Language of love   作:千α

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鍋の具材選びって楽しいですよね。


第二十六話 Говоря о банке

「だから、鍋といえばキムチ鍋!」

 

「餃子鍋っすよ!何言ってんすか!?」

 

「俺、すき焼きがいい。」

 

「すき焼きってお鍋だったの?」

 

「鍋で作る料理は全部鍋でしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局すき焼きをする事になった冬樹達は他の白爛のメンバーにもすき焼きの具材などを買っておくように指示を出す。今日は「悠々」でみんなを集めて鍋をする。大河は初めは怒っていたがなんだかんだ言って店を使う事を了承してくれた。

 

 

「そういえば、今日は騒がしいわね。」

 

「なんか、To羅丸が首無しライダーを捕まえようとしてるらしいっすよ。」

 

「えー?それあてになんの〜?」

 

「他の皆から聞いた話っすよ!あいつらは嘘つかねえっす!」

 

「今回は真紀方の正解だ。」

 

「うっし!」

 

真紀方は耀華に「どうだ」という目線を送っている。

すると、冬樹の足が止まる。

 

「お前ら先に店に行っててくれ。」

 

「え?」

 

「なんでっすか?」

 

「いいから。」

 

「私は冬樹といるわよ。」

 

「はいはい。」

 

真紀方と耀華はしぶしぶスーパーの袋を持ち「悠々」へと向かった。

 

 

 

「静雄さん!」

 

「お、冬樹。」

 

「トムさんも、お久しぶりです。」

 

「久しぶり、なんだ?ちょっと見ない間にデカくなったか?」

 

冬樹の目的は前方に見えた金髪、つまり平和島静雄だった。

 

 

「あら、冬樹の用事は貴方だったのね平和島静雄。」

 

「この女目が覚めてたのか?」

 

「今日ですけどね。」

 

そんなたわいもない離しをする、四人。

 

「おい、お前ら。ちょーっと聞くんだけどよォ。この辺のシマでハバぁ聞かせてるチームってのは何てとこよ。」

 

ふと、道路から声をかけられる。そこにはバイクに乗ったいかにもな男がいる。

トムは少し考えた後に声を紡ぐ。

 

「この辺だと色々あっけど……(ゾッキー)なら粟楠会の下請けの『(ジャ)(ジャ)(ジャ)ン』か、走り専門の『屍龍(ドラゴンゾンビ)』じゃねえか?ヤベエ白バイが来てから活動は控えめになってるけどな。」

 

「おし、テメエら、どこに行けばそいつらに会えんのか案内しろや。」

 

「喧嘩でも売るのか?」

 

冬樹が他人事ではない事を察知しその男に問い返す。

『粟楠会』冬樹の実の父親である四木の所属している組の名前が出てきたのだから。もし、行くのであれば全力で阻止しなければならない。

 

「ッんけーねーだろ!このガキ!」

 

するとトムが首を振る。

 

「お前らさ、埼玉の『To羅丸』だろ?あのよぉ、お前らの総長はよお、そういうの好きじゃないだろ?あそこの総長は女好きだけどよ、一本筋を通した奴だって聞いてるぜ?」

 

「っせぇ!総長は関係ないんじゃあ!」

 

春媛はそんな男達が気に食わないようで、どんどん顔が苛立ってきていた。

 

「あの黒バイク捕まえて金を手に入れりゃ、俺らが上納金にして独立できる筈だったんだよ!」

 

冬樹は待ち針を構えようとした春媛を止める。

 

「……お前ら、1000万円ただで手に入れて、それをわざわざヤクザに渡すの?マジか?俺ならそんな金あったら自分で好きなだけ使っちまうけどなあ。そんだけ金あれば暴走族になる必要ないじゃん。走るの好きならマシン買えばいいべよ。」

 

挑発しているのか親切で言っているのかトムはただ淡々と彼らに忠告を続けている。

 

「……ってっめ!俺らをペンコロ風にディスろうってのか?ああ!?」

 

「ペンコロってなんだ?」

 

トムは冬樹に問いかける。

 

「さあ……まあ、そういった系でしょうね。」

 

「トムさん、もうほっといて行きましょうよ。俺、腹減ったっす。」

 

「あー、そうだなあ。所長も夕飯ぐらい奢ってくれりゃいいのによお…お前らもどうだ?」

 

トムは冬樹と春媛を夕飯に誘う。

 

「いえ、これから仲間と鍋するんで。」

 

「鍋?この季節にか?」

 

「すき焼きですけどね。」

 

そんな会話にとうとう暴走族達の堪忍袋の緒が切れた。

 

「ッメテエら……俺らぁ無視してんじゃねぇぇえぇーッ!」

 

バイクに据え付けてあった鉄パイプを取り出し、それを思い切り振り下ろす。

 

「うお、ッぶねーなあ。」

「冬樹!ああ、大丈夫?怪我はないかしら?」

 

「ないです。あと顔近い。」

 

トムと冬樹と春媛はそれを綺麗によけたのだが…

 

鉄パイプは横にいた静雄の服の袖を切り裂いた。

 

「あッ。」

 

「俺の服を……。」

 

その瞬間冬樹達は遠くまで離れ、トムは暴走族達の冥福を祈るように十字を切ってから柏手を打った。一方の冬樹と春媛は自分たちは何も知らないと言いたげに暴走族達を見ないようにしている。

 

(かすか)から貰った服を……ってっめえらぁ──────────ッ!」

 

静雄が手近にあった街頭を引っこ抜き(・・・・・・・・・・・)、それをバット代わりにして、暴走族達に向かって思い切り振り抜いた。

 

 

 

 

「ああ、今日も平和だな」不覚にも冬樹はそう思ってしまった。

 

 

 

 

 

 

それから数日後───…

 

 

チャットルーム

 

田中太郎【そう言えば今日、知り合いと鍋を囲んだんですよ】

 

セットン【偶然ですねー、私もですよ】

 

甘楽【ええっ!?お鍋?こんな時期にてすか!?】

 

狂【あら、偶然ですわね!私達も本日はしゃぶしゃぶを楽しませて頂きましたの!】

 

参【美味しかった】

 

内緒モード 甘楽【ああ、また来ていたのか】

 

内緒モード 甘楽【お前らまで。どので鍋なんて。一緒に鍋やる友達なんでいたのか?】

 

内緒モード 狂【あらあら】

 

内緒モード 狂【乙女の友情に簡単に割り込めるとは思わないで頂きたいですわね、兄さん】

 

参【内緒】

 

田中太郎【?】

 

内緒モード 甘楽【だからマイルはとっとと内緒モードの使い方を覚えてくれ……!】

 

真白【私は数日前ですね。】

 

真白【もう少し我慢してたら皆と一緒だったのに。】

 

真白【ハァ・・(;-ω-)=3。】

 

田中太郎【まあ、食べたのには変わりないですよ】

 

真白【セーフですか?。】

 

田中太郎【セーフですw】

 

真白【ワ———ヽ(・∀・)ノ———イ。】

 

バキュラ【俺も友達の女の子と、二人きりでスキヤキ食いに行ったんですよ。ほら、知りませんか?1500円ぐらいで食べ放題になるスキヤキのお店】

 

田中太郎【あー、チェーン店でありますよね!】

 

真白【私もスキヤキでしたよ。】

 

バキュラ【やっぱり真白さんとはなにかで繋がっているのかも!】

 

真白【ワ———ヽ(・∀・)ノ———イ。】

 

罪歌【おなべ、せっとんさんとたべました。おいしかったです】

 

甘楽【まったくもー、みんな季節感なさ過ぎですよッ?】

 

甘楽【鍋物なんて、冬にだけ食べてればいいんですから!】

 

真白【寂しい人ですね。】

 

甘楽【真白さん!?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……街の休日はもう、終わりかな?」




白爛の鍋のお話しはまた番外編の機会を設けてやろうと思います!
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