金色のガッシュベル!!SECONDLAP   作:アンドロイドQ14

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LEVEL75 ゼオンの願い

回想

 前の戦いの時と同じようにゼオンはガッシュの記憶の映像を見ていた。

魔界王「ガッシュ…ガッシュ…ガッシュ…」

 

ガッシュ「う…お~~、う~~~」

 

魔界王妃「起きましたわ…あなた…」

 

魔界王「うむ、ガッシュよ…これからいう父の言葉をよく聞くのだ。お前をこの王城から民間の町へと移す。父と母と一緒に暮らせなくなるのだ。理由は我が体に宿る術、『バオウ・ザケルガ』をお前の体の中へと受け継がせたからだ。厳しき宿命を背負わせることを許してくれ。双子の兄、ゼオンは私の心の修羅な部分を多く受け継いでしまった。怒りや憎しみを持ちやすい子だ。きっとゼオンがバオウを使えばたちまち悪い心をバオウに支配され、そのすべてをバオウに食われてしまう。お前しかいないのだ。バオウを目覚めさせぬ可能性を持つ者は…。ガッシュの中にバオウがあると知られれば、バオウの真の恐ろしさに気付かず、無理矢理バオウを目覚めさせようとする者も出てこよう。だからガッシュ、お前を生まれなかった事にしてバオウを隠す。許せ、バオウは年老いた私では手に負えぬ術となった。お前達どちからの体に眠らせなければ、バオウは魔界の全てを滅ぼしにかかる。ゼオン、ガッシュ、そして我が魔界、全てが無事であったほしい。そのための苦渋の決断だ」

 

 ガッシュはユノという老婆に引き取られ、王城から移された。

 

ユノ「さぁ、ガッシュ。今日からここがお前の家だよ」

 

 ここまでは前の戦いの時と同様だった。しかし、ゼオンには王になった後に過去の体に魂が移ったガッシュの記憶と、王になった後のガッシュの魂の移り先となった過去のガッシュの記憶の映像が見えていた。

 

ゼオン『(どういう事だ?二つのガッシュの記憶の映像がある…)』

 

 過去のガッシュの記憶の映像では、ユノからの虐待でガッシュの心は未来のガッシュ以上にすり減っていた。

 

ガッシュ「ユノさん…、どうして僕に本当の家族がいる事を教えてくれなかったの…?」

 

ユノ「あんたに家族なんかいるものか」

 

ガッシュ「嘘だ!僕は聞いていたんだ!家族がいるって!」

 

ユノ「だから、そんなものはいないと言ってるだろ!」

 

ガッシュ「ユノさんは最初から僕をお金を受け取るための道具としか見ていないんだ!ユノなんて…ユノなんて大っ嫌いだ!!!」

 

 虐待に耐えられなくなったガッシュは遂に怒りと憎しみを爆発させてしまい、封印されていたバオウを目覚めさせてしまった。

 

ユノ「ひ、ひぃいいいいっ!!!!」

 

 直後、大きな爆発があった。ユノの家の近所にいた優しくて若い女がユノの家に来ると、そこには意識不明の重体となったユノと、意識を失ったガッシュがいた。

 

若い女「ガッシュ君、何があったの?しっかりして!」

 

 優しい声に反応し、ガッシュは目が覚めた。

 

ガッシュ「……僕はどうしたの…?」

 

若い女「何も覚えてなくてもいいの。今まで私が色々と相談に乗ってたけど、辛かったでしょう。だから、今日から私がガッシュ君を育てるわ」

 

 若い女は魔界王の使いと話をしていた。

 

使い「では、王妃様の妹であるあなたが今日からガッシュを育てるというのですね」

 

ガッシュの叔母「はい。あの爆発は恐らく、ガッシュ君がユノからの虐待に耐えられなくなったせいで強大な力を暴走させてしまった事が原因だと推測しています」

 

使い「わかりました。王と王妃の子供のガッシュをあなたに預けます。なお、ユノは怪我が治り次第、処罰します」

 

 これまでの虐待が明るみになったため、回復した後に処罰を受ける事が決まったユノは病院へ運ばれ、ガッシュの叔母がガッシュを引き取る事となった。

 

ガッシュ「僕には本当にお父さんとお母さんがいるんだね?」

 

ガッシュの叔母「そうよ。私の姉さんはガッシュのお母さんなの。今はお父さんと一緒に事情があって会えないけど、いつもあなたの事を心配しているのよ。それに、ガッシュにはお兄ちゃんもいるのよ」

 

ガッシュ「お兄ちゃんも…。私には…お父さんがいる…。お母さんがいる…。お兄ちゃんが…欲しかったお兄ちゃんまでいるのだ…」

 

ガッシュの叔母「そうよ、あなたは独りぼっちなんかじゃないわ」

 

ガッシュ「ううっ、うううううっ!!」

 

 ガッシュの叔母の温かさと本当の家族がいる喜びにガッシュは涙を流し、ガッシュの叔母に抱き付いた。そしてガッシュが寝た後…。

 

ガッシュの叔母「(やはり、噂に聞いたガッシュの中に眠るバオウの力が目覚めたまま学校に行ったら、力加減ができないガッシュは知らずに他の子を傷つけるかも知れない…。力を抑えなければ…)」

 

 寝ているガッシュに気付かれないようにガッシュの叔母はガッシュの力を抑える封印術を施し、誤って強大な力が使えないようにした。

 

 

 そして翌日…

教師「では次のこの問題…。ガッシュ、やってみろ」

 

ガッシュ「ウヌ!」

 

教師「ウヌ!?」

 

ガッシュ「私がその問題を解いてみせるのだ!みなもよく見ておるがいいぞ!」

 

 ガッシュの話し方にコルルやティオを含む子供達は驚いていた。

 

子供A「何だよガッシュ、その話し方!」

 

子供B「王様みたい!」

 

子供C「バカじゃねーの?」

 

子供D「そうそう、昨日、ガッシュの家が爆発したんだぜ。原因はわかってないけど、ガッシュに呪文1発で家を壊す力とかねえだろうけどな」

 

 ユノの家の爆発の本当の原因はガッシュが怒りと憎しみを爆発させた事によるバオウの暴走であった。この事はこの場にいる誰もが知らなかった。無論、ガッシュ本人さえも。

 

ガッシュ「(こういう喋り方をしていれば王であるお父さんもお母さんも私に気付きやすいのだ…。叔母さんの言った通り事情があって会えないけど、いつも心配してくれてるのだ!だから私も元気な所を見せねばいかんのだ!こういう喋り方をしてれば私を忘れないでいてくれる…)」

 

 叔母に引き取られた後、虐待で心がすり減った挙句、怒りと憎しみを爆発させたユノの時とは違い、多少の寂しさはあったものの、叔母にたくさんの愛情を注がれてガッシュはゼオンのように歪む事なく、すくすくと育っていった。

 

ガッシュ「行ってきますなのだ!」

 

ガッシュの叔母「いってらっしゃい!(姉さん、ガッシュはすくすくと育っています。心の中では本当の親と暮らせないが故の寂しさもありますが、お父さんとお母さん、そしてお兄さんのゼオンと家族一緒に暮らせる日が来る事を信じて明るく振る舞っています)」

 

 

 

???「ゼオン…ゼオン…」

 

 二つのガッシュの記憶の映像を見てる中、声がしてゼオンが目を開けると、そこにはガッシュがいた。本の色は戦いが終わり、元の赤に戻っていた。

 

ガッシュ「ゼオン!」

 

ゼオン「許せ、ガッシュ…兄が愚かだった…」

 

コルル「生きてるみたいだよ!ティオ、サイフォジオで」

 

ゼオン「大丈夫だ。余計な事をするな」

 

ティオ「何ですって!?私の力がよけいだなんて」

 

チェリッシュ「待つのよ、ティオ。ゼオンの本に火が…」

 

 ゼオンがサイフォジオが余計だと言った理由が、既に本に火が付いたためだったため、ティオも納得した。

 

ゼオン「ガッシュ、残った時間で俺のわがままを聞いてくれ。俺はどうしてもお前の記憶が見たい。お前の記憶にはどうしても不可解な所がある。それに、バオウの事を最初から知っていたりするのも不自然だ。見せてくれないか?」

 

パティ「ガッシュちゃんの記憶に不可解な所?」

 

ガッシュ「ウヌ、いいのだ」

 

 ゼオンはガッシュの頭に手を当ててみて、ガッシュの記憶を見た。

 

ゼオン「(何だ?この記憶は…?)」

 

 ガッシュの記憶を見ていたゼオンには、ガッシュが前の戦いで経験した出来事などが見えていた。

 

ゼオン「(さっきのぶつかり合いと同じような光景だ。それに…クリアとどうして戦っているんだ…?)」

 

 ますます疑問に思うゼオンだったが、最後にガッシュが王となるのを見て、全ての真実に気付いた。

 

ゼオン「(そうか…。だから、バオウやファウードの事も…)」

 

しおり「さっきからどうしてるのかしら?」

 

ゼオン「ガッシュ、知らなかったとはいえ、テッドの言った通りお前を憎む兄が情けなくてバカだった。真実から目を背け、未熟な心で力を求めた兄が愚かだった。俺は…具体的ではなかったが、バオウがどういった術か聞いても、バオウの真の姿を目の当たりにし、お前の記憶の断片が少しだけ見えても、俺はその事実を受け止め、認める勇気がなかった…。それを認めてしまったら今までの事を全て否定してしまうから、全てを知ろうとせず、意固地に自分が正しいと言い聞かせた…。空しさが増すだけなのにな…。だから、最後に本気で勝負をしかけた。俺の過ちを確かめるため、そして父が俺達のためを思ってくれたかを確かめるために。ガッシュに不幸を与え、俺に過ちを犯させただけか?それとも、俺達2人を正しい道へ歩ませてくれるものか?心の奥では負ける事を望んでいた…。こんな憎しみの力だど、俺事すべてを壊してくれと思っていた…。そしてお前は既にバオウを使いこなしたばかりか、仲間や魔界に帰ったアシュロン達の力を借りて俺の力、シン・ジガディラスを打ち破った。父よ、喜べ。父の苦悩は晴らされたぞ。俺はガッシュを、父を恨む事はなくなり、ガッシュはバオウを使いこなすばかりか、王に相応しい姿を見せつけた。これで…、これで…」

 

ガッシュ「ウヌ、私とゼオン、一緒に…家族一緒に暮らせるのだ…」

 

 分かり合えた兄弟の姿に女子のほとんどが泣いていた。

 

パティ「うわあああん!涙が止まらないわよ~~!!」

 

恵「やっとお兄さんと分かり合えたのね…」

 

チェリッシュ「ゼオンに痛めつけられたのに、涙が止まらないわ…!」

 

ティオ「チェリッシュったら、家族の事には涙脆いのね…」

 

 男達も一部泣いていた。

 

バリー「エルザドルとの戦い以来だ…、涙が止まらねえのは…」

 

ゼオン「デュフォー、お前は生きろ。最後のバオウとの戦いでお前は憎しみや怒りを全てぶつけた。そして、ガッシュに何かを見たな?」

 

デュフォー「(ああ…ガッシュは俺の憎しみや怒りを全て受け、涙を流した…。そして俺は…これがなんなのか、清麿が自分の力の限界を超え、俺と同等の答えを出し続けられたのが何なのか、答えは出ない。だが…)」

 

ゼオン「生きてくれ、デュフォー。俺の願いだ。お前のように凄い奴がこのまま過去に縛られ、消えていくのは耐えられん。お前も感じたはずだ。憎しみや怒りの力がどれだけ空しいかを…。そしてガッシュとの戦いで『何か』が生まれた。まだそれが何なのか、お前はわからんかも知れん。だが、どんな手を使ってもその答えを探せ。きっとその先に違う景色がある。もう『いつ死んでもいい』などという考えを持ったら、許さんからな!!」

 

デュフォー「……わかった。約束しよう」

 

 しかし、そんなムードを壊すかのようにファウードの鍵が壊れてしまった。

 

アナウンス『警告します。コントロールキーが壊されました。これよりファウードの行動は制御不能になります。後、10分で日本に到着します』

 

シェリー「鍵が壊されたら…」

 

リィエン「ファウードは止められないある!」

 

フォルゴレ「清麿、なぜあの鍵まで壊した!?」

 

清麿「知らん、ゼオンがバオウで死なないよう手加減する事で精一杯だったんだ!!」

 

キャンチョメ「あんなでかい奴、シン・ポルクを使ってもどうにもならないよ!!」

 

清麿「そうだ!ファウードを魔界に帰す装置がある!」

 

サンビーム「だが、パムーン達が生き残っているかどうか…」

 

ゼオン「ガッシュ、手を…」

 

ガッシュ「ウヌ」

 

 前の戦いの時のようにゼオンはガッシュに自身の雷の力を全て渡した。

 

ゼオン「俺の雷の力を全てお前に渡す。これで一度きりだが、バオウはもっと強くなる。父が使っていた頃のバオウは千年近く鍛え上げられ、究極の強さを持っていた。その力にどれだけ近づけるかわからんが…我ら双子に二分された力を一度元に戻すんだ。そうすればファウードを止められる可能性は0ではない。俺の力が+されるのは一度きりだ。必ず当てろ。デュフォー、外へ出る手伝いをしてやってくれ。お前と清麿の力なら、できるはずだ。ファウードやバオウの事を知ってるのなら、もう一つの地獄もガッシュは知っているはずだ。ガッシュ、王になれ。きっと父上や魔界に帰った仲間達もこの上なく喜ぶ。デュフォー、お前といた時間、楽しかったぞ。お別れだ…(デュフォーもガッシュの正体に気付いてるはず。じゃあな、未来のガッシュ…)」

 

 記憶を見た事で目の前にいるガッシュが体は現代のガッシュでも、魂は未来のガッシュである事に気付いたゼオンは心の中で別れを告げ、魔界に送還された。

 

清麿「よし、バオウでファウードを倒す前にファウードの中にいるみんなを外へ」

 

サウザー「だが、話を聞いてくれるかどうかわかんねぞ」

 

清麿「緊急事態なんだ!中にいる人間を集めるのはゴーム、お前に任せるぞ」

 

ゴーム「ゴォ!」

 

ミール「まっかせなさい!私達があちこちの脊髄ホールにワープして集めて来るわ!」

 

デュフォー「その前に俺をファウードを魔界に帰す装置がある部屋まで送ってくれ。再びタイマーをセットする」

 

ミール「行くわよ、ゴーム!」

 

ゴーム「ゴォ!」

 

 ゴームはワープでデュフォーをファウードを魔界に帰す装置がある部屋まで送迎した。

 

 

 

ファウード ファウードを魔界に帰す装置がある部屋

 パムーン達はずっと守り続けていた。

 

レイラ「まずいわよ、アナウンスではあと数分で日本に到着するって」

 

パムーン「日本に着いたら1時間近くも暴れまわるのか…」

 

 そんな中、ゴームがワープでデュフォーを送迎してきた。

 

ミール「送ったわ。私達はみんなを集めなきゃいけないから、終わらせるのよ」

 

デュフォー「ああ。1分程度で再度セットできる」

 

 そのままミールはゴームと共に格脊髄ホールにいる人間を迎えに行った。

 

パムーン「お前、機械の扱い方がわかるのか?」

 

デュフォー「そうだ。初めて見る機械でも扱い方がわかる」

 

 デュフォーは再度タイマーをセットした。

 

 

 

ファウード コントロールルーム

 ゴームによって次々とコントロールルームに集まってきた。デュフォーもタイマーの再セットが終わってから、ゴームに送迎してもらった。

 

ミール「これで全員よ」

 

デュフォー「タイマーもセットし直した。これで1時間近く待たずとも、ファウードを魔界に帰す事ができる」

 

グスタフ「ファウードを止めるのはバオウでやるのか?」

 

清麿「ああ。ファウードは魔界の脅威。それを止められるのは、同じ魔界の脅威のバオウしかない!」

 

エリー「このままファウードが進むと日本のどこに着く?」

 

清麿「そういえば…」

 

デュフォー「モチノキ町だ」

 

サンビーム「モチノキ町だって!?」

 

 そうしている間にも、遂にファウードはモチノキ町に到着した。

 

 

 

モチノキ町

 ジェット機で追っていたアポロ達も同じくしてモチノキ町に到着した。

 

アポロ「遂に日本に来てしまったか…」

 

ナゾナゾ博士「住民の避難は終わっているようだ」

 

カラオム「どうやってファウードを止めるのか…」

 

???「高嶺君~~!」

 

 どうしようか考えていた途端、涙声がして声が聞こえた方を向くと、そこには鈴芽がいた。

 

ナゾナゾ博士「まさか、逃げ遅れた子か!?」

 

カラオム「危ないからジェット機に乗ってなさい!」

 

鈴芽「ちょっと待ってよ~~!」

 

 問答無用で鈴芽はジェット機に乗せられたのであった。それと同時にファウードの装置でガッシュ達もファウードの外に出た。

 

マリル「清麿とその仲間達ではないか!」

 

恵「マリル王女もファウードを追ってここまで来たのですね」

 

マリル「そうじゃ」

 

鈴芽「高嶺君だ…!」

 

 ジェット機の窓越しに鈴芽は清麿達の姿を見た。

 

清麿「よし、これで全員ファウードから出たな」

 

しおり「ええ、これで全員よ」

 

清麿「行くぞ、ガッシュ!ファウードがこの街を壊す前に止める!」

 

ガッシュ「ウヌ!」

 

清麿「必ず当てる!必ず止めるぞ!」

 

ガッシュ「ウヌ!」

 

清麿「ゼオンからもらった雷を無駄にするな!」

 

ガッシュ「ウヌ!」

 

 ガッシュの本の輝きがとてつもないものになっていた。なお、、ファウードから出る前に清麿はティオの術で心の力をフルに回復させてもらっていた。

 

エリー「アース、俺はいよいよガッシュの父親が使っていた頃のバオウを拝む事になったぞ…」

 

パティ「ガッシュちゃんには勝利の女神がついているのよ!」

 

コルル「だからファウードを」

 

ティオ「確実に止めるのよ!」

 

ガッシュ「ウヌ!ゼオン、力を借りるのだ!」

 

清麿「うおおおっ!!ファウードを打ち砕け~!バオウ・ザケルガ~~!!!」

 

 ゼオンの力を借り、ガッシュはバオウを放った。その放たれたバオウの大きさは前の戦いの時と同様、とてつもない大きさになっていた。

 

キャンチョメ「で、でで…」

 

フォルゴレ「でかすぎる~~!!」

 

エリー「前に見た時とは比較にならんぞ!!」

 

恵「ガッシュ君のお父さんが使っていた頃のバオウってこんなに大きかったの!!?」

 

 バオウの大きさにはアポロ達もびっくりしていた。

 

カラオム「規格外ですぞぉ!!」

 

マリル「こんなものを見るとは…!」

 

バオウ「バオオオオオッ!!」

 

 バオウはそのままファウードと取っ組み合い、ファウードを押していった。

 

清麿「いっけ~~~っ!!」

 

ゼオン『さ…もう一息だ、ガッシュ!』

 

ガッシュ『ウヌ、ありがとうなのだ…ゼオン…』

 

 バオウはそのままファウードを押し、一気にファウードに食いついた。

 

ウォンレイ「やった…やったぞ!!」

 

リィエン「ファウードが動かなくなったある!」

 

 それと同時にファウードを魔界に帰す装置が作動し、ファウードは魔界に帰された。

 

清麿「やった……、やったぞ!!」

 

恵「これで一件落着ね、清麿君!」

 

 ようやくファウードが魔界に帰されたため、恵は嬉しくて清麿に抱き付いた。

 

清麿「め、恵さん!?」

 

恵「生きて帰れたから、これは私からのプレゼントよ」

 恵は清麿にキスした。

 

フォルゴレ「おお!バラ色のシーンを見せてくれるとは…」

 

サンビーム「グルービーだ!」

 

清麿「え…?」

 

恵「そ、その…」

 

コルル「恵お姉ちゃんも清麿お兄ちゃんも顔が赤いよ」

 

しおり「恵ったら、勢いで清麿君にキスしたから、恥ずかしいの?」

 

チェリッシュ「でも、お似合いのカップルである事に変わりないわ」

 

パティ「ねえ、ガッシュちゃん。私達もキスしましょ」

 

ガッシュ「えっと…」

 

ティオ「そんな事させないわよ、パティ!」

 

 またパティとティオの喧嘩が始まった。

 

ウルル「(またか…)」

 

アリシエ「この場にいる君達の中の誰かが絶対に魔界の王様になってほしい」

 

ジード「それが俺達の願いだぜ」

 

パピプリオ「俺も入ってるよな」

 

ブラゴ「……お前のような雑魚は王になるのなんか、1万年かかっても無理だ」

 

パピプリオ「そんな事言わなくても~~」

 

レイン「ガッシュ、約束通り俺を魔界に帰してくれ」

 

カイル「お別れだね、レイン」

 

レイン「なぁに、カイルが勇敢になった上、一緒に戦う事もできて嬉しいさ」

 

 ファウードを止めたため、約束通りレインは本を燃やしてもらい、魔界に帰った。

 

ブラゴ「シェリー、あいつらの戦いぶりを見た以上、もっと強くなるぞ」

 

シェリー「ええ。ガッシュを倒すのは、私達なんだから。あら?そう言えば、デュフォーはどこなのかしら?」

 

 一同が見回したが、デュフォーは見当たらなかった。

 

清麿「(デュフォー、お前は答えを探すための旅に行ったのか…)」

 

 清麿の思った通り、デュフォーは『答え』を探すため、静かに一同の前から去って行った。

 

 

 

 

アフリカ

 それから1か月後、デュフォーはアフリカのある村に来ていた。すると、何やら悲しむ声が響き渡っていた。

 

デュフォー「おい、ここに宿はあるか?」

 

男「お前…薬は持ってるのか?薬をくれたら家に泊めてもいい」

 

デュフォー「薬はない。金ならある」

 

男「そうか…いや、いい。どのみち旅の人が持ってる薬ではあの子の病気は治らない。この近くの医者も治せなかった難しい病気だ。あの子はもう…死ぬ」

 

デュフォー「……一晩泊めてくれ。金は払う」

 

 しかし、夜になっても悲しむ声が静まらず、デュフォーは眠れなかった。

 

デュフォー「おい、あの子供の病気が治ればこの耳障りな喚き声がなくなるのか?」

 

男「何!?」

 

デュフォー「これに書いたコウモリと虫、植物を採ってこい。ここら辺にいる。種類を間違えるな。あと、注射はないだろうから針を、なければ鋭いナイフを用意しろ」

 

 デュフォーの指示通りのものを村人たちが用意した後、デュフォーは子供に処置を施した。

 

デュフォー「これでいい。後は騒ぐな。朝にはよくなる」

 

村人「ほ、本当か?」

 

デュフォー「静かにしてればな。二度とわめくなよ」

 

 そして早朝、デュフォーは日が昇る前に村を出ていった。

 

デュフォー「(これくらい早く出れば日が暮れる前に次の村に着く)」

 

男「おい、お~~い!!」

 

 しかし、村人の1人が来た。

 

男「治った!あの子の病気が治った!」

 

デュフォー「そうか…。だが、人は寿命でいずれ死ぬ。俺が救った事も意味のない事だ」

 

男「なぜそんな事を言う?生きていればあの子も大人となり、異性と結ばれて子供を授かる!何よりお前の行いは偉大だ!生きる事に意味がないというのなら、なぜおまえは生きている?」

 

デュフォー「ゼオンという昔の知り合いとの約束だ。ただ、それだけだ」

 

男「なら、私とも約束してほしい!生きてくれ!あんたは生きなきゃいかん!死んではならん!」

 

デュフォー「なぜだ?」

 

男「あんたはあの子に、我ら村の者達に愛を与えた」

 

デュフォー「愛なんかない。ただ、治しただけだ」

 

男「だが、あの子は愛を感じている。村の者達もお前のやったことに愛を感じている。生きて、また村に来てくれ。私はまだまだお礼を言いたい。何度でも…何度でも!!」

 

 男の流す温かい涙にデュフォーは見覚えがあった。

 

デュフォー「(…この涙は知っている…。ガッシュが俺の憎しみや怒りを全て受け、そして悲しみの涙を流した…。その時の…俺が流した涙…)」

 

男「見ろ…お前は…あれだ!」

 

 村人が指差した方には、太陽が昇っていた。

 

デュフォー「そうか…俺はあいつらに愛を受けていた…。今なら、あの時、清麿が恵を助けるために頭より先に体が動いたのも、恵とティオが命をかけてでも清麿とガッシュを守ろうとしたのも、清麿が限界を超えて俺と同等の答えを出し続けられたのもわかる…。ありがとう、ガッシュ…。そして俺の家族、ゼオン…」

 

 その後、村を去って行くデュフォーだったが、その目の前に見覚えのある人物がいた。

 

グレース「デュフォー、デュフォーなのね!」

 

 デュフォーとの再会を喜ぶグレースはデュフォーを抱きしめた。

 

デュフォー「ミス・グレース…」

 

グレース「デュフォー、あなたに辛い思いをさせてごめんなさい…。あれからあなたに会えなかったのはあの人は私の元を去って行ったと言っていたけど、本当はあの人にクビにされてしまったからなの。私はもっとあなたの傍にいてあげたかったのに…」

 

デュフォー「その答えは既に出している」

 

グレース「もうわかってたのね。デュフォー、私はあなたを養子として引き取ろうと思ってるの。家族がいた方が」

 

デュフォー「気持ちはありがたいが、俺を養子に引き取るというのは断らせてもらう」

 

 グレースの養子になるのを断ったデュフォーは去って行った。そこへ、グレースの夫が来た。

 

研究員「グレース、あの子には既に家族がいたんだよ…」

 

グレース「家族…。あなたから聞いた、銀色の子なのね…」

 




これで今回の話は終わりです。
今回はファウードを止めるのと、原作のファウード戦後のデュフォーのその後を描きました。
どうして逆行したガッシュが早い段階から王族の力が目覚めていたのかは、未来のガッシュの魂が入り込む先となった過去のガッシュが原作と違って過去にユノからの虐待に耐えられなくなり、バオウを暴走させたためという描写にしました。また、ガッシュの叔母は映画第1作の101番目の魔物でガッシュが母親と過ごした記憶の補完描写として出しました。
最後のデュフォーのは原作のシーンに加え、サービスとしてミス・グレースとの再会も描きました。
次の話がラストで、ガッシュは元の時代に帰ってしまいます。それと同時にどうしてガッシュが逆行してしまったのか、ガッシュが逆行した先の過去の世界の魔界の王を決める戦いがどうしてガッシュが経験した戦いと違う所が多いのかも明らかになります。もしかすると、映画のネタもまた出てくるかも知れません。
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