Language of love   作:千α

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新羅よりも先に幽くんが出てしまった…。


過去ノ三

「気持ち悪いんだよお前!」

 

「いっつも無表情でよぉ。」

 

「無視かよ、うっぜぇな!」

 

「死ね!」

 

「消えろよ!」

 

「学校来るなよ……。」

 

 

 

 

いったい、俺は何をした?

したかもしれない。

それは認める。

矛盾かもしれないけど認める。

おかしいけど認める。

けど、コレは認めない。

 

 

 

 

 

「どうしてこうなった?」

 

 

冬樹は自分のランドセルを見ていた。ランドセルは川の中に浸かっている、木の枝に引っかかっているのは不幸中の幸いだろう……。

 

「………はぁ。」

 

親から貰った物ならば簡単に諦めるだろう。しかし、あのランドセルは違う。

あれは俺が小学校の入学式の二日前、ある男がやって来た。その男はなんと言うか、普通に働いていると言っていたが、それも怪しいくらいの、そんな雰囲気をしていた。つまり、見た目はアレだ。親はその男と知り合いのようで男を追い出そうとしていたが、親と"話し合い"をした後その男は俺の方へやって来てこのランドセルをくれた。

 

小学校は別に必ずランドセルで登校しなくても良いため親は俺にランドセルを買い与える気などさらさらなかった。

 

しかし、あの人は俺にこれをくれた、「入学祝いだ」と少し照れ臭そうにその時俺は感謝という感情を手に入れた。今思うとあれが一番始めに手に入れた感情だろう。

ちなみに、その男とはそれ以来会っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、今そのランドセルは大変危険な目にあっている。

 

「なんで、川に放り入れるかな……。」

 

俺は生きていた頃の記憶を頼りに感情を補っているがそれでもいろいろと足りない俺は周りに君悪がられ、今絶賛イジメと言うものにあっている。だからと言っていちいち落ち込むことも知らない俺は余計にイジメの対象として見られた。

 

「……っ届かない。」

 

教科書はもう無事ではないだろうがランドセルは拭けばなんとかなる。

ただ、このちっこい俺の身体ではそのランドセルにすら手が届かない。悔しい…。

 

「どうしたの?」

 

振り向くと"俺と同じ表情"つまり無表情の高校生くらいの男が立っていた。

 

「………ランドセル、川に落ちて。」

 

「取れる?」

 

「取れません。」

 

そう言うと彼はランドセルに手を伸ばした。

彼は俺のランドセルをヒョイと取る。

 

「はい。」

 

「あー…ありがとうございます。」

 

俺は彼に礼を言って中身を確認する。案の定ランドセルの中身はビショビショだ。

まぁ、ランドセルが無事で何よりだ。

 

 

 

きゅぅぅうぅ〜

 

 

 

すると俺のお腹の虫が鳴いた。

昨日の晩ご飯は無く、今日の昼食は食いっぱぐれた。

 

 

「………。」

 

「………。」

 

「気にしないでください。」

 

「解った。」

 

すると後ろから聞き慣れた声がした。

 

「おい、幽!」

 

「兄さん…。」

 

「平和島さん?」

 

平和島静雄、冬樹がこの世で一番尊敬していると言えるであろう人物だ。

 

「冬樹!最近来ねぇから心配したぞ。」

 

静雄は冬樹と目が合うようにしゃがむ。

 

「知り合い?」

 

幽と呼ばれた彼が静雄に習ってしゃがむ。

 

「ああ、最近よく学校帰りとか遊びに来ててよ…。」

 

「へぇ…。兄さんと仲良いんだ。」

 

「仲良くさせて貰ってます。宇野原冬樹です。」

 

「弟の平和島幽、よろしく。」

 

無表情の二人が並ぶとなんとも言えない雰囲気が流れる。

 

「って、お前そのランドセルどうした!?」

 

「あー…これですか?」

 

静雄はランドセルのことを見て驚く。

 

「落としました。そこで弟さんが拾ってくれたんです。」

 

「そっか…良かったな、冬樹。」

 

「はい。」

 

 

 

 

きゅぅぅうぅ〜

 

 

 

 

 

また、腹の虫が鳴く。

 

 

「気にしないでください。」

 

「気にする。」

 

「あ、怒ってる。なんか知らないけど怒ってる」冬樹は驚く。

 

「……昼、食いっぱぐれました。」

 

ピクッと静雄の眉が動いた。

 

「お前、また体育倉庫に閉じ込められたのか!?」

 

「え?イジメ?」

 

「あぁ、この前もこんな事があってよ。」

 

「昨日は屋上でした。」

 

「お前なぁ…。」

 

静雄は冬樹にデコピンをする、バシッと悪い意味で良い音がした。冬樹はデコを抑えながらうずくまる。

 

「家近いし来る?」

 

幽が冬樹に聞いてくる。

 

「へ?」

 

「そうだな。お前家の人は…。」

 

「今日は遊びに行ってるんで帰って来るのは明日以降です。」

 

すると静雄と幽に腕を掴まれズルズルと引きずられて行くシュールな光景が出来上がった。

 

 

 

 

─────────…

 

「今日はいっぱい作ったわよ!」

 

静雄と幽の力を借りランドセルを拭いたり教科書を乾かしていると平和島母が夕食を作ってくれた。

 

「本当に良いんですか?」

 

「えぇ、もちろんよ!静雄と幽が誰かを連れて来るなんてあんまりないし!」

 

静雄と幽を見るともうすでに夕食を消化していっていた。平和島父は今日は遅くなるそうだ。

 

「いただきます。」

 

「召し上がれ。」

 

真っ白なごはんなんていつ以来だろう。いつもは親の残り物で真っ白のはずのごはんはいつも汚れていた。

 

「温かい…。」

 

白いお茶碗は冬樹の心を溶かすのに充分だった。気付くと冬樹は泣いていた。

 

「どうした!?まずかったのか!?」

 

「兄さん、それ母さんに失礼だから。」

 

「すみません。温かいご飯初めてで…。美味しいです。」

 

冬樹にはこの涙の意味がわからなかった。しかし、この時の感情は未完成だが"嬉しい"という感情だった。

 

「…………よし!冬樹。」

 

「?」

 

「早く飯食って風呂一緒に入るぞ!」

 

「……はい、わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、静雄と冬樹は一緒に風呂へ入り。上がった後は静雄と幽と一緒に人生ゲームをした、ちなみに一位は幽である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、今日はお友達の家で泊の様です。…はい、…はい、わかりました。はい、それでは………。このまま見張りを続行します。」




最後ェ……( ;´Д`)
冬樹くんはある原作キャラと深い関係にあります。
気付いてる人も居てそうですが。
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