Language of love   作:千α

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罪歌との二度目の対面。


第十一話 狂斬

 

 

もしも、あの時今日人生を変える事ができたら。

もしも、あの時引き返していたら。

もしも、あの時彼らの元へ行かなかったら。

もしも、あの時自分の存在理由に気付いていたら。

もしも、あの時ふざけ半分であの場にいなかったら。

もしも、あの時愛を理解できていたら。

 

世界はもっと優しくしてくれたのかもしれない──…。

 

 

 

 

 

 

「────…何があたっんですか?」

 

「宇野原までいたのか!?」

 

「なんでリュックの中に入ってたんすか?あ、もしかして○○○○○とか?」

 

「何プレイ?何プレイ!?」

 

「……門田さん、この2人は通常運転ですか?」

 

「残念ながら通常運転だ。」

 

 

冬樹たちは音のする方へと向かった。するとそこには斬り裂き魔と思わしき男性と門田率いるワゴン組、そして冬樹と同じ学校の制服を着た少女…園原杏里がいた。

もちろん冬樹はリュックの中に入っていたため何があったかはさっぱりだ。

 

 

「静雄……あなたが平和島静雄なのね?本当に、あなたが……そうなのかしら?」

 

男性はまるで女性のような言葉で喋る。

 

 

 

(罪歌か…。俺の事にはまだ気付いていないようだ、このまま原作通りに進めば良いが。)

 

 

 

 

罪歌と書いて<サイカ>と呼ぶ刀には意思がある。切りつける事で人を愛し、子を植え付ける。そして、その標的は今、平和島静雄に向けられている。

 

 

「え……?オカマ?」

 

「女装してるわけじゃないからオカマとかニューハーフとは違うよ、ドタチン。」

 

狩沢の言葉は状況が状況なので誰もその言葉に返答する者がいなかった。

 

「会ってみたかったのよ……とってもとってもとってもとってもとってもとってもとってもね……ウフ。」

 

見た目は30くらいの男性、しかし使っている言葉は女性そのものだ、そして片手にはもちろん包丁が握られている。

"異質"そう思わざるを得ないような雰囲気を醸し出す罪歌。

 

冬樹はそんな罪歌に冷や汗をかいた。

 

「…………怖いってこういう事か。」

 

"怖い"この世界に産まれて初めてそう思った。16年間もの間忘れていた感情の一部を冬樹はまた取り戻した。

 

 

「愛しているわ、平和島──静雄。」

 

 

 

──『愛しているわ、冬樹』──

 

──『あんたみたいな奴、愛してなんかいないわ』──

 

──『○○○○たくせして逆らってんじゃねぇよ!』──

 

 

 

 

「───っ!?」

 

冬樹の頭に走る激痛と映像。それは、冬樹の思い出したくない記憶だった。

 

『冬樹、大丈夫か!?』

 

セルティが冬樹を気にかける。

 

「スミマセン。なんか、やっぱり。"愛"ってのが理解できません。」

 

素直な感想だった。こんなにもはっきりと冬樹が"愛"を拒絶するのは初めての事でセルティも少し、どうすれば良いのかわからずにいた。

 

 

 

 

「門田ぁ……ドア、借りるぞ。」

 

「?」

 

門田が返事をする前に静雄はバンのドアをあっさりとねじ取る。

 

そして、そのままそのドアを盾のように構える。

 

「俺は理不尽に生きてるからな。素手で戦うほど、お人好しじゃあ、…….ねぇッ!」

 

はっきり言おう。

 

その静雄の、言葉を聞き終えた瞬間。冬樹は何が起こったのかさっぱり理解できなかった。ちゃんと見ていなかったのもあるが……。

 

(………何あの砲弾?)

 

冬樹は静雄と何年も"友達"をやっているが驚くものは驚く。

実は冬樹が"驚く"事を思い出したのは静雄のコレのおかげだった。

 

とにかく、砲弾云々のことは映像でみてもらいたい。

 

そして、男性はバンのドアと道の塀の間に挟まれた。

 

 

─────────…

 

「さて……これからこいつどうするよ。」

 

静雄は塀に押し付けていたドアをゆっくり引き剥がす。

冬樹は園原杏里と話す事にした。

 

「会うの初めてだっけ?」

 

「え…えっと…?」

 

「紀田クラスメイトだよ。宇野原冬樹。」

 

「紀田くんの……園原杏里です。」

 

「うん、園原な…。」

 

「あの、宇野原くんはどうして…。」

 

杏里が何かを冬樹に問おうとしたがその言葉は遮られる事になる。

 

「……やっぱり、私じゃ駄目ね。デタラメな奴ってのは知ってたけど…。

それよりも、あなたが宇野原冬樹?」

 

(しまった、聞いていたのか…。)

 

「静雄は無理でも……せめてこの2人はッ!」

 

叫び声を上げて斬り裂き魔は地を蹴る。

冬樹の体は自然と杏里を護ろうと身構えていた。

 

 

 

 

 

 

ドスリ

 

 

 

 

 

 

 

斬り裂き魔の持っていた包丁はそんな2人を庇ったセルティの身体へ……。

しかしセルティは血を一滴も流す事はなかった、包丁を握る男の手首を掴み、刃を引き抜く。そのまま足払いをかけ包丁を持った手を斬り裂き魔の背中にまわしうつぶせに男を押さえつける。

 

「あー…お見事。」

 

冬樹はポツリと呟く。

 

「あなた……人間じゃないわね!汚らわしい、汚らわしいわ!あああ、なんてことかしら、私の身体を、私の愛がこんなわけの解らない頭の悪そうな化け物に陵辱されるなんて!」

 

男はセルティにそんな事を叫び散らしていた。

 

「………それわ…っ!こっちのセリフよぉぉぉお!!!」

 

その時、聞き覚えのある声がした──────春媛だ。

春媛は押さえつけられた男を鉄パイプで殴る

 

「あんたが罪歌ね!冬樹の名前を出すなんて!冬樹を愛する?冬樹を愛していいのは私だけよ!あぁ、冬樹無事だった?私、心配したのよ?冬樹?どうしたの?」

 

「この人気絶しちゃいましたね。」

 

先ほどの一撃がトドメになったのであろう、男はピクリとも動かなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああくそ、すっきりしねぇ……ちょっと新宿行って、臨也の奴をぶっ殺してくる。」

 

「あ、俺も行きます。このハンバーガーを折原さんに押し付けたいんで。」

 

「冬樹くんが行くなら私も行くわ!」

 

「………風邪は?」




ちょっと長くなっちゃいましたね。申し訳ありません。そして意味が解らない点が多々あったことまことに申し訳ありません。
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