Language of love   作:千α

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課題が終わらない。


第三十一話 Runaway девушка

川越街道沿い 某高級マンション

 

「話は解った……。俺に言える事は、とりあえず一つだけだ。」

 

 

玄関のドアノブが壊されたマンションの部屋。

このマンションの部屋の主の新羅は静雄の話を聞き神妙な顔つきで静雄に向き直り、真剣な顔で呟いた。

 

「なんで誘拐なんかしたんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誘拐

 

と聞けばとりあえず皆さんは犯罪を思い浮かべるだろう。しかしながら静雄は無実だ。

元はと言えば静雄を殺そうとスタンガンを押し付け、警察が来たので逃げようとした静雄のベルトにしがみついていたこの少女がこの状況の現況なのだ。

 

 

 

キュキリ

 

 

 

新羅の言葉を聞き静雄はアルミホイルのように丸められたコップだった物が静雄の手の中から現れた。

 

「悪いな。弁償する。」

 

「……いいよ。丁度新しいのが欲しいと思ってたとこだ。」

 

「いや、このコップを作った製造業の人達に悪い。」

 

「うん、君がしょっちゅう壊すガードレールとか街頭とかに対してもそういう謙虚な思いを持った方がいいよと言いつつ、素直に謝ります御免なさい。そうだよね、誘拐なんてする筈ないよねえ。だって誘拐するぐらいなら、吟行の金庫を素手でこじ開けた方が速いからね君の場合。」

 

冬樹はそんな二人の話を聞きながらお茶を啜る。

 

「冬樹、冬樹。このお菓子、毒はないみたい。美味しいわよ。」

 

「あ、本当ですね。」

 

「あのね、春媛ちゃん。どうしてお菓子に毒が入ってるとか考えるのかな?そもそもなんで勝手に人の家のお菓子の袋開けてるの?」

 

冬樹と春媛はそんな新羅のツッコミをスルーしてボリボリとお菓子を食べ始める。

そして、新羅は少女に目を向ける。

 

「で、結局この子からは、まだ何も聞いてないの?」

 

「なんか震えちまってよ。こんなオモチャで悪戯したとはいえ、あんまりキツく問い詰めも可哀想だろ。」

 

そう言いながら静雄は新羅にスタンガンを投げ渡す。

 

そんな二人のやり取りを見ながら冬樹は考える。

 

(………どうしよう。この子、粟楠茜だよな。どう見ても粟楠茜だよな。はあ……ココまでついて来たのはいいけど、これって居場所知ってたのに報告しなかったら怒られるよな。)

 

四木は冬樹に粟楠茜を探すように伝えていた。そして、報告しなかったと知れたらヤバイかもしれない、自分の命が。

それでも報告しないのには理由があった。

 

(…原作壊れるかもだしな……いや、もう原作の知識とかほとんど忘れてるんだけどな。それでもなんとかできてるのはケータイのお陰か。それに、家出するって事はいろいろあるんだろうしな……。)

 

新羅は茜の額にぺたりと手を貼り付けていた。

 

「奥の部屋の押入れに、客用の毛布があるから、それ出して!」

 

「?」

 

「この子、凄い熱だ!」

 

「先輩、お湯。」

 

「わ、解ったわ、冬樹!」

 

新羅がそこまで言うと冬樹は直ぐに事態を察し春媛に指示をだす。

マンション内はにわかに騒がしくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「静雄さんって………スタンガンでも死なないんですね。」

 

茜を奥の部屋で寝かせた後、冬樹と静雄はソファに座り話し合う。

ちなみに春媛は冬樹の命令で茜の看病を新羅と共にしている。

 

「……みたいだな………嫌いになるか?」

 

「何を今更。なりませんよ、静雄さんとは長い付き合いですし。そもそも嫌う理由がありませんし。」

 

「……そうか。」

 

「そうですよ。」

 

冬樹と静雄はもう何年もの付き合いになる。

その中で冬樹は何度も静雄と臨也の殺し合い(喧嘩)に巻き込まれ何度も怪我をしていた、しかし冬樹は静雄達から離れる事はなく、むしろだんだんと近くなっていった。

 

時には腕を折り、時には足の皮を縫い、時には頭をポストで打ち付け………と、キリがなかった。それでも、何度周りから注意されようが次の日には何事も無かったかのように冬樹は来神高校へ出入りしていた。

そんな冬樹を見て、いつしか静雄と臨也は「冬樹の居る間だけは喧嘩をしない」と自分達で決め、その言葉を破る事なく二人は冬樹の前では極力仲良くしていた(青筋立てながら)。

 

 

 

「確かに、長い付き合いだな。俺が高校からか……。」

 

「俺は小学生ですね。」

 

 

 

二人はあの頃を思い出しながら昔話に花を咲かせていた。

 

冬樹はそんな中でふとある事を思い出す。

 

 

「そういえば、俺が家出した事あったじゃないですか……。」

 

「あー…あったな、そんな事。」

 

冬樹は中学の頃一度家出をし、育ての親の元はもちろん静雄や臨也、新羅の家にも行かずに路地裏で寝泊まりをしたり、ネットカフェなんかを行き来していた事がある。

 

家出の理由は帰るのが疲れるから、泊まりに行かなかったのは迷惑になるからだった。

補導されないようにゴミ捨て場で紙ゴミの陰に隠れて一夜を明かそうとしていたところを静雄達に見つかりしぶしぶ家に帰ったという記憶がある。

もちろん冬樹の育ての親は何をいう事をなく、冬樹を疎ましそうに見ていた。静雄達は冬樹を本当に心配してくれていた。

 

(…………そういえば、どうして育ての親(あいつら)は中学卒業まで俺を育てたんだろうか………嫌ならそう言ってさっさと父さんに……いや、そもそもどうして父さんは俺をあいつらに預けたんだ?)

 

「……冬樹、どうした?」

 

「なんでもないです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《チッ………「幸せだ~」みてぇな(ツラ)しやがって。

まあ、良いか………だから落とした時の痛さはハンパじゃ無いんだからな。

いつ落としてやろうか………。》

 

《今はやめておいた方がいいかもしれないわよ。》

 

《はあ?テメエだれだよ。》

 

《ふふっ、貴方とは同族よ。》

 

《……………おかしいだろ、それ。俺と同じ同族は同じ世界に二人はいらないハズだぞ。》

 

《冷や汗が凄いわよ。》

 

《冷や汗くらいかく。だって、同じ世界に二人いたらそいつらは殺しあわなきゃいけないからな。冬樹(コレ)には人を殺せない。》

 

《早く乗っ取ればいいじゃないの。私と同じようにね。》

 

《悪いけど、それじゃつまらない》

 

《つまらない?》

 

《そうさ、冬樹(コレ)は一番苦しんで死んでもらうんだ!きっと楽しいだろうなあ……冬樹《コレ》が壊れる様って奴ぁよお………。》

 

《悪趣味ね。

それより貴方、この子に万が一同情とか甘えとか協力とかしちゃダメよ。》

 

《わかってるっつーの。俺はそんなヘマはしないさ。

冬樹(コレ)の事だってただの俺の呪いの対象としてしか見てなんかねえんだよ。》

 

《そう、なら良いの。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《…………………………冬樹。》




何だろうな、グダグダ過ぎる。
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