Language of love   作:千α

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罪歌とのファーストコンタクト


第七話 赤目

「あれ?春媛先輩は?」

 

「風邪ひいてる。」

 

 

 

 

正臣はいつも冬樹にベッタリの春媛がいない事が気になった。聞いてみると風邪をひいてるらしく、どこか清々したような冬樹がいた。

 

 

「そういや、宇野原。」

 

「何?」

 

「お前さぁ…ダラーズだったりする?」

 

正臣は周りに聞こえないように冬樹に聞いて来る。

 

「………なんで?」

 

「いや、雰囲気的に?いかにもって感じだからよ。」

 

「"いかにも"ねぇ……。結論から言うとダラーズじゃない。」

 

「あー…違うのか…。もしダラーズだったらお前がリーダーかも〜って思ってたんだけどなぁ…。」

 

冬樹はダラーズにはもちろん入っていないが、リーダーというのはビンゴだ。冬樹は折原臨也が作ってたった数日で飽きてしまったカラーギャングの"白爛"のリーダーだ。

ちなみにリーダーを任されたのは中学の入学式の日。「飽きたからあげる。」といきなり臨也に言われ白爛のリーダーになってしまったのである。現在では冬樹は見事白爛の裏のリーダーとしてチームをまとめている。

 

「そうだ!宇野原。」

 

「今度は何だよ。」

 

「ナンパに行こう!」

 

「遠慮する。」

 

「いいじゃんかよ!そうだ、お前たしか杏里に会ってなかったよな!」

 

「………紀田。」

 

「ん?なんだ?行くのか?まぁ…あれだろ?俺の誘いがあまりに魅惑すぎて…。」

 

「お前さぁ…なんで俺に構うんだよ。」

 

冬樹は疑問に思っていた事を口にする。

ふと脳裏に浮かぶイジメや虐待を受けていた頃の記憶、自分に近づいて来た者を追い払う春媛の記憶。だから同じ年の奴で冬樹に話しかける人はいなかった。いつも独りで……。

 

 

──『坊主、大丈夫か?』──

 

 

そういえば、あの時話しかけてくれたおじいさんは誰なんだろうか…。一瞬サンタかと思ったあのおじいさん。

 

 

「おーい?宇野原〜?」

 

「……ワルイ、今の忘れてくれ。」

 

少しぼぅっとしていると正臣が疑問に思い冬樹の目の前で手を振っていた。

 

「俺、帰る。」

 

「あ、ちょっと待てよ宇野原!」

 

辺りは夕焼け色で赤く染まっていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…。コンビニに寄るんじゃなかった。」

 

辺りはすっかり暗くなってしまっていた。

"通り魔"という単語が頭に浮かぶ。

 

 

「早く帰ろう…。」

 

 

コンビニから出て帰路を進む……と、後ろから気配がする事に気付く。

 

(……誰だ?いや、だいたいの予想はついてる。)

 

そう思い冬樹が後ろを振り向くと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い目をして手にはナイフのような物を持った男が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チッ…とりあえずは切られないようにしねぇとな…。切られたら先輩がうるさいし。」

 

男が切りかかって来る。

 

「……あんまりやりたくねぇんだけど…。やるか。」

 

冬樹は切りかかってきた男の腕を掴むと男が持っていたナイフを奪い蹴り飛ばす。

冬樹よりも大きい男は簡単に倒れてしまう。

 

「こう見えて喧嘩は強ぇんだよ。聞いてねぇだろうけどよ…。」

 

男は気絶しているようでピクリとも動かない。

 

「"罪歌"ね………。」

 

 

"罪歌"この通り魔事件の犯人…と言っても刀なのだが。

 

 

「人を愛する刀か………わからねぇなその気持ち。つーかどっかのうざったい情報屋を思い出す。」

 

 

 

この後は確か…杏里。園原杏里が襲われるんだっけ?とまた帰路を進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分、自分は切られても何も変わらないのかもしれない。

冬樹は帰路を進みながらそう思う。

彼は愛を受け入れる事が出来ない。きっと刀である罪歌の愛も受け入れる事が出来ないだろう。

 

冬樹の口は弧を描く。

 

「誰でもお前の子になると思うなよ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは余談だが男から奪ったナイフを持ったままにしていたため。冬樹はこの数分後警察に事情を話す事となり帰宅時間が遅れ、帰ると春媛が自殺しようとしているの見てしまい、その後春媛から説教される事となる。

 

 

「散々な一日だよ…」




冬樹の強さは静雄>>冬樹>>>春媛って感じです。
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