Language of love   作:千α

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戦闘シーンは難しいですが何か?


第二十三話 Это в нем

「…………あー…どうしてこうなった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬樹の周りでは数人の男が倒れていた。

 

冬樹は電話に出るために大河の経営している喫茶店「悠々」から出るといきなり囲まれ喧嘩を売られた。

喧嘩を売ることはほとんどない冬樹だが売られた時は本気で戦うのが宇野原冬樹という人物だ。

 

「黄巾族とかダラーズか?」

 

「そういえば」と事の発端を思い出して行く冬樹。

 

だいたい冬樹は何にもしていない。電話に出て、少し話しをして、人にぶつかって…………。

 

「あー…それが理由か………全く何だってそんな事で喧嘩売って来るのかな。おかしいだろ。俺なんにもしてないのに、ぶつかっただけなんだけどよ……。」

 

話しなんて聞いていないだろうが冬樹は男達に話しかける。

 

「つーか、弱過ぎるな……数だけの集団か。どこの奴らだ?…………地方か?こんな()()()()って奴まだいるんだな…まあ、聞いちゃいねえだろうけど。白い奴らには手ェ出すなよな、面倒いの嫌いだし。」

 

「くっそ………てめぇ覚えてろよ……っ。」

 

話しを聞いていないはずの男が冬樹の足を掴む。

 

「うるさいなあ………。」

 

冬樹は男を蹴り飛ばす。

 

「うぐっ!?」

 

「はあ………いいか、この辺にはこない方がいい。お前らなんかじゃ到底太刀打ちできねぇ奴らが集まってるからよ。」

 

 

冬樹は感情の使い方(・・・・・・)を知らない。怒ればそれを直ぐに撒き散らす事が多い。素直に、子供のように冬樹は感情を使うのだ。

 

 

「真白、そろそろやめてくれよ。俺の店の前で……。」

 

いつの間にか冬樹の後ろに立っていた大河が冬樹に声をかける。

 

「…………何でですか?」

 

「警察に見つかったらヤバイだろ?」

 

確かに、人通りの少ない道だが万が一警察にでも見つかったら厄介だ。きっと、白爛の溜まり場(悠々)が見つかれば店主の大河に迷惑がかかる上、溜まり場が無くなり居場所を無くす奴が出てくるだろう。

 

「……そうですね。なら、俺はそろそろ戻りますよ。」

 

「おう、出来ればもう帰れ。補導されっぞ、特にお前は珍しい色の髪してるしな。」

 

「やっぱり目立つな。」

 

冬樹は自分の髪をイジリながら大河の横を通る。

 

「なら染めろよ。」

 

「染めても次の日元に戻るんですよ。不思議な事に………。」

 

「なんか言ったか?」

 

「いいえ、独り言です。」

 

 

 

「悠々」に戻ると冬樹は耀華に命令をくだす。

 

「嘉真幸、少しいいか?」

 

「はーい、なんですか〜?また、スパイのお仕事ですか?ダラーズの次はどこですか〜?」

 

「六条 千景。知ってるか?」

 

「…………誰ですか?」

 

耀華は首をひねる。

 

「知らないのは無理ないな、地方の奴だし。」

 

「地方って真白さん、まさか地方に手を出すきじゃ……っ?」

 

「真紀方うるさい、殴るぞ。」

 

「そんなにうるさかったですか!?」

 

冬樹はそんな真紀方にウンザリしていた。

 

「近々、コイツが池袋(ここ)に来るかもしれねぇ……。」

 

「その六条千景ってゆう奴はさ、どこのチームなわけ?」

 

「……六条千景、埼玉の暴走族"To羅丸"の総長。あだ名はろっちー。昼間は常に多くの彼女を連れ歩いているスケコマシで、女性であるならどんな相手にも手を上げない極度のフェミニスト。反面、女性を少しでも蔑ろにした男に対しては仲間であろうと一切の容赦がないらしい。」

 

冬樹は六条の情報を事細かに伝える。

 

「あー!なるほど!それで、あたしにその六条千景を近づけて情報とかを奪うんだね?ダラーズの時と一緒!」

 

「嘉真幸うるさい、蹴るぞ。」

 

「はーい、ごめんなさい。」

 

耀華はクルクルと回りながら冬樹に謝る。その様子から反省はないようだ。

 

「つーか、真白も嫌なとこつくよな。フェミニストって耀華が一番漬け込むのが上手いタイプじゃねぇか。つーか、暴走族って……平和じゃねぇな。」

 

大河がコーヒーを淹れ、冬樹の前へ置く。

 

「まあ、黄巾族みたいな単純なチームなら真紀方で充分なんですけどね。

けどこいつは違う。喧嘩も強いし…そうなったら真紀方じゃまず帰って来れない、むしろボコボコにされて人質()にされるのがオチだ。

あと、この世に平和があれば自動販売機は飛んだりしませんよ。」

 

「俺ってそんなに信頼ないっすか?」

 

冬樹の言葉に真紀方は涙目になって訴える。

 

「「「…………………。」」」

 

「なんで三人とも黙るんすか?おかしくないっすか!?」

 

「まあ、あれだ。黄巾族の時はちゃんと帰って来たし信頼はしてるぞ(棒読み)。」

 

冬樹はコーヒーをすすりながら真紀方の(棒読みだが)問いに答える。

 

「そ、そうっすか!?よっしゃ!俺ってば超嬉しいっす!」

 

(((単純な奴。)))

 

三人の心は珍しくシンクロしていた。

 

「とにかく、今後はダラーズ、To羅丸に気を付けろ。後は粟楠会には手ェ出すなよ、面倒くさくなるから(親父と)。それと、何度も言うが折原臨也、平和島静雄、首無しライダー、門田には喧嘩を売るな、絶対にこれだけはやめろ。」

 

「了解で〜す!」

 

「ハイっす!」

 

「おう。」

 

「それじゃ、解散。」

 

 

 

 

 

──────────…

 

冬樹は誰もいないマンションへと帰って来た。

 

ここではいろいろとあった。親が死んでから毎日のように春媛がピッキングをし、毎日のように春媛が御飯を用意し、毎日のように一緒の布団に春媛が入ってきたし、毎日のように春媛が冬樹のパンツを盗もうとして来た。

 

 

「よくよく考えたら、この家って先輩の思い出しか無い。」

 

 

ポツンと立つ冬樹は玄関の扉の鍵を掛けて部屋の中へと入る。

春媛がいない分広く感じる。

 

その理由は未だわからなかった。

 

 

今ではすっかりあの春媛名物の長いヤンデレトークは聞く事がなくなってしまっていた。

さみしいのかもしれない。けど冬樹の悲しいはとてもぼんやりしていた。

 

 

 

 

 

「考えててもらちがあかないな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、冬樹の頭に言葉が響く。

 

 

──《このままだと、抜け出せなくなるぞ。そろそろまた、感情を忘れた方がいい。お前はそうしないといけない、気付いてるだろ?自分が普通じゃ無い事、知ってるんだろ?今ならまだ間に合う。忘れろ、忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ》───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな不気味な声を聞きながら冬樹は眠りについた。

 




まさか真紀方くんがメインキャラになるなんて!思っても見なかった結果ですね。誰がこのパターンを読めた?
「いいよ、真紀方はいいよ、春媛出せよ!」って方が多いでしょうが、もう少しお待ちください。
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