Language of love   作:千α

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冬樹って本当に転生者なのか書いてて疑問に思ってしまう。


第二十九話 Когда останавливается

「ここら辺ならケーサツさんも追って来ないですよ〜。」

 

「いやぁ…ありがとね!ところでキミ、さっきあいつに突き飛ばされてた子だよね。」

 

「覚えてくたんですね!恩返しがしたくて〜。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恩返しなんてものはする気は全くない。

 

しかし、嘉真幸耀華は六条千景とその周りの女達に好印象を持たれていた。

「突き飛ばしてきたあの男をボコボコにしてくれたのがスカッとしました!ありがとうございます!」となんとも物騒な子だという印象も同時に与えてしまったが、彼らは「それだけでこの子に害は無い」と思っていた。

 

 

 

「ろっちー!この子の服破れてるよ!」

 

「さっき突き飛ばされた時?」

 

耀華よりも年上であろう女達が耀華を心配する。

 

「は、はい……お気に入りだったんですけど……でも、六条さんがあの人ボコボコにしてくれたから大丈夫です!」

 

「いや、大丈夫じゃないでしょ!?くそっもっとやっとけば良かった。」

 

「ていうか『六条さん』ってろっちーでいいじゃん。」

 

「はい、わかりました。ぇーと、ろっちーさん!」

 

「ろっちーさんって!」

 

「面白すぎ!」

 

この時、皆で笑っていたのだが。耀華は表面上だけ、心の中では「ちょろいな」とあざ笑っていた。

 

 

「そうだ、ろっちー。この子の服買いに行こうよ!」

 

「え?でも、悪いですよ〜。」

 

「いいじゃん。行こうか!ところでキミ名前は?」

 

耀華はうまく行った事に口元がニヤつくのを必死で抑え………とびっきりの笑顔で答える。

 

「嘉真幸耀華です!」

 

こうして耀華はうまく六条千景に『侵入』する事に成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー…見当たらないっすねー。」

 

「やっぱ、バラケタ方がいいんじゃねぇか?」

 

「なら話しが早いわ。貴方達とっとと失せなさい。」

 

「あ、静雄さん。」

 

 

 

 

一方、粟楠茜の散策中(大河は買い物)に出掛ける冬樹の一行は何故か走っている静雄とトムを見かけた。

 

「小早川さんと真紀方はそのまま散策を頼む。」

 

「了解っす!」

 

「俺は途中で帰るぞ。」

 

「私は冬樹と一緒よね。」

 

「できれば、先輩もどっか言って欲しいけど……まあ良いか。」

 

冬樹は大河と真紀方と別れ走ったままの静雄達に声を掛ける。

 

「静雄さん!」

 

「冬樹!?」

 

「いったいどおしたんですか?本格的になんかやらかしたんですか?」

 

「冬樹、後で覚悟しとけよ。」

 

「あら、そうなった場合どうなるのか解っているわよね。」

 

静雄とトムに走りながらついて行く二人はある意味すごいと誰もが思った。

 

「ところで、その子誰ですか?」

 

冬樹は一番の疑問を静雄に投げかける。

その子とは静雄の背中のベルトをしっかり掴んだ………粟楠茜だった。

 

その瞬間、冬樹の時間は停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これなんかどう?」

 

「んー…どれも捨てがたいですね〜。」

 

「だよね。耀華ちゃんなんでも似合っちゃうもんね。」

 

その頃耀華は千景達と服選びをしていた。

笑っている耀華だったがその内面では。

 

(あーぁ、全然これと言った情報が入って来ない)

 

とすこし苛立っていた。

 

 

すると、耀華のケータイの着信音が鳴る。

 

「あ、ちょっとごめんなさい。」

 

「メール?」

 

千景が耀華に似合いそうな服を選びながら聞いてくる。

 

「はい、真白さん(お兄ちゃん)からです。」

 

「え?耀華ちゃんお兄ちゃんいるの?」

 

「はい、いますよ。えっとですね、『池袋に埼玉からの暴走族が来たから気を付けろ』って。」

 

耀華はまだ千景から「自分は暴走族の総長だ」という事は聞いていない。冬樹からのメールである事は嘘ではない。しかし、メール内容は『ちょっと岸谷先生のところ行くからそのつもりで』というものだった。なにがどうして新羅の所へ行かなければならないのかわからなかったが耀華はこれを利用する事にした。

 

「……へえー、耀華ちゃんのお兄ちゃん情報通?」

 

「はい。そうなんです!わたしってば暴走族とかそういうの大好きで。付き合うならそういう人が良いんですけど。お兄ちゃんがそれを許さなくて!」

 

「もしかして、暴走族が嫌いとか?」

 

「キライではないと思いますよ。心配だから調べてくれるんです。

あたし、そんなお兄ちゃんが大好きで……あ、ろっちーさんにこんな話しして…すみません。」

 

「いや、良いよ。それにしてもそのお兄ちゃん羨ましいなあ…。」

 

千景はお兄ちゃんを語る耀華に少し違和感を感じた。

 

(自分の兄貴を語る時ってそんな顔になるのか?)

 

千景の見た耀華の顔はまるで恋する乙女そのものだった。それも無理はない、耀華が語っているのは冬樹の事なのだから。

 

「ねえ!耀華ちゃん、これなんか良いんじゃない?」

 

しかし、そんな千景の思考はノンの言葉で遮られた。

 

「ほら、耀華ちゃんが着てる服に雰囲気ピッタリだし!」

 

「本当ですね!ちょっと試着して来ます!」

 

そう言うと耀華は試着室へと向かう。

 

「んー…気のせい、かな?」

 

耀華は千景がそう呟いた事に気が付かなかった。

 

「うまく行き過ぎ。もしかしたらいつもより真白さんに褒められるかも。」

 

耀華はウキウキとした気分で試着室へ入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー…いないっすね…。」

 

「おい、そろそろ帰るぞ。」

 

「えー!」

 

「えー、じゃない。」

 

一方真紀方達はいろいろな場所を散策していた。が、収穫はなし。

 

「お前が一つ袋持ってんだからちゃんと最後まで運べよ。」

 

「けど……。」

 

「これが終わったら散策手伝うから……。」

 

「マジっすか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時間が停止した冬樹は我に戻っていた。

新羅のマンションへ行く間、冬樹と春媛の会話は……。

 

 

「冬樹、どうするの?彼女、お義父様の探していた子でしょ?」

 

「先輩、お父様の発音が変です。」

 

「私ったら、気が早かったかしら?そうよね、まだご挨拶にも行って無いんですものね。」

 

「挨拶なんて行かせませんよ。」

 

「あら、照れてるの?」

 

「照れてません。」

 

静雄とトムに気づかれないようヒソヒソと話し合う二人。

 

「あと、あの子の事ですけど。少し様子をみましょう。」

 

「どうして?」

 

「なんか、似てるからですよ。」

 

「似てる?」

 

冬樹は昔の自分を思い出した。

 

「あの時の、家出をしていた頃の俺に目がそっくりです。」

 

「そうなの?残念、その頃って確かまだ私達会っていないわよね。」

 

 

家出。

 

冬樹はその時の自分と茜を重ねていた。

 

 

 

「そういえば、あの頃はよく漫画喫茶とか24時間運営のファミレスとかに泊まってたな…」

 

その術を教えてくれたのは折原臨也だった。




次回辺りに家出をしていた頃の冬樹を書こうかな…。
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