Language of love   作:千α

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夏休みが終わってしまう!


第三十二話 Так же есть мечта

「なんか、中途半端に帰らせてもらってすみません。」

 

「いや、良いよ。看病ありがとな。」

 

「それでは、また明日来ますね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冬樹、本当に良いのかしら?」

 

「何がですか?」

 

「あの子よ。お義父様に報告しなくて良いの?」

 

「茜さんは……静雄さん達となら安心ですよ。あと、お義父様って言わないでください。」

 

 

 

 

冬樹と春媛は帰路を急いで歩いていた。

 

「そういえば、最近平和ね。この前ダラーズと喧嘩した子だって、かすり傷だったし。

まさか、このまま平和な世界が待って居るのかも!そうしたら私達いっきにゴールへ行けるわね!ふふっ、楽しみだわ、新婚旅行はどこがいい?私、冬樹となら何処へだって行けるわ!」

 

「新婚旅行は行きたくないですけど旅行は行きたいですね。出来れば国内の………大阪とか兵庫とか。」

 

「なら、兵庫がいいわ!神戸に行ってみたかったの!」

 

「俺は姫路がいいです。姫路城の工事が始まる前に行っておきたいんで。」

 

「そうね。そういえば冬樹は歴史が好きだったわよね。」

 

「大阪城も捨てがたい……。」

 

「どっちも行きましょうよ!京都にも行きましょうよ。私、舞妓さんの衣装レンタルしてみたかったの!冬樹に見せたいわー。ねぇ、似合うと思う?あ、それなら……奈良も行かなくちゃ!他にもいろんなところに……。」

 

「…………行くなら一人でどうぞ。」

 

 

冬樹と春媛は人通りの無い道を歩いていた。

街頭の真下を通り、二人の影は短くなる。

 

「冬樹…………。」

 

「なんですか?」

 

「冬樹はどうしたら私に振り向いてくれるの?いっそ、冬樹を閉じ込めなきゃいけないのかしら?」

 

「多分、俺が振り向く事はないと思いますよ。」

 

「冬樹………。」

 

春媛は少しさみしそうな顔をした。

 

(ああ、やっぱり閉じ込めなくちゃいけないのよ。そうよ、三年前からそうしておけば冬樹は私の物になっていたハズなのに、どうしてこうなっちゃうのかしら。大丈夫、大丈夫よ冬樹。冬樹は一生私と一緒よ、冬樹が死んでもついて行くわ。私が先に死んじゃったら私が冬樹のそばにいてあげるのよ。可愛い冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために冬樹のために。)

 

「だめ!そんなの絶対にダメよ!冬樹を閉じ込めるなんて可哀想!」

 

「………先輩?」

 

「な、なんでもないわ!」

 

いきなり叫んだ春媛をまるで不審者を見るかのような目で見る冬樹。

 

「飲み物買って来ますね。そこで待っててください。」

 

「解ったわ。」

 

春媛は先ほど通りかかった公園で冬樹を待つ事にした。

冬樹のすがたが見えなくなった。

 

 

──────────…

 

 

「んー………どうしよう。」

 

冬樹は悩んでいた。

 

「んー………『マンゴーと納豆入りおしるこ』か、それとも『柏餅とカボチャ入りホワイトソーダ』か…………悩むな。」

 

「どうしてそこで悩むの?」

 

「………えーっと?あー…あんたこのまえの。」

 

そんな冬樹の前に現れたのは『リッパーナイト』が終わったあの日に自動販売機の使い方を教えた女性だった。

 

「こんばんわ。」

 

「どーも………。」

 

女性は白い髪を揺らしながら冬樹に近づく。

 

「また会えるなんて嬉しいわ。」

 

「そうですか?」

 

「ええ、同じ髪の毛の色をしてるし。なんだか、親近感が湧いてくるのよね。私ってまだ24なのに白髪だってよく馬鹿にされるの。」

 

「あー…なんとなく気持ちがわかります。」

 

「若白髪の気持ちはみんな一緒よね。でも、貴方は綺麗な色をしてるわ……白って言うより銀ね。」

 

「そうですか?」

 

「私からすればね。」

 

女性は冬樹の髪を触る。

そして冬樹と目が合うたびにニコリと微笑んだ。

 

「ああ、私ったらダメね……貴方を殺さないといけないのに………貴方に恋に落ちちゃいそうよ。」

 

「あー…俺、恋愛とかそう言うの……………あんた、今なんて言った?」

"殺す"という単語に反応した冬樹は女性をキッと睨む。

 

「そう睨まないで。大丈夫よ………殺すと言っても方法は様々なのよ。本当は死んでもらおうと思ったけど。例えば、精神を殺して私の物にしちゃえば…………。」

 

そう言って女性が冬樹の頬に手を添え顔を近づけようとした時…。

 

「!?………カッターナイフ?」

 

女性に向かって勢いよくカッターナイフが飛んで来る。

女性は俊敏な動きでそのカッターナイフを避けた。

 

「あ、先輩。」

 

もちろんこのカッターナイフを投げた人物は一人しかいない。

春媛が息を切らして女性を睨む。

 

「あんた………なんなのよ!冬樹の何!?離れなさいよ、冬樹から離れなさいよ!!」

 

「くすっ……彼女は冬樹のボディーガードか何かなの?」

 

「あんな面倒なボディーガード雇いませんよ。」

 

「冬樹を呼び捨てにしないでくれる!?」

 

春媛は女性をさらに睨みつける。冬樹はそんな光景を見ながら「んー…やっぱり『柏餅とカボチャ入りホワイトソーダ』にしようかな?」と考えていた。

 

「くすっ……なんだか昼ドラみたいね。」

 

「なんで自動販売機を知らなくて昼ドラ知ってんだよ。」

 

「昼ドラが好きなの。」

 

女性は薄く笑う。

春媛はそんな二人を見ながら歯ぎしりする。待ち針を投げようと思えばいつでも投げる事が可能だが、冬樹と女性の距離は狭い、下手をすれば冬樹にあたってしまうかもしれない距離だ。

つまり、それほど二人は近い。春媛はまた歯ぎしりをする。

 

「貴女が来てしまったから、今日は諦めるわ。」

 

「一生諦めてなさいよ!」

 

「とりあえず近いんで離れてくれませんか?」

 

「ええ。でも、私は貴方を殺すまで諦めないわ。」

 

そう言うと女性は冬樹に顔を近づけ、唇を重ねる。

すると、女性は何処かへ行ってしまった。

冬樹と春媛はポカンとしてしばらく動けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!あいつを殺してやる!冬樹の、冬樹にあんな事を………っ!冬樹の命令でも殺すのをやめないからな!覚えておけよ!!」

 

「………………キスって始めてされたかも。」

 

「そんな事ないわよ!冬樹が寝ている間、私は冬樹の始めてを奪ったから!問題ないわ!」

 

「いや、問題あり過ぎですよ。何人の寝込みを襲ってんだよ。」

 

「冬樹が可愛い過ぎてつい!」

 

「あと、爪噛むのやめてください。血が出てますよ。」

 

「なら、藁人形で我慢するわ!」

 

「いや、それもやめてください。」




春媛にライバルが現れた!年上だ!昼ドラだ!
冬樹はキスの事を何とも思っていないぞ!

冬樹は変な人に好かれるタイプです。
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