金色のガッシュベル!!SECONDLAP 作:アンドロイドQ14
ファウード コントロールルーム
ガッシュとゼオンは睨み合っていた。そして、先に動いたのはゼオンだった。
清麿「SET!」
ガッシュ「ウヌ!」
デュフォー「テオザケル!」
清麿「テオザケル!」
ガッシュのテオザケルとゼオンのテオザケルがぶつかり合った。そして、爆発して相殺された。
ファウード コントロールルーム前
ガッシュペアとゼオンペアがコントロールルームへ転送された後、コントロールルームへ続く扉の前のモニターでティオ達は戦いの様子を見ていた。
ティオ「どうなったのよ…!」
煙が晴れると、ガッシュもゼオンも健在だった。
恵「清麿君もガッシュ君も無事だったのね!」
パティ「やっぱりすごいじゃない、ガッシュちゃん!」
シェリー「でも、赤い本の子の方が余裕がないわ」
ブラゴ「それだけ、雷帝の実力が凄まじい証拠だ」
ファウード コントロールルーム
清麿「(危なかった…。ガッシュからゼオンはガッシュが知る魔物の中ではクリア以外では最強と言っていたが…、まさか、これほどの実力差があったとは…!)」
ゼオン「ほう、あのスピードの中でよく俺の動きを見て、テオザケルの弱所を見切ったな。そこに撃ち込んだから何とか相殺に持ち込めた。憎たらしいが、少しはお前達の実力は認めてやろう」
清麿「(やはり、今までの魔物とは実力の次元そのものが違う…!おまけに、まだデュフォーが控えている。デュフォーが動き出せば、勝てる見込みは薄くなってしまう…!)」
ゼオン「ガッシュ、リオウを叩き潰す時に仲間に俺がお前の兄と言ってたが、遊び惚けていた癖によく俺や本当の家族の存在を知る事ができたな」
デュフォー「ザケルガ」
ゼオンのザケルガをガッシュはマントで弾いた。
ガッシュ「ゼオン、話したい事がある!バオウは」
ゼオン「黙りやがれ…、俺はお前に父上の最強呪文、バオウを奪われたせいで…凄まじい苦しみを受ける事になったんだぞ!!」
ガッシュへの憎しみを露わにしたゼオンは猛スピードで迫った。
清麿「ラウザルク!」
ラウザルクを発動させてから、ガッシュは清麿を抱えてその場を離れたものの、ゼオンにすぐ追いつかれてしまった。
清麿「(嘘だろ…?肉体強化の術もなしでラウザルクがかかっている状態のガッシュに追いつけるなんて…!)」
追いつかれてしまったガッシュは咄嗟に清麿を放したが、その直後にゼオンからパンチやキックを受けた。
ゼオン「お前は何の努力もなしに『バオウ』という力を手に入れた!その後お前は我が家を離れ、遊ぶために遠くの学校へ行き、その地の家に預けられた!そして、『バオウ』という力をお前に奪われた俺は厳しい教育や訓練によって、自らの力を強くせねばならなかった!普通の子のように遊ぶことを許されず、大人の戦士達との厳しい特訓の日々。だが、それはまだ我慢できた!つらい日々の中でも自分の力が強くなることが実感できたからな!だが、どうしても我慢ならんことは…『バオウ』の力以外は全く落ちこぼれのお前がこの魔界の王を決める戦いに参加している事だ!民間の学校で間抜けに遊び、せっかく受け継いだ『バオウ』の力も人間界に行く前はまともに使えぬお前が…厳しい特訓を経てやっとこの王を決める戦いに参加できた俺と同等の権利を得る!これが憎まずにいられるか!!」
デュフォー「ソルド・ザケルガ!」
ゼオンは電撃の剣で斬りかかった。
清麿「ブレールド・ディラス・ザケルガ!」
ラウザルクを解除した後、ガッシュも電撃の剣でゼオンの剣を受け止めた。
ゼオン「剣術も何もなっちゃいねえのに俺のソルド・ザケルガと似た術まで覚えやがって…!腹立たしい野郎だ…!」
ガッシュ「ゼオン、話を聞いてくれ!父上がゼオンにバオウを継がせなかったのはゼオンが嫌いだったからではない!ゼオンのためだったのだ!!」
ゼオン「何っ…?」
ガッシュ「バオウ・ザケルガは術者の憎しみ諸共、全てを食いつくす恐ろしい術なのだ!もし、ゼオンにバオウを継がせたら父上の修羅の心を受け継ぐゼオンはバオウに食われてしまうと考えた父上は、苦渋の決断でバオウを暴走させる危険性の少ない私にバオウを眠らせて私の素性を隠した上で民間人に預ける事にしたのだ!これは本当の事だから信じてほしいのだ、ゼオン!」
ゼオン「何だと…?俺にバオウを継がせなかったのが俺のためだと…?」
回想
それは、まだ王を決める戦いが始まる前の事だった。その日の訓練が終了した。
ラジン「よーし、今日の訓練はここまで」
過酷な訓練にゼオンは息を切らしていた上、血まで吐いた。
ゼオン「がはっ、ぐ…げぉお!」
魔界王『どうした、ゼオン…?』
ゼオン「その声は父上!?見ておられるのですか!?」
魔界王『ずいぶんとへばってるようだな?』
ゼオン「父上、なぜ!?なぜ私に『バオウ』をくれなかったのですか!?」
魔界王『前にも言ったはずだ…。バオウは持ってはならぬ力、大きすぎる力は滅びしかもたらさん』
ゼオン「しかし、父上は『バオウ』の力を使って王になったと聞きました!ならば、『バオウ』は偉大な力です。そうではありませんか!?」
魔界王『偉大ではない。恐ろしい力だ。お前に使いこなす事はできん』
ゼオン「な、ならば…なぜ『バオウ』をガッシュに与えたのですか!?」
魔界王『……ゼオン、ガッシュの事を誰から聞いた!?』
ゼオン「1年前、私の乳母に聞きました。ガッシュという弟がいると。それ以上は教えてくれなかったので、私が自分で調べました。物心つく前に王宮を離れた弟、ガッシュ。今は民間の学校で間抜けに遊んでいると聞きます。その…ガッシュに、父上は『バオウ』を受け継がせたと…。ガッシュには『バオウ』という大きな力と自由を与え、なぜ私には厳しい教育と訓練の日々しかくださらないのですか!?なぜ!?」
魔界王「ゼオン……ガッシュの話はするなぁあああっ!!」
ゼオン「ぐあああっ!」
ガッシュの話をしたゼオンに魔界王は激怒し、ゼオンに雷を落した。
魔界王「下らん話をする暇があるなら、腕を磨け!力を使うお前の心を鍛えろ!!ラジン中将、今日は朝まで訓練を続けさせろ!一時も休ませるでないぞ!明日からの訓練の時間も倍に増やせ!ゼオン、二度とガッシュの話はするな!二度とだ!」
ラジン「ゼオン様…」
ゼオン「触るな、1人で立てる」
ラジン「王はあなたに次の王になってほしいと思っての事です。そうでなければ、これほど厳しい特訓はしません」
ゼオン「やかましい。知った口を利くな、中将如きが…。俺が次の王になるなど、当たり前の事だ…。こんな訓練などせずとも、俺が王になるのは当たり前なんだ…。おのれ…おのれ…」
それから3年経過し、ゼオンは王を決める戦いに参加する100人の子供に選ばれた。
ラジン「ゼオン様!おめでとうございます!見事、魔界の王を決める戦いの100人に選ばれましたな!」
しかし、ゼオンは名簿を見て激怒していた。
ゼオン「なぜだ…!?どういう事だ…!?」
ラジン「どうされました、ゼオン様?」
ゼオン「なぜ、この100人の魔界の王の候補者の中にガッシュの名がある!?父上は俺を王にするために厳しい特訓をしたのではないのか?」
ラジン「ゼオン様…」
ゼオン「なぜガッシュをこの戦いに参加させる!?やはり父上は、『バオウ』を持つガッシュを王にしたかったのか?」
ラジン「ゼオン様、この100人の子達は王独りの意志で決める訳ではありません。色々な魔物の声で…」
ゼオン「やかましい!!ならばなぜ『バオウ』しか取り柄のない落ちこぼれが選ばれる!?おのれ!おのれ!やはり俺は憎まれているだけの子だったのか!?父上よ!そこまで俺が憎かったのか!?『バオウ』を受け継いだガッシュがそこまで大切か?」
ガッシュが魔界の王を決める戦いに参加する100人に選ばれていた事にゼオンは今までの苦労を否定された気分になり、凄まじい怒りと憎しみを抱いた。
ゼオン「くそったれが…、ガッシュめ…消してやる…。痛めつけて、俺と同じ苦しみを味わわせてやる!たとえ『バオウ』を使えたとしても、その『バオウ』ごと消してやる!!」
ゼオン「ふざけるな……、ふざけるな!!そんなお前の話が信じられるか!!ガッシュ、遊び惚けていたばかりか、こんなボラ話まで考え付くいらん知恵まで付けやがって!!」
ガッシュの言った真実が受け入れられないゼオンは激怒し、ガッシュを弾き飛ばした。そして、斬りかかろうとした。
清麿「右を斬れ!」
指示通りにガッシュが剣を振るうと、ゼオンの剣とぶつかり合った。その後も清麿の指示で剣のぶつかり合いは続いた。
清麿「ストーム!」
電撃の衝撃波を飛ばしたが、ゼオンはかろうじてかわし、マントでかすらないようにした。
ゼオン「くそっ!!ガッシュのパートナーがデュフォーと同じ力を持っているとは!デュフォー、お前も動け!」
ずっと術を出すだけだったデュフォーが動き出した。
デュフォー「見た限りでは、アンサー・トーカーが使えるようになってからそれなりに鍛錬を積んで安定しているようだな。だが、それでも俺に比べれば未熟だ」
清麿「(遂に本当の地獄が始まるか…!)」
ゼオン「デュフォー、俺は今、無性に腹立たしい!ガッシュを徹底的に叩き潰す指示を出し続けろ!ラウザルクとザグルゼムの使用も許可する!」
清麿「(ラウザルクとザグルゼムだと!?ゼオンも使えるのか…?)」
ゼオン「驚いた顔をしてるな、清麿。ガッシュにできる事は大概俺でもできる。それは、ラウザルクやザグルゼムとて例外ではない」
デュフォー「(ラウザルクとザグルゼムの使用を許可したのはクリアやアシュロンとの戦い以来だな。それ程までにゼオンは頭にきているのか…?)」
ガッシュ「清麿…、本当の地獄の始まりなのだ…!」
清麿「ああ…!」
デュフォー「ゼオン、俺が指示を出す。お前の望み通り、ガッシュを徹底的に叩きのめす答えを出し続けるぞ」
ゼオン「やれっ!」
デュフォー「ジャウロ・ザケルガ!」
いきなりデュフォーはジャウロ・ザケルガを出した。
清麿「ブレールド・ディラス・ザケルガ!リバース!」
対する清麿はガッシュのブレールド・ディラス・ザケルガの追加攻撃、リバースでジャウロ・ザケルガを全て逆流させた。
ゼオン「まさか、全て逆流させるとはな!」
清麿「ラウザルク!」
ゼオンのマント攻撃をガッシュはマントで防いだ後、ラウザルクで一気に距離をとった。
デュフォー「ゼオン、清麿に答えを出す暇も与えないほどの攻撃をするぞ」
ゼオン「ああ」
デュフォー「ラウザルク!」
遂にゼオンはラウザルクを使った。
清麿「(遂にラウザルクを使ったか…!)」
答えを出そうとしたが、その時にはもうゼオンが目の前にいた。
清麿「もうここまで…!?」
ゼオン「ガッシュ、これが遊び惚けていたお前と俺の差だ!」
ガッシュ「ぐああっ!!」
ゼオンのパンチでガッシュは大きく吹っ飛ばされた。
清麿「ガッシュ、すぐに」
清麿の答えが出た時にはもうゼオンがガッシュに迫っており、ゼオンはガッシュを殴り飛ばしてはすぐに追いつき、追い討ちを連続でかけていた。しかも、デュフォーの指示でパンチやキックは全てガッシュの急所を狙ったものだった。
清麿「(くそっ、答えが出てもその時にはゼオンがもう攻撃を仕掛けている…!)」
デュフォー「清麿、答えが出ても反応速度を上回る速さで攻撃を仕掛けられたら、どうにもならないよな」
30秒経過してガッシュのラウザルクは解除されたが、ゼオンのラウザルクはまだ続いていた。そして、1分後にゼオンのラウザルクは解除された。
清麿「(バカな、ゼオンのラウザルクの持続時間はガッシュの倍だと!?)」
ファウード コントロールルーム前
これまで多くの魔物を圧倒的な力で倒してきたガッシュがゼオンに何もできないままやられる姿はティオ達に衝撃を与えていた。
ティオ「そんな…、ガッシュが手も足も出ないなんて…!」
パティ「き、ききき、きっと後で大逆転するわよ、きっと…!」
ティオ「気安く言わないでよ!ゼオンはガッシュが言った通り、これまでの魔物とは強さの次元が違うのよ!ガッシュだって今のままじゃ…」
パティ「だから、ティオは諦めるというの?ガッシュちゃんはボロボロになっても絶対にあきらめないわよ!」
戦いの時は息の合った連携を見せたパティとティオだったが、ガッシュが手も足もでない光景に真面目な状況で衝突していた。
恵「(ガッシュ君がバリーと戦った時も負けそうになったけど、ゼオンはバリーの時とは比べ物にならないぐらい絶望的な状況だわ…。ティオがああ言うにも無理はないわね…)」
ウルル「(パティ…、本当はお前だってガッシュが負けるのではないかと不安になってるのに、無理をしてガッシュの勝利を信じているのか…)」
リィエン「今は言い争っている場合じゃないある!私達も助けに行くある!」
コルル「でも、あの扉は私達がリオウと戦っている時に流れ弾が当たったけど、傷1つ付かなかったんだよ」
ウォンレイ「それでも、やるしかない!早くしないと、ガッシュが危ないんだ!」
ティオ「ガッシュ…」
ゼオンの猛攻でピンチになっているガッシュが不安でしょうがないティオをリーヤはつついた。
ティオ「何?」
リーヤ「お前、ガッシュが好きか?」
ティオ「な、何よ、こんな時に」
リーヤ「好きなんだろ?」
ティオ「な、何なのよ!」
リーヤ「僕もガッシュが好きだ!」
パティ「あんた、同性愛に目覚めたとでもいうの!?」
リーヤの言葉に激怒したパティはウルルとチェリッシュに取り押さえられた。
パティ「放しなさいよ!」
ウルル「パティ、リーヤの言ってるのは恋愛の好きじゃないんだ」
チェリッシュ「それをわかってあげるのよ」
リーヤ「あいつは凄い奴だ、やる奴だ。僕達がガッシュの力にならなくてどうする?」
ティオ「……うん!」
リーヤの言葉でティオ達の不安はとりあえず払拭された。
アリシエ「みんな、このままだとガッシュはやられてしまう!回復を待っている場合じゃない、出せる限りの攻撃を扉に叩き込むんだ!」
ブラゴ「ならば、俺達が扉を破壊する。行くぞ、シェリー!」
シェリー「ええ」
???「みんな、凄い助っ人が来るよ!」
声と共にサンビーム達がやってきた。
しおり「随分遅くなったわね」
フォルゴレ「色々と敵に遭遇してね」
チェリッシュ「レインはどうしたの?」
モモン「レインは助っ人に来たバリーやテッドと一緒に僕達を先に行かせた後、デゴスの群れと戦っているよ」
チェリッシュ「テッド…」
ニコル「それで、その助っ人は?」
エル「その助っ人はゴームなんです。今、ファウードの回復液を汲みに行ってますけど、汲み終わったらここにワープして来るそうです」
恵「よかったわね、ティオ。ゴームが味方になれば、ゴームのワープでガッシュ君と清麿君を助けられるわよ!」
ティオ「あんた達、いい仕事したじゃない!」
キャンチョメ「えへへ、ゴームが僕達の友達になってくれたら心強いだろう?」
ウォンレイ「あのゴームと友達になったのかい?」
キャンチョメ「そうだよ」
サンビーム「私達はゴームが来るまで、あとから来るバリー達のためにも扉を脆くしよう!行くぞ、サウザー!」
サウザー「準備はできてるぜ、オヤジ!」
サンビーム「ディオエムル・シュドルク!」
サウザー「ディオギコル・ギドルク!」
ジェデュンを倒した時の要領でウマゴンとカルディオは扉を熱してから急激に冷やすを繰り返した。
ファウード コントロールルーム
その頃、ガッシュはゼオンの猛攻でボロボロだった。
デュフォー「マーキュリー・ジケルドン!」
清麿「マーズ・ジケルドン!」
色が青である事以外はマーズ・ジケルドンとそっくりなマーキュリー・ジケルドンとマーズ・ジケルドンがぶつかり、マーキュリー・ジケルドンが弾かれたが、すぐに磁石に引き寄せられるかのようにガッシュを追跡した。
清麿「マントで掻き消せ!」
ガッシュはマントでマーキュリー・ジケルドンを掻き消した。しかし、既にゼオンが背後をとっていた。
デュフォー「マーキュリー・ジケルドン!」
至近距離からのマーキュリー・ジケルドンは回避できず、ガッシュは青い球体に吸い込まれ、動いてもいないのにすさまじい電撃が流れた。
ガッシュ「ぐあああっ!!!」
ゼオン「このマーキュリー・ジケルドンはお前のマーズ・ジケルドンと違い、攻撃を弾く事はできないが、敵を吸い込むまで追い続け、吸い込まれた時点ですさまじい電撃が流れる。どうだ?気絶する事も許されない地獄の拷問の感想はどうだ?」
清麿「ガッシュ!!」
地獄の拷問は続き、しばらくしてから術を解くと、ガッシュは倒れた。
ファウード コントロールルーム前
ゼオンのマーキュリー・ジケルドンにチェリッシュは見覚えがあった。
ティオ「どうしたの?チェリッシュ」
チェリッシュ「あの術、私が受けたバルギルド・ザケルガという術に似た感じよ…。私はそのバルギルド・ザケルガで心を壊されて坊や達と初めて会った風になったの…」
コルル「じゃあ、ガッシュは…」
チェリッシュ「多分、心を壊されるかも知れないわ…」
ティオ「そんな…早く助けないといけないのに…!」
ファウード コントロールルーム
ゼオンとガッシュの実力差は前の戦いの時と同様、かなり大きなものだった。
ゼオン「これでガッシュは俺に怯えるだろうな」
デュフォー「今までバルギルド・ザケルガやマーキュリー・ジケルドンを受けて怯えなかった奴はいなかったからな」
そう言ってると、ガッシュは立ち上がろうとした。しかし、怯えた様子はなかった。
ゼオン「あの野郎、マーキュリー・ジケルドンを受けても怯えずに立ち上がったとはな」
ガッシュ「ウヌ……ゼオン、私は…優しい王様になるためにも…負けるわけには…いかぬ……!」
ゼオン「優しい王様だと?甘すぎて反吐が出る!そんな優しい王様で魔界を統治しても、クリアのような考えを持つバカをのさばらせてしまうだけだ!そんなバカをのさばらせないためにも、王たる者は非情になり、反逆者は徹底的に弾圧しなければならん!」
清麿「徹底的に弾圧したっていつかは反乱で滅ぼされるだけだ!」
ゼオン「だったら、その反乱も弾圧するまでだ!一気に最大呪文で勝負を決めるぞ。やれ、デュフォー!」
デュフォー「ジガディラス・ウル・ザケルガ!」
全てを破壊する雷神が姿を現した。
清麿「ガッシュ、俺達も最大呪文で行くぞ!」
ガッシュ「ウヌ!」
清麿「バオウ・ザケルガァ~~~ッ!!」
そして、全てを食いつくす雷の龍も姿を現した。
ゼオン「バオウを出したか。さぁ、我が力の結晶、破壊の雷神、ジガディラスよ!バオウを打ち砕け!」
チャージの後、ジガディラスはすさまじい電撃を放ったが、バオウは電撃を喰らいながら進んでいった。
清麿「バオウ、ゼオンの雷を食い尽くせ!!」
バオウの勢いは凄まじく、どんどんジガディラスを押していた。
ゼオン「何っ!?真のバオウの威力がこんなものとは…!(それに…この違和感は何だ…?)」
バオウの邪悪な力にゼオンは違和感を覚えていた。そして、ガッシュや父親の魔界王の言葉を思い出した。
ゼオン「(何だ…?この邪悪な力は…?まさか…ガッシュはこんな力を制御しているとでもいうのか…!?もし、父上が俺にバオウを継がせていたら俺は…)」
そんな中、ゼオンに見覚えのない映像が映った。
ゼオン「(何だ?この記憶の映像は…。これは…俺のものではない…。もしかすると…ガッシュの…?)」
今回の戦いではガッシュの記憶を奪っていないのにも関わらず、ゼオンはバオウとジガディラスのぶつかり合いの際にガッシュの過去の記憶の映像を見てしまった。
ゼオン「やめろぉ!こんなものを見せるな!ガッシュは憎むべき存在なんだ!バオウと一緒に消し去る相手だぁあっ!!」
しかし、バオウはどんどんジガディラスを押していた。
デュフォー「!!あそこだ。あそこを狙え」
ゼオン「ジガディラス、あそこを撃ち抜け!」
デュフォーの指示でゼオンはバオウの弱所を撃ち抜いたが、同時にジガディラスはバオウに噛み砕かれてしまい、結果は相殺に終わった。
ゼオン「俺の力の結晶が…力では負けていただと…?」
デュフォー「俺がバオウの弱所を見つけるのが少しでも遅れていたら俺達がやられていたな」
清麿「(威力の劣るジガディラスでバオウと相殺に持ち込むとは…)」
バオウを撃ち終わった後、ガッシュは倒れた。
清麿「ガッシュ、どうしたんだ!?ガッシュ!」
ゼオン「ようやくくたばったか…。忌々しい上にしぶとい奴め…!」
そんな中、大きく揺れた。
デュフォー「何だ?」
ゼオン「海溝を抜けたのさ。これでファウードは高速移動ができるようになる。日本に着くまで1時間。いや、50分だ。さぁ、ファウードよ、高速移動開始だ!高速移動開始5秒前、5、4、3、2、1、いけえっ!!」
ケルマディック海溝
ファウードは高速移動を開始するのをマリルらは見ていた。
ナゾナゾ博士「いかん!ファウードは高速移動を始めたぞ!」
カラオム「我々もジェット機で追いましょう!」
マリル「そうじゃな!」
マリルらもジェット機に乗り、ファウードを追いかけた。
ファウード コントロールルーム
遂にファウードは高速移動を開始し、50分で日本に到着しようとしていた。
ゼオン「デュフォー、今度こそ奴等を仕留めるぞ」
デュフォー「ジガディラス・ウル・ザケルガ!」
再びデュフォーはジガディラスを発動させた。
清麿「(何だと!?まだデュフォーはジガディラスを撃てるのか!?俺はさっきのバオウで心の力を使い果たしてしまったというのに…!)」
デュフォー「清麿、ガッシュが倒れ、心の力も残ってない状況じゃ、生き残るための答えなんて出せないだろう?」
ファウード コントロールルーム前
ガッシュの敗北にティオ達は衝撃を受けていた。
パティ「嘘でしょ…?」
ティオ「ガッシュが……負けた…?」
コルル「ゼオンに勝てっこないよ…」
アリシエ「諦めてはいけない!今度は僕達がガッシュを助け、ガッシュが回復するまでゼオンと戦うんだ!そうしなければ、世界はファウードによって滅ぼされてしまう!」
恵「サンビームさん、サウザー君、まだ扉は脆くならないの!?このままだとガッシュ君と清麿君が!」
サンビーム「さっきからやってるのだが…」
サウザー「ちくしょう!こんなに頑丈だったなんてよ!」
そんな中、空間に穴が開き、ゴームペアとパピプリオペアが姿を現した。
ミール「待たせたわね。私達も体内魔物の襲われたりして遅くなったけど、ちゃんとファウードの回復液は汲んで来たわ」
パピプリオ「俺も手伝ったぞ!」
フォルゴレ「来たばかりで済まないがゴーム、すぐに私達をコントロールルームまでワープさせてくれ!そうしないと、ガッシュが!」
ゴーム「ゴォ、ゴオ!」
ゴームは嫌な素振りはせずにすぐに空間に穴を開けた。
フォルゴレ「一番手は恵とティオに任せるよ」
恵「私達に?」
フォルゴレ「君達が一番ガッシュと清麿を助けたいだろう?レディーファーストも兼ねて、君達から先に行かせよう」
恵「ありがとう、フォルゴレさん!」
ティオ「私達から先に行くわ!」
ガッシュと清麿を守るため、ティオと恵を先に行かせ、残りのメンバーも後に続いた。
ミール「あんた達はここでお留守番してその子達を守るぴょん」
パートナーを失ったエリー達の護衛とお留守番をパピプリオに任せ、最後にミールはゴームと共に空間の穴に入った。
パピプリオ「みんな…気を付けろよ…。ピンチになったら、俺も駆け付けるからな…」
ファウード コントロールルーム
今にもジガディラスの最終チャージが終わろうとしていた。
ゼオン「ガッシュ、今度こそお前は終わりだ。この一撃で消し飛びやがれ!」
清麿「(もう…終わりなのか…?)」
いくら考えても答えを求めてもどうにもならない状況に清麿の心が折れかかった時、空間に穴が開いて恵とティオが出てきた。
ティオ「ゼオン、これで終わりじゃないわ!」
恵「チャージル・セシルドン!!」
ジガディラスが放たれた瞬間に恵はチャージル・セシルドンを発動させてジガディラスを防いだ。これまでヒビ一つ入らずにディオガ級の術を防ぎ続けたチャージル・セシルドンだが、前の戦いの時のようにゼオンのジガディラスを受けとめた時はヒビが入った。
ティオ「恵、心の力を全部使いきってでもガッシュと清麿を守るわよ!」
恵「2人を失うのに比べれば私の心の力を全部使い切る事ぐらい怖くないわ!」
恵は心の力を込め続けた。恵達に続いて、キャンチョメペアとモモンペアが来た。
モモン「あの盾、何だか壊れそうだよ…」
ティオ「ジガディラスは私達が受け止めるから、その間にモモンとキャンチョメはジガディラスを消して!」
キャンチョメ「うん!」
ゼオン「そんな盾で俺のジガディラスを防げると思ったら」
エル「フェイ・ミウルク!」
モモンはキャンチョメを抱えてゼオンペアの近くまで飛んだ。
ゼオン「これから何をする?」
フォルゴレ「フォウ・スプポルク!」
キャンチョメの術でデュフォーは無意識に心の力を出すのを止められてしまい、ジガディラスは消えてしまった。
ゼオン「ジガディラスを消しただと!?」
デュフォー「(あの術はあの魔物の手から発せられる光と音を通して、俺の脳に心の力を出すのを止めるという命令を送ったのか…)」
エル「フェイ・ミウルク!」
すぐにモモンはゼオンから離れた。そして、空間の穴から残りの仲間達が姿を現した。
ゼオン「お前らを招いた覚えはないぞ」
ミール「あ~ら、ゴームがいればこんな密室にも簡単に侵入できるのよ」
ゴーム「ゴォ!」
キャンチョメ「ふはははっ!鉄のフォルゴレと無敵のキャンチョメ様がいればお前なんか怖くないんだぞ!」
清麿「みんな!」
アリシエ「済まない。到着が遅れたばかりにガッシュが倒れてしまう状況になってしまって」
ウォンレイ「だが、私達が来たからにはもう安心だ!」
ガッシュを守るために仲間達が集まったのであった。
ファウード 通路
その頃、ファウードに入り込んだアシュロンはコントロールルームを目指していた。
リーン「ダンナ、こんな所では小回りの利くフェイウルクで我慢してくださいよ」
アシュロン「急ぎたい所だが、シン・フェイウルクは小回りが効かんから止むをえないか…!」
体内魔物を退け、アシュロンはコントロールルームへ急ぐのだった。
これで今回の話は終わりです。
今回はガッシュとゼオンの戦いでしたが、今までの安心感を吹き飛ばしてしまうゼオンの圧倒的な強さとガッシュの敗北を描きました。
作者発言でゼオンはラウザルクとザグルゼムも使用可能なため、原作以上に容赦のない仕様になっています。マーキュリー・ジケルドンはガッシュがゼオンのソルド・ザケルガと似たような術を覚える可能性もあるなら、ゼオンもガッシュと似たような術を覚えても不思議ではないと考えたために思いついた術です。
次はガッシュの仲間達がゼオンに挑みますが、仲間のうち、誰か1人が脱落してしまいます。しかも、その際にゼオンは新しい術を覚えて更なる絶望が待ち受けています。