルガ!」
ゼオンの両手から発射された電撃の矢がクリア目掛けて飛んでいった。発射する際にデュフォーの指示通り、ゼオンはクリアの急所目掛けて電撃の矢を放ち、電撃の矢がクリアの急所に当たると、矢はクリアの体に刺さり、クリアは血を吐いた。
クリア「ごほっ…!」
デュフォー「ザグルゼム!ザグルゼム!」
ザグルゼムがクリアと近くの木に当たった。
クリア「やはり…、滅びが必要だ…。ヴィノーが喋れるようになったら…」
ゼオン「違うな、滅ぶべきはクリア、お前の方だ!お前は魔物全てを皆殺しにするのを考えていたという大罪を犯した。これは王族の俺からの裁きだと思え!」
デュフォー「ジガディラス・ウル・ザケルガ!」
破壊の雷神が姿を現した。それを見たクリアは横に逃げた。
クリア「横へ逃げれば…」
デュフォー「(あいつ、頭が悪いな。ザグルゼムのもう1つの効果を知らずにいるから、横によければジガディラスに当たらないと思い込んでいる…)」
雷神から発射された電撃はザグルゼムの電気が蓄積されている木にぶつかり、ザグルゼムの連鎖により、その電撃はザグルゼムが撃ち込まれたクリアの方へ向かっていった。
クリア「そんな、電撃が僕を追いかけるなんて!ぐあああっ!!!」
本来、ジガディラスはシン級に満たない術なのだが、ザグルゼムの連鎖反応によって威力はシン級クラスに上がり、その威力にクリアは耐えられなかった。
ゼオン「今思えば、あのバカをあそこで見つける事ができてラッキーだったな」
デュフォー「ゼオンが王になったらクリアはどうする?」
ゼオン「今、検討している所だ。公開処刑にするなり、狭間の世界に追い出すなり、色々考えている。少なくとも、さらに苦しめるために王の特権で消すつもりはない」
ファウード 魔界に帰す装置がある部屋
清麿からもらった地図を頼りにパムーン達は体内魔物を蹴散らしながら進み、遂に部屋に到着した。
パムーン「これがファウードを魔界に帰す装置……」
レイラ「これをタイムリミットまで守り抜くのが私達の仕事よ」
ランス「これを7時間近くも守り抜くのか……」
アルベール「気が遠くなるほど長い時間だが、こいつを守り切れなかったら清麿の苦労がパァになる。だからやるしかないな!」
ビクトリーム「色々言ってたら私に倒されに来た雑魚が湧いてきたぞ」
そう言っていると、体内魔物がやってきた。
パムーン「みんな、雑魚との戦闘では交代で戦いながら回復液を温存するんだ!」
レイラ「ええ!」
ビクトリーム「まずは私からだ。行くぞ、モヒカン・エース!」
モヒカン・エース「ラージア・マグルガ!」
巨大なVのビームが体内魔物を一掃した。
ビクトリーム「ほう…、私の新しい呪文もなかなか美しいVを描いておる……」
パムーン「自分の術に見とれる暇があるなら、戦いに集中しろ!」
体内魔物がビクトリームに襲い掛かった。
ビクトリーム「私の頭を狙っても無駄だ!分離!」
体内魔物の攻撃をビクトリームは頭を分離させてかわし、照準を体内魔物に向けた。
モヒカン・エース「マグルガ!」
マグルガ1発で体内魔物は消滅した。
ビクトリーム「貴様ら雑魚が私に挑むだけ無駄無駄無駄、ぶるぁあああっ!!」
体を分離している間に体が体内魔物に袋叩きにされていた。
パムーン「あのバカ!調子に乗ってるからこうなるんだ。ランス!」
ランス「ファルガ!」
ビクトリームを攻撃している体内魔物をファルガで一掃した。
パムーン「ビクトリーム、今から俺が奴等を一掃する。モヒカン・エースも心の力を可能な限り溜めるんだ」
ファウード 通路
ガッシュ達はロデュウの相手をヨポポに任せ、先へ進んでいた。
ティオ「ヨポポ、大丈夫かな?」
パティ「案外大丈夫じゃない?」
コルル「でも、ヨポポは何だか思い詰めていたような様子だったよ。おいて行くのは…」
アリシエ「いいんだ、これで」
コルル「アリシエ…」
アリシエ「考えてみてほしい。これから先、どんな罠が待ち構えているのかも、何体の敵に遭遇するかもわからないんだ。みんなもこの際だからはっきりと理解してほしい。僕達の目的は、時間内にファウードを止めて魔界に帰す事だ!ガッシュと清麿を無事にメインコントロールルームへ送り届ける必要がある。それが僕とヨポポ、そしてみんなの義務なんだ!」
コルル「だけど…」
ウォンレイ「コルル、ヨポポの気持ちもわかってくれないか?ヨポポは一度挫けてしまった心を取り戻すために残ったんだ…」
チェリッシュ「だから、ヨポポのためにも私達は急ぎましょう!」
コルル「うん……」
しおり「(やっぱり、コルルにはヨポポの様子がおかしい事がわかってたのね…)」
ウォンレイ「(ヨポポ、君は王になれないと思って私達を行かせたというのか…。ジェムと世界を天秤にかけてジェムの方をとったが故に自分に王の資格がないと思って……)」
そんな中、体内魔物が湧いてきた。
清麿「こいつらがガッシュの言ってた体内魔物か…」
ガッシュ「みんな、気を付けるのだぞ…」
ウォンレイ「私から行くぞ、とぁあ~~~っ!!」
ウォンレイは素手で体内魔物をあっさりと蹴散らしていった。
ティオ「やるじゃない、ウォンレイ!」
恵「ガッシュ君が言うほど体内魔物は強くないみたいよ」
ガッシュ「(おかしいのだ、体内魔物はもっと強かったはずなのだが…)」
そう言っていると、赤い体内魔物が現れた。
リィエン「ウォンレイで楽勝なら、私でも勝てるある!ハイ~~ッ!!」
リィエンは赤い体内魔物に攻撃を仕掛けたが、ビクともしなかった。
リィエン「あの赤い奴、青い奴に比べて強いある!」
パティ「だったら、私達も呪文を」
清麿「赤い奴は俺とガッシュが一掃する。ウォンレイとリィエンは青い奴を一掃してくれ!」
ウォンレイ「わかった」
リィエン「行くあるよ!」
青い体内魔物はウォンレイペアが呪文抜きで一掃した。
清麿「よし、みんな俺の後ろへ!奴等は直線のように集まった!ザケル!」
消耗を抑えるため、ザケルで赤い体内魔物を一掃した。
清麿「どうやら、ガッシュの言ってた強さを持っているのは赤い奴のようだな」
ガッシュ「先へ進むのだ!」
先へ進む際、恵が清麿と手を繋いだ。
恵「清麿君、こうやって手を繋げば少し幸せな気分になって移動中でも心の力が回復するでしょ?」
清麿「あ、ありがとう…」
そのまま清麿は恵と手を繋いだまま走った。
ファウード 第6脊髄ホール
ヨポポとロデュウは戦いを繰り広げていた。
ジェム「ギガノ・ミケル!」
チータ「ギガノ・ラギュウル!」
ギガノ級同士のぶつかり合いだが、少し威力が弱いヨポポの方が押されていた。
ヨポポ「ヨポポイ!」
ジェム「ヨポポ!」
ロデュウ「大した奴じゃねえな。とっととぶっ潰して他の奴等をぶっ飛ばしてやる!」
チータ「油断は禁物よ、ロデュウ。そういった油断こそが足元をすくわれるのだから」
ロデュウ「そんな事ぐらいわかってる」
ジェム「私達は負けられないのよ!あんたを倒して清麿達に追いつかないと!行くわよ、ヨポポ!」
ヨポポ「ヨポポイ!」
ジェム「キロロ・ミケルガ!」
超音波メスがロデュウに迫り、ロデュウは慌ててかわした。
ロデュウ「何なんだ?今の攻撃は…」
かわした後、ロデュウの方にほんの少し切り傷ができていた。
ロデュウ「チビ助、まさかこんな技を持っていたとはな!」
チータ「だから言ったでしょ、油断してると足元をすくわれるって」
ロデュウ「ちっ、なら、とっととぶっ飛ばすぞ!」
再びヨポポとロデュウのぶつかり合いが始まった。
ファウード コントロールルーム
ロデュウとヨポポの戦いをリオウとザルチムは見ていた。
リオウ「ロデュウめ、ゴデュファの契約をしていればあんなチビなど一捻りで倒せるものを」
ザルチム「聞こえるか、ロデュウ。お前はさっさとゴデュファの契約を行ってあのチビを倒し、ガッシュ達を消すんだ」
ロデュウ『余計なお世話だ!俺はてめえらの手下じゃねえ!それよりザルチム、お前は人にゴデュファの契約をしろとかいう癖にどうしててめえはしねえんだ?』
ザルチム「そんなのはこの俺が契約する必要がないぐらい強いからだ」
ロデュウ『嘘だな。お前、自分が自分でなくなるのが嫌で契約しねえんだろ?情けねえよな、アリシエとかいう人間にビビった奴に契約をする根性なんざねえ!悔しかったら自分が契約して手本を見せてみろよ!』
ロデュウに煽られてザルチムの怒りが溜まっていた。
ザルチム「くそったれが……くそったれが!リオウ、もうロデュウはいらん!あのチビ諸共デゴスミアで捻り潰せ!」
リオウ「俺もそう思っていた所だ。デゴスミアはかなりの強さの体内魔物だ。デゴスミアを送るぞ!」
ファウード 第6脊髄ホール
ヨポポとロデュウの戦いはロデュウの方が優勢だった。
ロデュウ「力の差はこんなもんだぜ、チビ」
ジェム「これくらいで諦めないわよ……」
チータ「ロデュウ、最大呪文で決めるわよ」
ロデュウ「待ってたぜ!」
チータ「ディオガ」
???「ウホホホーン!」
突如、声がしたためにチータは呪文を唱えるのをやめた。
ロデュウ「チータ、なぜ呪文を唱えない!?」
チータ「あれ……」
現れたのは2体のデゴスだった。
ジェム「何なのよ、あれ!」
ロデュウ「リオウ、どういう事だ!?」
リオウ『ロデュウ、お前は俺の指示を無視しすぎた上、ザルチムをバカにした。よって、お前もヨポポ共々デゴスミアで始末する事にした。デゴスミア、その場にいる奴全員を始末しろ!』
デゴス「ルホホホーン!」
デゴスはロデュウとヨポポに襲い掛かった。
チータ「ロデュウ、こいつが襲ってきた以上、ヨポポとは一時休戦してデゴスと戦うわよ!あなた達もいい?」
ジェム「もう、仕方ないわね…!」
ロデュウ「あんなふざけた野郎に邪魔されてたまるかよ!」
チータ「ギガノ・ラギュウル!」
ロデュウのギガノ級の術をぶつけたが、デゴスには全く効いてなかった。
ロデュウ「ど、どうなってやがる!?こいつ、全然効いてねえぞ!」
ジェム「だったら、こっちの番よ!キロロ・ミケルガ!」
キロロ・ミケルガも多少の切り傷がデゴスにできただけで大して効いてなかった。
デゴス「ルホホホーン!」
デゴスは凄いスピードでロデュウとヨポポに迫り、2人を薙ぎ払った。
ジェム「ヨポポ!」
チータ「(まずいわね…。あのデゴスとかいう体内魔物に効きそうなロデュウの攻撃はディオガ・ラギュウルぐらいしかない…。でも、弱点があれば……)」
ファウード コントロールルーム
デゴスに苦戦するロデュウとヨポポをリオウとザルチムは見物していた。
ザルチム「あのデゴスとかいう体内魔物は俺の予想よりもかなり強力だな。ヨポポはおろか、ロデュウのギガノ級の術さえ全く効いていない」
リオウ「あの魔物にはギガノ級以下の威力の術は通用せんからな。倒すにはディオガ級以上の術でなくてはならん。それに、ロデュウとヨポポが苦労して倒しても詰むようにデゴスの群れを送った。奴等が苦労してデゴスを倒す頃にはその群れが到着するだろう。その時こそ、本当の地獄の始まりだ…」
飛行機
その頃、遂にテッド達を連れてきたナゾナゾ博士が到着し、マリルを乗せてホバリングしている飛行機にテッド達と一緒に移った。
ナゾナゾ博士「マリル王女、魔物達を連れて来たから遅れて済まない」
マリル「それで、誰が集まったのじゃ?」
テッド「俺達だぜ」
バリー「腕には自信がある」
ブラゴ「で、ファウードは今どこだ?」
カラオム「あそこです」
指差した方に泳いているファウードの姿があった。
ナゾナゾ博士「あの巨体で泳ぐのか!?あれは!」
そこへ、ある国の軍用機がファウードの迎撃に向かった。
ナゾナゾ博士「どこかの国の軍隊が出撃したようじゃ」
カラオム「あの巨体です。見つからない方がおかしいです!」
マリル「直ちに攻撃をやめさせるのじゃ!ファウードに攻撃したはならぬと!」
マリルの指示も虚しく、軍用機はファウードの水鉄砲で撃ち落とされてしまった。
ナゾナゾ博士「正面から回り込むのは危険か…」
アポロ『それでしたら、僕とロップスがディオガ・ディノ・リグノオンでファウードの口を固定し、その隙にテッド達を送るのでどうでしょうか?』
マリル「そのディオガ・ディノ・リグノオンではどのぐらいファウードの口を固定できる?」
アポロ『計算では数分間程度です。ですが、実際は1分未満しか固定できないかも知れません』
バリー「1分程度あれば十分だ」
ナゾナゾ博士「今はそうするしかなさそうだ……。君達、準備はいいかい?」
ジード「俺もテッドもできてるぜ」
グスタフ「私とバリーもだ」
シェリー「私達も万全よ。ブラゴの新しい術を本格的に試すのには絶好の状況よ」
ナゾナゾ博士「私はかつて魔物のパートナーだった。だが、キッドが帰ってしまった以上、清麿君達を助けるのを君達に託すしかない」
アポロ『僕とロップスも君達をファウードの体内に入れるために行く事ができない。頼んだよ』
ロップス『かう!』
テッド「ああ、任せな!」
ケルマディック海溝
アポロが乗っている飛行機はファウードの近くに来た。
アポロ「行くぞ、ロップス!」
ロップス「かう!」
アポロ「ディオガ・ディノ・リグノオン!」
ディノ・リグノオンよりもかなり太い上、鋭利な刃物もついた複数のワイヤーが出現し、ファウードの口に引っかけて固定した。
アポロ「今だ!」
テッドはジードのバイクに乗せてもらい、グスタフはバリーに器具類を付けてしっかり固定した上でバリーと共に降り、シェリーはフレイルと魔本だけを持ち、ブラゴと共に降りた。
ジード「行くぜ!」
グスタフ「ギガノ・ゾニス!」
シェリー「ディゴウ・グラビルク!」
テッドペアはバイクで、バリーペアはバリーの術で、ブラゴペアは呪文でブラゴの身体能力を向上させた後、ブラゴはシェリーの持っているフルーレの鎖の部分を腕に巻き付けてからシェリーをディオガ・ディノ・リグノオンのワイヤーの部分目掛けて投げ飛ばし、ワイヤーに掴まる事ができたシェリーはそのまま鎖を収納してブラゴを引き寄せてからブラゴに肩車してもらい、ワイヤーの上を走らせてもらってファウードの口へ侵入する事に成功した。
マリル「頼むぞ、皆の者達よ…」
ファウード 第6脊髄ホール
デゴスの猛攻にロデュウとヨポポは追い詰められていた。
ロデュウ「くそったれ……!ふざけた面をしてるのにあんなにタフでパワーもスピードもあるなんて信じられねえぜ!」
ヨポポ「ヨポポイ…」
ロデュウ「チータ、どれぐらい心の力は残っている!?」
チータ「ディオガ・ラギュウルは1発撃てるけど、それを使ってしまうともうギガノ級の術が1発しか撃てないわ」
ジェム「ヨポポ、まずは隙を作ってからディオガ・ドレミケルで一気に決めるわよ!」
ヨポポ「ヨポポイ!」
ジェム「キロロ・ミケルガ!」
キロロ・ミケルガでも大したダメージにはならなかった。
ジェム「もう、これじゃあ隙が作れないじゃない!」
デゴス「ルホホホーン!」
デゴスのタックルでヨポポはジェム共々弾き飛ばされた。
ヨポポ「ヨポポイ!」
ロデュウの方もデゴスのパワーに押されていた。
ロデュウ「ぐあああっ!」
チータ「(あの怪物、私達の予想以上にパワーもスピードもタフさもすさまじい!このままだと……)」
ザルチム『ははははっ!ざまあないな、ロデュウ。これも俺をバカにした罰が当たったからだ。デゴス、ロデュウとチビをもっと痛ぶってやれ!』
デゴスの猛攻は止まらず、ロデュウもヨポポもボロボロになった。そして、1体のデゴスがロデュウに向けて爪を振り下ろそうとし、もう1体はジェムに振り下ろそうとした。
チータ「(このままだとロデュウの顔が……)ロデュウ!」
ヨポポ「ヨポポイ!」
ヨポポが体当たりした事でデゴスの爪はジェムには当たらずにヨポポの本を貫き、チータはいつもの冷静さをかなぐり捨ててロデュウを突き飛ばしてデゴスの爪から外させた際に本を貫かれてしまった。
ジェム「(私が呪いをかけられたせいでヨポポがリオウに従わなければならなかったし、今度も私のせいでヨポポが…!)ああ、ヨポポが消えちゃう!ヨポポ、ごめん!」
ヨポポ「……ヨポポイ……」
しかし、前の戦いの時のようにヨポポは笑った。
ロデュウ「チータ、なぜこんなマネをした!?」
チータ「私、ロデュウが……」
ロデュウ「まさかお前、自分と同じ顔の傷を俺に負ってほしくないからこんな事をしたのか?てめえは全く進歩って奴がねえもんだな!」
チータ「だけど……」
ロデュウ「チータよ、俺はてめえが大っ嫌えなんだ、出会った時からずっとよ」
チータ「……」
ロデュウ「薄暗え部屋の中で小さく背中丸めて暮らしやがってよ…。目に傷を負ってるから外に出ると街の奴等に変な目で見られるだの、昔付き合ってた男にひどい事言われただの…くだらねえ事グダグダ言いやがってよ!てめえにお似合いのマスクを与えたら今度はこうだ!」
チータ『ありがとう。このマスクが怖いのか、誰も私に近づかなくなったわ…』
ロデュウ「その一言を言って、相変わらず独りで暗え部屋に座ってやがる。辛気くせえ沈んだ顔を続けてよぉ!そんな傷1つで、てめえの人生を支配されやがってよぉ!」
再びロデュウはデゴスに向かっていったが、デゴスに吹っ飛ばされた。
チータ「ロデュウ……」
ロデュウ「なぁ…、何でマスクをかぶった時に強くならなかった?変な目で見た奴等がビビってただろう?俺もいる。そいつらに仕返ししてゲラゲラ笑えばいいじゃねえか。俺が笑うぜ。お前みたいな傷が顔に付こうとも、どんな状態になろうと『俺の体』なんだからよ!てめえやファンゴ達みたいに一つや二つの障害で奴隷みたいに支配されてたまるかぁ!」
またデゴスに向かったが、またしてもデゴスに吹っ飛ばされた。
ロデュウ「よぉ、チータ…。俺の戦いはこのふざけた連中との戦いで終わりだ。だけどよ、お前の人生という名の戦いはまだ終わっちゃいねえだろ?強く…生きろ。てめえ自身が強けりゃよぉ、傷なんて何でもねえ。もっと笑えるし、まっすぐ立てるし、惚れる男もでてくらぁ」
チータ「ロデュウ……」
ロデュウ「さぁ、俺が魔界に帰る前にふざけた化け物をぶっ飛ばしてやろうぜ!」
チータ「ええ!ジェム、あなたもパートナーが魔界に帰る前にデゴスを倒すわよ!」
ジェム「ええ!」
チータとジェムは残り全ての心の力を込めた。
ジェム「ディオガ・ドレミケル!」
チータ「ディオガ・ラギュウル!」
ヨポポとロデュウの渾身の最大呪文はそれぞれのデゴスを容易く貫き、デゴスは2体とも消滅した。
ロデュウ「強く生きろよ…、チータ……」
ヨポポ「ジェム……」
チータ「ロデュウ……」
ジェム「ヨポポ……、私の名前を…。今まで一緒にいてくれてありがとう……。あなたのお陰でへそ曲がりも少しだけ直ったわ…。そして…、あなたの事が大好きよ……」
お互いのパートナーの本は燃え尽き、涙を流すパートナー達に見送られながらロデュウとヨポポは魔界へ帰った。
ファウード 通路
コントロールルームへ急ぐガッシュ達は何かを感じたのであった。
しおり「どうしたの?コルル」
コルル「キッドが魔界に帰った時と同じ感じがしたわ。もしかしたらヨポポは……」
アリシエ「仮に魔界に帰ったとしても今は悲しんでいる暇はない。ヨポポの遺志を無駄にしないためにも、僕達はコントロールルームを目指すんだ!」
パティ「コルルは優しいから誰よりも悲しむ気持ちはわかるわ。でも、今はそれをこらえるのよ」
コルル「うん…」
悲しい気持ちを押さえてコルルは気持ちを切り替えた。
ガッシュ「(済まぬのだ、ヨポポ…。デボロ遺跡での戦いでも、そしてファウードでの戦いでもお主はジェムのために戦い続けた立派な戦士なのだ……)」
ウォンレイ「(ヨポポ、君は私達をコントロールルームへ行かせるために魔界に帰ったのか…。もし、リィエンが呪いをかけられていたらあの場で魔界に帰っていたのは私になっていたかも知れない…。ファウードは必ず私達が止める。だから、君は魔界で私達を見守ってくれ…)」
ヨポポに済まないと思いつつ、一同は先を急いだ。
これで今回の話は終わりです。
今回はロデュウとヨポポの退場とテッド達のファウード突入、ゼオンがクリアと戦った時の回想などを描きました。
ゼオンvsクリアの回想はもともとは描く予定はなかったのですが、文庫版の15巻を見て、ゼオンがどうやってクリアに勝ったのかを描きたくなり、描きました。今小説のクリアがゼオンに負けたのは、術が使えない事と慢心、アイデンティティを揺るがされた事による冷静な判断力の喪失です。作者発言でゼオンはガッシュと同様にラウザルクとザグルゼムも使用可能なため、回想シーンで解禁しました。
ロデュウの退場は原作の方が印象深かったので、シチュエーションは違うものの、原作寄りにしました。
次の話はアニメであったウマゴンとカルディオがファンゴとジェデュンのコンビと戦う話です。