「………………………。
暇ね………………………。」
春媛は相変わらず風邪と闘っていた。
頭には冷え○°タを張り、冬樹の買ってきた"トロピカルクリームと春の野菜&魚バーガー"を食べている。その……味の方はご想像にお任せする。
そんなよくわからない未知の食べ物を食べている春媛は勇者である。
「まぁ、冬樹くんが買ってきた物ですものね。全部食べないと。
それにしても最近冬樹くんは変よ、いきなり"平和島静雄がなんとか"……って…。ま、まさかあの2人が…!?冬樹くんが浮気とか…っ!?ないわ、ありえないわ…絶対ありえないわ!」
もちろんそんなワケはない。この小説にはそんな要素は一つもないのでこれからも安心して読んでいただきたい。
「お久しぶりです、平和島さん。」
「冬樹か…。今日はあの女はいねぇのか?」
「先輩なら風邪で立って居るのも儘ならぬ状況です。」
冬樹は静雄と会っていた。冬樹は甘楽こと臨也が管理しているチャットルームである物を見て今ここにいる。
それは罪歌が書き込んだ『平和島静雄』という言葉が理由だ。
いつか説明したように冬樹は平和島静雄に憧れを抱いている、彼の前だと自然に普通の人間に戻ることができる。その憧れの対象が今危険に晒されている。
まだ他の人達は数日前から荒らしをしている罪歌と斬り裂き魔の関係を知らない。しかし、冬樹は知っている。この後、何が起きるか…。
「……今、機嫌悪くないですか?」
「よくわかったな…。実はよ、セルティがこの前通り魔に切られたらしくてよ…。」
「それを今さっきセルティさんと離れる前に聞いて、その通り魔をめらっと殺したくなったと?」
「あぁ、そうだ。」
冬樹は静雄の足りない言葉を補う。
「…一緒にいても良いですか?」
「おう、って…何持ってんだ?」
「さっきそこのハンバーガーショップで買った物です。食べます?」
「お前が買ったんだろ?」
静雄は冬樹の申し出を断る。
「そう言わずにどうぞ。二つ買ってるんで。」
「…わかった、後でコレいくらしたか言えよ。」
静雄はハンバーガーを口に入れると何とも言えない微妙な顔をした。
「……冬樹、なんだコレは…。」
「トロピカルクリームと春の野菜&魚バーガーです。」
冬樹も静雄と同じ物であろうハンバーガーを口に入れる。どこか手が震えているが無理はない、何と言っても今目の前にしているのは未知の食べ物なのだから…。
「あー…コレはまた…いけるんじゃ…。」
「吐くならむこう向けよ。」
「はい。」
冬樹は青い顔をして頑張ったがすぐにリバースしてしまった。
静雄はそんな冬樹を見て微笑む。
「平和島さん、スミマセンね…先輩が平気な顔して食べてるんで美味しいのかと…。」
「なんで、二つ買ったんだ?」静雄はそう思ったが改めて冬樹の"優しさ"を実感した。この少年は自分の姿を見てわざわざこのハンバーガーを買って来てくれたのだという事かすぐわかった。
静雄は冬樹の背中をさする、その姿はまるで兄弟だった。普通の、どこにでもいる…。
(こいつは本当に、チャレンジャーだな…。)
「なによ、これ………っ!!」
悲鳴に近い叫び声が部屋に響く。
春媛は冬樹のよく利用しているチャットルームのログを見ていた。
ここのチャットルームは参加者以外でも閲覧できる。
そのチャットルームに書かれていたのは…。
平和島静雄のこと…どうやら罪歌は静雄のことを知りたいようだ……。ここまでなら良かった。ここまでならなんとも思わなかった…。
しかし、その次の文字。
罪歌:彼、宇野原冬樹にも会いたい
罪歌:愛したい
罪歌:冬樹、彼も強いから
罪歌:今から彼を迎えに行くわ
──────────途端、春媛は部屋を飛び出した。
罪歌は春媛の逆鱗に触れる事となる。
「私だけなのよっ!冬樹くんを、冬樹を愛していいのは私だけなのよ!あんな、あんなわけの解らない奴に取られてたまるかっっ!!」
冬樹くんピーンチ!((((;゚Д゚)))))))